どうも皆さんお久しぶり!!
この高いテンションの訳を聞いてくれこれはこの五年に渡る俺の二度目の人生で一番の朗報だぜ!!!
なんと俺とチャルロスは双子なのに欠片も似ていないし鼻水も垂れてこない!!
これほど嬉しい事があっただろうか、あまりにも嬉しくていつもはとらないような奇行な行いをしてしまい周りから心配されたりもしたが今の俺はそんな事なんて気にしないぜ!!
テンション高すぎて思わずこんなセリフが出ちまうぜ、
「私が天に立つ。」
何てな、ハハハ……ごめん自重するorz
第三話
ここ最近体を自由に動かせるようになってから自分なりに体を鍛え出した。
しかし俺はどう鍛えたらいいかわからずにとりあえず前世で読んだ漫画の内容で出来そうな物を選んでやってみる。
同じ漫画の世界だからイケるんじゃないかな?と思いながらやってみると
(意外とイケる!!)
意外なことに中々に出来栄えでした、基礎的な修行自体はね…このまま主人公のように超人的な戦闘力を得る事が出来るかどうかは判らない、ホントの事を言うと走りこみや筋トレなどの現実でできるような事しかしてません。
なにせ体がまだ小さいのと一人でコソコソとやっていることでまだ漫画見たいに火の上で腹筋と背筋を繰り返すとか、手で歩くとか無理です。
何よりやっぱり指導者がいないのが決定的だ、そこら辺はやはり親父に頼むしかないな。
俺は親父とはとりあえず当たり障りのない関係を築いている、チャルロスはもうこれでもかという程の我ががままを始めているが、もう本当にちょっとでも欲しいと思ったものはすぐに手に入れるしそのくせ扱いがかなりおざなりだ相変わらず付き人や召使いを困らせている。
前に一度俺の世話係の一人を欲しがって騒ぎを起こした事があった。
その時に俺に叩かれて以来チャルロスは俺を苦手としているので俺がいる前ではおとなしくしているようだ、そのせいか心なしかチャルロスの扱いに困った人たちが俺の世話係につきたがっているらしい。
ああ、それともう一つ一年前に妹が生まれた、言うまでもなくシャルリアの事が…こちらは俺に懐いているのか?
まあ、チャルロスよりはましだと言っておこう。
そんなこんなで過ごしているある日、
「シュバルツ、チャルロス、二人とも今日はでかけるえ、朝食を食べたら出かける準備をしなさい。」
「お父上様何処に行くんだえ?」
俺も同じ疑問を持ったがチャルロスが先に聞いたので黙って答えを待つことにした。
「今日はシャボンディ諸島のヒューマンショップでオークションが開催する、そこに買い物に行くえ。」
「ホントかえ!?お父上様、あちしそこへ行くの初めてだえ!!」
「奴隷のオークションですか?父上」
興奮するチャルロスと疑問をぶつける俺、確かに自分で見ていても対照的な双子だと思うが…もし俺が前世の記憶を持たないで普通の生まれ方をしていたら目の前のチャルロスの様にはしゃいでいたのかもしれない。
そう思うとゾッとするが、現にこの家にもすでに奴隷がいてそれに対して何も出来てない時点で奴隷達からすればそんなに違いはないのだろうと思う。
「二人とも欲しいのがいたら好きなのを買うとええ。」
「父上は何か欲しい奴隷でもおられるのですか?」
「ああ、なんでも珍しい事に億越えの船長が競りに出されるらしい、私の船長コレクションに加えることにした。」
(コレクションね……)
今まで散々悪事を行ってきている訳だし仕方がないのか?
考えるのはよそう、それに何年か耐えれたらあの事件で助かるかもしれないし。
そして出掛ける準備としてシャボン玉で出来たマスクを被り奴隷が掲げる神輿のような台に乗せられ俺たちは聖地・マリージョアを後にしシャボンディ諸島へと向かった。
(此処が原作に出ていたあのシャボンディ諸島…)
地面からシャボン玉が浮き上がり大きな番号の書かれたヤルキマン・マングローブが生えるこの諸島をまさか歩く日が来るとは……あっ!私歩いてないんですけどね、担ぎあげられているだけに、ヨホホh(ゴメン、自重する)。
どうやら俺達は今60番代から70番代を通り5番MGにあるヒューマンショップに向かっている様だ。
それにしても……
(本当に誰も動かねえな。)
俺達が通る間は水を打ったような静けさと微動だにしない人々……怖いくらいに静かだ。
そんな中、音を立てるのは俺達だけ、いつもうるさいチャルロスがさらにうるさく感じる。
そんな感想を持ちつつ代り映えのしない光景が続いているとどうやら目的地に着いたようだ。
ヘコヘコしながら案内する店長に案内されVIP席について間もなくオークションが始まった。
(腐ってやがる…)
どこぞの反逆者じゃあないが此処にいる奴らを見ているとそう思えてしかたがない。
まあ、俺も善人のつもりはないが此処にいる奴らは天竜人予備軍みたいなもんだ、奴隷をもはや人と認識していないのだと思う。
特にさっきから意気揚々と一番積極的に参加している奴、お前だよ愚弟。
「300万ベリーだで!」
もう競り落とすのが楽しくて仕方がないようだ、明らかに不必要な数を競り落としている。
というか意味わかってないだろ、周りの真似をしてるだけだ。
使った金額も既に5000万近くなっている明らかに適当な値段配分だ。
「チャルロスいい加減に無駄遣いはやめんかえ、そんなにいらんだろ。」
「お父上様わかったえ、次で最後にするえ。」
やっと親父が注意した、遅いよ、というかまだ買うのかよ、チャルロスが入札した後明らかに誰も入札しねーし、いくら欲しくても天竜人とは競いませんって感じだな。
side司会者
(やったぜ今日は大もうけだ。)
今日は天竜人の奴らが来るってんでどうなるかと思ったら、大成功じゃねーか何も分かってねえ馬鹿ガキが相場の二倍三倍でポンポン買っていきやがる。
他の客からしたらたまったもんじゃないだろうがうちとしちゃ大助かりだね。
さてもうひと儲けさせてもらいましょーか。
「さあ、皆様ご注目今朝入荷したばかりのエントリーNo.17番、あの女ヶ島の九蛇海賊団出身ハンコック・サンダーソニア・マリーゴールドの美少女奴隷三姉妹セット大特価145万ベリーからどうぞ!」
「148万!」
「150万!」
「160万!」
(よしよしいい具合に上がり出したな…さてあの馬鹿ガキはどう動くかな?)
そう思っているとすぐに答えが返ってきた。
「1000万ベリー!!」
sideシュバルツ
(なんだと!!?)
思わず声に出さなかった事を自分で褒めてやりたいくらいの驚愕に襲われた。
まさかあの未来の海賊女帝が売り出される日が今日この場所だなんて夢にも思わなかったからだ。
「むふ~ん、あれで最後にするえ、ごひゃ「1000万ベリー!!」!?」
俺は気づけば叫んでいた。
隣でチャルロスが突然叫んだ俺に唖然としていたが知ったことじゃねぇ。
side司会者
「(やったぜ!!)1000万!1000万ベリー出ました、これ以上のお客様はおられますか?」
いるわけがねぇ、こんな大金ポンと出す奴がそうそういるかよ、いたとしても世界貴族相手に競うわけがねぇ。
釣り上げてくれるとは思ったがここまでとはな、奴隷にここまで出すとは馬鹿兄弟様々だぜ!!
「えー、1000万以上の方はいらっしゃらないようなのでこの17番の美少女奴隷三姉妹は1000万ベリーで世界貴族のシュバルツ聖に落札とさせていただきます!」
そして俺は意気揚々と木槌を振り下ろした。
sideシュバルツ
コツンと司会者が手にもつ木槌を振り下ろすのを見て俺は我に返った。
(しまった!)
と後悔するが既に終わったこと、無かったことに出来るはずもなく次の競りに入った。
「兄上!あれはあちしが目を付けたんだえ!」
「チャルロス、あれはシュバルツが競り落としたからシュバルツの物だ、諦めなさい。」
チャルロスが猛然と抗議して親父がなだめるがパニックに陥っている俺の頭には全く届かなかった。
どうする?原作では奴隷として思い出すだけで叫び出すほど酷い目にあったと書いてあったが……
「シュバルツどうだえ、ここはひとつ弟に譲っては?他のもっと良い奴を買ってやるえ」
あまりにもチャルロスが煩いので親父が俺に妥協を求めてきたが
「いえ父上、あの子達でなければダメなのです。」
「どうしてもか?」
「はい、どうしてもです。」
「チャルロス、シュバルツがここまで言うのだから仕方がないだろう、諦めなさいそのかわり好きなだけ買うとええで」
落札してしまった以上せめて少しでも酷い目にあわせない事にしよう。
その為にはまずこの愚弟に近づけないように気をつけようと。
不機嫌そうに次々と落札していくチャルロスを見ながらそう俺は決心した。
あとがき
この作品はご都合主義、ご都合主義です。
大事なので二回言いました。
みなさんの期待にそえたかわかりませんが書かせてもらいました。
誤解を招かないように言っときますが「天に立つ」という発言にはなんら意味はありません、「腐ってやがる」も言ってみたかっただけです。
あと自重うんぬんにつきましては書いてる途中で思いつき書いたごめんなさいとしか言えません。