獄卒たちが住まう館に案内され囲まれながら肋角と向かい合う。
「君は殺されたんだな。可哀そうに」
「可哀そうだなんて…それにはきっと理由がある。ムカついた、嫌いだから
そういう理由があるんだと思います。それに私は気にしてませんよ。
だって優しそうな人たちに会えたから」
トウカはふと笑顔を浮かべた。年相応の優し気な笑顔だ。
「怖くはないのか?獄卒が」
「目を見れば分かります。ここにいる人たちは悪い人じゃないから」
「そうか…キリカ、彼女に服を用意してくれ」
「えぇ、もう準備してあるわよ」
キリカは両手に服を抱いていた。肋角が席を立ち獄卒たちに外に出るように
言った。全員が出て行ったあと、キリカはトウカの方を見た。
「さぁちゃちゃっと着替えちゃいましょう。その服はおばちゃんが洗うから」
「ありがとうございますキリカさん」
トウカは服を脱ぎ貰った服を着る。スカートということ以外はほとんど他の
獄卒たちと変わらない。
「サイズもピッタリね。よかったわ」
「ふぉ~!!なんかすごいぞ」
平腹が我慢できずに中に入ってきた。カーキ色の服を着たトウカは
少し頬を赤らめている。
「じゃあトウカちゃんはこれからここに住むのよね。なんでも聞きに
来なさいな」
「はい、ありがとうございます」