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No.462の一覧
[0] 出会いの章 [ついたち](2003/08/22 21:13)
[1] 出会いの章 虹野沙希編 その2[ついたち](2003/08/22 15:19)
[2] 出会いの章 虹野沙希編 その3[ついたち](2003/08/22 15:22)
[3] 出会いの章 如月未緒編 その1[ついたち](2003/08/23 16:40)
[4] 出会いの章 如月未緒編 その2[ついたち](2003/08/23 17:09)
[5] 出会いの章 如月未緒編 その3[ついたち](2003/08/26 22:06)
[6] 出会いの章 片桐彩子編 その1[ついたち](2003/08/26 23:45)
[7] 出会いの章 片桐彩子編 その3[ついたち](2003/08/27 23:13)
[8] 出会いの章 伊集院レイ編 その1[ついたち](2003/08/27 23:20)
[9] 出会いの章 伊集院レイ編 その2[ついたち](2003/08/27 23:28)
[10] 出会いの章 伊集院レイ編 その3[ついたち](2003/08/27 23:33)
[11] 出会いの章 伊集院レイ編 その4[ついたち](2003/08/29 22:38)
[12] 出会いの章 伊集院レイ編 その5[ついたち](2003/08/29 22:40)
[13] 出会いの章 伊集院レイ編 その6[ついたち](2003/08/29 22:43)
[14] 出会いの章 片桐彩子編 その2[ついたち](2003/08/29 23:31)
[15] 出会いの章 伊集院レイ編 その7[ついたち](2003/08/29 23:34)
[16] 出会いの章 伊集院レイ編 その8[ついたち](2003/08/31 02:08)
[17] 出会いの章 伊集院レイ編 その9[ついたち](2003/08/31 02:13)
[18] 出会いの章 伊集院レイ編 その10[ついたち](2003/08/31 17:26)
[19] 出会いの章 伊集院レイ編 その11[ついたち](2003/08/31 17:32)
[20] 出会いの章 伊集院レイ編 その12[ついたち](2003/08/31 17:38)
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[462] 出会いの章 
Name: ついたち 次を表示する
Date: 2003/08/22 21:13
 虹野沙希編 その1

 「ええ~、イヤだよ。お父さん一人で行けばいいじゃない」
「まぁ、そう言うなよ。沙希」
「いくら自分が野球少年団のコーチをしているからって、なにも別のチームの試合まで見に行かなくてもいいじゃない」
土曜日の夕食の席で沙希の父、誠司は小学六年生の娘を野球観戦に誘ったのだ。そういったものに興味を持たない沙希は当然のごとく、それを拒否。父は娘の無情な言葉にこの世の終りと思わせるような失望の表情をあらわにする。

 虹野誠司の娘への溺愛ぶりは近所でも有名である。初めて歯が生えた時は車一杯に離乳食を買い込んできただの、急な発熱に慌てて救急車を呼んだだの、初めての父の日参観で娘の作文発表に号泣するだの、とそれを示す事例に欠くことはない。そんな彼だが、最近は娘とのコミュニケーションがとりづらくなってきたと内心、寂しい思いをしていた。
 妻の美沙にそのことを相談すれば、
「沙希もそろそろ思春期なんですから、あんまり干渉すると嫌われますよ」
という返事が来て、大いに慌てたものである。

 がっくりと肩を落とす父の姿を見ていると急に、可哀想なことをしたかな、と思ってしまった沙希はとりあえず妥協案を出す。
「じゃあ、三城屋さんでの食べ放題で考えてあげる」
その愛娘の言葉に誠司はもろ手をあげて喜んだ。そんな夫の姿を見て、美沙はどっちが子どもなんだろうかと苦笑をもらした。

 翌日

 昨晩の天気予報どおりに、空は晴れ渡り、雲一つない蒼穹が広がっていた。虹野親子はきらめき市営球場へとやって来ていた。少年団の試合にしては意外と人の数が多く、沙希は不思議に思った。
「お父さん、人多いね」
「ああ、今日は県大会決勝だからな。それで人が多いんだよ。たぶん、新聞やスポーツ雑誌の記者も来ているんじゃないかな?」
「へぇ~」
父の説明を聞き流しながら、沙希が周囲を見回すと、出場者の家族と思しき大人の姿や沙希と同年代の少年達の姿をちらほらと見かける。
「沙希ー、入るぞー」
「あー、もう、まってよー」

 二人がスタンドに入るとグラウンドでは既に試合前の練習が始まっていた。試合をするのは白地に赤い縦じまのユニフォームに身を包む『きらめきスピリッツ』と青地に白抜きの文字が入ったユニフォームを着る『ひびきの野球クラブ』。グラウンドに立つ彼らの姿は、沙希にはどこか大きく見えた。


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