1
ピカリ……と、稲妻が光った。
董卓、賈駆を伴った後続隊と合流した西涼軍が武威、そして長安に向かう為に行軍を開始した直後の出来事であった。
「わ、何?」
行軍の先頭にいた馬岱が突然の落雷に思わず馬を止めると、その頬にポタリ、ポタリと水の雫が落ちた。
何事? と、空を見上げた馬岱は思わず『げッ!』と呟いた。
先程まで晴れていた筈の空は雨雲に覆われ、5秒と待たず土砂降りとなった。
「うわぁ、ついてないよ」
この大雨は何日も続き、長安までの到着が遅れに遅れ、当初予定の3倍の日数がかかったのである。
ようやく長安に辿り着き、張遼が反董卓連合軍の追撃隊に破れ、曹操に下ったという事実を知り、一刀を含めた董卓達
洛陽組が悲しみに暮れる暇も無く、一刀が武威に送っていた早馬が重大な報告を伴って洛陽に到着した。
馬騰危篤。
長安に着いたその日の内に西涼軍は武威へ大急ぎで行軍を再開。
今にして思えばあの雷は、あの大雨は何かを暗示させる前触れであったのかもしれない。
そう、馬超、馬岱、一刀達が武威へ帰還して最初に受けた報告は馬騰死去の知らせであった。
2
馬騰は多少やつれていて、髪が少し短くなっていた以外は生きていた時と変わらない姿で、心なしか笑っているような、
安らかな死に顔であった。
「うわああああああん」
暫くは唇を噛んで悲しみに耐えていたのであろう蒲公英は棺に眠る馬騰を見、一刀にしがみついて大声で泣き、翠は
『母さま……』と一言呟いたきり、ただギュッと拳を握り締めていた。
馬騰の希望との事で武威までついて来る事になった月と詠も馬騰と面識はなかったが静かに冥福を祈った。
そしてこの場にいた5人に馬騰からの遺言状、翠には他に小さな木箱が渡される。
『えっ? ボク達も?』月と詠二人で一通の遺言状が手渡され、文面を読んだ月は思わず『えっ!?』と呟き、詠は
『……ありがたいけど、一晩考えさせてもらうわ』と告げて用意された部屋へ向かい、翠、蒲公英も自室へ戻っていった。
一人残った一刀は遺言状を見、馬騰に何か話しかけたがその時何を語ったのかは文献が残っておらず、ただ歴史の
結果から推測される事実を元に後世の歴史家、小説家達の創作意欲を大いに刺激する事になる。
3
「ここにいたのか、部屋にいなかったから探したぞ?」
「ご主人様、うん。母さまと飲んでたんだ」
武威の城壁の上、翠は手に持った徳利を一刀に見えるようヒラヒラと振った。
「翠が飲んでるなんて珍しいな。ん? 馬騰さんと?」
「ああ、コレ」
側に置いてあった木箱に視線を向けた。
「アタシ達が帰ってくるのが遅いようだったら腐った死に顔なんて見せたくないからって生前に髪を一房束ねてこの
箱に入れてたんだって」
「そうか、間に合わなかったけど、間に合わな過ぎたわけでもなかったんだな」
そう言って翠の隣に腰を下ろした。
「アタシが母さまの後継いで盟主になるんだってさ。まあ軍閥会議次第だけど」
一刀に酒を注ぎながら苦笑混じりにそう言った。
「反対する奴なんていないだろ、翠頑張ってたしな」
「それだけじゃ駄目なんだ。アタシあんまり頭良くないしな」
「……あ、う~ん、そんな酷くないぞ?」
「そこはフォロー(擁護)しろよ! 今のホントに凹んだぞご主人様!!……やっぱりアタシ駄目なんだな母さまの事も
気付けなかったし」
「翠?」
カラン……と空になった徳利を後ろに投げて新しい酒を煽る。ってか飲み干した徳利が凄い山になってる!?
「おい、飲みすぎじゃないか?」
「母さま草原を馬で駆け抜けるのが大好きだったんだ、アタシや蒲公英を連れて。なのにずっと武威に引きこもってたんだ」
「いいお母さんだったんだな」
「仕事ほっぽりだして五胡退治ばっかりしててしょっちゅう国の財政危なくしてたんだ。なのに急に内政ばかり初めて」
「……それはいいお母さん……無理があるな」
「そんな母さまの変化があったのに病気に気付けなかったんだ」
「俺と内政してる時もよく疲れたフリしてサボってると思ってた。同じだよ、俺も気付けなかった」
「アタシはただ戦場で暴れるだけで、まだ駄目だよ、母さまに教わらなきゃなんないこと、いっぱい……」
ああ、ホントは違うな。気付いた。
「一人でやれなんて書いてなかったんじゃないか?」
「それは……うん、蒲公英とご主人様と協力しろって」
実はそれだけじゃない。一刀に宛てられた遺言状において翠に力強い味方を残す方策が書かれてあった。
何故いないのか? 西涼に来て口に出さなかったが疑問に思っていた事が氷解する事になる。
「それだけ? 何でも相談しろって書いてなかったか? 俺のには書いてあったんだけど?」
「……書いて、あった」
「だから泣いていいぞ、悩んだフリすんな。親が死んで悲しくない奴いるか」
頭を上げ、潤んだ瞳で見つめてくる翠。少しだけ顔が近くなって……
「……お」
「お?」
「おえええええええええッ!!」
飲みすぎによる盛大なリバース(ゲ●)。それはない、今それはないだろう……と。
「うう、アタシやっぱり駄目だ」
振り出しに戻りました。
「……そうだな」
ぶちまけられ、体にかかった嘔吐物を布でふき取りながらそう吐き捨てた。
「うぅ~、悪かったってばご主人様。慰めに来てくれたんじゃないのかよ」
「むしろ今俺が慰めて欲しいんだが?」
「あ、ご主人様臭いから近づかないでくれ」
「酷ッ!!」
「冗談だよ、ご主人様の哀れな姿みたら落ち込んでるの馬鹿らしくなったし」
「……それはなにより」
「ゴメンってば、ほらアタシが拭くよ」
そういって布を取り出し一刀の顔を拭き取る翠。うん、ゲロじゃなく汗とか拭いてくれてたら絵になったかもしれない。
そんな月明かりの夜だった。
「木箱の髪なんだけど、涼州の草原に撒いて欲しいって書いてあったんだ。でも母さまには悪いけどそれは暫く後にするよ」
「なんで?」
「もう少し見守ってもらう。アタシがちゃんと盟主としてやっていけるまで……その時一緒に、その……」
「解った」
そう言って翠の唇を奪った。
「☆□※@▽○∀っ!?」
目を白黒させる翠。ああ、しまった。翠に対してだけは何故かついつい攻めに入ってしまう癖が裏目にでた。
「翠……」
「なななっ、いきなりなにをっ!?」
「ゲロの味しかしなかったんだけど……」
どすっ!!!
「ぐはぁっ!?」
よりにもよってボディブロー。そうこれは翠が悪いのだ。これによって一刀からのリバース物が翠にぶちまけられて
も決して文句は言えない『うわああああ!?』翠の悲鳴を聞きながら、
そう、そんないろんな意味で忘れられない夜だった。
4
「もう無理」
あの後、なんだかんだとお互い酒を飲みながら語りつくし、翠が眠ってしまったので部屋に連れて行こうと抱き上げて
いたが腕の痺れが限界にきていた。
流石に酔いつぶれたあげくのゲロまみれの姿を誰にも見せるわけにもいかず、スネークミッションをこなしつつ
なんとか自室の部屋に辿り着いた。決してやましい行為の為などでなく、腕の痺れを癒す休憩が必要であり、自室を
中継点とするルートが一番近かったのだと言い訳させて頂く。
左右を確認。誰にも見られる事無く自室に入ることに成功した。繰り返すが決してやましい~以下略。
「ちょっとあんた何処いってたのよ! おかげであんたなんかの部屋で何時間も待ってたのよ!」
自室には詠がいた。あんまりだと思った。
詠が息を呑んだ。まあ傍から見れば酔いつぶれている翠をコソコソと抱きかかえながら自室に連れ込んだのだから
性犯罪の現場を目撃してしまった等と思っているのだろう。その隙に翠を寝台に寝かせる。
「ちょっとアンタ! 落ち込んでる翠を酔わせて何をしようと……ムグッ!!」
騒ぎ出すのは解っていたのですばやく口を塞ぎ、羽交い絞めにする。
「ぼ、ボクまで手篭めにする気!? ってアンタ酒臭いだけじゃなくてなんだか嫌な臭……ムググッ……」
話をしようと手を話した途端マシンガンのように話し出したのでまた口を押さえる。どうしたものか? と悩むまもなく
コンコン、と部屋をノックする音!
「だ、誰?」
いっそう詠の口元を強く抑えつけ、扉を開く事無く声をかける。
「あの……ご主人様、詠ちゃんがさっきから帰ってこなくて、何処にいるか知りませんか?」
よりによって月!? その声を聞いた詠が必死にもがく!
「ムグ、ムグ~ッ!!(月、助けて!!)」
「……むぐ?」
「あ、いや口癖。見てないしコッチには絶対いないと思うぞ?」
「ムグ~ッ!!(アンタこの臭いまさか、耐えられな……)」
口を押さえられた為鼻で呼吸するほか無く、嘔吐物まみれの一刀に羽交い絞めにされていた詠の状態
悪臭地獄の如しであった。
『そうですか、お邪魔してすみません』と言葉を残し月は扉の前から去って行った。
「ふぅ、危ない所だった。あのな詠、なんか誤解してるだろうけどこれは……あれ、詠、さん?」
悪臭に耐え切れなくなった詠は気を失っていた。
酔いつぶれて寝ている翠の隣に気を失った詠が一刀の寝台の上で横になっていた。
どういう状況なんだこれ?
と考えたくも無い状況に溜息をついた後、とりあえず嘔吐物まみれの服を着替えようと服を脱いだ。
「ご主人様、お姉様が何処行ったのか知ってる?」
バン、と蒲公英が元気良く一刀の部屋の扉を開いた。
「…………3P?」
どこでそんな言葉を覚えてくるのか蒲公英とは一度話し合わなければいけないなと思う一刀だった。
「いやそこで締めるのは無理だって。ひょっとしてお姉様を体で慰めてあげたの? ずる~い! 蒲公英も
混ぜて♪」
オチをつけるのは無理だった。
その後詠が目を覚まし、正座させられ説教を受けた後、馬騰から貰った遺言状の内容、そして軍閥会議に
おいて自身の発言に頷いて欲しいという要請を受けた。はなから拒否権などなかったが。
無茶な行軍による疲れの為、結局全員一刀の部屋で寝てしまい、起しにきた月に物凄く起こられた。
詠にいたっては『詠ちゃんだけズルイ!』とか『違うのよ月、アイツに無理矢理……』とか物騒な会話が聞こえたが
もはや自分に何か言う資格があろう筈はなかった。
蒲公英は『たんぽぽなんか臭いかも? お風呂入ってくるね』と部屋を出て行き、最後に目を覚ました翠。
「あれ? ご主人様……おはよう」
いい笑顔だった。
「おはよう翠」
その後『ななっ、なっ、なんでご主人様の部屋で寝てるんだ!?』と一騒動あったがそれはもうご愛嬌である。
5
葬儀の後、盟主無き後、初の涼州各軍閥の代表が集まっての会議が開かれた。
始めに盟主馬騰の遺言状が読み上げられ、次の3つが決められ、また了承された。
一つ、西涼太守馬騰の長子馬超が太守、及び連合盟主の座を引き継ぐ事。
以前からその武力、統率力は西涼一と謳われ、反董卓連合軍においては馬騰に変わり西涼軍を率いて難攻不落の
汜水関を落とし、猛将華雄を一合で討ち取り、良将張遼を追い払い、最強を謳われる飛将軍呂布と引き分けるという
錦馬超の名に恥じない大活躍をした馬超の太守就任を反対する者など一人もいなかった。
また既に軍師として認めれれていた一刀についての説明もあった。西涼でも噂はあがっていたが、馬騰が正式に
北郷一刀は天の御使いであると遺言状で認めた。そしてここ最近の内政の充実、国力軍事力の強化等は全て
天の御使いの提案であったと記された。実際は馬騰にかなり手直しをされた部分が多くあり、最新知識しか持ち合わ
せていない一刀の提案に馬騰が血肉を与えていたのだがその部分は伏せられていた。自身亡き後の事を考えて
いた馬騰が一刀のスキルを上げて、最も効果的な時に素性や能力を公開する事で一刀の重要性を西涼諸侯に
認めさせようとしていたのだと一刀は今になって理解することになった。
一つ、西涼諸侯連合は今後も天子様の名の下に西涼を守る立場を続ける事。
これは新たな盟主となった馬超が第一声として放った言葉である。
既に漢王室の権威は地に落ちており、各勢力が次の覇権を狙い勢力争いをするであろう時勢において、新たな盟主は
先代の意思と同じく変わらぬ忠誠と恩、そして義を貫くとそう宣言した。
後の義姫と称えられる所以の一つである。
一つ、先代盟主知り合いの二人の娘を馬騰の養子として認める事。
当人は既に死亡しており、異例ではあったが亡き西涼盟主最後の願いであり、またそれによって体制に影響は無かろう
と反対する者も無く認められた。
当然董卓と賈駆の名は最初から伏せられていた為、結果
董卓こと月は馬の一文字を貰い馬休と、
賈駆こと詠も馬の一文字を貰い馬鉄と名を変える。
かくしてその後の西涼軍の中核となる『馬3姉妹+従妹』の馬家4姉妹が誕生したのである。
6
「おねえさま、ちょといいかしら?」(cv:青山ゆかり/川神一子ver.)
「「「ぶはッ!!」」」
賈駆こと馬鉄が今後の方針を決める諸侯会議の場で意見を述べる為に放った一言で翠は悪寒から、蒲公英は
堪えきれない可笑しみから、一刀は声優ネタ的な意味で噴出してしまった。
月こと馬休にいたっては『詠ちゃんが壊れた』と呟きガタガタと震えていた。
「ちょっと! あんた達何よその反応はッ!!」
「あーいや……なんだかムズムズするからやめてくれ。背中が痒くなる」
「解ったわよ、翠……お姉様?」(cv:青山ゆかり/途中から川神一子ver.)
「(萌え)殺す気かッ!!」
「何でよ!」
「あーもう翠でいいよ、で何だよ?」
「反董卓連合が解散した今、乱世となるのは必定。私達西涼が生き残るには国力を増強しなければならないわ」
「だからってアタシは戦争を仕掛ける気はないぞ?」
「ええ、だから戦争ではなく、西涼連合に参加する様外交する事を提案するわ」
物は言い様である。言い方を変えれば降伏勧告であり、一刀は勿論会議に参加した諸侯代表者も何人か気付い
ていた。しかし馬超、馬岱の活躍によって大陸最強と言われるまでになった西涼軍の名声を持ってすればそれは
かなり有効な手であり、かつ馬超を丸め込む弁立を見せた馬鉄は『なかなかの者だ』と感心される。
馬鉄=賈駆の正体を知らないのだからこの程度の献策は序の口であり、上から目線でいた諸侯代表者達は
次の一言で謀士賈駆の恐ろしさを知る事になる。
「仲間になろうってのはいいんじゃないか? で、何処と外交なんだ?」
「長安の呂布」
ガタガタ! と何人もの諸侯代表者が驚きで立ち上がり、『一体コイツは何を言っているのだ』とざわめきが起きる。
呂布といえば西涼軍が敵対した董卓の将であり、主君を倒し洛陽から追い出した西涼軍を憎んでいるのは確実で、
今後いかに対策を立てるべきかと考えざるを得ない敵であるというのが実情を知らない者達の一般常識であった。
「前漢首都長安は今や戦場となり荒廃した洛陽に変わる最大の人口を誇る大都市、西方貿易の入口である武威
両方を抑えれば西涼諸侯連合は他国に攻めかかる気さえ無くさせる大国になるわ」
馬鉄は一度馬超を見、頷くのを見てから話を続ける。
「現在長安は洛陽との併用太守であった董卓が不在の為大変不安定な状況よ。その長安を安定させるのは天子さま
にとっても有益と考えるわ。そして占領している呂布としても……なし崩し的にその状況になったに過ぎず、決して望んで
いる状況ではないわ。統治能力の不足が罪……と言う人間がいるのならいいわ、でも呂布の立場ならば無理に罪に
問う必要がない。天子さまに忠誠を誓う馬超が保護したのなら名聞は立つ。そして洛陽の状態を知っている長安の民
にとっても最強の西涼軍に守られるのなら歓迎する筈よ」
長安を併合する事における西涼連合へのメリット、国の方針としての意義、盟主馬超の気質、長安側の立場すら内包
した発言に各諸侯代表者は声も無かった。
そして最も恐ろしい事はこれだけの弁立をしておきながら、はなっから絶対失敗しない出来レースであるという事実である。
所々声が感情的になったり詰ったり、聞く者によっては意味不明な部分もあったが事情を知っている一刀達にとって
は詠の気持ちは痛いほど解っており、詠の隣に座っていた月は詠の手を握り『大丈夫だよ詠ちゃん』と声をかけた。
長安を西涼諸侯連合に組み入れる有効性や可能性は解った。とはいえ所詮は楽観論であり、あの恐ろしい飛将軍呂布
へむざむざと使者を送っても殺されるだけではないか? 恋の気性を知らない者の当然の疑問である。
立場の低い者を送っても失礼に辺り、上の者がいって殺されては堪らない。この状況を最初から察していた詠はある
少女を推挙する。
「おねえさま……じゃなかった翠、外交の使者に馬休(月)を推挙するわ」
つい先程馬休となったばかりの儚げな美少女に視線が集まり、それに気付いた月は恥ずかしさから頬を染め俯いた。
『これは無理だろう? ……でも可愛い』諸侯代表者達総意の思いであった。
「月は魅力が高いから交渉毎において右に出るものはいないわ」
かなり親バカが入っている発言であるが実は事実である。あの呂布、張遼、華雄、陳宮という一流所の武将、軍師を
味方に引き入れたのである。
「ご主人様、どうする?」
「ああ、いいんじゃないか? 月頼めるか?」
今回一刀の仕事はこれだけである。
「はい、がんばります」
「解った、詠(馬鉄)の献策を採用する。月(馬休)は長安へ行く準備、ご主人様は一緒に文面を考えてくれ」
会議は終了した。
「……ご主人様、詠と最初から企んでたろ?」
「さてね」
文面について最初 ”饅頭食べ放題” でスカウトしようと思ったが西涼の財政が下手したら傾きかねないと思い直し
素直な気持ちを書くだけとした ”仲間になって欲しい” そう臣下でなく仲間に。
「これでいつでも呂布と勝負出来るな、おーいたんぽぽ、訓練付き合え!」
「仕事しろよ西涼太守!!」
7
外交に来た馬休に対し、呂布は二つ返事所か『……(コクッ)』の一頷きで了承。無論それだけで良いわけではないので
長安の長老達を集め説明。月の真摯な説明が効いたのかなんの問題も無く歓迎を受け『お嬢ちゃん一緒にお酒でも』
等と誘われまくったらしい。もしかしたらスケベ爺ばかりだったのかもしれない。
かくして詠と月は知の馬鉄、徳の馬休として西涼諸侯にも一目置かれる存在となった。
賈駆の策略、月を王と出来ないのなら月を保護する国を最強国として月の平穏を創り上げる。を現時点で成し遂げた
のである。
また長安が西涼諸侯連合に加わった事により、同盟国であった天水も自ら連合に加わりたいと馬超に使者を送り、
かくして
元よりの領地である、武威、安定。外交により長安、そして天水の2都市を加え、全4都市を傘下とし、現時点で
動員出来る兵力は10万を超え、人口第2位、現時点では1位の首都長安を加えた事で袁紹を超える最大勢力
西涼軍閥大連合が結成される。
主な将軍及び軍師は馬岱、呂布、馬休(董卓)、馬鉄(賈駆)、陳宮、そして一刀。
そしてその大勢力を治める盟主馬超。
後に、当人である馬超は最後まで天子さまの元での国であると言い続けた為当人達は名乗らなかったが、この時より
他国から、また歴史として他の国名に対してこう残される事になる ”馬” 国と。
(あとがき)
今回の伏線回収
詠の計略(16話)、4人がとある事件によって数奇な縁(17話)。
あとは細々と3話の会話とか6話の司馬懿との会話とか等等。
というわけでオリキャラだけどオリキャラじゃないオリキャラの馬休と馬鉄(オリオリうるせーその2)
どっちが姉?とかでなく名前の響きほっとできる月は休、ツンツンしてる詠は鉄かなと。
蜀ルートみたいに人材飽和でメイドさんなんてさせてる余裕は馬国にはないのですwでも諸侯連合であって
桃香や一刀が良いといったから良いのだ。と詠を軍師に任命。なんて出来るお国柄でないのであくまでも
馬騰さんの養子としての馬休と馬鉄さん。
今回のフォロー
距離間についてはもう本編自体が超適当で世紀末救世主伝説とか言いながら関東平野うろついてた
だけな北斗の拳くらい狭い中国大陸なのでまあリアルタイムは当然無視しつつそれなりの距離なら
それなりに時間かかったよ。的な感じで進行します。襄平にいた公孫賛が翌日には雲南にいたとか
そーゆー無茶はしないです。(3日位?:無茶だ!)
そしてゲロまみれのラブストーリー(最悪だ!)いや詠を気絶させる際にチョークスリーパーだったけど
あぶないよそれは……と思い直したらこんな事になった。思い直さないほうがよかったんじゃないかと?
マジ恋の川神一子ネタはもう駄目だ、もう一子可愛過ぎてもう! まだやってない恋姫声優さんのファンは
やってみるといいかも。風とか鈴々もネタしてくれるですよ(もっといる)
会話の書き方がちと変わったり部分部分大幅にカットしたり……化物語ハマッた影響あるかも。