あれからもう一年も経つ。
俺もいよいよ旅立ちの準備をしだした、と言っても欲しいものを親父に言って用意してもらうだけだが。
レイリーはまだ帰ってこない。
そう、俺達は月に一度くらいのペースでシャッキーの所へ行っているが、レイリーは未だ帰ってこない。
その間に、シャッキーとはだいぶ仲良くなった。
ハチにももう一度会って色々と話した。
タコ焼き屋になりたいと夢を俺に語っていた。
熱く語るハチの隣で材料には困らないな、とか共食いじゃか?とか思っていた。
でも将来海賊になるんだよな、何かあったんだろうか?
そんなこんなのある日、いきなりシャッキーが
「このままただレイリーを待つより海軍に行って基礎でも学んできた方がいいんじゃない?」
と提案してきた、正直このまま待っていてもらちが明かないのでそうする事にした。
という訳で只今海軍本部のセンゴク元帥の部屋です。
第八話
「少々お待ち下さい、間もなくセンゴク元帥が参られます。」
そう言って大佐の人が下がっていった。
只今部屋にいるのは俺とヤギだけです。
今日はハンコック達はお留守番です。
誰もいないのをいいことに俺は部屋を歩きまわり物色していると……
ガタン!!
うっかりと机の上のインク瓶を倒し書類をダメにしてしまった。
しかし俺は慌てません、なぜならこの部屋にはヤギがいるからです。
俺は落ち着いてインクまみれの書類を処分しました。
一応反省した俺は大人しく待ちます。
しばらく待っていると一人の男が入ってきた。
「どうもお待たせしました、シュバルツ聖。」
「いえ、突然お邪魔しまして申し訳ありません。」
やっぱり元帥でも敬語なんだな、とか思いながら普通に返事をすると
「!!!…………」
なんかメチャクチャ驚いた顔をした元帥さんがいた。
「どうかしましたか?」
「あ…いえ、その……申し訳ない、少々驚きまして。」
「ああ、もしかしてこの話し方ですか?」
「ええ、まあ」
「あまりお気になさらないで下さい、変ってるとよく言われますし、そちらの方が目上ですから私に対して敬語を使う必要はありませんよ。」
「そうですか……しかし一応他の世界貴族の方々への示しもつきませんし、それより本日はどのようなご用件で?」
「ええ実は、強くなりたいんですよ私、ですから稽古をつけてくれる方を探していまして、誰か海軍の方で私の師匠になっていただける方がいらっしゃらないかと思いまして。」
「強く……ですか?ですが何故強くなる必要が?護衛もおられるでしょうし、もし何かあれば大将も出ます。」
「大将が出るのは何かあった後でしょ?抑止力にはなりますが、時にはそれが効かない場合もあります。」
「ですがご自身が強くなる必要はないでしょう?」
ああだこうだと一向に進まない討論を続けているといきなり後ろから声がかけられた。
「それなら~…実際に訓練の様子を見てもらったらどうかねぇ~?」
この喋り方はもしや!!?
side黄猿(ボルサリーノ)
天竜人が来たと聞いて一応挨拶しようと思ったら何やら面白い話をしてなさる。
「それなら、実際に訓練の様子を見てもらったらどうかねぇ~?」
「黄猿!!」
「黄猿?……もしかして大将の?」
「こりゃあ~ご存じとは~……驚いたねぇ~あっしはついこの間大将になったばかりなのにねぇ~~」
「ええ、武勇伝は聞き及んでいます。はじめまして、私はシュバルツと申します。」
「こりゃ~どうもご丁寧に……あっしはボルサリーノ…まぁ、黄猿とでも呼んでくだせぇ、しっかし天竜人と話すのは初めてだが……聞いてた話とだいぶ違うねぇ~」
「私は変り者なので、他の方達はたぶん聞いている通りだと思いますよ。」
「それよりも……なんでも強くなりたいとか…どうですかねぇ…兵士達の訓練でも見て行きなさらんか?何なら本部の中を案内しますよ~」
「ええ、是非お願いします。」
「それじゃあ黄猿、頼んだぞ。」
「わかりました、ではこっちへ……」
そして案内のために部屋を出るとき
「あと言い忘れていましたが、先ほどセンゴクさんを待っている時にそこのヤギさんが机の上の書類を食べてましたよ。お止する事が出来ずに申し訳ありません。」
と言って頭を下げなさった。
「いいえ、シュバルツ聖に責任はありませんどうぞお気になさらず。」
こりゃあ、思っていたより良い子の様だ……仲良くなれそうだねぇ~
そんなこんなで…訓練場へ向かっていると~何を思ったのか急に歌いだされた。
「ああ~あああああ~あ、ああ~あああああ~」
何やらわからんが……いい感じの曲だねぇ~~
sideシュバルツ
黄猿(邦○さん)が現れ一緒に訓練場に向かっているが……だめだもう我慢できない!!
我慢の限界に来た俺はついに歌い出してしまった。
「ああ~あああああ~あ、ああ~あああああ~」
「どうなされたんでぇ…いきなり、でもいい曲だねぇ~……あっしもご一緒しても……いいかねぇ~?」
「もちろん。では……」
「「ああ~あああああ~あ、ああ~あああああ~、むむーむむむむーむむ、むむーむーむーむーむーむーむー」」
そして俺達は二人でハモり……
歌い終わる頃には10年来の親友のようになっていた。
「ところで、黄猿って悪魔の実の能力者なんだよね?」
「おーー…よくしってるねぇ~…あっしは”ピカピカの実”を食べた光人間でねぇ~」
「凄いね!!俺能力者って初めて見たよ!!」
「そうかい…探せばちょくちょくいるよぉ~」
「うん、家にも何個かあるけど食べた人を見るのは初めてなんだ。」
「そりゃ~すごいねぇ~……普通家に何個もあるもんじゃないからねぇ~……どんな実かわかるかい?」
「うん、悪魔の実の図鑑で調べたら、”ネコネコの実”、”オリオリの実”後はわからないのが4つ。」
「おーー、6個もあるのか……すごいねぇ~」
そう、今家の宝物庫には6個の悪魔の実がある、最初は4つだけだったが、この一年で新たに2つ集める事に成功した。
同時に悪魔の実の図鑑も手に入れて調べたら2つの能力がわかったという事だ。
逆にわからない4つは図鑑の製作者も知らない実という事になるな。
少なくとも2つの内1つは行き先が決まってもう手元に無いが……
そんなことを話しながら俺達は寄り道をしつつ訓練場に向かった……
あとがき
レイリーに弟子入りすると思ってた人たちには申し訳ないがもうしばらく待ってください。
さて……これからどうなる事やら、みなさんのお気に召すかはわからないが頑張って書くのでよろしく。