閲覧する前の注意点。以下の項目をきっちり114514回声に出して叫んでから読んでください。：ノンケは読むことを推奨しません。：パヨク・在日等の政治的過敏存在が読むと動悸・息切れ・発狂・頭痛などの症状が出る恐れがあるので来ないで（ハナホジ）：フィクションをフィクションとして楽しめない人は書き込みやめて半年ROMれ＿＿＿＿＿＿＿＿序章1990年 イラク 某所【大統領･･･残念ですがサウジやクウェートはわが国の窮状など歯牙にもかけないようです】【こうなればやむを得ない、武力行使しかないだろう。それと、例の作業を進めておけ】【良いのですか？アレは西側共通の核戦争時の最終手段の筈ですが･･･】【他に出来る事があればそうしている。･･･大天使様を呼び出そう】＿＿＿＿＿＿＿＿1989年12月25日 マルタ島で行われたアメリカとソ連の首脳会談で冷戦の終結が宣言される。世界は核戦争の恐怖から解き放たれ、終末は遠ざかったかのように思えた。しかしそれは同時に、ホワイトハウスとクレムリンにより押さえつけられていた世界各国・各民族を縛り付けられていた鎖が無くなったのと同義である。ポスト冷戦により多くの国で長期政権や独裁政権が倒され、政治と統治は混乱し外交関係は複雑化。小国ではそれまで超大国より受けていた支援が無くなり困窮する国も出るなど、混迷の時代の幕開けである。＿＿＿＿＿＿＿＿砂漠の街道を複数の装甲車が走っている。車窓から見える車両、その全てがアメリカ海兵隊第二師団のモノだ。私は一介の海兵隊大尉、ウィリアム・アスター。代々続く軍人家系の次男坊。そしてちょっとした秘密として日本人の前世を持つ、俗に言う転生者といったやつだ。しかし、これまで特に変な能力も異常にも遭遇せず、真っ当に軍人をやらせてもらっている。前世の知識を生かしてちょっとした株式の儲けを出している程度の人間だ。時は正に湾岸戦争、【砂漠の嵐】作戦の真っただ中。航空優勢は既に取れており、爆撃の大量発注によりイラク国内の防空機能は全滅。移動しようとするイラク軍は見つかり次第、爆撃でズタボロにされている。正直に言おう。楽な仕事だ。これ以降の中東やアフリカのグダグダには付き合いたくないが、既に6年海兵隊に奉職している。妥当に10年勤めあげたら通常退役して、株の利益で作った資産を元に日本に移住して40代から楽隠居を決め込むつもりだ。そんな風に人生設計をしながら、装甲車で指揮下の中隊を移動させていると、近くの拠点に踏み込んだ部隊からの応援要請が舞い込んできた。『こちら312中隊！至急応援を頼む！おかしな恰好した連中がイラク軍を守っていて建物を制圧できない！』312。近場の孤立した建物を制圧しに行ったうちの大隊の奴か･･･。しかし報告は正確にしてもらわないと困るな、おかしな恰好じゃまるでわからん。『大隊長より312中隊、314をそちらに向かわせる。それと報告は正確に行え』大隊長からうちにお鉢が回って来た。味方への救援ならどんとこいって奴だな、状況がある程度わかっている分リスクが少ない。「314中隊了解。今から312へと合流する。敵の特徴は？」助手席から地図を広げ運転手に312中隊への移動指示を出す。『未知の敵は赤い全身鎧と羽が生えていて槍を装備！射程が長い！50ｍ先から胴体をぶち抜かれた奴もいる！』なんだそりゃ、中世の騎士様かよ。アーマーや予備弾倉の上から遠距離で腹をぶち抜かれるって、相当イカレてやがる。無線周波数を中隊内用に切り替えて簡単に指示を出す。「中隊長より各員。バンデットは赤い全身鎧が特徴、遮蔽を使って慎重に仕留めろ。全兵器使用自由」無線を仕舞うと目標の建物が見えてきた、中東によくある煉瓦と土で固めた大きい倉庫と言ったところだ。中隊が建物近くの適当な稜線に兵員輸送車と歩兵戦闘車を止めると、後部ドアから自分を含め中隊各員が装備を揺らしながら飛び出し建物内へと向かっていく。先遣隊の312中隊の車両がいくつか見えるが、RPGでやられた車両も何台か見えた。「314から312、到着した。内部の状況を教えてくれ」すると銃声と爆発音が入り混じる応答が帰って来た。『312から314！助かった！階段を上がった二か所で交戦中だ！赤いキチガイが硬すぎる！全身分厚い鋼鉄みたいな硬さだ！』それを聞くと俺は即座にブラッドレーの火力を頼る事にした。相手がなんであろうが火力で殺せばいい、はっきりわかんだね。「M2は稜線越しに建物上階を狙えるようにしろ！TOWで壁を破って25mmをぶち込む準備だ！」「小隊毎に各所で突入、312を支援しバンデットを排除しろ！」各扉から内部へ突入。既に派手な銃声が鳴り響いている階段を見つけ警戒しながら上ると、直ぐに312の交戦個所にたどり着いた。味方の血と硝煙が混じった臭いが鼻に突くが、顔を顰めるだけで我慢する。壁に棚やテーブルを重ねた即席のバリケードにたどり着き、M60を何時でも撃てるようにしながら味方の隊長を探す。「ここの隊長はどこだ！」リーンしながら、通路の向こう側にいる赤い羽根付き全身鎧に7.62x51mmを叩き込む。こちらに向かって槍を突き出そうとしたバンデットは怯んだようで、二階の事務所と思わしき部屋へと引っ込んだ。7.62mmを喰らって怯むだけとか人間じゃねぇ、どう考えてもイカレてやがる。「反対側の通路です！9時方向の階段！」適当な木箱にM60を固定して制圧射撃を開始。こちらに到着した二個小隊も弾幕を張り始めた。事務所に引っ込んでいるイラク兵と赤い羽根付き鎧どもを釘付けにする。毎分500発以上の弾がM60から発射され、既に穴だらけの事務所を更にボロボロにしていく。「敵の近くに味方はいないな！？」それと同時に反対側の階段付近からも猛烈な銃火が発射されだした。向こうにも小隊が到着したらしい。「いません！」重要な事を確認してから無線機をひっつかみ、待機中のM2達へと指示を送る。「M2共！上階奥側の壁をTOWでぶち抜け！25mmで片付けろ！」『待ってました！伏せていてください！派手にやりますぜ！』きっちり5秒後に事務所の辺りで大きな爆発が発生、続けて25mm機関砲の断続的な発砲音と着弾の衝撃が建物全体を揺らす。20発ほど砲弾が叩き込まれ完全に崩壊した事務所跡。瓦礫と砂ぼこりが舞い散っており視界は悪い。俺は立ち上がり、そこに向けて走り出す。流石にもう跡形も残っちゃいないだろうが死亡確認は必要だ。「発砲やめ！314各員今から残敵を掃討する。念の為だが警戒を怠るな」無線機に連絡を残し跡地へと突入する。別口の階段からも314が隊列を組みつつ前進しだした。312はその援護につく。「跡形も残っちゃいないと思いますがね･･･人間が25mmに耐えられる訳がありませんよ」第三小隊長のマイクが小さく零す。俺も同意見だが、確認不足の報告書なんぞ出したら大隊長に殺されるからな。そうして崩壊し天井と壁が綺麗にリフォームされた事務所跡へと侵入すると、驚くべき光景を目にした。「ジーザス･･･嘘だろ･･･」そこには鎧が歪み壊れかけているとはいえ、未だに白い羽の原形を残してこちらに槍を向けるキチガイ3体存在していた。そいつらは明らかに人間ではない空気を纏いながら、苦しむように言葉を吐き出した。《慈悲の心を持たない･･･お前達が･･･主の事を口にするな･･･！》赤い全身鎧、天使の様な羽根、聖四文字との関係。一瞬思考が空白になりかけるが、【敵】を前にして動きを止めるような軟弱な訓練はされていない。「Open fire!」即座に部屋の中で小隊が展開すると小銃と機関銃の射撃が【天使：パワー】を襲う。TOWの爆発と25mm砲で弱っていた彼らはそれだけで断末魔の悲鳴を上げながら煙の様に消えていく。《彼らが･･･何をしたというのだ･･･！周辺国から不当な扱いを･･･受けていただけではないか･･･！》《おぉ･･･アズラーイール様･･･申し訳ありません･･･彼らを･･･守れませんでした》彼らの嘆きには、アメリカ軍人であるウィリアム・アスターとして何も言える事は無かった。＿＿＿＿＿＿＿＿戦闘を終え、大隊長に報告すると、他の場所でも【天使】のような連中が時折イラク軍と共に戦っていたとの事を聞いた。流石に報告書に天使と交戦して人員が死傷したと書けないらしい。彼らは戦闘外の事故で死亡した事になるそうだ。【天使】についても厳重な緘口令が敷かれた。その戦闘で多くの兵士が精神的なダメージを負ったりしているそうだ。そりゃそうだ、アメリカ人の殆どはカトリックかプロテスタントを宗派としている、間近で天使っぽい何かと戦えばおかしくもなる。だが俺の頭の中はそれを通り越して、最悪の想像をしていた。【ここが女神転生の世界であるならば、東京に核が落ちて全面核戦争が勃発する】もしそれが起きなくても女神転生ならばスナック感覚で世界が滅びる規模の事件が起きる。俺は仮設駐屯地の寝床で、嫌な汗とどうしようもない焦燥感に駆られていた。（どうにかしなければ･･･。誰かがどうにかしてくれる？クズノハや主人公達が？そんな甘い期待なんて自殺と同じだ･･･。やるしかない･･･出来る事を･･･！）＿＿＿＿＿＿＿＿