【注意】ここは外伝というか何と言うか、別枠扱いです。下記の注意書き通りアレな部分ありますし
(完全に誤解ネタですし前回時点で違うよw的に書いてもいますけど一応)、
通して読めば何のこともない筈なんですが。
なので読まずとも何の問題もないように次の話(23話)で配慮してますので。
↓この注意書きの下8は前回削除した部分そのままです。
【注意】今回のお話は、そんな意図はないのですが想像力の豊な人には18禁、というかあまり心臓に宜しくないシーンが
含まれています。xxx版でない以上もちろんそんなシーンではありませんが連想されかねない為注意事項として明記させて
頂きます。なのでそういうのはチョットという方は8以降を読まないようお願いします。
8
―――袁紹本拠地、冀州城 牢
「斗詩ッ!!!」
牢の寝台で寝ていた田豊はガバリと布団を跳ね除け飛び上がった。
「ゆめ? ……ああもう、なんでまた斗詩が髭顔なんだよしかも顔ゴツイし!!」
後に判明するが田豊の感じていたデジャビュは元の世界にいた頃に遊んだゲームやアニメ、漫画で見た顔良と文醜の
姿であった。
ただまあ夢で良かったと安堵したのだが、夢は続いていたらしい。看守の男が何故か自分の牢の中にいて、胸元を
はだけながら背もたれに背中をあずけ長い足を組み、ねっとりとした視線を自分に注いでいたのだから。
その甘いマスクは男色家なら思わず『ウホッいい男』と呟いてしまう程の引き締まった体の美男子……だから何だ?
そんな趣味は全く無い(でも美少女ふたなりなら全然OK:by恋姫無双)な田豊だがこの夢はあんまりだった。
っていうかどんな夢だよ? まさか牢生活からくる欲求不満か? とも思ったがこれはないだろうと思う。
ただただ熱い視線を注いでくる男に流石にゲンナリし夢だと思いつつも思わず声をかけた。
「お前もジッと見てないで何か言ったらどうだ?」
すると看守は立ち上がり、全裸になった……すごく大きいです。
「やらないか?」
「何をッ!?」
笑みを浮かべながら近づいてくる全裸の看守。 え? これ、夢だよね?
……え?
「アッー!」
ボトリ……と不釣合いにも牢に飾られていた菊の華が落ちた。
9
笑みを浮かべながら近づいてくる全裸の典獄、逃げ場の無い牢獄。
まさに死を上回る恐怖。この時!!
田豊の中の何かがハジけた……
田豊は菊の花が飾られていた花瓶を掴み、典獄の頭を殴りつけた!
典獄は『アッー!』と、まるで某プロ野球選手のあえぎ声のような悲鳴をあげてバタリと倒れ、花瓶にさしてあった
菊の花がボトリ……と落ちた。
「おいおい、何をするんだ」
「こっちのセリフだあああああッ!!」
……誤解、だそうだ。
ジッと見ていたのは麗羽からくれぐれも丁重に扱う事と言われていたからで、近づいてきたのはうなされていた
から心配でとの事。『やらないか?』というのは長時間牢にいて身体が鈍っているだろうから
『『柔軟体操を』やらないか?』という意味らしい(絶対省略してはいけない部分を省略しているようだが……)
解っている。解ってはいるが下手にツッコミを入れるのは危険だと目覚めたペルソナが警告を発していたので
それで納得していた。全裸になったのはうっかり脱ぎすぎただけらしくパンツを履き直していた……パンツだけ?
「貂蝉を知っているかい?」
「ああ、洛陽の踊り子で、その美貌で董卓と呂布を離間の計に貶めた三国志一の美人だな」
「……お前は何を言っているんだ? まあ洛陽の踊り子で人外の美貌の持ち主なのは合っているが」
「え? いや有名な……あれ?」
一刀は三国志にはそこそこ詳しいので典獄が自ら話題にだしておいて話が合わないのが不思議だった。
「もう何年も前の話さ、洛陽で自暴自棄だった俺の目に飛び込んできたのが当時洛陽で新進気鋭の踊り子として
売り出し中の貂蝉だった。強烈だった……一度見たら忘れない強烈なオーラを纏っていた」
「ほう?」
「あんな風になりたいと憧れてな、つい裸を見せたいという習慣がついたと言う訳さ」
「いや全然解んないんですけど?」
「なんだ、貂蝉を見た事がないのか? そうだな、2メートルを超える長身に筋骨隆々な鋼のような筋肉美が焼けた
肌に美しい。頭髪は禿でもみ上げのみ伸ばし、みつ編みにピンクのリボンがワンポイント。基本全裸だが草鞋と
ピンクのパンツに身体と比べると少々可愛らしい大きさの突起物が魅惑のアクセント。厚い唇はまるでゴリラを
連想させる程のぶ厚さだった」
「誰だよそれ!! アンタが裸になった意味は解ったけどそれ以外は何もかも意味不明だよ!!」
ツッコミ所が多すぎてピンクだのアクセントだのの横文字に対するツッコミは空のかなただった。
「どこがだ?」
「貂蝉男じゃないか! いやアンタも男だから意味はあってるけど前提がおかし過ぎる」
「違う、男じゃないぜ、漢女だ!」
「知らないよそんな単語!! それに今の風貌だと美女ありえないだろ?」
「まあ自称だったが。それより田豊、あんた記憶喪失なのに貂蝉を知っていたんだな。別人みたいだったが……」
「は? 記憶喪失? ……ああッ!?」
「俺は浅草の聖フランチェスカ2年の北郷一刀!!」
そうだ思い出した。思い出したけど……あまりにも突飛過ぎる! むしろそっちの記憶の方が夢かなんかなんじゃ?
何か自分が証明できる物は?たしか農家の人に助けられてて、持ち物は全部駄目になってて捨てるか売るかしたから
何も……自分を証明できる物は何もない。ポケットに入っていた布切れを開く……斗詩のパンツだった。
いったい俺は何をやっていたんだと頭を抱えたくなる。もしタイムスリップだとしたら何で袁紹も顔良も文醜も女の子
なんだ? 偶に感じてたデジャビュはゲームやアニメの知識か。道理で髭面のおっさんだと……
「俺が田豊で投獄されて、大軍で曹操領を攻めるって官渡の戦いじゃないか! 猪々子と斗詩が死ぬ?」
色々納得いかないし、何がなにやら解らないだらけではあるが、自分の想像通りであるならばこのままだと二人が
死んでしまう。それは絶対に嫌だ。
「俺は今から麗羽を追いかけなくちゃいけない、悪いんだけど出してくれないか?」
「……アンタさっき北郷なんちゃらって叫んでたけど、それが本名かい?」
「ああ、記憶が戻った。俺は北郷一刀、それで俺の知ってる知識だと猪々子と斗詩が危ないんだ。頼む牢から
出してくれ!!」
典獄にとっては全く持って意味不明だろう。だからただ誠意を込めて頼むしかなかった。
「俺の仕事は田豊を牢に入れて見張る事だ。だから田豊じゃなく北郷一刀ってんなら閉じ込める理由はないな」
「典獄、お前……」
カッコイイじゃないか!
田豊一刀は典獄に別れを告げて馬を走らせ冀州城を後にする。
そう、仲間を助ける為に……
(あとがき)
記憶復活エピソードとして何かがハジけなきゃいけなかったのですよ。
貂蝉ネタで違和感に気付くという流れをやりたいと思って書いてみたです。