ここ数日シャンクスとの訓練…てか組み手をやっているけどもうすでに組み手じゃない。
それは師匠にも言えることだ。
ほぼ実戦に近くとりあえず大きな怪我をしないようにするだけで基礎的な特訓もなく、ずっとやり合うだけの浦原さん方式になってきた。
何時も道りにぶっ飛ばされた後、何時も道りに膝枕で目覚め何時も道りに昼飯を食べながらシャンクスと話していると
「あとどれ位かかるんだろうね、コーティング作業。」
「さあな、だが繊細な作業だからそれなりの時間がかかるだろうな、ウチの船は割と大きいからな。」
「そういえばシャンクスって新世界に行ったことあるんじゃないの?なんでまたコーティングしてんの?」
「ん、ああそれは俺が行った事あるのはオーロ・ジャクソン号で行ったんだ、そのまま16年前にローグタウンで船長が処刑されてから俺の海賊団を結成してレッド・フォース号でを旅してきたんだ、だからまだレッド・フォース号じゃ新世界には行ってないんだよ。」
「そうなんだ、やっぱり仲間が増えると増築したりするの?」
「ああ、この間もウォーターセブンって島で改築したんだぜ、そうそうウォーターセブンって言えば2年ほど前に海列車って言う海の上を走る妙な物ができたらしいぜ。」
「ああ、そう言えばそんな話を新聞で読んだな。」
「お前、新聞なんか読んでるのかよ、几帳面だな。」
「いや新聞読んでるだけで几帳面な訳ないだろ、俺ももう16だぜ。」
「そうかい俺が16の頃なんかもう海賊見習いをしていた頃だな。お前さんやっぱりウチの船に来ないか?」
「ならないって言ってるだろ。」
「ああ、わかったよ。」
第二十二話
「しかし、海軍もいい加減だよね、こんな目と鼻の先に冥王と赤髪がいるのに気付きもしないなんて。」
「なんでも丁度マリージョアで世界会議をやってるらしい、それで海兵が警備にあたってるから此処が手薄なんだろ。」
「それで…(そりゃ各国の王達を守りながら赤髪と戦うなんて御免だろうな。)」
「まあ、王達も国から護衛の兵士を連れた来てはいるだろうが、此処まで近くて海軍が動かないって訳にもいかないんだろうな。」
「そうか……(そういえばこの世界会議でワポルがビビを叩くんだっけ?まあ別に死ぬわけじゃないからいいかなとも思うし、でもそれよりもビビに会ってみたいな。)」
「どうした?急に黙りこんで。」
「あ、いや別に……ただ何と無く世界会議ってどんなのかなって考えてただけさ。」
「そんなに気になるんなら見に行けばいいじゃないか。」
「いやそんなあっさりととんでもない事言わないでよ。」
「何ビビってんだよ、警備なんて見かけ倒しで雑魚ばっかりだ。お前なら逃げる位できるだろ。」
「うーん…(そんな事言うなよなますます見に行きたくなるじゃないか。)」
「男なら細かい事は気にせずに行っちまえよ。万が一掴まっても天竜人なら大した罪にはならないさ。」
「そうかな?」
「おう、第一お前冒険家になりたいんだろ?なら自分の見たい物にリスクがあるからとか一々気にすんな。」
「(確かに一々デメリットばかり気にしてたら冒険家になんかやってられないよな)……わかった、俺見に行ってくるよ。」
「よし、それでこそ俺の見こんだ男だ、一発かましてこいや!!」
「いあ別に暴れる訳じゃないから、こっそりと見るだけ騒ぎなんか起こさないよ。」
そう言って俺はバーから出て行った。
「んー!んー!」
「おいおいあんまり騒ぐなよ。」
俺は縛られて足もとに転がる海兵に向かいそう言いながら殴りつけて気絶させた。
俺はシャボンディ諸島に残っている海兵の一人を素早く倒して海兵の着てる服を奪った所だ。
此処からなら自力で飛んでいける距離だしな。
いやいやながらもずっと住んでた土地だ、何処からなら飛んでっても見つからないか位はわかる。
そのまま会議をしている建物の近くに降り海兵になり済まして近くをうろつきビビに会うつもりだ。
別に建物の中に用は無いから細かい確認はされないだろう。
「さて行きますか。」
こうして俺は数年ぶりに聖地・マリージョアに向かった。
「さてビビは何処かな?」
上手く警備の海兵に紛れ込んだ俺はビビを探してうろついていた。
(しかし人が多いな、まあ当たり前かそれぞれの王が護衛に100人連れてきたとして170ヶ国いるとして17000人そこに海兵が2000人警備に居るとしてさらにそれぞれの王の家族や世話役、国の重鎮が……やめだやめ!数えてられるか!!…まあそのおかげでこんなにアッサリと潜り込めた訳だし良しとするか。)
そんな事を考えながら歩いているとようやく目的の人物と一緒に居るであろう人の姿を見つける事に成功した。
しかし何やら様子がおかしい、ビビの姿もない近づいて耳を澄ましてみると……
「まだ見ずが……ゴホッ!!マ~~ママ~~~~♪まだ見つからないのか!国王が戻られる前に一刻も早くビビ様を見つけ出すのだ!!」
「はっ!!」
慌てて走って行くアラバスタの兵士と思われる者、そしてこのセリフ、おそらくビビが行方不明なのだろう。
(誘拐?いやこの警備の中それは無いだろうと思うが…だがもしそうだとしたらかなりの実力者の仕業か、いずれにせよ何かあったのなら俺としても嫌だ、急いで探しだすとしよう。)
俺は再びビビを探しに動く事にした。
そして程なくしてビビを見つけた。
と言うか普通に居た……一人で退屈そうに地面に棒で絵を描いていた。
周りの大人達もまさか王女とは思っていないのだろう誰ひとりビビが一人で居る事を気にしていなかった。
取り合えず俺は接触を図ってみた。
「ねえ君迷子?良かったら俺が家族の所に連れて行ってあげようか?」
「貴方誰?それに私迷子じゃないわ。」
こちらの言葉に反応したビビが不思議そうに俺に答えてくれた。
「これは失礼、俺はシュバルツって言うんだ、見ての通り海兵さ、君みたいに一人でいる子供を親御さんの所に案内したりするのが仕事さ。」
「そう、私ビビ。でも迷子じゃないわよ。」
「じゃあ何でこんな所に一人で居るんだい?」
「パパは会議に行っちゃってイガラム達も忙しそうだったから、邪魔にならないように一人で探検しに来たの。」
「探検?(なんてアグレッシブな王女だ…たしかワポルに叩かれたり挑発されたりしても我慢して受け流すような出来た子だったハズなんだけどな。)」
「うん、何か面白い事がないか探してたの。」
「でも地面に絵を描いていたみたいだけど?」
「うん、面白い事が見つからなかったの。」
「そうか…じゃあもうそのイガラムさんの所に帰りなさい、皆心配してるよ。」
「でも、怒られる……。」
「(それがわかってて何故抜け出して来たんだ?)俺も一緒に謝ってあげるからさ。」
そう言いながら俺はビビに手を差し出した。
「うん。」
ビビは渋々といった感じだが戻る事を了承してくれた。
こうして俺達はイガラムがいた所に向かってお互いの事を話しながら歩き出した。
手を繋いで歩きながら仲良く話している所など知らない人から見れば兄妹に見えたかもしれないな……そう言えば俺にも妹が居たような…まあ別にいいか。
そんな事を考えているとビビから驚きの一言が飛び出した。
「ねえ、シュバルツ私の友達になってくれない?」
「友達?」
「うん……ダメ?」
不安そうに俺の様子を伺ってくるビビを前に断ることはできなかった。
断る気もないがな。
「もちろん、ビビさえ良ければ俺から頼みたいくらいさ。」
「ありがとう!!」
嬉しそうにお礼を言ったビビを見ながら
(一国の王女とお友達ね……あ、俺一応天竜人だった。)
等と考えながら歩いていると丁度会議が終わったのか大きな扉が開き中から豪華な服を着込んだ連中が出てきた。
どうやら会議が終わり王達が出てきたようだ。
100人を超える王達の姿を見ていると
(そりゃこれだけ居ると、ちょっとしたことで戦争になるわな。)
そう思っていると行き成りビビが大きな声をあげた。
「パパ!!」
どうやら親父がいたようだ。
俺もビビが見ている方を捜してみるとすぐに見つけられた。
俺が原作で王と言ったらこの人とワポル位しか知らないせいか、周りの王より威圧感があるように感じた。
ビビの声が聞こえたのかアラバスタの王ネフェルタリ・コブラの顔がこちらに向き嬉しそうな顔になりビビの事を見ていたが、そのビビの繋いでいる手から俺の方に視線が移ると少し驚いた顔になった後…
「おんどりゃ~~!!ウチの娘になにさらしとんじゃ~~~~!!!」
一瞬で般若みたいな顔になりこちらに駆け出して来た。
「何だいきなり!!?」
「パパ!?」
ビビまで驚いているのも無視して俺に一直線で駆けてきたその勢いで
「必殺!キングチョップ!!!」
必殺技を繰り出して来た。
「鉄塊」
俺の頭に直撃したが反射的に鉄塊を使ってガードしてしまった。
「いたたたっ!」
勝手に攻撃して、そのせいで痛めた手を押さえて転がりまわる、一国の王として威厳の欠片も無い姿を公衆の面前で披露している。
あまりにも情けないその姿に少し引きながらも俺は声をかける事にした。
「あ、あの~大丈夫ですか?」
「煩い!敵の情けなぞ要らん!!」
「いや…敵とか言われても、俺は別に何もして「こ、国王!!いっだい……ゴホッ!!マ~~ママ~~~~♪一体何があったのですか!!?」」
嫌なタイミングで駆けつけてきたイガラム達と
「こいつがウチのビビを攫おうとしておったんだ!!」
「な、なですと~~!!クソカギャお前のせいか!!!」
「え!?ちょっと違うから、話を聞けよ!!」
勘違いが勘違いを呼び俺VSアラバスタ親衛隊で大乱闘が始まった。
仕方なく応戦する俺と束になって飛びかかってくる親衛隊。
手加減して怪我をさせないように気を付けながら、80人ほどいた護衛を全滅させたがまだ一番厄介な2人が残っていた。
そう、国王とイガラムである。
「くそ!なんて強さだ!!」
「だがウチの娘に手は出させんぞ!!」
(この何やら気合入りまくりで勘違いしている2人をどうにかしないと不味いな。)
そう考えていると俺の視界に置いてきぼりを食らわされたビビが映った。
ビビもこっちを向いていたので視線があった俺はビビにアイコンタクトで助けを求めた。
それが通じたのかビビが大きな声で
「いい加減にしなさい!私の話を聞いて、でないともうパパって呼ばないからね!!」
と叫んだ。
すると国王はもう全力で落ち込んだ後
「御免なさい!!もうしないからそれだけは許して!!」
そう言いながら情けない姿で娘に縋りついた。
それから約30分間ビビによるお説教タイムが繰り広げられた。
国王と護衛隊長がそろって正座しながら10歳の女の子に説教されている姿はとてもシュールだった。
手加減していたので兵士にも大した怪我はなくすぐに起き上がって国王たちと共に正座して説教を受けていた。
一見して間抜けな図だがこんなことができること自体がある意味凄い事なんだと思う。
「すまん、私の早とちりだったようだ。」
ビビの説教を受けて誤解が解けた国王が謝ってきた。
「いえ、俺も兵士の人達を攻撃しましたし、こちらこそ申し訳ありません。」
お互い悪かったという事で手打ちになった。
本来ならそんなことで済む訳はないのだろうがこれもコブラ国王の人柄だろう。
「しかし君は凄いな、アラバスタ最強の戦士でもあそこまでは強くないだろう。」
「いえ、俺なんてまだまだですよ俺の師匠とか、いやおそらく七千万位を超える賞金首なら俺を倒せるやつも一杯いると思いますよ。」
「そうか…海は広いな。私もまだまだ学ぶことが多い。」
そんな会話をしているとビビが話しかけてきた。
「ねえ、パパ、シュバルツ遊びましょう。」
「すまないなビビ、これから他の国の王とも話さなくてはならない事があってな…でもいいかビビもう勝手に何処かに行ってはならんぞ、お前は一国の王女なのだ。この世界会議では様々な国の王族が来ている下手をすると些細なことが国を巻き込んでの争いに発展する事もある。そんな事とは絶対にあってはならないのだ、国とは人なのだからな。国を代表する王族の愚かな振る舞いで民を傷つけるなどあってはならない。ビビお前は賢い子だこの意味がわかるな?」
と今まさに目の前で愚かな行いをした人とは思えないような事を言った。
「うん。」
「いい子だ、シュバルツ君悪いがビビの面倒を見てくれないか?警備の仕事もあるだろうから無理にと言えんが。」
「いえ、構いませんよ(もともとビビに会いに来たんだから問題ないんだよね)。」
「そうかすまん、ではよろしく頼んだぞ。」
「はい、任せて下さい。」
そう言ってコブラ国王は行ってしまい、残された俺とビビは護衛のイガラム達が見守る中で遊んだ。
そして追いかけっこ等の子供のころから絶対にやらなかったような遊びで遊んでいると楽しそうにするビビにつられて年甲斐もなくはしゃいでしまった。
(たまにはこんなのもいいな。)
そう思っているとついにあの男の姿が見えた。
そうワポルだ。
いかにも不機嫌そうな顔でこっちに歩いて来ている。
その不機嫌そうな視線がビビに止まり何かを思いついたように嫌やな笑みにかわった。
こっちに一直線に歩いてくるワポルに警戒している俺をビビは不思議そうに見ているがそんなビビの後ろにワポルが来ていかにもワザとらしく
「おおっと!!!手が滑ったわ!!!」
等と言いながらビンタを繰り出した。
しかしそこにはビビの姿は無くワポルの手は空を切る事となった。
「あん!?なんだ何処に消えた!!?」
辺りを見まわし、ようやく自分の後方20メートル程の所にビビがいる事に気が付いた、正確に言えば俺に抱えられたビビが、だが。
「な、なんだお前は、俺様の邪魔をしようってのか!!」
「邪魔?俺は手が滑った貴方のフォローをしただけですが。」
「グッ!う、煩い俺様は国王だ、お前ごときが偉そうな口をきくんじゃない!!おいこいつをひっ捕らえろ!王に逆らったものとして死刑にする!!」
痛い所を突かれた所と邪魔をされたことで俺に怒りが向たのだろう完全に逆切れしてきた。
(こんな事で死刑とかどんだけだよ、こんな奴の治める国なんか怖くて住めないな。)
そんな事を考えて居ると誰かが飛び出してきた、ドルトンだ。
「ワポル様!おやめ下さい!!」
ドルトンが止めようとするがワポルは聞く耳もたんっと言った感じで兵に命じて俺を拘束させた。
俺は特に逆らわずに捕まる事にした。
後で暴れるならビビ達の近くで無い方がいいと思ったからだ。
「シュバルツ!!」
「シュバルツ君!!」
ビビやイガラム達が慌てるが俺は落ち着き払って言った。
「ああ、大丈夫だ心配いらないよ俺の実力は見ただろこれ位の奴らなら特に問題ないさ。」
「でも…。」
「なにやってる、早くしろ!そのカバ野郎を船まで連れていけ!」
ワポルがせかして来たので俺は連れて行かれた。
「シュバルツ!!」
まだ心配そうにしているビビだったがイガラムに止められてこちらに来る事は出来なかった。
その際にイガラムが目で大丈夫かと問いかけてきたので俺は頷いておいた。
そして船の牢屋に入れられそのまま出港し、船はすぐに港を出たので俺にはますます好都合になった。
俺は獣人型になり縄を無理やり破って檻も嵐脚で破りあっさりと抜け出した。
暴れようと思い、扉を開けようとした所で外側から扉が開いた。
「な!?どうやって檻からでたんだ?」
開けたのはドルトンだった。
身構えた俺に向かい慌てた様子で弁解してきた。
「待ってくれ、私は戦いに来たんじゃない。今回の事誠にすまないと思うこの通りだ。」
そう言って頭を下げてきた。
多少ドルトンを知っているだけあり俺は構えを解くことにした。
「それで、何しに来たんだ?」
「君を逃がしに来た。」
「俺を…本気か?」
「今回の事完全にこちらが悪い、家臣として誠に申し訳なく思っている。しかしそう思っていながら私にはどうする事も出来なかった。本当にすまない。」
「ああ、別にそれはいいよ、正直言ってこの程度の船なら逃げ出すのは訳ない。」
「そうか、ならこのまま逃げてくれた構わない。小舟なら用意できる。」
「その辺は大丈夫だ自力で何とかできる、それよりもそんなことしたらあんたも怒られるだろう?」
「それは構わない、せめてもの罪滅ぼしだ、もともと今回は私の独断で逃がしに来たどんな罰も覚悟の上だ。」
「そうかい、なら一発位いいよな?」
「ああ、それは構わないが。」
「じゃあ遠慮なく。」
そう言って俺はドルトンの腹に一発食らわせて気絶させた。
これで俺が抜け出して暴れた事になるだろう。
「さーて、行きますか。」
そう言って俺は騒がないようにこっそりと抜け出しワポルを捜した。
程なくしてワポルを見つけた。
ワポルは船の自室と思われる部屋で爆睡していた。
俺はもう起こすのも面倒なのでそのまま馬鹿面さらして寝ているワポルを獣人形態でボコボコにした。
「ガー…ガー…ポガバッ!!グフォ!ギャ!な、なんだ!いたたた!!ガッ!ブゴボガボゲ~~!!!………。」
途中で起きたようだが反撃する暇もなくまた夢の世界に旅立ったようだ。
すっきりした俺はボロボロになったワポルをほったらかして外に出て竜になり飛び立った。
出港したばっかりだったこともありマリージョアまですぐに着いた。
ビビと別れた所まで行くとまだそこにはビビ達がいた。
「おーい、ビビ。」
俺が呼ぶとビビは俺に気づいて泣きそうな顔で走ってきた。
「シュバルツ!大丈夫だった?」
「ああ、見ての通りピンピンしてるぞ。」
「よかった……私もう会えないかと思って…ひぐっ……えぐっ……。」
ビビは堪えていたようだが泣き出してしまった。
仕方がないので暫くの間頭をなでておいた。
ようやく泣きやんだところで今まで見守っていたコブラ国王が話しかけたきた。
「無事でよかった、ワポルの奴は会議の時の事を根に持っていたんだろう、巻き込んですまなかったなシュバルツ君、そしてビビを助けてくれて有難う。」
「いえ、別に大した事なく抜け出せましたので気にしないで下さい。」
「しかし、もしかしたらこの後海軍本部に抗議が来て問題になるかもしれない、その時は言ってくれ出来る限り力になろう。」
「ああ、その事なんですが……実は俺は海軍じゃないんですよ。」
コブラ国王なら大丈夫だと思い、俺は冒険家で世界会議を見たいために海兵の振りをして忍び込んだんだとばらした。
コブラ国王やイガラムは驚いたようだが、あえて今回は何も聞かなかった事にしてくれた。
だが長く此処に居るのは良くないと思いそろそろ帰る事にした。
俺が帰ると聞いてまたビビが泣きそうになったが、俺は紙に子電伝虫の番号を書いて渡した。
「いつでも連絡して来てくれていいからね。困ったことがあれば力になるよ。」
「うん。」
「それじゃあ、また必ず会おう。」
「うん、バイバイ、元気でね。」
そう言って俺はマリージョアを後にした。
それから暫くの間毎日のように連絡が来るとは思わなかった。
あとがき
ビビを出してワポルをボコってみました。
これで後々アラバスタ編にかかわれますね。
関わるかはわかりませんが。