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No.3892の一覧
[0] コードギアス 新約・反逆のルルーシュ[鬼八](2010/02/06 22:41)
[1] ずれる 世界[鬼八](2008/08/20 12:17)
[2] ずれる 世界[鬼八](2008/08/20 12:19)
[3] その 名 は ゼロ [鬼八](2008/09/09 20:37)
[4] 二人 の 魔女[鬼八](2008/09/23 18:21)
[5] 二人 の 魔女[鬼八](2008/09/23 18:22)
[6] 矛盾 と 友情[鬼八](2008/09/25 17:50)
[7] ココロ の カタチ[鬼八](2008/08/20 12:35)
[8] セイヤク の 言葉[鬼八](2008/09/25 17:51)
[9] すれ違う 戦場[鬼八](2008/08/20 12:40)
[10] 繋がれる 人々[鬼八](2008/09/07 22:21)
[11] 世界 に 晒される 日[鬼八](2008/08/21 13:09)
[12] 世界 に 晒される 日[鬼八](2008/08/23 11:24)
[13] 日 の 当たらない 場所 で[鬼八](2008/08/23 11:54)
[14] 日 の 当たらない 場所 で[鬼八](2008/09/07 22:23)
[15] 戦人 たち[鬼八](2008/08/28 21:45)
[16] 戦人 たち[鬼八](2008/09/27 18:39)
[17] 命 の 価値(ニーナエロ注意)[鬼八](2008/09/07 22:24)
[18] 忠義 に 触れる[鬼八](2008/09/21 22:38)
[19] 嘘つき たち の 思惑[鬼八](2008/09/02 21:44)
[20] 勝ち取られた 信頼[鬼八](2008/09/21 22:40)
[21] 仮面 の 真実[鬼八](2008/09/09 20:41)
[22] サクラ サク[鬼八](2008/09/09 20:48)
[23] ショウ タイム[鬼八](2008/09/14 13:05)
[24] 孤独 な 人間[鬼八](2008/09/14 13:04)
[25] 愛しき者 の ために[鬼八](2008/09/17 20:43)
[26] 愛しき者 の ために[鬼八](2008/09/19 17:24)
[27] 解読 不能[鬼八](2008/09/21 01:12)
[28] 別離 の 日[鬼八](2008/09/21 22:42)
[29] 目覚める 魔王[鬼八](2008/09/23 18:26)
[30] 舞 姫[鬼八](2008/09/27 18:41)
[31] 二人 の 島[鬼八](2008/09/27 18:44)
[32] 重ねられる 手[鬼八](2008/10/07 13:08)
[33] 重ねられる 手[鬼八](2008/10/07 13:20)
[34] 再 会[鬼八](2008/10/12 23:47)
[35] 瞳 に 映す キセキ[鬼八](2008/10/13 12:56)
[36] たった ひとつ の 嘘[鬼八](2008/10/16 21:32)
[37] 東京 決戦[鬼八](2008/10/23 13:11)
[38] 死闘 の 果て に[鬼八](2008/10/29 07:53)
[39] 偽りの再生[鬼八](2009/04/28 22:44)
[40] 醒めない夢の途中[鬼八](2009/05/06 23:47)
[41] 解放への協力者[鬼八](2009/05/15 21:30)
[42] ナイト オブ ラウンズ[鬼八](2010/02/06 23:14)
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[3892] 勝ち取られた 信頼
Name: 鬼八◆c53b7f0c ID:b89231d8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/09/21 22:40
政庁の一室で武官と文官が総督であるコーネリアと副総督のユーフェミアを囲み、
ナリタ作戦後の影響とこれからの活動について会議をしていた。
資料が配られた後、ダールトンが内容を簡単にまとめる。


「先日の作戦の被害、確かに我が軍のそれは大きかったですが
ナリタ山の日本解放戦線本部壊滅という目的は果たされました。
奴らはこれで暫くまともに動くことは出来ないはずです。
軍の戦力補充はシュナイゼル宰相に頼んであった臨時予算の方を切り崩すことになりますが問題ありません。
経済界の方への影響もアッシュフォードが随分と協力的で混乱はすぐに収まりました」


コーネリアが簡潔にまとめられた資料に目を通す。
資料作成は主にユーフェミアとミレイが行ったものだった。
以前に比べれてかなり分かりやすいものとなっている。
ミレイはまだ一応民間協力者という位置づけで、
軍関係の会議が終わってから会議に参加することになっているので、会議室にはいない。


「分かっている。片瀬を逃がしたのは痛いが、奴を捕らえれば解放戦線は完全に瓦解する。
これまでの奴らの兵器の入手ルートがこの間の調査によって割れた。
ディートハルトとかいう男が持ってきたあれだ。
主義者の疑惑も浮かんでいる男だが、能力は確かで調査の裏付けも取れている。
片瀬は一時、そのルートのツテを頼り日本を出るだろう。どうやら慎重に事を進めるタイプのようだからな。
だが、それが間違いだ。奴以外に旧日本軍出身者で政治能力のある人間はもう残っていない。
藤堂は武人。誰かの元で動く男に過ぎない。国外脱出の隙を狙って片瀬を叩く。
懸念事項である黒の騎士団について何か分かったことは?」


以前の姫様なら、そのような疑惑を抱えた人間は信用されなかったはずだが。
ヴィレッタはともかく、ジェレミア卿に極秘任務を与えたとの噂もある。
このエリアに移ってこられた辺りから、雰囲気が変わられたような、一体どうなされたのだ…?


頭の中に浮かぶ問いを口に出すことはなく、ギルフォードは用意された答えを口にする。


「はい。どうやら、ゼロは枢木の分家に当たるテロリストを支援していた男、
枢木ライチョウをサイタマ壊滅作戦の折に助けだすように藤堂に要請したようです。
ですので解放戦線と騎士団が結びついているというよりは、ゼロと藤堂の個人的な繋がり程度で、
組織がどちらかをすぐに吸収するということは考えにくいと思われます。
ナリタで捕らえた黒の騎士団員から聞き出した情報ですので確かです」

「そうか、だが油断は禁物だ。必ずや片瀬を討ち取り、この地に安寧をもたらす糧とする」

―――また枢木か。やはりゼロと何か関係が?
…違う。あの子のはずがない。ジェレミアは何も言ってきていないが、
学園に行ってから動きが変わった。恐らくルルーシュに何か命じられたのだろう。
信頼を得るまでもう少し、もう少しでようやく会えるはずだ―――





ゼロと扇、カレンと玉城はキョウトからの呼び出しに応えゲットーのある場所に向かった。
まずゼロが送られた手紙を確認され、話があるからと助手席に座っていた人間と倉庫の影に消えた後、
ゼロだけが車に乗り込み数分後残りのメンバーが呼ばれた。
外が見えないように窓に細工が施された車の中で、組織の編成について話し合う。

「藤堂は作戦後、片瀬少将と合流すると言っていたな。
先日入った連絡によれば少将は一時日本を離れ、台湾の方へ向かうようだ。
国内に残した解放戦線の兵達を藤堂に集めさせるようだが、奴は武人。
確かに戦闘に関わる人間は集められるだろうが、組織はそれだけでは立ちいかない。
出来れば合流し、反攻組織を一本化したい」

「その為にも、キョウトに認められないとな。
支援者が上手く口をきいてくれればまとめやすくなるだろうし」

「あと、入団希望にディートハルトとか言う男がいたが、奴は前回の戦いを独自のルートで調べていた。
スパイの可能性もあるが、能力的には申し分ない。誰か監視する人間がいれば問題ないと思うが」

「そうだな…。さすがに純粋なブリタニア人だと組織内で反発も出るだろうけどメディアの力は大きい。
カレンやヴィクトールのようにハーフの人間や中華系の人間も最近では多く協力員になってきている。
井上は昔、ジャーナリストを志していたし古参で信頼もある。一緒に行動させたらどうだろう」

「ああ。それがいいと思うぜ、俺も。
なあゼロ。この間見せてもらったシミュレーターなんだけどよ、どうしてもお前みたいに出来ないんだ、
何かコツとかねーのかよ」

「玉城、最近ちょっと頑張り過ぎて気持ち悪いんだけど」

「うっせーな。
…仕方ないだろ、ナリタだって人が沢山死んでんだ。ゼロだけに頼ってる訳にもいかねーよ。
いくら藤堂よりもすげーって言ったって、一人で全員を動かすなんて無理だろ。
人が増えれば纏める人間が必要なんだ。俺だってちっとはさ…」

玉城は元々反射能力などがそれほど高くなく、ナイトメア戦では撃破されることが多かった。
しかし、どんな状況でもほぼ大怪我なしで生き残る能力、生への嗅覚のようなものがあった。
そこでゼロは玉城にシミュレーターをやらせ、その行動パターンを分析し、団員の生存確率を上げようと考えたのだ。

「そうだな。いろいろ試してみたが、戦場の大局を見極めるという器ではないな。
能力としては今までの経験で何とか及第点に届いたという所か。
だが、普段の他人に対する面倒見の良さと先陣を切る度量は評価に値する。
そういった人を理屈ではなく雰囲気で従わせる力は扇にも勝るな。
何よりお前の部隊は生き残る率が高い。歩兵、工兵部隊の指揮と教育をやってもらおうか」


そんな話をしている内に、車が止まる。
通された場所から見下ろす窓に映るのは幼い頃から日本人には見慣れた山だった。
「間違いない、ここは」
「ああ、侵入者は尋問なしで銃殺される、サクラダイトが眠るあの富士鉱山だ…!」
「こんな所にまで力が及ぶなんて、キョウトはやっぱり凄い…」



後ろから、声が聞こえた。
「醜かろう?」

外に目を向けていたゼロ以外が声の方向へ向き直る。

「かつて山紫水明、水清く緑豊かな霊峰として名を馳せた富士の山も、
今は帝国に屈し、なすがままに凌辱され続ける我ら日本の姿そのもの。
…嘆かわしきことよ」

御簾で顔が隠された先に和服を着て座る人物を認める。

「顔を見せぬ非礼を詫びよう。
が、ゼロ。それはお主も同じこと。儂は見極めねばならぬ。お主が何者なのかを。
その素顔。見せて貰うぞ」



声の主が杖を振り上げると隠れていたナイトメアが4機、ゼロ達にアサルトライフルを向け取り囲む。
カレンが咄嗟に両手を広げゼロを庇う。

「お待ちください! ゼロは今まで十分信頼に値する戦果を上げてきました。こんなやり方は」
「黙るのだ。扇とやら、お主がゼロの仮面を外せ」

カレンの言葉が遮られ、命じられた扇は息を深く吸い、一度だけ首を振った。



「…すみませんが、それは出来ません。
あなた方は俺達を支援して下さいました。その力は大きいし、
ナリタでの作戦も紅蓮なしではあれほどの成果は上げられなかったでしょう。
でも、俺達のリーダーは彼です。
最初は確かに素顔を見せない彼に対する不満もありました。
でも、今まで一緒に行動してきて俺達は、少なくとも俺は彼は信頼に値する人間だと思いました。

日本が占領されてから七年。
多くの反攻組織が滅ぼされ、日本解放戦線もかつての勢いはありません。
一つの宗教に依ることのなかった日本人という人種で、
失われる前の日本の記憶を持ったまま戦い続けることの出来る最後の世代が俺達です。
だけどそんな人間もだいぶ減ってしまった。
でも俺は子供たちに、戦争に関係ない世代に戦いを強いることは出来ません」

そこで扇は一度言葉を切った。


―――すまないカレン。お前はやっぱり特別なんだ。


「きっと、大きな反乱を起こせるとしたらあと一度か二度しかチャンスはないと俺は考えています。
そして、そのチャンスをものに出来る人間は、彼しかいないと思います。
人さえいれば幾らでも戦えます。資金は他の道を探すことも。でも、一度失われた命は戻りません。
誰も彼以上に俺達の命を上手く使えはしません。指揮されて分かった。
他の誰よりも彼はその重さを知っている。
だから、日本を取り戻すためにも、その信頼を通すためにも俺はここで彼を裏切ることは出来ません」


「おい、扇。本音と建前ってもんがあんだろうよ! こんな状況で」


「分かってる。でも、俺の気が済まないんだ。
ナオトの後を継いで、何も出来なかった俺のせいで失われるはずだった皆の命が
ゼロのおかげで助かったんだ。
俺はゼロに希望を見せられた。だから信じたい。
せめて、彼が自分から正体を明かすまでは庇いたかった」



扇が言い終えると、御簾の向こうの人物は小さく笑った。
「…ふむ。大したものよな。姿を明かさずにそこまで信頼を得るとは。
特別だ、儂だけに姿を明かせばよい。他の者にはいかな事情があろうと触れ回りはしない。
お主が何者であろうと、帰りつくまでの命の保証はしよう」



その言葉を遮るように
「いえ。その必要はありませんよ。…ありがとう扇、カレン」
そう言った後、仮面が地に落ちる。

「「「ヴィクトール!?」」」

「私はゼロではないのですから。
…どうやらあなたには分からないようですね。キョウトの代表、桐原泰三」



「御前の正体を知る者は、生かしておけぬ!」
SP達がヴィクトールに銃を向ける。しかし、彼らを取り囲んでいたナイトメアの内の一機が
不意に他の三機を破壊する。そしてSPを放り投げ、コックピットからゼロが姿を表しゆっくりと桐原の元へと向かう。



「前置きはいいでしょう。今日の私は気分がいい。早めに本題に入ります」

「桐原泰三。サクラダイト採掘業務を一手に担う、桐原産業の創設者にして、枢木政権の影の立役者。
しかし、敗戦後は身を翻し、植民地支配の積極的協力者となる。
通称、『売国奴の桐原』。
しかし、その実態は全国のレジスタンスを束ねるキョウト六家の重鎮。
面従腹背か。結果が出なければ意味がない」



杖を握る桐原の手に力が込められる。それを見てゼロは言葉を続ける。
「あなたが私の素姓を知りたがるのは正解。私は日本人ではないのだから」

玉城が驚きを口にする。扇とカレンはじっとゼロの背中を見つめていた。
感情を鎮め、桐原はゼロをまっすぐに見据えた。
「日本人ならざるお主が何故戦う、何を望んでおる?」

「ブリタニアの崩壊を」
「そのようなこと、出来ると言うのか。お主に!」
「出来る。何故ならば、私にはそれを為さねばならぬ理由があるからだ。
…あなたが相手で良かった」

そう言って、ゼロは桐原に見えるように仮面を外した。
「…! お主…」
「お久しぶりです桐原公」
「やはり。八年前にあの家で人身御供として預かった」
「はい。当時は何かとお世話になりました」
「相手が儂でなければ人質にするつもりだったのかな?」



「いいえ、それは違います。まだ、力が足りない。望みを叶えるのには。
私に出来るのはお願いすることだけですよ。…後ろにいるのだろう、カグヤ。僕だ」


その声に、身を震わせる少女が一人。仮面をとったゼロの前に立つ。
「…どう、してあなた、が」
言葉は途切れ途切れだったが、彼女は何とか言いきった。

「久し振りだね。随分と聡く育ったようだ。今の君なら分かるはずだ。納得は出来なくても、理解は」

まだ震えは止まらない。だが、目だけは逸らさない。
「憶えて、います。あなたのことを。その生まれだけで恨んだこともありました。
ですが後になって思えば本当のあなたは、あなた達は…」
「いいさ。この生き方を選んだのは、他でもない僕だ。
さて、桐原公。一つお土産があります」

「土産とな?」



唐突にヴィクトールが顔に張り付けていた薄いマスクを外す。その下にあったのはかつて見慣れた顔だった。
「それは私です。神聖ブリタニア帝国、第三皇子クロヴィス・ラ・ブリタニア」

「な、死んだはずでは!」

「レジスタンスを殺したことに対して謝るつもりはありません。
しかし、罪もない人間を虐殺したことについては償わなければならないと考えます。
自分の行動に責務を持つのは当然のこと。
彼に見せられた世界が私に道を示しました。もう哀しみは十分だ。人は幸せになるべきだ。
私の命、上手く使って貰いたい。願わくばそれが全ての人に優しい世界であるように」



その言葉に扇もカレンも玉城すらも動けない。
桐原は声を出して笑った後、クロヴィスを捕らえようとするSP達を下がらせた。

「殺せなかったのか、殺さなかったのか問う必要はなさそうだな。捉えたか、敵の心すら。
いいだろう。扇よ、お前の判断は正しかった。この者であれば失われた日本が、
あるいはそれ以上のものが得られるかもしれぬ。
ついてゆけ、お前たちよ。儂らも協力しよう」

「感謝します。桐原公」

「ゆくか、その手に全てを抱えて」

その問いに、ゼロは一度だけ振り向いた。
「それこそが、失われた全てを取り戻すことこそが、我が望み」





その後、ゼロたちとクロヴィスは離され、アジトにいるメンバーにゼロが認められたことを伝える為に、玉城が一人先に帰らされた。
クロヴィスのことは取引に使えるが大事には出来ないので後で幹部にだけ話すこととなった。
さらに残った三人は別の部屋に通された。
神楽耶が今後の為に話し合いたいと一泊するように申し出たのだ。

神楽耶と仮面をつけたゼロが事務的に話を進める。
「あの。ゼロ、いいえルル…」
戸惑いながら、その本当の名を呼ぼうとすると彼女の口に人差し指が立てられる。


―――人を信じてもいいんだよな。二人は俺を信じてくれた。
だから、ナナリー。前に進むために。生きるために。俺は。


扇とカレンが呼ばれ、扉の中に入り促されるがままに椅子に座った後でゼロは
その息をのむような優雅さを秘めた仕草と雰囲気だけで沈黙を作りだし、
ゆっくりとマントを脱ぎ、仮面を外した。


「ゼロは俺だ。ルルーシュ・ランぺルージだ」


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