どうも皆さん主人公です。
前回逃げたは良いが、当然そんな長距離を飛べるはずもなく、森に墜落しました。
俺はこの数年間修行は欠かさずにして来たが、サバイバル系の訓練は全くと言っていいほどしていなかった事に今気がついた。
勿論そんな都会っ子の俺が森の中で生きていけるはずもなく、大人しく頭を下げて城に戻りました。
第三十四話
ハンコックの部屋にサンダーソニアとマリーゴールドに連れられて来た。
もうそれはがっちりと、その身長差からまるで捕まったエイリアンのように連れられて来た。
そのさいに2人から
「何したの?」
そう聞いてくるサンダーソニア。
「いやそれがさっぱりで。」
「じゃあ何で逃げたの?」
「覚醒した顔で追いかけられてつい…。」
「もう…本当に貴方って。」
珍しくお怒りのサンダーソニアに
「とにかく謝って仲直りしてきなさいよ。」
と言われた。
「それと何?あの変な逃げ方。」
あの有名なシーンを頑張って再現した俺に呆れた目を向けてくるマリーゴールドに俺は
「あれ凄くない?」
そう聞いてみた。
「凄い事は凄いけど…はぁ、もういいわ。」
諦めた感じのマリーゴールドを尻目に、サンダーソニアは怒りからか呆れからか珍しくノックなしで部屋のドアを開けてしまった。
そして中に居たのは……自分の蛇を槍のように構えて投げる練習をしているハンコックだった。
「「「「…………。」」」」
4人の間に沈黙が降りた。
状況が理解出来てしまい気不味いサンダーソニアとマリーゴールド。
見つかって恥ずかしいのか真っ赤になるハンコック。
昔の練習を思い出す俺。
「これは…その……違うのじゃ!!」
そう言って持ってた蛇を俺に向かって全力で投げて来た。
そしてその槍の様な蛇は俺の顔をかすめて壁に突き刺さった。
「おい!死ぬわ!!」
俺の抗議と騒ぐハンコック、巻き込まれた2人。
こんな感じでぐだぐだして結局誤解は解けてよかったが酷く疲れた日だった。
数日後俺達は旅に出た。
この何日で準備を整え、今は九蛇の船にカームベルトを抜けている。
マーガレットは初めての航海に浮かれているようだ。
この数日間は特に目立った事件もなくいたって平和だった。
ただひとつ言う事があるとすれば、俺のやった移動方が女ヶ島中で流行った事だ。
それはもう大人から子供まで。
そのうち九蛇戦闘方で敵に向けて自分の蛇を投げ、その上に乗って突っ込むと言う特攻技が出来るのではないだろうか。
まあそんな未来を予感しつつ船は進んだ。
カームベルトを出た所で俺達は別れ、別々の進路を辿る。
どうも聞く所によるとこのまま九蛇海賊団はキューカ島に行くらしい。
そんな観光名所に海賊が行く事はそれこそ普通はない、けどこれも七武海に影響で捕まる事は無いため問題は無いらしい。
まあ周りの観光客や施設経営者からすれば迷惑極まりない事だろう。
しかし皆そんな事は意にも介さず行ってしまった。
さて3人になったはいいが…その途端に緊張の真っただ中に落とされたマーガレット。
先ほどまでのはしゃぎ様とは打って変わって息すら極力しないようにしてる。
このままではマーガレットが死んでしまうかもしれないので何とかコミュニケーションを図る事にした。
「まあ取りあえず此処で立ち往生知る訳にもいかないので船を進めようか。」
俺の言葉に反応してハンコックが聞いて来た。
「所で何処の島の向かうのじゃ?」
「取りあえずこのエターナルポースに沿って行こうと思っている。」
そう言いながら俺は一つのエターナルポースをハンコックに見せた。
「それはどんな島を指しているのじゃ?」
「俺も知らん。」
「知らんって……大丈夫なのですか?」
流石に驚いたのか恐る恐るマーガレットも話に入って来た。
「取りあえずエターナルポースには”トアル島”って書いてある。」
「それはどのような島なのじゃ?」
「だから知らん。」
「知らんって…そなた、何故その島を選んだのじゃ?」
ハンコックの問に簡潔に答えた。
「だって物凄く気にならない?トアル島って名前が。」
「そ、そんな理由ですか!?」
マーガレットは早くも後悔丸出しで聞いてくる。
「そなた、他にログポースかエターナルポースを持っておらんのか!?」
流石のハンコックも若干焦り気味だ。
「あるよ。」
そう言って俺はエターナルポースが入った箱を見せた。
「なんじゃそれなら何処か別の島に行けばいいではないか。」
速効で進路を変える事を提案してくるハンコックと、首を縦に振り同意を示すマーガレット。
「どの道此処にあるエターナルポースの大半はどんな所かわからないものと、今乗せてる食料じゃたどり着くまでに死んでしまう奴しかないし同じさ。」
そう言って諦めさせた。
まあ確かに大半はそうだが、実は若干嘘を交えてあり本当はダメだった時の為に予備の食糧と、今積んである食料で辿りつける島が同じ方向にある事は確認済みだ。
まあトアル島がどんな所か知らないのは本当だが。
取りあえず2人をやり込めて進路をとトアル島に取った。
後悔開始10日目ようやく島が見えて来た。
「島です!島が見えました!!」
「うむ、エターナルポースが指す方向から見てもあれがトアル島で間違いなさそうじゃな。」
この10日で大分仲良くなった2人、やはり同じ体験をすると自然と中がよくなるな。
「もう本当に死ぬかと思いました。」
「そうじゃな、今晩で食料が尽きる所じゃった。」
まあ確かに何時つくかわからない島、減っていく食料、一種の恐怖体験だろう。
そんな2人に明るいニュースを教えてやろうと俺は予備の食糧の存在を明かした所。
「「早く言え!!」」
盛大に怒鳴られた。
「何でもっと早く言ってくれなかったんですか!!?」
「いやだって……こんなこともあろうかと!ってやりたかったんだ。」
「そうですか…もういいです。」
ここ最近で俺の性格を大分理解したのかマーガレットは諦めたように言って来た。
「大体乗せれるだけ食料乗せればこの船でも100日分は乗せれるし、それを3人食べても30日は余裕で行けるさ。」
「そうは言っても、何故予備の方が多いんじゃ?」
「その方がスリルあると思って。」
「わらわ達だけな。」
うわ…何時になく冷たい。
「御免なさい、もうしませんから許して下さい。」
「本当にもうしないで下さいよ。」
「これきりじゃぞ。」
素直に頭を下げ、何とか2人に許してもらった。
「さて…どんな島か早速見に行こう。」
そう言った俺にハンコックは断って来た。
何でも疲れたから少し寝るそうだ。
仕方なく俺とマーガレットの2人で街まで行く事になった。
「普通の村だな…。」
「普通ですね…。」
初めて他の島に来たマーガレットにも普通と言わせるほどこの島は普通だった。
島としての規模は小さく、村が幾つかある位で、海賊に襲われたら一発で壊滅しそうな島だった。
村を歩いていると俺達に幾つもの視線が向けられて来た。
最初は見慣れない者が歩いているので注目されたのかと思ったが、よくよく観察してみると俺ではなく主にマーガレットに視線が向けられている。
しかも主に男からだ。
マーガレットは可愛いしそのせいかとも思ったが、よくよく考えてみるとマーガレットの着ているのはアマゾン・リリーで着ているものと同じもので肌の露出が多いから注目されている事に気がついた。
俺は慌ててマーガレットの手を引き急いで近くの服屋に駆け込んだ。
女性の丁度女の店主だった事もあり、彼女にマーガレットを預け後で向かえに来る、と言い残し俺は服屋を後にした。
そしてまた一人で歩いていると今度は村の名物を売っている店があったのでハンコック達にも買って行こうとよる事にした。
トアル饅頭って…そのまんまだな。
「すいません、これ3つ下さい。」
「はい、毎度あり300ベリーです。」
俺は500ベリーを払いながら若干気落ちしていた。
この島には俺の冒険心をくすぐる物が何も無いからだ、饅頭を受け取りながら早くも次の島に思いをはせる俺に衝撃の言葉が投げかけられた。
そうそれは何気ない言葉。
「じゃあお釣り、200ベリーぬらべっちゃ。」
なん…だと…。
今このおばちゃん、ぬらべっちゃって言わなかったか?
俺の頭の中でぬらべっちゃがエコーしている。
そしてそのエコーと共に在る男の顔がぬら~と思い浮かんで来た。
まさか…奴がこの島に居る!!?
そう思った途端に俺の中の冒険心(悪戯心)が騒ぎ出した。
あとがき
えっと…特に書くことはない。
ではまた次回の感想で。