シャボンディパークは見た目以上に楽しい、この世界の科学力を考えると出来すぎだろう。
しかし予想以上にハンコック達が楽しんでくれている。
ふふふ、まだまだ子供だな。(ハンコック達→12歳、シュバルツ→5歳)
第六話
ホラーハウスから出てきてもうあらかた回ったな最後に残ったメリーゴーランドに乗ることになったが……見た目が五歳でも中身はそこそこの年だ。
ちょっと恥ずかしくなり見ているから三人で乗って来るようにと言って俺は柵の外でまっていることにした。
「シュバルツ!!」
回ってきた三人が俺を呼び手を振っている。
俺も三人に向かい手を振り返す、そしてある事に気が付き俺の表情は固まった。
そう、そのある事とはハンコック達の乗る牛や豚などの作り物の後ろの馬の作り物に紫のサングラスをかけた髭面のおっさんが大はしゃぎで乗り回っていたのである。
たしかにシュールだが問題はそこじゃない、この男さっき観覧車から見た男である。
そしてその時の疑問が解決した。
この男レイリーである。
遠目から見た時は、まだ若く黒髪のせいでわからなかったが近くで見るとあの特徴的な髭や右目の傷でわかった。
しかしあの冥王、海賊王の右腕と言われるシルバーズ・レイリーがメリーゴーランドに乗って大はしゃぎしながらクルクル回っていくなんて……いやシャボンディパークが好きなのは知ってたが、イメージが一瞬で吹き飛んだぞ。
「どおしたシュバルツ、唖然として?」
「何かあったの?」
「呆けているわね。」
ポカンとしている俺の所へ遊び終わったハンコック達が戻ってきて様子のおかしい俺に気が付き心配したのか声をかけてきた。
「いや……チョット…」
未だ混乱している俺の頭では上手く返事を返せなかった。
てかレイリー何でまだ回ってんだよ!二回目か?そんなに好きなのか?
(落ち着け俺、落ち着くんだ)
何とか冷静になり心の中にとめどなく溢れてくるレイリーへのツッコミを抑え込む。
ポジティブになれ俺これは弟子入りのチャンスじゃないか?
しかもおそらく作中最上級の人物への。
しかしどうやって交渉するか……
「おいシュバルツ!」
またしても反応しなくなった俺を心配してハンコックが慌てた様子で呼びかけてきた。
「ん?…なに、どうしたの?」
「どうした?じゃない」
「貴方の様子がおかしいから心配して声をかけたんでしょ。」
マリーゴールドが呆れたように補足してくれた。
どうやら俺は相当に考え込んでいたようだ。
思い切って俺はハンコック達に話してみた。
「ねえ、あそこの人、どう思う?」
三人は俺の指さす方向を見て
「とても楽しんでいるようだな。」
「ええ、いい年した大人なのにね。」
「大はしゃぎみたいね。」
と口々に的外れなお言葉を下さった……いや実際そうなんだけどね、三回目行ってるし。
「そうじゃなくて、何処かで見たことない?」
「いや、知らんな、私達は男自体此処に来るまで見た事もなかったからな。」
「私も知らないわ。」
「私も…もしかして観覧車で見たのってあの人?」
「うん、あの人海賊だよ、前に手配書を見たことがあったんだ。」
これは嘘である、手配書など見た事ないがあれ程の大物が手配されてないなどあり得ないだろう。
「そう…でもそれがどうしたの?賞金首がいるなんて此処では珍しくもないでしょう?」
「そうだけど…あの人確か凄い賞金首なんだ、だからあの人に弟子入りしようかと思って…」
「なんだ、私達では不満だというのか?」
しまった、ハンコック達の機嫌が悪くなってきたので慌ててフォローに入る。
「いや、そんな事はないよ、でもあの人に教えてもらほうが都合がいい事があるんだ、ほら男同士だし。」
「男同士?男同士だと都合がいいのか?」
「そうなんだよ。」
これも嘘だ、てか男同士の方が都合がいいってなんだよ、俺はそっち系じゃないぞ!!断じてな!
ただハンコック達は男というものについてよく知らないから俺は困った時の言い訳として、
「男は~」
とか
「男ってのは~」
とよく知らないのをいいことに言い訳に使っている。
あれ?よく考えればハンコック達の中で間違った男の知識が出来ていってないか?
まあ別にいいか、本編でも女々島でルフィが無茶苦茶な知識植えつけていったし。
それよりも弟子入りの件だ、
「そういう訳で俺、あの人に弟子入りしたいんだ。」
「そうか、わかった、でもどうするんだ?」
「とりあえず後をつけようと思う。」
「後をつけるって、そんなに強い人ならすぐに気づかれるんじゃないの?」
「別にばれてても困らないよ、どちらにしても後で接触するつもりなんだし。」
すでに俺達はメリーゴーランドから観覧車に移ったレイリーの後をつけている、すでにばればれだろう。
こうなりゃもう腹をくくっていくしかねぇだろ。
それからパーク内を尾行する事約二時間、レイリーは俺達に尾行されてる事を気にも留めずにパークで遊びまくっていた。
様々なアトラクションを最低二回ずつ乗り、周りの誰よりも大はしゃぎしていた。
特に観覧車で降りず、当たり前のように二週目に突入した時の係の人の慌てようは凄かった、降りた後説教されてたし。
「人違いか……?」
思わずそのシュールな光景に俺の口からそんな疑問がもれた。
そんなこんなでパークを後にした俺達は現在レイリーを尾行している。
このまま帰るのかと思ったが13番MGとは別の方向に向かっている。
レイリーが角を曲がり俺達もその後を追ったがレイリーは忽然と姿を消していた。
慌てて辺りを見回したが影も形もなく結局その日俺達はレイリーを見つけることは出来なかった……
(やっぱり間違いない、冥王だ!!)
逃げられはしたものの新たな希望を見つけ出した俺はこれからの動きを考えるために家に帰る事にした。
あれから数ヶ月、ハンコック達が家に来てもう一年が経つ、あれから4人で何度かシャボンディ諸島に行きレイリーを探したが結局一度も見つからなかった。
いきなり家に突撃してぼったくられたらたまらないし、何故知っていたのか聞かれても困る。
「あら?……何してるのかしら、あの子供達?」
サンダーソニアが何かに気がついた。
俺もそちらに目を向けると。
複数の子供達が誰かを……虐めてる!?
「ニュ~…止めてくれー!!」
あれ?この喋り方はまさか?
次回、助けたタコに連れられてぼったくりバーへ!!?
あとがき
悪魔の実アンケート
主人公にはどの実がいい?
1.天竜人だけにドラドラの実
2.作者お気に入りのオニオニの実
3.自然系 例 カゼカゼの実
4.その他、超人系・動物系
どうぞご協力をお願いします。