本作は戦国ランスの二次創作です。
オリジナルキャラ×原作キャラのカップリングを予定しています。
また15歳くらいの対象の暴力描写もあります。(闘いの描写で、普通に首が飛んだりします)
以上を読み、それでも読んで頂けるようでしたら下に本編があります。
それでは、どうぞ。
Prologue
―――――余命一年
それが医者に告げられた、彼の命のリミットだった。
彼は極平凡な大学生だった。
部活で汗を流し、友達と馬鹿な事をして笑い、恋もする。
モチロン休みの日には派手に遊びまわり、親に怒られる事もあった。
だがその生活も急に終わりを告げる。
ある日いきなり吐血した彼は病院に搬送され、医者から残酷な宣告をうけた。
不治の病に侵され、彼に残された日々は非常に残り少ないと言う事を。
彼は足元から崩れ落ちるような錯覚を覚え、体調を崩しそのまま入院。
残された余命を終生ベッドで過ごす事になると告げられた時、彼の絶望は如何ほどのものだったろうか。
彼は三日三晩塞ぎ込んだ。
周囲の声も聞かず、医者さえも拒絶して自分に与えられた病院の一室で一人過ごす。
四日目の朝。
部屋を開放した時の彼はとても晴れやかな顔をしていたという。
何か答えを得たかのような笑みに、両親は息子の境遇に涙した。
―――――――そして彼はグレた
病弱の彼に暴れまわるという行為は不可能だし、それでは親を悲しませてしまう。
その辺を理解していた彼は静かなる反逆を起こし、別の道へと進む。
「謙信タン萌えーーーー!!!」
「五十六ちゃん…ハァハァ………」
彼が進んだ修羅の道はアニメ・ゲームの世界だった。
残り少ない命を好きに使って欲しいと両親は、彼に好きな物を買って与えた。
流石に他人の目に憚れる物はAmaz○nで購入していたようだが。
「かなめに踏まれたい……ハアハア」
ネットは病院という閉鎖空間においても彼に友達を与え、その友達が彼にゲームを勧めた結果である。
時間の大部分を一人で過ごす彼にとって、のめり込むまでそう時間はかからなかった。
「雪姫カワイソス(´・ω・`)」
彼にとって新世界への扉が開かれたかのようだった。
夢のようとは正にこの事。毎日のように彼はゲームをプレイした。
だが、そんな彼にとって蜜月のような時間も終わりを迎える。
「心拍停止! 脈拍戻りません!!」
「電気のチャージはまだか!? 早く電気マッサージを!」
ピーッ…と彼の生命の強さを表すグラフがフラットを描く。
医者は必死の延命措置を行っているが、張本人の彼は何処か冷めた眼差しでそれを眺める。
彼にとって自分の死が他人の出来事のような気がしてならないのだ。
彼はぼんやりと虚空を見詰める。
いまわの際に彼が思い浮かべたのは後悔だった。
(ちくしょう…あと二国で全国制覇だったのにな……)
・・
そして彼はこの世界と今生の別れを告げた。
享年21歳。短すぎる人生だった。
Interlude
「ねぇ、君は生きたい?」
「―――――――――」
「ははっ、そうだよね、愚問だよね!
…でもそれが玩具としての生だとしても?」
「―――――――――」
「構わないって? さっすが〜! じゃあ君に肉体を与えてあげよう。
肉体は…魔人ベースだとツマラナイし、人間の体でいいよね!
でもこれだとすぐに死んじゃって詰まらないから…君に特殊能力を一つつけてあげる」
「―――――――――」
「ズバリ、神速の逃げ足! これで生存率は上がったよね!
君は生き延びて、面白い事をして喜ばせる事! それが君の仕事さ」
「―――――――――」
「じゃあ精々楽しませてね、期待しているよ!」
Interlude out
この世界での彼の物語はこれでお終い。
だが奇運にも舞台に幕は下りない。彼の物語は次の世界へと持ち越される事になる。
それが何を意味するのか、今はまだ誰にもわからない――――