記憶はハッキリと残っている。名前も全て…。
「これで任務完了だね」
佐疫はそういった。獄卒たちは今回の任務での疲れを言い合ったりしている。
だが途中で全員が足を止めた。
「君は…亡者?かな…でも任務で言われたのはマキさんだけのはず」
「死んでるのは分かってるよ。私は藤香、突き落とされて死んだ駆け出し
作家だよ。貴方たちは誰?」
「俺たちは獄卒だ。俺は斬島、こっちは佐疫と木舌と平腹と田噛、そして
谷裂だ」
「やっぱり…」とトウカは呟く。薄々ここが死んだあとの世界だろうと
予想をしていたようだ。
「あ、いたいた。お疲れ様、みんな。それとそっちの亡者さんは
初めまして、私は災藤という。トウカちゃん、君は暫くこちらで
預かることになった」