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No.6296の一覧
[0] クソゲーオンライン(銀英設定パロ)[あ](2020/02/21 23:53)
[1] クソゲーオンライン2[あ](2009/02/06 20:54)
[2] クソゲーオンライン3[あ](2009/02/15 16:18)
[3] クソゲーオンライン4[あ](2009/02/24 21:54)
[4] クソゲーオンライン5[あ](2009/03/01 15:46)
[5] クソゲーオンライン6[あ](2009/03/06 22:32)
[6] クソゲーオンライン7[あ](2009/03/08 20:06)
[7] クソゲーオンライン8[あ](2009/03/14 18:30)
[8] クソゲーオンライン9[あ](2009/03/15 16:48)
[9] クソゲーオンライン10[あ](2009/03/29 16:34)
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[11] クソゲーオンライン12[あ](2009/04/26 23:20)
[12] クソゲーオンライン13[あ](2009/05/24 17:54)
[13] クソゲーオンライン14[あ](2009/05/31 15:30)
[14] クソゲーオンライン15[あ](2009/06/20 18:00)
[15] クソゲーオンライン16[あ](2009/06/29 23:02)
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[6296] クソゲーオンライン6
Name: あ◆2cc3b8c7 ID:551b9470 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/06 22:32

レンネンカンプ以外にも数万人単位の『後発組』が居たが
彼らは基本的に先住者達と同じリスクを負う必要があった

そうログアウト不能というエラーは彼らにも等しく降りかかってくるからだ
そして、正常なログアウト以外で頭をフットーさせない方法はないため

せいぜい彼等に出来る事は長持ちするバッテリーに交換して
バッテリー寿命による頭のフットーを遅らせることだけだった


一方通行の道だけが『レンネンカンプ』に通じている



■大魔王レンネンカンプ■


巨大なフォログラムに移された大魔王を称する中年の男は
少し弛んだ体形をしたどこにでもいるような、外見的特徴に欠ける人物だった
そんな彼にある個性を上げるとすれば、

入念に手入れがされた無駄に立派な口髭が唯一の個性だろう


もっとも、彼を語る上で最重要視されるのは無個性な外見などではなく
自らの名を冠された最凶のクソゲー『レンネンカンプ』を開発販売したことであろう

『レンネンカンプ』によって引き起こされた事件と
彼がその世界で行った一連の行為にこそ彼の本質を紐解く
重要な手掛かりがあるのではないだろうか?



すべてを失った男は何を想って、大魔王という名の道化を演じたのだろうか?


■■



『 ようこそレンネンカンプの世界へ、
  大魔王レンネンカンプとして全ての人々を歓迎しよう

  皆、存分にこの狂った世界を自由に愉しんでくれたまえ!!
  なにせ、君たちが死ぬまでにはタップリと時間があるのだから 』


巨大なフォログラムとして映し出されてレンネンの挑発的な発言に
多くのプレイヤー達は憤り罵声を激しく投げ掛ける
それは、仮想世界における一年で溜った鬱憤を一気に解放するかのような激しさだった


こうして、人々の不安や恐怖を怒りへと大きく変化させた男は
更に続けて紡いだ言葉によって、それを自分に対する殺意へと変貌させる


彼は全ての聴衆へ、堂々と挑戦状を叩き付けたのだ


『 この大魔王を前にして実に威勢が良いではないか、結構結構
  では、その勇気に私も敬意を表し、希望を少しばかり与えるとしよう
  
  私はログアウトする術を見つけた。もっとも私の人生が終わった今
  その方法を無償で与えるほど私は善人では無い。そう私は大魔王なのだから
  
  だが、もてる全ての力と智恵を用いて無謀にも私に挑み勝利を得ることが
  出来る者が居たのなら、全ての人々をこの世界から解放すると約束しよう  』



滅茶苦茶である。自分が生み出した欠陥品によって多数の人間を殺し
いまなおも多くの人々を不条理に狂った仮想世界に閉じ込めて置きながら


『自分の人生が終わったから出してやんねー!みんな不幸になれバーカ』と


子供の八つ当たりのような主張を堂々としてのけたのだ
その上、帰還方法は大魔王たる自分を倒してゲームをクリアしない限り
教えないと子供のワガママのような宣言までする始末、


『口髭ぶっ殺し!!』『いてもうたれや!!』『ボクゥ、アルバイトォオオッ!!』



多くのプレイヤー達は罵声を吐くと共に武器を強く握り締め
今にもレンネンカンプの居る場所を求め走り出そうとしたが
大魔王が最後に発した言葉によって、その動きを止められてしまう




   『 ちなみに私のレベルは530,000です 』




レンネン先生、あきらめたいです・・・



■求道者■


『レンネンカンプの挑戦』以後、仮想世界に捕らわれた人々のプレイスタイルは
徐々に定まっていき、大きく分けて三つのタイプに分類することが出来るようになる


その一つは、嫌々ながらもゲームクリアを目指すため
モンスター狩りやダンジョン攻略に励む人々である

このクソゲーを黙々とやり込む姿は、苦行に耐える修行僧のように見えたため
彼らは『求道者』と呼ばれるようになる。



■■


『後発組』としてレンネンカンプの世界に足を踏み入れた
ラインハルトとキルヒアイスの目的は誰よりも大切に想う
ラインハルトの姉をこの閉ざされた世界から救うことにあった

そのため、大魔王レンネンカンプを倒すため
長く辛い『求道者』の道を歩むこと選択するのだが


『キルヒアイス、武器は装備しないと意味が無いらしいぞ!』
「はい、ラインハルト様」



両者は等しくゲーム経験が皆無であったため
その道は長く困難な物になりそうであったが
彼ら二人は現実世界と同じように類稀なる才能を如何なく発揮する事によって

見る見るうちVゲーム、いや、『レンネンカンプ』に適応し
『後発組』というハンデをあっさりと跳ね返し、先住者たちを次々と追い越していく


現実で出来る奴は仮想世界でも、やはり出来る奴なのだった・・・


『キルヒアイス、俺にこのゲームがクリアできると思うか?』
「ラインハルト様以外の何者に、クリアができましょう」


二人の天才は、最悪のクソゲー『レンネンカンプ』に真正面から挑む!!


■支援者■


正攻法で真正面から挑む人々もいれば、別の方向から帰還を目指す人々も当然存在する

彼らは『支援者』と呼ばれレンネンカンプが見つけたという帰還方法を
自ら求めるのではなく、『求道者』達をサポートする様々な活動によって
ゲームクリアを早め、この狂った世界から帰還することを目指す


そんな彼等は正面からクリアを目指した結果、
デスペナを喰らって植物状態になるのを怖れたチキン集団と
侮蔑を受けることも間々あったのだが


ある者は『鍛冶屋』になって装備の面で『求道者』を支援し
別の者は図書館などで膨大なゲームに関する資料の調査を行い
冒険をする上で役立つ情報を提供する『情報屋』になるなど


『求道者』達と同様にクリアするために欠かせない存在であった


もちろん、それらは無償で提供されるわけでなく
それを得るためには相応の対価を必要とする
彼らも仮想世界で生活する糧を日々得ていかなければならないのだから


そして、無駄にリアルなこの仮想世界でその糧『事業所得』を得た彼らは
時期が来ると青色申告か白色申告と呼ばれる方法を選択し、
事業年度毎に申告を行って所得税を納める必要があり
このVRPGらしからぬ妙にリアルなシステムは多くのプレイヤーの頭を悩ませる


全ては記さないが、これと似た『支援者』を縛る様々なルールは他にもいくつかある
特定の資格を要件とするなどの開業制限や、許可制の事業などが良い例であろう

特に官公庁に対する入札に必要な許可申請や入札参加資格を得るための
申請手続きは現実世界と同様に手続きが面倒臭いことこの上なく

現実世界で似たような実務に携わっていたプレイヤーか、
入札関連申請の代行を業としていたプレイヤー以外はまず参入できない有様であった



また、合資・合名・合同・株式の名を冠する四種類の会社も
手続きさえ行えば現実と同じよう設立することが可能ではあったが、

仮想世界まで来て設立登記を行う等の新会社の立ち上げ業務や
雇用する従業員のため社会保険の適用開始手続きをしたいと思う
プレイヤーはやはり皆無で、帝国・同盟・フェザーンの三国において
新会社がプレイヤーの手によって生まれる事は残念ながら殆どなかった。



■絶対零度の才女■


もう何がしたいのか分からないこのリアルな制約に屈する事無く
最高の仕事をする起業及び申告代行コンサルタントが
帝都オーディンに彗星の如く現われる


その人物の名はパウラ・フォン・オーベルシュタイン
義眼を時折怪しく光らせ、透き通るような白い肌を持つ彼女は

『日帳簿記3級』というある意味最強の称号を巧みに利用しながら
誰でも出来るような開業届の作成や白色申告をサポートすることによって
多くのド低脳『支援者』から利益を得ていた。



そんな彼女とヘインが出会ったのは仮想世界で丁度一年が過ぎ
『レンネンカンプの挑戦』が行われて間もない頃

年間徴税収入が100万帝国マルクを越えるヘインが
その収入に対する申告を行うため帝国税務中央庁舎を訪れた時であった


■■


『なにか、お困りですか?よろしければご相談に乗りましょう』


最初に無愛想な声をかけたのは義眼少女の方であった
彼女は税務中央庁舎の窓口の前で携帯用の椅子と机を使って
即席の相談所を開いて日々迷える申告者達の道しるべとなりながら
その日の糧と義眼の調整費用を稼いでいるのだが

相談料金も一時間300帝国マルクとそれほど高くもなく
理論明晰で非常に分かり易い説明を行うことが出来たので
一日の客の入りとあがりはソコソコのものであった。


「そうだな、嬢ちゃんに助けて貰うとしますかね。ほら前金で300だ」

『結構、では収入の種類と金額、それに身分や階級も併せて教えて頂きましょう
 狩りで得た収入は源泉徴収済みなので、そちらは除外して頂く形でお願いします』



ヘインが彼女に持った第一印象は愛想のない奴というもので
多くの他者が彼女に持った印象と何ら変わらないものであった


彼女は相談の際、淡々と事実と方法を分かり易く機械的に告げることに終始し
接客スマイルや雑談を交えるといった愛想が徹底的に欠けていた

もしも、彼女が欠片でも愛想を接客の際に見せていれば
その手腕と容貌も相まって今とは比べ物にならない収益を上げることが出来たであろう



「なるほど、貴族の持つ徴税権で得た収入には非課税特権があるから
 別に申告とかしなくてもいいのか、さすが敏腕相談員だな勉強になったよ」

『いえ、閣下のような爵位を持ち、高い階級にある方の相談は
 私も初めてでしたので、此方も良い経験になりました。
 ・・・失礼、義眼の調子が悪い様で、驚かしてしまいましたね』


突如光を走らせた義眼にビビッたヘインであったが
その後、ビームが出ることも無かったので一安心する。

また、余った相談時間分の料金を返そうとする義眼に
『必要ない』と手を振って示しながら、残り時間を相談ではなく雑談に費やさせ
しっかりと、300帝国マルク分の仕事を彼女にさせる


この光景は非常に珍しい物で、近くに同じような店を構える同業者を驚かせた
なにせ、いつも事務的に説明を行うだけの義眼が、相談を終えた後も雑談しているのだから


愛想の無さで誤解を受けやすい義眼の面倒を常日頃それとなく見ている
同業者のフェルナーもその光景を見た驚きの余り、近くの同業者にうっかりと
『どうやら、お嬢にも春が来たようだ』と口を滑らせてしまい
後日、そのことを人づてに聞いた義眼から
絶対零度の視線を一日中浴びせ続けられることになってしまう


この彼の『らしくない』失態は高くついたものの
彼以外の同業者が彼女に対して持っていた
無機質で不気味な印象を少しばかり変化させる助けとなり

挨拶や他愛ない世間話を交わす程度の些細な物ではあったが
義眼の少女と同業者達の間に交流が持たれるようになる




      『私も随分とお喋りになった物だ・・・』




■堕落者■


『求道者』や『支援者』というどちらのタイプにも当てはまらない
人々も当然この仮想世界では存在し、彼等は『堕落者』と呼ばれる


彼らは外で対応する人が事件を解決するか、誰かがクリアするだろうと他力本願に考え
日雇いや派遣としてNPCの下で作業に励み、最低限の日々の糧を得ながら
毎日を目的も無くダラダラと過ごしていた。


ヘインも本来ならば裕福な『堕落者』として
最高にダメ人間な生活を満喫していただろう。


なにせ、何もしなくても3000帝国マルクが転がり込んでくるは
購入した30万帝国マルクの3階建ての家もあるわで
何不自由のない仮想生活ライフが約束されているのだから



     彼の誤算は食詰めの存在であった・・・



彼女はリアル食詰めでもあったため、一刻も早く現実世界に戻って
新聞配達などのお約束のバイトをこなさなければならない


そんな彼女のタイプが『求道者』となるのは必然であろう
そして、食詰めとなんだかんだで腐れ縁状態のヘインは


望みもしない厳しい『求道者』の道を歩かされていく事になる





人々の進む道も定まり、『レンネンカンプ』は本格的な稼動を始める
その結果、様々な出会いや別れが生まれ、喜劇と悲劇が交互に上演される

こうした中、仮想世界の人間模様は複雑化し、現実世界と大差ないモノとなり
多くのプレイヤーの仮想と現実の境をあやふやにしていく


そんな情勢の中、『レンネンカンプ』最大の悲劇と後に語られる
VSLGイベントの一つ『戦争イベント』が発生する


多くの英雄を生むと同時にそれを遥かに越える死者を生みだした



         アスターテの戦いがいま始まる



   ・・・ヘイン・フォン・ブジン伯・・・電子の小物はレベル48・・・・・

             ~END~


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