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No.4919の一覧
[0] ハッピーエンドを君達に(現実→シークレットゲーム)【完結】[None](2009/01/01 00:10)
[1] 挿入話Ex 「日常」[None](2009/01/01 00:05)
[2] 第A話 開始[None](2009/01/01 00:04)
[3] 第2話 出会[None](2009/01/01 00:05)
[4] 第3話 相違[None](2009/01/01 00:05)
[5] 挿入話1 「拠点」[None](2009/01/01 00:06)
[6] 第4話 強襲[None](2009/01/01 00:06)
[7] 第5話 追撃[None](2009/01/01 00:06)
[8] 挿入話2 「追跡」[None](2009/01/01 00:07)
[9] 第6話 解除[None](2009/01/01 00:07)
[10] 挿入話3 「彷徨」[None](2008/12/20 20:05)
[11] 挿入話4 「約束」[None](2008/12/10 20:01)
[12] 第7話 再会[None](2009/01/01 00:07)
[13] 第8話 襲撃[None](2009/01/01 00:08)
[14] 挿入話5 「防衛」[None](2009/01/01 00:08)
[15] 第9話 合流[None](2009/01/01 00:09)
[16] 挿入話6 「共闘」[None](2009/01/01 00:09)
[17] 第10話 決断[None](2009/01/01 00:09)
[18] 挿入話7 「不和」[None](2009/01/01 00:10)
[19] 第J話 裏切[None](2008/12/19 04:13)
[20] 挿入話8 「真相」[None](2008/12/20 20:40)
[21] 挿入話9 「迎撃」[None](2008/12/20 20:07)
[22] 第Q話 死亡[None](2009/01/01 00:10)
[23] 第K話 失意[None](2008/12/25 20:01)
[24] JOKER 終幕[None](2008/12/25 20:01)
[25] 設定資料[None](2008/12/24 20:00)
[26] あとがき[None](2008/12/25 20:02)
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[4919] 挿入話Ex 「日常」
Name: None◆c84e4394 ID:a86306dc 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/01/01 00:05
※この作品は本編には殆ど関係がありません。また本編の雰囲気を崩してしまう可能性が高いです。
※以上の事が許容出来る方のみ先に進んで頂けます様に、作者一同御願い申し上げます。
※あととても短いです。済みません。





※本当に良いですか?















彼の朝は目覚ましで始まる。
起こしてくれる人は誰も居ない。
寝ていた煎餅布団からその太った身体を抜け出させると、彼は時間を確認する。
そこには何時もの起床時間があった。

(もう今日は会社を休んでしまおうか)

ふと過ぎる考え。
しかし彼は生きる為にお金を稼がなくては成らない。
その為には働かないといけない。
面倒では有るが、それが現実である。
だから彼は今日も出社準備を始めた。

(ああ、面倒だ)

会社に行っても他人に馬鹿にされるだけである。
出来れば人前になんて出たくなかった。
だるい身体を動かして着替えをして髭を剃る。
朝食は何時も通勤中にパンなりを買って食べていた。
誰も作ってくれる人なんて居ないし自炊もしない彼には、こうやって買って食べるしかない。
そして彼は嫌々、何時もの時間に出社をするのだった。





挿入話Ex 「日常」



彼が朝の通勤ラッシュを乗り越えて辿り着いた会社は中規模の企業である。
此処で彼は事務職をしていた。
と言っても主な仕事は書類の作成と整理である。
毎日細かい数字と文字を追い、様々な意味を持つ書類を処理し続ける、彼以外には大切な仕事だった。
だが彼にとっては詰まらない仕事である。
もっと自分を表現出来る仕事がしたかった。
それが何なのかは、彼自身にも判らない。
だが現在に不満を持っているのは事実だった。

そうだとしても今の彼がその役割を果たせているのかと言えば、Noである。
彼は殆ど碌な仕事が出来なかったのだ。
バブル崩壊前に入社し、年功序列の制度の中で課長まで昇進した。
だがバブルが弾けてからは色々と世間の風は冷たくなり、彼は窓際に追い遣られていたのだ。
そんな彼なので、周りも仕事を回そうとはしない。
結局誰かが手直しする破目に成るのであれば、最初から渡さない方が良いのだから。
そうやって彼は会社の中でも隔離されている存在だったのだ。
そんな彼に珍しく声を掛ける人物が居た。

「漆山君、ちょっと良いかね?」

その者は彼の部署とは異なる部署の部長である。
50代に近い彼が未だ課長であるのに比べると、40代で既に部長に昇っている彼とは存在の格が違った。
そんな雰囲気を纏わり付かせた男が話しかけて来たのだ。

「な、何か用かね?俺は急がしいんだが」

全然忙しくはないが面倒な会話は御免だった漆山は、どもりながらも突っぱねる様に返した。
これが美人の女だったら、彼は鼻の下を伸ばして即座に話を聞いたであろう。

「忙しいって…貴方には仕事は回されていない筈だが?」

「う、煩いなっ! ほらっ、これらの資料を纏めないといけないんだよっ!
 用が無いなら帰って貰えないか」

周りから仕事が貰えない為、本来この部の仕事ではあるが誰も手をつけていないものに、彼が勝手に手をつけていたのだ。
それについては他の部であるその部長には判らなかったが、それはどうでも良い事なので話を続ける。

「いやぁね。ちょっとした注意だけだから。漆山君、うちの部署の女性を変な目で見ないでくれるかな?
 苦情が大量に来て困っているんだ。出来ればうちの部署の区画には近寄らないで欲しい」

部長の言葉の内容は辛辣なものだった。
つまりは「来るだけで害がある」と言っているのだ。
漆山は手元にあった書類を握り締めるが、その課長は言いたい事を言った後はすぐに踵を返していた。

「それじゃ僕も暇じゃないのでね。今言った事を聞いて貰えないなら、人事に直談判に行く事にするよ」

その言葉に漆山はビクッと太った身体を振るわせる。
彼は何度も社内で問題を起こしていた為、人事には睨まれていた。
これ以上何か揉め事が有れば、最悪退職勧告を言い渡されかねないのだ。
振り向きもせずに去っていくその部長の背中を睨み付けるが、彼にはそれ以上の事は出来ない。
腕っ節にも自身の無い彼には腕力に物を言わせる事も出来ないのだった。

昼食はコンビニ弁当である。
以前は社員食堂で食べていたのだが、一緒の場所で食べるのが嫌だと女性社員からの投書があり、彼だけ立ち入り禁止に成ったのだ。
明らかな人権侵害であるが、彼以外が全員同意したのでこの案が通ってしまう。
つまり男性達も彼と一緒の空間で食べたくない、と言っていたにも等しかった。
だから彼は自分の席で空しく弁当を突くだけである。
以前屋上で食べようとしたら、そこの常連だろう者達に追い出された経験があった。
中庭も同様である。
だから彼の居場所はもうこの隔離された自分の机しか無かったのだった。

終業後、彼は就業時間が終わった瞬間に会社を出て行く。
正直お金を得る為でなければ会社になんか居たくなかった。
そして今日は月に一度のお楽しみの日だったのだ。
会社を出た足で直接夜の歓楽街へと向かう。
彼は生活費以外の殆どを貯金もせずに、こういった遊興に使用していた。
そうでもしないとストレスで倒れそうだったのだ。
それにこの月一の遊興には彼の仲間が居た。
同じく女にもてないもの同士が一緒に成って街に繰り出すのだ。
商売女は良い。
彼にとって彼女達はオアシスだった。

「お、お姉ちゃん、お、俺と遊ばないか?」

周囲に居る女性に近付いては声を掛けていく。
彼はこうして月に1回から2回、女遊びに興じるのだ。
周りの仲間達も女を物色しては声を掛けていく。
そして気に入った子が居る店に突入して、酒を飲むのだ。

「ゲッハッハ、良いねぇ、やっぱり酒は楽しく飲まなきゃ」

「そうそう、ほら、GONZO☆も飲んで飲んで!」

「お、済まんねぇ。うっぅく、ぷはぁぁ。ほらぁっ、おネエちゃんっ、次持って来てっ!」

「良いねぇ、良い飲みっぷりだよ、権ちゃんっ!」

そんな風に彼等は周りの客の雰囲気をぶち壊してでも、自分達が楽しんだ。
日頃の鬱憤をぶつける日なので、彼等の中では無礼講なのである。
時々不埒な店は彼等を追い出してしまうが、それでも彼等は月一で騒ぐのであった。

だがそれも最近彼の心を曇らせていた。
結局彼女達はお金が無ければ相手もしてくれない。
それは当然なのだが、彼にとっては深刻な問題であった。
既に自分に先が無い事は判っている。
それでも彼は生きたかった。
それも毎日を楽しくである。
月一の遊興に耽った彼は、寂しくなった心と懐を抱えて、家路に着く。



本来彼はこの時に意識を失う筈であった。
しかし彼は無事自分の家へと帰り着く事が出来てしまう。
それは何度も頻発するトラブルによる変更からの結果でしかなかった。
変わらず彼は「候補者」の、しかも捨て駒の1人だったのだ。
だが彼は今後「組織」と一生係わる事は無かった。
それが彼にとって幸運だったのか、それとも不運だったのかは、誰にも判らない事であった。

※GONZO☆Fight!!



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