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No.6277の一覧
[0] 機動戦士アッガイ(らき☆すたキャラ→ファーストガンダム)[T.SUGI](2009/06/24 17:14)
[1] 機動戦士アッガイ第2話「アッガイ破壊命令」 [T.SUGI](2009/02/07 08:44)
[2] 機動戦士アッガイ第3話「敵の補給艦を叩け!」 [T.SUGI](2009/02/07 08:45)
[3] 機動戦士アッガイ第4話「コナタ救出作戦」 [T.SUGI](2009/02/10 18:03)
[4] 機動戦士アッガイ第5話「大気圏突入」 [T.SUGI](2009/02/13 18:00)
[5] 機動戦士アッガイ第6話「ミノル出撃す」[T.SUGI](2009/02/19 19:21)
[6] 機動戦士アッガイ第7話「コムサイ脱出せよ」[T.SUGI](2009/02/22 02:49)
[7] 機動戦士アッガイ第8話「戦場は荒野」[T.SUGI](2009/02/23 21:12)
[8] 機動戦士アッガイ第9話「泳げ! アッガイ」[T.SUGI](2009/02/24 23:55)
[9] 機動戦士アッガイ第10話「ミノル散る」[T.SUGI](2009/02/26 10:20)
[10] 機動戦士アッガイ第11話「アキラ、裏切りのあと」[T.SUGI](2009/02/27 02:37)
[11] 機動戦士アッガイ第12話「連邦の脅威」[T.SUGI](2009/03/01 18:29)
[12] 機動戦士アッガイ第13話「再会、母よ…」[T.SUGI](2009/03/02 18:17)
[13] 機動戦士アッガイ第14話「時間よ、とまれ」[T.SUGI](2009/03/04 23:20)
[14] 機動戦士アッガイ第15話「ククルス・ドアンの島」[T.SUGI](2009/03/05 19:43)
[15] 機動戦士アッガイ第16話「ツカサ出撃」[T.SUGI](2009/03/07 23:39)
[16] 機動戦士アッガイ第17話「ミノル脱走」[T.SUGI](2009/03/08 15:54)
[17] 機動戦士アッガイ第18話「灼熱のファイナル・デッドコースター」 [T.SUGI](2009/03/08 09:55)
[18] 機動戦士アッガイ第19話「コナタ・イズミ特攻!」[T.SUGI](2009/03/08 21:34)
[19] 機動戦士アッガイ第20話「死闘! ギャロップ」[T.SUGI](2009/03/09 23:40)
[20] 機動戦士アッガイ第21話「激闘は憎しみ深く」[T.SUGI](2009/03/10 19:52)
[21] 機動戦士アッガイ第22話「エルラン包囲網を破れ!」[T.SUGI](2009/03/11 17:59)
[22] 機動戦士アッガイ第23話「ユイ救出作戦」[T.SUGI](2009/03/12 20:25)
[23] 機動戦士アッガイ第24話「迫撃! トリプル・GM」[T.SUGI](2009/03/13 17:59)
[24] 機動戦士アッガイ第25話「オデッサからの逃亡」[T.SUGI](2009/03/14 16:35)
[25] 機動戦士アッガイ第26話「復活のシャア」[T.SUGI](2009/03/15 07:05)
[26] 機動戦士アッガイ第27話「女スパイ潜入!」[T.SUGI](2009/03/16 18:04)
[27] 機動戦士アッガイ第28話「大西洋、血に染めて?」[T.SUGI](2009/03/17 18:09)
[28] 機動戦士アッガイ第29話「ジャブローに散る!」[T.SUGI](2009/03/18 17:01)
[29] 機動戦士アッガイ第30話「小さな防衛線」[T.SUGI](2009/03/19 20:14)
[30] 機動戦士アッガイ第31話「ザンジバル、追撃!」[T.SUGI](2009/03/26 18:05)
[31] 機動戦士アッガイ第32話「強行突破作戦」[T.SUGI](2009/03/27 18:07)
[32] 機動戦士アッガイ第33話「コンスコン強襲」[T.SUGI](2009/03/28 18:29)
[33] 機動戦士アッガイ第34話「宿命の出会い」[T.SUGI](2009/03/29 18:27)
[34] 機動戦士アッガイ第35話「ソロモン攻略戦」[T.SUGI](2009/03/30 18:03)
[35] 機動戦士アッガイ第36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」[T.SUGI](2009/03/31 18:03)
[36] 機動戦士アッガイ第37話「テキサスの攻防」[T.SUGI](2009/04/01 20:07)
[37] 機動戦士アッガイ第38話「再会、ミユキとミノル」[T.SUGI](2009/04/03 08:52)
[38] 機動戦士アッガイ第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」[T.SUGI](2009/04/03 18:04)
[39] 機動戦士アッガイ第40話「エルメスのララァ」[T.SUGI](2009/04/04 18:32)
[40] 機動戦士アッガイ第41話「光る宇宙」[T.SUGI](2009/04/05 17:54)
[41] 機動戦士アッガイ第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」[T.SUGI](2009/04/06 17:57)
[42] 機動戦士アッガイ第43話「脱出」[T.SUGI](2009/04/07 21:43)
[43] 続編 機動戦士ドラッツェ0083 LUCKY STARDUST MEMORY[T.SUGI](2009/04/09 17:45)
[44] 機動戦士ドラッツェ0083 第1話「ドラッツェ強奪」 [T.SUGI](2009/04/09 17:59)
[45] 機動戦士ドラッツェ0083 第2話「終わりなき追撃」[T.SUGI](2009/04/13 19:06)
[46] 機動戦士ドラッツェ0083 第3話「出撃カスカベ」[T.SUGI](2009/04/15 17:29)
[47] 機動戦士ドラッツェ0083 第4話「テキサスの攻防戦」[T.SUGI](2009/04/16 17:54)
[48] 機動戦士ドラッツェ0083 第5話「ドラッツェ、星の海で」[T.SUGI](2009/04/17 18:19)
[49] 機動戦士ドラッツェ0083 第6話「フォン・ブラウンの戦士」[T.SUGI](2009/04/18 17:51)
[50] 機動戦士ドラッツェ0083 第7話「蒼く輝く炎で」[T.SUGI](2009/04/24 12:11)
[51] 機動戦士ドラッツェ0083 第8話「策謀の宙域」[T.SUGI](2009/04/24 17:57)
[52] 機動戦士ドラッツェ0083 第9話「ソロモンの悪夢」[T.SUGI](2009/04/25 18:30)
[53] 機動戦士ドラッツェ0083 第10話「激突戦域」[T.SUGI](2009/04/26 18:03)
[54] 機動戦士ドラッツェ0083 第11話「ラビアンローズ」[T.SUGI](2009/04/27 18:02)
[55] 機動戦士ドラッツェ0083 第12話「強襲、阻止限界点」[T.SUGI](2009/04/28 18:20)
[56] 機動戦士ドラッツェ0083 第13話「駆け抜ける嵐」[T.SUGI](2009/04/29 18:07)
[57] 続編 機動戦士Zガンダム 0085 エゥーゴの旗のもとに[T.SUGI](2009/04/30 17:50)
[58] 機動戦士Zガンダム 0085 第1話「黒いガンダム」[T.SUGI](2009/04/30 21:04)
[59] 機動戦士Zガンダム 0085 第2話「旅立ち」[T.SUGI](2009/05/01 18:09)
[60] 機動戦士Zガンダム 0085 第3話「カプセルの中」[T.SUGI](2009/05/03 18:08)
[61] 機動戦士Zガンダム 0085 第4話「エマの脱走」[T.SUGI](2009/05/03 18:17)
[62] 機動戦士Zガンダム 0085 第5話「父と子と……」[T.SUGI](2009/05/04 18:16)
[63] 機動戦士Zガンダム 0085 第6話「地球圏へ」[T.SUGI](2009/05/05 18:37)
[64] 機動戦士Zガンダム 0085 第7話「サイド1の脱出」[T.SUGI](2009/05/06 17:54)
[65] 機動戦士Zガンダム 0085 第8話「月の裏側」[T.SUGI](2009/05/07 18:18)
[66] 機動戦士Zガンダム 0085 第9話「新しい絆」[T.SUGI](2009/05/08 18:19)
[67] 機動戦士Zガンダム 0085 第10話「再会」[T.SUGI](2009/05/09 19:30)
[68] 機動戦士Zガンダム 0085 第11話「大気圏突入」[T.SUGI](2009/05/10 17:54)
[69] 機動戦士Zガンダム 0085 第12話「ジャブローの風」[T.SUGI](2009/05/11 21:12)
[70] 機動戦士Zガンダム 0085 第13話「シャトル発進」[T.SUGI](2009/05/12 18:31)
[71] 機動戦士Zガンダム 0085 第14話「アムロ再び」[T.SUGI](2009/05/13 17:16)
[72] 機動戦士Zガンダム 0085 第15話「アムロの出撃」[T.SUGI](2009/05/14 18:17)
[73] 機動戦士Zガンダム 0085 第16話「白い闇を抜けて」[T.SUGI](2009/05/15 17:59)
[74] 機動戦士Zガンダム 0085 第17話「ホンコン・シティ」[T.SUGI](2009/05/16 21:41)
[75] 機動戦士Zガンダム 0085 第18話「とらわれたアムロ」[T.SUGI](2009/05/17 17:52)
[76] 機動戦士Zガンダム 0085 第19話「シンデレラ・フォウ」[T.SUGI](2009/05/18 18:16)
[77] 機動戦士Zガンダム 0085 第20話「灼熱の脱出」[T.SUGI](2009/05/19 17:59)
[78] 機動戦士Zガンダム 0085 第21話「ゼータの鼓動」[T.SUGI](2009/05/21 06:33)
[79] 機動戦士Zガンダム 0085 第22話「シロッコの眼」[T.SUGI](2009/05/21 18:12)
[80] 機動戦士Zガンダム 0085 第23話「ムーン・アタック」[T.SUGI](2009/05/22 18:00)
[81] 機動戦士Zガンダム 0085 第24話「反撃」[T.SUGI](2009/05/23 17:57)
[82] 機動戦士Zガンダム 0085 第25話「コロニーが落ちる日」[T.SUGI](2009/05/24 19:39)
[83] 機動戦士Zガンダム 0085 第26話「ジオンの亡霊」[T.SUGI](2009/05/25 18:00)
[84] 機動戦士Zガンダム 0085 第27話「シャアの帰還」[T.SUGI](2009/05/26 18:09)
[85] 機動戦士Zガンダム 0085 第28話「ハリオ潜入」[T.SUGI](2009/05/27 21:48)
[86] 機動戦士Zガンダム 0085 第29話「サイド2の危機」[T.SUGI](2009/05/28 18:09)
[87] 機動戦士Zガンダム 0085 第30話「ジェリド特攻」[T.SUGI](2009/05/29 18:02)
[88] 機動戦士Zガンダム 0085 第31話「ハーフムーン・ラブ」[T.SUGI](2009/05/30 17:47)
[89] 機動戦士Zガンダム 0085 第32話「謎のモビルスーツ」[T.SUGI](2009/05/31 17:49)
[90] 機動戦士Zガンダム 0085 第33話「アクシズからの使者」[T.SUGI](2009/06/01 18:04)
[91] 機動戦士Zガンダム 0085 第34話「ダカールの日」[T.SUGI](2009/06/02 18:04)
[92] 機動戦士Zガンダム 0085 第35話「ハマーンの嘲笑」[T.SUGI](2009/06/03 21:10)
[93] 機動戦士Zガンダム 0085 第36話「ゼダンの門」[T.SUGI](2009/06/04 18:39)
[94] 機動戦士Zガンダム 0085 第37話「天から来るもの」[T.SUGI](2009/06/05 18:11)
[95] 機動戦士Zガンダム 0085 第38話「シロッコ立つ」[T.SUGI](2009/06/06 17:28)
[96] 機動戦士Zガンダム 0085 第39話「宇宙を駆ける」[T.SUGI](2009/06/07 17:43)
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[6277] 機動戦士アッガイ(らき☆すたキャラ→ファーストガンダム)
Name: T.SUGI◆c9cd9219 ID:58bbc089 次を表示する
Date: 2009/06/24 17:14
「知らない天井だ……」

 やっぱりこの台詞はお約束だよネ、などと思いつつ、いつもの狭い船室のベッドから身を起こす。
 そう、『いつもの』……?

「えっ、だって今日はゲーセン行って、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』をかがみとつかさとみゆきさんと一緒にやって、それから……」

 ウケ狙いでアッガイを選んだ記憶まではある。
 ステージは練習用のコロニー。
 そして、それからの記憶がない。
 寝不足だったし、3D酔いで倒れた?

「ううん、記憶はある。ジオン軍、コナタ・イズミ曹長。MSパイロット。ここはムサイ級巡洋艦キワメルの自室…… 記憶が二つある?」

 21世紀の女子高生としての自分と、宇宙世紀ジオン軍パイロットとしての自分。

「何で……」
『コナちゃん? ああ、起きてたんだ。そろそろサイド6の目的地に到着だよ』

 映像付き通信。
 写っているのはジオン軍の軍服が心底似合わない……

「つかさ……?」

 違う。ツカサ・ヒイラギ軍曹。
 兵学校の同級生で、このキワメルの通信士。
 そして、その後ろで呆れた顔をしているのは……

『まったく、さっさと顔洗って来なさいよ。ミユキ…… タカラ中尉がコロニーで待っているわよ』

 憲兵隊の士官服が妙に似合う、どこかツカサに共通した面影を持つ。

「かがみ……」
『あんたね…… 寝ぼけてるのは分かるけど、『少尉殿』を付けなさいよ『少尉殿』を。勤務中よ!』
『お、おねえちゃ……』
『ツカサ、あんたも!』

 そんな通信機越しの喧噪を聞きながら……

「や、私はまだ勤務外だからねー」

 そんな軽口が、自然と口をついた。



機動戦士アッガイ
第1話「アッガイ大地に立つ!!」



 サイド6の外れに位置する、この戦争で建設半ばにて放棄された海洋リゾート型コロニー。
 その外壁に取り付く3つの白い巨大な影があった。

「サンダース、お前のGMをここで見られるのはまずい。お前はここに残れ」
「はっ、曹長」

 白と赤の連邦軍MS、先行試作量産型GMを残し、コロニーに潜入したのは2機の白く塗り替えられたジオン軍MSザクII。
 連邦軍によって鹵獲された機体をMSの運用試験のため持ち出したものだった。

「曹長、軍の施設は右上のブロックのようです。出勤時間のはずですが、車が一台行っただけです、人影はありません。……いや、居ました、子供のようです」



 子供と誤認されたのは、一人、エレカーを走らせるコナタだった。
 年齢の分かりにくい典型的なアジア系モンゴロイドであり、背も低いため誤認されるのも無理無かったが、最大の理由は着崩し過ぎた制服にあった。
 上はタンクトップ1枚に、腰に結ばれた上着。

『このコロニーでユキちゃんが待ってるんだよね』

 追いかけてくる、通信機越しのツカサの声をBGMにハンドルを握る。

「だと思うよ。でもわざわざこんな所で何を作ってるんだろうね」
『作って?』
「ミユキさん、今じゃ技術中尉殿だからねー。ウチの同期だと一番の出世頭だよね」



 一方、秘密裏に建てられた軍施設では、急ピッチで物資のキワメルへの搬入が行われていた。

「キワメルに新型の部品を載せりゃあいいんだ。地上の作業を急がせろ」
「はっ」
「キワメルめ、よりによって連邦の船につけられるとはな」

 技術者達が忙しく作業を進める中、キワメルの士官達が視察に現れた。

「ほほう、これか」
「はっ」
「さすが我がジオン軍の新鋭MSだ。このMSが完成すれば、連邦を打ち砕くなぞ造作もない」



 サイド6の領空外、スペースデブリの影に停泊する、MS搭載型サラミス級試作艦カスカベ。
 その艦橋で頬杖を突くのは小柄な女性士官。
 この艦の艦長であり、連邦軍MS試験部隊、隊長。
 アキラ・コガミ大尉。

「私もよくよく運のない女よね、作戦が終わっての帰り道であんな獲物に出会うなんて。フフ、むこうの運が良かったのかしら?」
「はい、アキラ大尉殿。しかし、あんな作りかけの、しかも曲がりなりにも中立のサイド6にジオンの基地があるんでしょうか?」

 律儀に返答を返すのは副長であるミノル・シライシ少尉。

「ありえるわね。聞けばリゾート型のコロニーだっていう話じゃない。地上用のMSの開発には最適だわ」
「来ました。暗号、2-Bです」
「ほら、私の予測した通りでしょー」
「で、では、ジオンが新型のMSを?」
「開発に成功したと見るのが正しいでしょうね」



 リゾートコロニー内部の山岳地帯に身を隠す鹵獲ザク2体からは、キワメルに搬入されようとするMSの様子が確認できた。

「2台目もモビルスーツだ。まだあの中にもあるかも知れんぞ」
「曹長、叩くなら今しかありません」
「我々は偵察が任務だ。それに忘れたのか? ここは曲がりなりにもサイド6。中立地帯だぞ」
「……どうせ俺達の乗っているのはジオンのザクなんだ。奴らの仕業に見せかければ……」
「おい、貴様、命令違反を犯すのか? やめろ」
「フン、手柄を立てちまえばこっちのもんよ」



 不意の振動に驚き、エレカーを止めるコナタ。

「こ、この振動の伝わり方は、爆発?」
『連邦軍? でも、ここサイド6だよ』
「でも……」

 姿を現す白いザク。

「ザクだ……」
『何だ、味方……』
「違う! 連邦軍! 白いザクなんて白狼ぐらいだし、あのエースの白はもっと明度の低い本当の白。あれは、連邦軍が鹵獲して操ってるものだよ! ツカサ! キワメルに緊急警報を!」

 とっさのことで、ツカサもコナタ自身も気付かなかったが、それはジオン軍MSパイロット、コナタ・イズミ曹長の知識には無いはずのものであった。
 しかし、爆発を起こす軍施設が、それに対する疑問を吹き飛ばした。
 唇を噛み、エレカーを飛ばすコナタ。

「遅かったか……」

 それどころか、もう少しタイミングがずれていれば、コナタも巻き込まれていた所だ。
 コナタの足下に落ちているマニュアル。

「極秘資料? ……こ、これ、新型MSの」

 そして、目前のトレーラーには、カバーのめくれかかった鋼の巨体があった。

『コナちゃん! コナちゃん! すぐに戻って! 艦長達はみんな上陸してて、今の攻撃で……』

 無線越しのツカサの悲鳴に、我に返る。

「ツカサ、しっかりして。カガミは居るんでしょ」
『う、うん。お姉ちゃんは船の中だと思うけど』
「この際、憲兵でも何でも関係ないから。すぐに探し出して指揮を取らせて」
『うん……』
「このままじゃ、みんなやられる。しっかりして、ツカサ」
『うん、やってみるよ』

 ツカサとの通信を切り、呟くコナタ。

「ミユキさん……」

 そして、トレーラーに横たわるMSのコクピットに身を沈める。

「こいつ、動く? ……ザクと同じだ。こいつかな?」

 幸い、コクピット周りは乗り慣れたザクとほぼ同じだった。
 起動準備を整えるコナタ。
 しかし、

「ひどっ、1/2しかエネルギーゲインがないよ!?」
「お恥ずかしながら、まだ調整が済んでいませんので……」
「って、ミユキさん!?」

 不意に聞こえてきた声に驚くコナタ。
 MSには珍しい副座型。
 そのコ・パイロット席に、点検用ハッチから現れる、見知った、懐かしい姿があった。

「ご無沙汰しております、イズミさん」
「~っ! 色々言いたいことあるけど、それは後回しにして、未調整なの、このMS」
「ええ、でもその分、私がリアルタイムにサポートしますから」
「なら、お願い」

 カバーをはね除け、重々しく立ち上がるMSアッガイ。
 しかし、

「し、正面!?」

 とっさに両手をかざして防御するアッガイに、ザクマシンガンが命中する。



「な、なんてモビルスーツだ。ライフルをまったく受け付けません」

 アッガイはマシンガンの弾を全て弾いていた。



「あれっ、平気?」
「曲線的な装甲を持っているので、たまたま角度が浅くて弾いただけです。確かにザクに比べたら装甲は厚いんですが、当たり所が悪ければ抜かれますよ」
「そ、そんな不吉なこと言わないでよっ! ぶ、武器は、これ?」

 頭部に装備された4門の105mmバルカン砲が火を噴く。

「ミユキさん、照準甘いよ、これ」
「お恥ずかしながら、まだ調整が済んでいませんので…… それに当たらなくて幸いかも知れません」
「どうして!?」
「モビルワーカーに偽装してこのサイド6に持ち込んでいますから。この頭部のCIWSも、左腕のロケット弾も、装填されているのは、コロニー補修用のトリモチ弾だったりしますので」
「そんな…… って、弾切れだ」

 大口径故に、装弾数は思った以上に少ない。



 弾幕で牽制できなくなったアッガイに、肉弾戦を挑んでくるザク。

「やってやる。いくら装甲が厚くたって!」



「イズミさん。腕部に採用された伸縮性のフレキシブル・ベロウズ・リムを使ってください」
「これ!? それじゃ、ズームパンチ!」

 コナタのかけ声の通り、アッガイの腕部が伸び、ザクの頭部に命中。
 メインカメラを粉砕する。



「うああっ!」
「あれがジオン軍の新型モビルスーツの威力なのか?」

 驚愕する連邦軍パイロット達だが、当のコナタも驚いていた。

「す、凄い隠し武器だね、これ」
「そして、右手には収納式のかぎ爪、フォールディングレイザー対装甲クローがあります」
「これ?」

 コナタの操作に応じて、アッガイの右腕から伸びる6本のかぎ爪。



「サンダースが待っている所までジャンプできるか?」
「補助カメラが使えますから、見えます。ジャンプします」

 離脱を図ろうとするザクに迫るアッガイ。



「逃がさないよ」

「うわあーっ」

 アッガイのクローはザクの比較的薄い背部装甲をあっさり貫き、核融合炉を爆発させる。
 それはザクだけでなく、コロニーの外壁にまで被害を及ぼした。

「くっ!」

 コナタはアッガイの左手に装備されたロケットランチャーから6発の大型トリモチ弾を立て続けに放ち、コロニーに空いた穴を塞ごうとする。

「リロード!」

 予備弾を再装填してもう6発。
 ようやくコロニーからの空気流出を止める。

「MSのエンジンをやれば、コロニーも保たない。コクピットだけを狙えば……」

 連邦の鹵獲ザクはもう1体。
 幸い、ザクの構造は知り尽くしている。

「よくもやってくれたな!」

 激情のままに飛びかかってくるザクに対し、コナタは、

「二重の極み!」

 接触の瞬間にクローを引っ込め、コクピットの直上を殴打することで、ザクを沈黙させた。
 外装はベコリと凹み、衝撃で内部機器は完全に破壊されたが、核融合炉が爆発することはなかった。

「さ、さすがイズミさんですね」
「いやぁ、漫画やアニメの技を練習したのがこんな所で役に立つとはねー」
「ま、漫画ですか?」
「フッ、認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」



「また、俺だけが生き残ってしまった……」

 一部始終を見届けたテリー=サンダースJr軍曹だったが、サイド6で機体を見られる危険を冒せるはずもなく、復讐を胸に撤退するのだった。



次回予告
 サイド6を脱出するキワメルを待ち受けていたサンダース軍曹は、ついに死神の本領を発揮してアッガイに迫る。
 それは、サンダースにとってもコナタにとっても、初めて体験する恐ろしい戦いであった。
 機動戦士アッガイ、次回、『アッガイ破壊命令』。
 君は、生き延びることができるか?


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