side???
動けない……
どんなに動こうともがいても全く力が入らないし目も開けない。
自分の置かれたいる状況が判らない。
これはどうなっているんだ?
どんなに考えても何も判らない一瞬パニックになりそうな思考を何とか落ち着かせ最後に覚えている事を思い出そうとする。
(そう、俺は……)
第一話
「やっと終わった、さあお楽しみの時間だ。」
ようやく終わった学校とバイト、毎週楽しみのジャンプの発売日だというのに読む時間がとれずにずっと続きを気にしながらレジ打ちをしてのようやくの帰り道、個人的に最近注目のワンピースの続きを予想しながら夜道を足早に急ぐ。
横断歩道をわたっていたらトラックに撥ねられた。
(確かに青色に変わった信号を見てから渡ったはずなのに…)
撥ね飛ばされながらも意外と頭は落ち着いていた、数メートルもの距離を飛び地面に転がり落ちた自分の目に映るのは楽しみにしていたジャンプとそのまま近くの電信柱に突っ込んで行くトラックの姿だった。
(ざまあみろ……)
それを見ながら意識は沈んでいった。
それが俺の最後の記憶、そして気がつけばこの状況、おそらくあのまま死んだのだろう。
しかし死んだとすればこの状況を受け入れられるわけでもない、意識はあるのに動けもせず目すら開けれない、耳も聞こえなければもちろん話すことも出来ない、八方塞がりのこの状況を永遠に受け入れるしかないのかと諦めと絶望の入り混じったこの境遇を打破したいが足掻く事すらできない。
(もうどの位こうしているだろうか?)
感覚もなくどのくらい時間が経ったかも判らない、本来なら気が狂ってしまうほどの間こうして過ごしていた。
しかし不思議と此処は安心できる気がした。
だがやはり見えないという恐怖はあり、何度も何度もいるかもわからない神に祈った、ただひたすらこの状況から脱したいと…
(気のせいか?)
ここしばらくして少しずつ感覚が戻ってきた気がする。
その考えは日に日に大きくなっていきついに俺はある確信にも似た仮説を思いついた。
(俺は死んでいない、なんとか助かったんだ、動けない程の大けがだが少しづづ回復してきている。)
いつか回復し動けるようになる日を希望に思い描きながらまた長い時間を過ごしていると急な異変が起こった。
(何だ!?)
感覚的にしか判らないが確かに何らかの異変が起きようとしているのが判った。
何かに押される用に窮屈な道を通ると急に明るくなってきた……
「オギャー、オギャー」
歓喜に震え叫んだ声は赤ん坊の泣き声のよう…いやようではなく間違いなく赤ん坊の泣き声だった。
(何がどうなっている!?)
復活の歓喜がけし飛び急な不安がおしよせてきた。
そして周りの慌ただしい声、
「お生まれになられたぞ。」
「もう片方のお子様がまだお生まれになっていない、気を抜くな!!」
混乱する頭に届く声、その声はどこか失敗を恐れているように聞こえた。
「生まれたかえ?」
室内に入ってきた赤ん坊の父親が周りに沢山いる医者の責任者の男に声をかける。
「これは!!ロズワード聖!!はい、第一子のお子様がたった今お生まれになられたところです。」
「そうか…男かえ?」
「はい!元気な男のお子様です!!」
「そうかえ、それじゃあもう一人の子も丁重に扱うんだえ、もし何かあったらお前たち下々民の命では償いきれんのだからな。」
「はい!それはもう必ず。」
完全に上から目線で話す父親に文句を言う事も無く絶対に機嫌を損ねないように低姿勢で対応する男、それもそのはずこの父親は天竜人と呼ばれる世界貴族なのである、少しでも機嫌を損ねればあっさり殺される事は目に見えている。
それは今日たった今生まれた子と、今まさに生まれようとしている子の双子に何かあっても同じ事、そしてそれはこの男だけではなくここで出産に携わっている全ての医者にも等しく当てはまる事である。
もし何かあれば…そんな恐怖と闘いながら今までに培った医療の全てを使い作業に当たる。
そんな緊張に満ちた分娩室にいることもしらずにただ混乱する赤ん坊は必至に今聞こえた内容について考えを巡らせる…
(ロズワード聖?どこかで聞いたような……)
この時まだ自分の身になにが生きているのか把握できていないのであった。
あとがき
勢いで書いてしまった……
でも全力で書いてこうと思うのでよろしくお願いします。