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No.6509の一覧
[0] 【完結】金崎玄之丞の憂鬱(ブリーチ・オリ主モノ)[グラスノッパラ](2009/06/18 13:31)
[1] 真央霊術院の日々の日記他[グラスノッパラ](2009/02/11 19:38)
[2] 六番隊新入隊員の頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/12 19:45)
[3] 六番隊一般隊員の頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/13 18:32)
[4] 六番隊第三席の頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/15 13:18)
[5] 弟分の面倒を見てた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/05/08 19:17)
[6] 何故か十一番隊助っ人の頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/16 20:11)
[7] 義兄妹の仲を取り持った頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/18 20:06)
[8] 朽木青春と再会した頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/18 18:13)
[9] 運命と出会った頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/19 19:36)
[10] 更なる運命に遭遇した頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/20 19:20)
[11] 平穏な日々を送ってた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/21 17:59)
[12] 十一番隊の派遣を正式に命じられた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/22 19:11)
[13] なんか色々ぶっちゃけた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/23 20:09)
[14] 身内に重大な問題が起こった頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/24 22:49)
[15] 旅禍が尸魂界にやってきた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/02/26 19:35)
[16] 旅禍が暴れまわってた頃の日記[グラスノッパラ](2009/03/01 18:39)
[17] 運命に癒された頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/03/09 20:20)
[18] 色々暗躍を始めた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/05/08 19:18)
[19] トライアングルアタックを喰らった日の日記・他[グラスノッパラ](2009/04/08 19:54)
[20] 佳境に入ってきた頃の日記・他[グラスノッパラ](2009/05/08 19:20)
[21] 色々決着が付いた日の日記[グラスノッパラ](2009/06/18 13:29)
[22] エピローグ『金崎玄之丞の憂鬱』[グラスノッパラ](2009/06/18 13:34)
[23] 判りにくい日記の時系列を解説してみた&質問に答えてみた。 5/7 追加[グラスノッパラ](2009/05/07 19:57)
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[6509] 運命に癒された頃の日記・他
Name: グラスノッパラ◆c02f5898 ID:8197934f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/09 20:20
 旅禍侵入四日目・朝

藍染隊長が磔になってから瀞霊廷内は更なる戒厳令が発せられた。
しかし、誰かに成りすましてるのかどっかに隠れてるか知らないがこの状況見てほくそ笑んでるんだろうかあのゴン様は。
滅茶苦茶趣味悪いと思うんだがなぁ。
吉良君はおっぱいの会の熱心な会員で雛森君ファンだというのに。
この二人、見事なまでに敵対して遣り合ったとか、真面目だねぇ。
まぁ、本当の事を知ってるからこうやって余裕を持っていられるけど彼等には辛い出来事だったようだな。
吉良君はあのダウナー系の性格で今頃滅茶苦茶へこんでると思う、多分。
酒飲むと割と人格変わるけど普段は結構ネガティブだからなぁ。
とりあえず、昨日の夜、夜一さんに渡された四楓院の秘伝っぽい何かを浮竹隊長に渡しに行った。
双極を破壊する道具の封印を解く為のあれこれとかなんとか、刑執行された時の準備を浮竹隊長がしてると言ったらさらさらっとメモしてもらった。
これですぐに封印解除できるじゃろうとかなんとか、なるほど、手間が省けて助かります。
でも、これを渡したら夜一さんの事とかばれるんじゃね?
まぁ、浮竹にならかまわんじゃろうとか、俺もそう思う、やっぱあの人は護廷十三隊で一番人が良さそうな顔してるしな。
十三番隊の隊舎に行くと浮竹隊長まだ寝てるとか、連日陳情とかあれやらこれやらで若干体調不良っぽい。
海燕さんはなんかイライラと妻の出産を廊下で待つ夫みたいに落ち着きが無い。
都さん居なかったら馬鹿みたいに懺罪宮に突貫してルキア嬢ちゃんとか救出しに行ってたろうなぁ。
しばらく都さんに入れてもらったお茶を飲んでくつろいだ、顔見知りには個人ごとにお茶の種類違うんだよね、この人。
浮竹隊長は玉露で海燕さんは番茶だっけ?
この差は何だろう、もしかして仲良いと見せかけて海燕さんと都さんの間は冷え切ってるのか、地味に怖いな、おい。
ちなみに俺のお茶は来客用のそこそこ良いお茶、お茶の細かい良し悪しって判んないんだよな、高いのが美味いのは何となく判るけど。
最高級でなく、安物ではないこの値段設定、地味にシビアだよこの人、敵に回すと怖そうだ。
こうやって茶を飲んでまったりしてると普通に十三隊の人間みたいだよなぁ。
あ、浮竹隊長おはようございます、とかそうやって挨拶したらいらっしゃいじゃ無く、おはよう、今日も早いなとかだったしな。
アットホーム過ぎてルキア嬢ちゃんが気に入るの判るわ。
とりあえずメモ渡して懺罪宮に向かう事にする、あそこで待ってたら旅禍とかも来るだろうし、ルキア嬢ちゃんの救出のチャンスもあるかもしれんしな。
メモを受け取った浮竹隊長が、おい、玄之丞、これは何処でとか言ってたので、昔なじみに会ったのでそいつからの言付けですと。
それだけである程度把握したのか、そう言う事か、じゃあありがたく使わせてもらうとか、説明要らないと楽だね、頭の良い人は。
海燕さんがじっとしてても落ちつかえねぇ、俺も行くわと付いて来た。
海燕さんが仲間になった、弾除け(前衛)が付いた魔法使いは無敵だぜ、玄海嬢ちゃん居るからあんま意味無いけどな。






 旅禍侵入四日目・昼

玄海嬢ちゃんに瀞霊廷内の偵察を頼んで海燕さんと二人で懺罪宮に向かった。
嬢ちゃんに空中から偵察してもらって判ったんだが、どうも海燕さんは旅禍を避けるような道を通ってる気がする。
まぁ、避けるといっても霊圧が乱れてたり戦ってたりしてる所を通らない様にしてる感じだ。
聞いてみたら、変な所で鋭いなとか言って説明してもらった。
どうも、実家から弟が旅禍に協力して瀞霊廷について来てるとか聞いたらしい。
なるほど、ルキア嬢ちゃんを助けようとしてる旅禍に協力してここに入ってくるとは良く似てますね、無謀さとかお馬鹿な所とかが。
そう言ったら、うるせーよとか言いながらちょっと嬉しそうだ。
手助けはしないのかと聞いたらやわな鍛え方してねーよ、あいつはあいつの意志で来たんだ、兄貴がしゃしゃり出るもんじゃねぇ。
俺は俺で浮竹隊長とルキアを助ける為に、あいつはあいつで旅禍の手助けする為にやるべき事をやりゃいいんだ、と言うことらしい。
うむ、こう言うかっこつけが似合ってて妬ましい、妬ましいので今度酒でも奢ってもらおう、弟が来てる事の口止め料で。
お前なぁ、そこは信頼して話してるんだから流しとけよとか、はっきり言うが、男の信頼とか要らん。
夜一さんと乱菊ちゃんと卯ノ花隊長の信頼なら欲しいけどな。
懺罪宮に着いたら外で洒落にならない霊圧が生まれた、なんか問答無用で強かったらズンバラリンされそうな霊圧なので剣八のおっさんだな。
とりあえず、本当に弟の助けに行かなくていいのか聞いたら、あいつに狙われるほど強くねぇしなぁとか。
なんつーか地味に扱い悪いな、弟君。
まぁ、弟君は兎も角、旅禍はいると思うので顔見てこよう。
剣八のおっさんがやりすぎてしなれると寝覚め悪いしルキア嬢ちゃんも悲しむだろうしな。



 旅禍侵入四日目・昼2

いや、ほんと、天才って言うのは居る所には居るもんだ。
眼帯付けてない剣八のおっさんとまともにやってるとかどんだけだよ。
高い所から見学してるやちるちゃんに並んで見学しながらとりあえずそんな事を考えてた。
てか、普通にこんな喧嘩に横槍入れたくねーよ、予想外だよ、剣八のおっさんに互角とか。
やちるちゃんが滅茶苦茶嬉しそうなんだが、やちるちゃんも大概、おっさん好きすぎだよなぁ。
海燕さんはルキア嬢ちゃんの様子を見に行くとかで懺罪宮に先に行った、俺も行っとけば良かったよ、居心地悪い。
オレンジ君は、俺は一人で戦ってるんじゃねー、斬魄刀と一緒に戦ってるから強くなるんだーとか叫んでる。
おっさんはおっさんで、斬魄刀は道具だ、道具と一緒に戦うとか弱い奴の戯言だーとかまぁ、あれだ。
俺に言わせて貰えりゃ、斬魄刀と心通わせて強くなるのは判る、本体が強ければ強いってのもわかる。
でもよ、剣八のおっさんは斬魄刀と連携したからって半端な強さで勝てる相手じゃねぇよ。
俺が何回、玄海嬢ちゃん共々切り捨てられたと思ってやがる。
俺と玄海嬢ちゃんの絆を舐めるなよ、なんせ親子並の信頼関係だからな。
え? 恋人か夫婦? 何を仰る玄海さん、俺が父親で嬢ちゃんが娘だろ?
誰だ、信頼関係ちぐはぐとか、諦めて貧乳を受け入れろとか言ってる奴、死ね、俺は巨乳好きだと言ってるだろうが。
最近、本気で巨乳と縁無いからおっぱいなら何でもいいんじゃねとか思えてきた、これで良いのか俺?
そんな葛藤してるうちに戦闘が終わってたようで、やちるちゃんがおっさん連れて治してーとか笑顔で言って来た、和む。
オレンジ君も治してやらんとなと思ってそっち見たら夜一さん(猫)がオレンジ君を咥えて走っていった。
シュール(笑)、まぁ、夜一さんが来たなら安心だ、安心しておっさんを玄海嬢ちゃんとか使って治療した。
治療したあと、やちる嬢ちゃんとおっさんが強くなりてぇ、一緒に強くなろうとかストロベリってた。
犯罪チックだけど、なんかこの二人は和む、もういいよ、やちるちゃんはおっさんの嫁で、今度、おっぱいの会でやちるちゃんファンは埋めておこう、ハゲだけじゃ心配だしな。




 旅禍侵入四日目・昼過ぎ

最近、本気で巨乳と縁無いからおっぱいなら何でもいいんじゃね……とか思ってたが全然そんな事は無かったぜ!
あの後、海燕さんも行ったことだし懺罪宮に旅禍が行っても死ぬ事は無いだろうと玄海嬢ちゃんの報告で他の旅禍を探しに来た。
なにやら倉庫の中に二人組の旅禍が入って行ったらしい。
そろそろ旅禍と連携してルキア嬢ちゃんを非正規に助け出す算段とか付ける時期だと思うんだよな。
実際、夜一さんからはルキア嬢ちゃんの処刑が正規の手順で止まる事は無いという青春嬢ちゃんからの伝言も受け取った。
まぁ、両手を挙げて降参ポーズしてたらいきなり攻撃される事は無いだろうと言う事で倉庫にお邪魔した。
お邪魔したらぶらじゃーおっぱいだった。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれは旅禍の居る倉庫の扉を開けた……と思ったらいつのまにかおっぱいおっぱいしていた
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
ご都合主義の妄想だとか超ラッキーだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ちなみに気が付いたらおっぱいおっぱいしながら名前と住所と趣味と生年月日と好きな人の有無とバストサイズを聞いていた。
全部教えてもらった、なんだこの癒し系、ありえん、織姫ちゃん、好きだ愛してる結婚してくれ。
好きな人居るんだ、そうですか、でもおっぱいに罪は無いよな?
メガネの兄ちゃんがなんか言ってた気がするが今の俺には織姫ちゃんの言葉以外聞えねぇ。
玄海嬢ちゃんに具象化してしかられた、正座で、ごめんなさいごめんなさい、真面目にやります。
とりあえず、織姫ちゃんが傍にいれば二十四時間働けます。
玄海嬢ちゃんがぼそっとこの泥棒猫とかなんとか言ってた気がする、気のせいだよね?
しかし、おっぱいにも関わらず癒し系とか完璧超人過ぎる、今度の議題は癒し系おっぱいに決まりだな、おっぱい。




 旅禍侵入四日目・昼過ぎ2

とりあえず争う気は無いと言ってから話し合いに入った、第一印象が悪すぎたのかメガネ君に滅茶苦茶睨まれたけどな。
かくかくしかじかでルキア嬢ちゃんの兄貴の兄貴分だから俺も兄貴みたいなものだと言ったら織姫ちゃんは感心してた。
メガネ君の不信の目は一段と深まったがな、あの男の兄貴分、どう考えても系統が……とか聞こえた気がする、失礼な奴だな。
ああ見えて滅茶苦茶シスコンだからな、あれこれと、うれしはずかしストロベリーな朽木兄妹エピソードを話してやったら織姫ちゃんが喜んだ。
メガネ君がなんか戦慄してるんだが白哉君と会った事でもあるんだろうか、ああ見えて白哉君は愉快な奴なんだけどな。
とりあえず、あれこれ話して一緒に懺罪宮に向かう事になったが相変わらずメガネ君に睨まれてるな、気持ちは判らんでもない。
途中色々と出会ったが特に問題なし、涅マユリと出会う前はな。
なんか、凄い良い笑顔で近寄ってきた爽やかイケメンズとか死ねば良いのにと思ったら爆発した、俺のせいじゃねぇよな?
そこで出てきたのは涅マユリ、隊長とか付けるのスゲー嫌なので呼び捨てで良いや、冗談ぬきで人間爆弾とかマジ引くわ。
やだなぁ、こいつ、正直碌な噂聞かないんだよな、ホントに黒幕じゃないんだろうか?
メガネ君の技とかを見て、クインシーか面白くないネとか言って嬉々として解剖がどうとか死神に金を握らせてどうとか語りだした。
マッドだマッドだと思ってたが、ここまでマッドだったとは、なんでこれが隊長してるのか理解できん。
しかし、こいつ等にこの二人引き渡したら確実に碌な未来は待ってないよな、どうせルキア嬢ちゃんの件で運が悪けりゃ尸魂界には今後居られなくなる公算は高いし、仕方がないか。
二人に懺罪宮にはひとまず向かわず、十三番隊の浮竹隊長に俺の名前を出して頼れと耳打ちして逃がす事にする。
織姫ちゃんは俺のことが心配なのかなかなか逃げ出すそぶりも無い、メガネ君はうつむいて何かを考えてるようだった。
で、そんなこんなしてたら涅とメガネ君が言い争いを始めて俺と織姫ちゃんが一緒に逃げる事になっていた。
因縁があるのか、頼む、あいつとは僕が決着を付けないといけないんだとか必死でメガネ君が懇願してきた。
あんたは死神だ、だけど頼む朽木さんの兄貴分と言うなら妹分の朽木さんの友達を守ってくれと言った。
正直、無茶だと思うんだが、思うんだがな、ホント、ああいう奴はこっちが言っても聞かないんだよな。
死ななかったらルキア嬢ちゃんと一緒に助け出してやるからあっさり死ぬなよ、メガネ君。
そう言って織姫ちゃんを担いで逃げた、生身ロケットパンチとか最悪だ、あの男。






 金崎玄之丞 運命に癒された頃の日記より一部抜粋






 石田雨竜の憂鬱


 尸魂界にやってきて4日目、瀞霊廷に入って二日目の事だった。
 伏線も、前振りも全く無く、唐突に僕と井上さんが潜んでいた倉庫にそいつが現れたのは。

 金崎玄之丞と名乗ったその男は潜んでいた倉庫で着替え中の井上さんに出くわした。
 荷物と荷物の間の狭い空間で着替えていた僕はこの時、後悔していた。
 無理を言ってでも入り口近くに居るべきだった、井上さんを矢面に立たせなければよかったと。

 慌てて外に出てきて目に映った光景は、死神の黒い着物を着かけて下着姿で固まってる井上さんとその前で正座して黒髪の少女に叱られている死神の姿だった。

 そのシュールな光景とは裏腹にその死神から感じる霊圧は抑えられているが強く、まともに戦えば僕でも危ない、それほどの実力者だと感じられた。
 これまで上手く強者に出会わないよう気を使ってきたがこれまでか、そう思っていた。

「君等、ルキア嬢ちゃんの友達だろ? 信じられないかもしれんが嬢ちゃんを救い出すのに協力したい、いや、して欲しい」

 そう言って、尸魂界での彼女の状況と彼女が置かれた立場、そして明らかに規則的にありえない上からの命令、それらについて教えてくれた。
 一方的に伝えられた情報を何処まで信じていいのか、井上さんはこの人は良い人だと思うから大丈夫だよと言って居たが僕には判断が付かない。
 この男ほどの実力があればこのような搦め手を使わなくても僕達を捕らえることが不可能じゃない、そう感じられる分、完全に疑いきれもしない。

 実際、何度か遭遇した死神たちを上手くあしらって僕達を先導しながら懺罪宮とやらに向かう姿にも違和感は感じなかった。
 そして、人通りが絶えた辺りで数人の死神がこちらに近寄ってきた。
 そいつらは金崎さんにに話しかけ、一言二言話したと思ったら突然爆発した。

 先導があった事で油断していたのかもしれない。
 この時僕は、少しだけこの死神を信用できるかもしれないと思い始めていた。
 内情に詳しい死神の協力者が現れ、何人もの死神を実際にごまかして貰った。
 だから僕のこの疑いは杞憂で、上手く連携できれば朽木さんを助けられる可能性が上がるんじゃないか。
 そんな事を考えていたんだ。

 これを仕掛けた相手は同じ死神の仲間である金崎さんごと、僕達を消し去ろうとしたんだろう。
 僕の警戒が緩んでいたあの瞬間、僕の行動も、井上さんの盾も、全く間に合わなかった。
 だから本来なら、あの瞬間、僕達は確実に死んでいたはずだった。

 だけどそうはならなかった、気付いた時、黒いドームのようなもので僕達は守られていた。
 傍らには険しい表情の金崎さん、片手に黒い斬魄刀を持ち、見ているうちに黒いドームは収縮してバスケットボールサイズの球体に変わった。

「全く、くそ趣味が悪いな、最悪だ、涅マユリかよ」

 ぼそっと呟く金崎さんの視線の先には異様な男とそれに付き従う女性の姿があった。
 男は十二番隊隊長涅マユリと名乗り、六番隊の第三席が何故旅禍と共に居る、これは死刑に値するネ。
 そう言っていやらしい笑みを浮かべ霊圧を高め金崎さんに向き合っていた。

「最悪だ、最悪すぎるわ、運悪いったらありゃしねぇ。織姫ちゃんにメガネ君、月並みでわりぃが二人で逃げろ。俺の名前出して十三番隊の浮竹隊長に頼れ、悪くはしないはずだから」

 彼はそう耳打ちして、改めて涅マユリと向かい合った。
 死神は嫌いだが少なくとも彼が僕達を案じてる事は判る、だから僕も戦おう、そう思い弓を生み出し僕も敵と向かい合った。

「ホウ、クインシーか、懐かしいネ。未だに若い固体が生き残ってるとは普通の魂魄を解剖するよりはマシかもしれんネ。君、これから私に解剖される気はないかネ?」

 そいつはまるで舐るような目でこちらを見据えてくる。

「既にクインシーについての研究は終えているのだがネ。最後に研究したのは老いた魂魄であった事だしネ。成長過程のクインシーを調べてみるのも一興かもしれんネ」

 老いた魂魄、それを聞いた瞬間、一瞬、お爺ちゃんの顔が浮かんだ。
 そして男は興が乗ったようで以前解剖したと言うクインシーについて語り続ける、そしてソイツは最後に一枚の写真を取り出した。
 そう、ほとんど元型を残していないお爺ちゃんの写真を。

「おい、捕まると解剖とかされてどうなるか判らんからさっさと逃げろと言うのにチンタラするな!」

 心配そうに、切羽詰った様子で僕達を心配している金崎さんには悪いが、この敵は僕の敵だ、僕が打倒しなければいけない敵だ。
 死神にも、最低最悪の奴がいる、あなたみたいに他人を心配して必死になれる人もいる。
 お願いだ、井上さんを守って、朽木さんを助けて、無事に現世に戻してやって欲しい。
 僕はこんな奴の為に死ぬつもりなんか無い、ないけど頼む。

 涅マユリ、お爺ちゃんのカタキは絶対に取る!




 了

後書き
玄海嬢ちゃんのイラストを頂きました。
エロいね、エロすぎる、こんなのが玄の字の首に腕を回してすがり付いてるんだなぁ。
巨乳は好きだが流石にくらっと来ました。
いい加減、玄の字は誰かに刺されて良いと思うな。


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