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No.37503の一覧
[0] インフィニット・ストラトス ~弱きものの足掻き~【転生オリ主】[友](2013/05/05 20:35)
[1] 第一話 IS学園入学初日[友](2013/05/05 20:36)
[2] 第二話 IS特訓[友](2013/05/05 20:39)
[3] 第三話 クラス代表決定戦[友](2013/05/05 20:40)
[4] 第四話 まさかの共同生活の始まり[友](2013/05/05 20:42)
[5] 第五話 天才なんて嫌いだぁぁぁ![友](2013/06/23 22:14)
[6] 第六話 首突っ込むつもりは無かったのに………[友](2013/08/13 00:29)
[7] 第七話 2人の転校生…………ま、俺には関係ないが[友](2013/08/15 11:34)
[8] 第八話 俺が活躍すると? ブーイングの嵐です。[友](2013/08/15 11:35)
[9] 第九話  海の楽しみは海水浴だけではない![友](2013/08/25 11:52)
[10] 第十話  名は体を表すを地で行ってます。[友](2013/08/25 11:54)
[11] 第十一話 まさかのデート!?  そして…………[友](2013/09/15 22:47)
[12] 第十二話 楯無の心[友](2013/11/09 23:38)
[13] 第十三話 楯無の答え[友](2013/11/10 06:36)
[14] 第十四話 信頼の二次移行[友](2013/11/30 21:02)
[15] 第十五話 今日は自宅でゆっくり…………のはずが![友](2013/12/23 01:47)
[16] 第十六話 プールでデート。 あれ? プールで原作イベントってあったっけ?[友](2014/02/20 22:15)
[17] 第十七話 夏祭り………相変わらず一夏は唐変木だ[友](2014/03/30 18:01)
[18] 第十八話 彼女の家に行くのは初めてだ………不安です[友](2014/04/13 20:07)
[19] 第十九話 沖縄旅行 1~2日目[友](2014/05/26 00:03)
[20] 第二十話 沖縄旅行4日目~6日目[友](2014/07/26 22:24)
[21] 第二十一話 努力の成果[友](2014/08/16 17:32)
[22] 第二十二話 特訓風景と一夏ラヴァーズ急襲………まあ、予想通りだが[友](2014/11/02 13:22)
[23] 第二十三話 一夏の特訓風景と学園祭[友](2014/12/09 01:06)
[24] 第二十四話 妹達の邂逅とシンデレラ[友](2015/02/22 18:04)
[25] 第二十五話 白式を寄越せ? 人違いです![友](2015/03/29 19:26)
[26] 第二十六話 偶には自分から原作ブレイクしてみよう[友](2015/05/17 11:13)
[27] 第二十七話 男には やらねばならぬ 時がある    今がその時だ!![友](2015/08/12 07:36)
[28] 第二十八話 ワールド・パージ。 俺は別任務だけど[友](2015/12/06 21:11)
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[37503] 第二十三話 一夏の特訓風景と学園祭
Name: 友◆ed8417f2 ID:7a8c92be 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/12/09 01:06

俺と一夏の模擬戦から一週間。

俺はいつもの如く放課後に地獄の特訓デラックスフルコースを受けているのだが、その少し離れた所で、

『一夏君! 重心の座標がズレてるわ! すぐ整えて!』

「は、はい!」

『スピードが落ちてるわよ! もっと集中しなさい!』

「わ、分かりました!」

刀奈に怒られながら一夏がやっていることは、バルーンの周りをグルグルと回りながらバルーンに狙いを定める『シューター・フロー』。

因みにPICはマニュアル制御なので超ムズい。

俺?

俺があんなもん出来るわけねえだろ?

並列思考を複数必要なことなど俺に出来るわけがない。

2つの並列思考すらまともに出来ない俺に、ああいう特訓は無意味と最初の頃に刀奈にダメ出しを貰っている。

故に、俺は基礎能力を上げるための特訓を毎日繰り返しているわけだ。

つまり、『技』を覚えられないから、『力』だけで相手をねじ伏せろと、そういう事だ。

とは言え、

『オッケー。 速度上がってきてるね。 それじゃ、そこで瞬時加速してみようか』

「え?」

『瞬時加速。 シューター・フローの円軌道から、直線軌道にシフト。 相手の弾幕を一気に突破して、ゼロ距離で荷電粒子砲』

「ちょ、ちょっと待ってください! いきなりそんな…………」

『急ぐ!』

「わ、分かりました!」

一夏は刀奈に急かされるままに瞬時加速を発動しようとし………

操縦ミスって、アリーナの壁に激突した。

「いってぇ………」

刀奈は一夏に駆け寄り、

「こらこら、瞬時加速のチャージをしながらシューター・フローも途切れさせないの」

「む、難しいです」

「駄目よ! ちゃんと覚えて! ほら! 起きて、もう一回!」

「はい!」

必要とは言え、刀奈は一夏に掛かりきりだ。

鈍感で恋愛に疎い一夏にそのような気は無い事は、頭では分かっていても、どうしてもムカムカする感情が抑えられない。

どうしても、刀奈と一夏の方に気が向いてしまう。

因みに、今俺は射撃訓練を行っている。

ただ、あの2人に気が向いたままそんな訓練をしていたとなれば、

――ビーーーー

射撃訓練終了のブザーが鳴る。

「ん? げぇっ!?」

俺はハッとして射撃の結果に目を向ければ、得点がとんでもない事になっていた。

この日、俺は過去最高のペナルティを受ける羽目になった。




訓練終了後、俺は更衣室でベンチに座り、俯いていた。

一夏の訓練が始まって一週間。

一夏はグングンと腕を上げており、刀奈もそんな一夏にご満悦だ。

恐らく、今の一夏と戦えば、互角かもしくは俺が負ける。

一週間前はノーダメージで勝てたのだが、たった一週間の特訓で再び追い抜かれたと感じた。

「これが………才能の差か…………」

今までの一夏は、一夏ラヴァーズにコーチをして貰っていたのだが、はっきり言えば、彼女達の意見が食い違いすぎて、一夏に合った特訓をしてこなかった。

そんな合っていない特訓でも、あれほど腕を上げた一夏。

しかし、刀奈というコーチを得た一夏は、まるでスポンジが水を吸収するように技術を身につけていく。

才能の差だから仕方ないと思う反面、悔しさもある。

いや、俺が気にしてることはそんな事じゃない。

特訓中の刀奈は一夏ばかりを気にしており、どこか寂しさを感じるのだ。

「はぁ~~~~………………親に構ってもらえず、泣き喚く子供か俺は………? 精神年齢45歳だろ?」

自分に言い聞かせるようにそう呟く。

俺は手早く着替え、部屋に戻ることにした。



部屋に戻っても、まだ刀奈はいなかった。

俺はシャワーを浴び、寝衣に着替えてベッドに寝っ転がる。

「はぁ~~~~…………」

未だ気分は優れない。

どうしたらいいかと考えている内に、ウトウトとしてきた。

すると、

「…………盾」

いつの間にか、刀奈が俺のベッドに腰掛け、俺を覗き込むような体勢で見下ろしていた。

ただ、その眼はどこか悲しそうな眼をしている。

「…………刀奈」

俺が刀奈の名を呟くと、

「…………ねえ盾…………私……何か盾を怒らせるようなことしたかなぁ………?」

泣きそうな声でそう呟く。

「………な、何で………?」

「だって…………最近の盾…………どこか素っ気ないんだもん………」

俺は自分を殴りたくなった。

俺は今日まで気にしてないつもりだった。

でも、無意識に態度に出ていたようだ。

「ねえ……私が悪いんだったら教えて………? ちゃんと直すから………」

刀奈はその綺麗なルビー色の瞳を涙で滲ませながら、懇願するようにそう呟く。

俺は、そんな彼女の頬に手を添え、

「違う………お前は悪くない…………悪いのは俺だ」

「えっ?」

「俺が勝手に…………拗ねていただけだ………お前にそんな気は無い事は分かっているのに……………勝手に疑って…………勝手に拗ねて……………いい歳してるのに、どうしようもないガキだよ………俺は………」

「盾…………」

俺がそう言うと、刀奈は微笑み、

「安心して…………私は絶対に盾から離れないから…………」

そう呟きながら、俺の唇に、自分の唇を重ね合わせた。











時は流れ、いよいよやってきた学園祭当日。

俺達のクラスの1年1組は、原作通り『ご奉仕喫茶』。

接客係は、燕尾服を着た一夏とメイド服姿の箒、セシリア、シャルロット、ラウラだ。

因みに俺は、裏方で頑張っている。

女子と比べれば体力がある俺は、色々と体を使う仕事をやらされている。

一夏には、「何でお前は執事やんねーんだよ!? 物珍しさなら俺もお前も一緒だろ!?」と、相も変わらず自分の魅力を何もわかってないお言葉をもらったが、俺がその時のノリでクラスの皆に、「俺か一夏、もしくは両方。 どの燕尾服姿が見たい?」って聞いたら、全員一致で「「「「「「「「「「織斑(一夏)君だけでいい!」」」」」」」」」」と答えられ、一夏は「なんでだぁーーー!!」と叫んでいた。

つまり、クラスの皆からすれば、俺はゼロどころか、マイナスイメージにしかならないってことだな。

俺には刀奈がいるから、世界中の誰に嫌われようと構わんが。

で、結果からすれば、一夏はそこら中から引っ張りだこでてんてこ舞い。

他のメンバーは普通に楽しんでいるという状況だ。

現在一夏は隣のクラスの鈴を相手している。

そう言えば、最近一夏ラヴァーズの暴力性がナリを潜めている。

相談された時に言った事を、真面目に行動に移しているようだ。

一夏は、5人の急激な変化に戸惑っていたが、今では安心して普通に暮らしている。

まあ、5人にとって、所々無理に我慢してる節もあるが。

そんなこんなで雑用に徹していると、

「やっほー! 来たよ、盾」

いつの間にやら刀奈が俺の隣にいた。

「楯無…………って、何でお前までメイド服?」

しかも、何故か刀奈までメイド服だった。

「あはっ! どう? 似合う?」

刀奈はその場でくるりと一回転する。

ふわりとスカートが舞い上がり、男心を擽る。

「あ、ああ。 良く似合ってる」

俺がそう言うと、

「フフッ。 ありがとうございます、ご主人様♪」

そう微笑みながら返した刀奈の姿は、俺の精神に衝撃を与えてくださった。

「あ……う………そ、それで、何の用だ?」

俺は吃りながらもそう聞くと、

「うん、デートしよ!」

ニコニコ笑顔を浮かべながら、刀奈はそう言った。

「………つまり、文化祭の出し物を一緒に見て回りたいってことか?」

そう確認を取ると、

「そうとも言う!」

バッと開いた扇子には、『逢引』と書かれていた。

俺がやれやれと思いながら時間を確認すると、間もなく俺の休憩時間になる所だった。

「お前、事前に調べてたろ?」

「あ、バレた?」

「当たり前だ」

「それで?」

刀奈は分かっていながらもそう聞いてくる。

俺は笑みを浮かべ、

「喜んで」

刀奈の手を取った。






【Side 虚】




生徒会の出し物の準備が終わった私は、生徒会の役目である見回りに来ていた。

一般には開放されないとは言え、多くの部外者が出入りする文化祭は、招待券をもたない人もドサクサで入ろうとする人がいるからだ。

「それにしても…………」

私は、最近の楯無お嬢様の事を思い浮かべる。

無剣さんと出会う前のお嬢様は、更識家の当主としての自覚が強すぎて、見ていて余裕というものが無かったように思える。

いつか、その重圧に押しつぶされてしまわないか心配していましたが、無剣さんと出会ってから、徐々に余裕が出てきたように思え、更に無剣さんのコーチの時間を取るため、夜遅くまで生徒会の仕事をしているにも関わらず、仕事の効率が落ちるどころか、むしろ以前よりも上がっていました。

そして夏休みの最中、無剣さんと恋人同士になっていたという話を聞いた時には、本当に驚きました。

だけど、彼と一緒にいる時の楯無お嬢様は、本当に幸せそうに思える。

「…………恋人………か………」

私にもいつか、そういう人が現れるんだろうか?

私みたいな堅物な女を好いてくれる男性はいるのでしょうか?

最近の2人を見ているからか、私らしくもない事を考えてしまう。

いけないと思いながら首を振り、ちゃんと見回りの仕事を熟そうと、再び顔を上げたとき、一人の男性が目に入った。

「ッ……………!?」

思わず息が詰まる。

その男の人は、赤髪の長髪で額にバンダナを巻き、背も高く、若干お調子者っぽい雰囲気を持ってるけど、悪人が持ってるような嫌な空気は感じられない。

彼を見てると、どんどんと顔が熱くなる。

気付けば私は、

「そこのあなた」

「はい!?」

彼に声を掛けていた。

わ、私一体何をしてるの?

そ、そうだわ。

これを期に彼とお知り合いに…………

わ、話題………何か話題を!

声をかけてからここまで考えるのに約1秒。

私の口から出たのは、

「あなた、誰かの招待? 一応、チケットを確認させてもらっていいかしら?」

情けないことに、なんとも事務的な事だった。

「は、はいっ!」

彼はあたふたと焦りながら、手に握っていたクシャクシャになったチケットを差し出してきた。

そんな彼の事を思わず可愛いと思った私だったけど、思いとは裏腹に表面は淡々と事務仕事をこなす事務員のような対応しか出来ない。

「配布者は………あら、織斑くんね」

「え、えっと、知ってるんですか?」

この人、織斑君のお友達?

なら、織斑君の事を話題に引き出せば………

「ここの学園生で彼のことを知らない人はいないでしょう。 はい、返すわね」

そ、そういえば私、織斑君の事書類上でしか知らない!

わ、話題が続かない!

「あ、あのっ!」

彼からいきなり声をかけられ、私はドキッとしてしまう。

「? 何かしら?」

ちょっと私!

もっと愛想良く出来ないの!?

「い、いい天気ですね!?」

彼が必死に話題を振ってくれてる!?

な、なんとか話を続けさせないと!

「そうね」

それでも私の口から出たのは、なんとも素っ気ない言葉。

私のバカーーーーっ!!

せっかく彼から話題を振ってくれたのにーーーっ!!

目の前で何故か落ち込む彼を見ながら、これ以上話を続けるのは不可能と判断した私は、その場を去ろうと………

「おお! こんな所に可愛い子がいるじゃねえか!」

突然聞こえた乱暴な男性の声。

振り返れば、明らかに不法侵入しましたと言わんばかりの態度で歩いてくる5人の男の集団。

「よう姉ちゃん! 良かったら俺達に学園を案内してくれねーかなぁ!?」

その男達の物言いに私は不機嫌になる。

「何ですかあなた達は!? この学園に入れるのはここの生徒か学園祭の招待券を持った人だけです! 貴方達がチケットを持っているか拝見させてもらいます!」

私がそう言うと、

「おいおい、折角の学園祭なんだろ? そんなかてーこと言うなよ?」

その言葉で彼らが不法侵入したと確信した私は、

「持ってなければ即刻立ち去りなさい! 今なら不問にして差し上げます! ただし、これ以上騒ぎを起こすというなら、それ相応の対応を取らせていただきます!」

私は最後通告のつもりでそう注意した。

だけど、

「はっ! その程度の脅しで逃げるぐらいなら、初めからこんな所来てねえよ! 姉ちゃんはおとなしく俺らに付き合ってくれりゃあいいんだ! まあ、その後はお楽しみタイムだけどな!」

ギャハハと下品な笑い声を上げながら、私の腕を掴もうと手を伸ばしてくる。

「触らないで!!」

私は反射的に伸ばしてきた手を叩き落とした。

「ッ!? 痛えじゃねえか姉ちゃん! あんま調子に乗ってると、痛い目みるぜ?」

懲りずにそう言ってくる男達に、

「いい加減にしなさい! これ以上は本当に許しませんよ!!」

私は本当の最後通告を行った。

「チッ! このアマ! 調子に乗りやがって!!」

突然目の前の男が私を殴ろうと腕を振りかぶった。

「ッ!?」

突然の事に私は反応出来ない。

その時、

「危ない! お姉さん!」

突如私の前に、先程の赤髪の彼が割り込み、私の代わりに殴られた。

「ぐっ!」

彼は殴られ、一歩下がるものの、なんとか踏みとどまる。

「だ、大丈夫ですか!?」

私は思わず彼に駆け寄る。

「へへっ。 こんなもん、屁でも無いっスよ」

彼はそう言って、一歩前に出る。

「ほお~勇気のある兄ちゃんだな。 女の代わりに殴られるなんてよ」

目の前の集団は、面白そうな笑みを浮かべていた。

「テメエらこそ! 今のはどういうつもりだ!?」

彼が突然叫ぶ。

「はっ! ISに乗れるからって調子に乗ってる女にちょっとお灸を据えてやろうとしたまでだよ」

男の1人がニヤニヤと笑みを浮かべながらそう言う。

「チッ! まあ、今の女尊男卑の世の中、お前らの気持ちも分からんでもないけどよ…………」

彼はそう言って拳を握り締める。

「だからって! 男が女を殴っていい理由にはなんねーんだよ!!」

「ぐぼぉ!?」

彼は叫びながら私を殴ろうとした男の顔面を、思い切り殴り飛ばした。

変な声を上げながら、後ろに吹っ飛び、地面に転がる男。

「野郎! やりやがったな!」

残った4人が切れて、赤髪の彼に一斉に襲いかかる。

私も、楯無お嬢様の侍女として、多少武術は齧ってはいるけど、楯無お嬢様のように1人で多人数を相手取ることは出来ない。

彼も応戦するけど、流石に1対4は分が悪い。

徐々に殴られる数も多くなってくる。

それでも、彼は倒れない。

その眼に諦めの色は微塵も無い。

その姿は、素直に格好いいと思った。

その時、どさくさに紛れて彼の後ろから、先程彼が殴り飛ばした男が金属製のバットを持って近付いていた。

「危ない! 後ろ!」

私は咄嗟に叫ぶ。

けど、その時には既にバットが振り上げられている。

それと同時に彼も後ろの男に気付いたけど、対処が間に合わない!

私は思わず悲鳴を上げようとして、

「せいやっ!!」

突然バットを振り上げた男が横に吹き飛んだ。

見れば、黒髪の小柄な女の子が正拳突きを放った体勢でそこに居た。

私も含め、突然の可愛らしい乱入者にポカンとなるその場の一同。

「状況はよくわかりませんが、多勢に無勢。 助太刀します!」

「あ、ああ。 助かる………」

彼は呆気に取られながらも、彼はそう返事を返す。

「何だこのガキ? ガキが調子に………」

「ガキじゃありません!!」

その女の子は、そう叫ぶと同時に上段廻し蹴りを相手の即頭部に叩き込み、自分より一回りか2回りも大きい相手を吹き飛ばす。

「中学3年生は、立派なレディーです!!」

彼女はそう言って再び構えを取る。

彼女はどうやら空手を使うようだ。

少なくとも初段、もしくは二段以上の実力の持ち主。

すると、彼女は、

「肘打ち! 裏拳! 正拳!!」

見事な3連続攻撃を決め、瞬く間にもう1人も沈黙させる。

「女の子だけに戦わせられっかよぉ!!」

彼もそう言って、残った2人の内1人を集中的に攻撃し、倒すことに成功する。

でも、その間に、

「かかと落とし!!」

女の子は残った最後の1人の脳天にかかと落としを決めて瞬殺していた。

とりあえず、私は教員に連絡して、この集団の処理を任せることにした。

その後、

「あの、大丈夫でしたか?」

私は赤髪の彼に話しかける。

彼は先程の喧嘩の中で、何度か殴られていた。

すると、彼は笑って、

「大丈夫ですよ。 あなたみたいな女性を守れたんです。 この怪我は勲章みたいなもんですよ!」

彼の言葉は単なる強がりという事は分かったけど、私は自然と笑顔になる。

「そういえば、お礼を言っていませんでしたね。 私は、布仏 虚。 お名前を伺って宜しいでしょうか?」

「あ………だ、弾です。 五反田 弾」

「そうですか………五反田さん、助けてくれて、ありがとうございます」

私は精一杯の笑顔を浮かべてお礼を言った。

すると、突然彼の顔が真っ赤になる。

「? どうかしましたか?」

「あっ!? い、いえ、何でもありません! それよりも、俺の事は弾で構いません。 苗字だと言いにくいでしょう?」

驚くことに、彼の事を名前で呼ぶ許可をくれた。

「あ…………な、なら、私の事も虚で構いません! 私の苗字も言いにくいですし………」

私も咄嗟にそう言った。

「えっ!? い、いいんですか!?」

「は、はい………」

「え、えっと………それじゃあ………虚さん」

彼に名前を呼ばれた瞬間、まるで心臓が飛び出すと思えるほど高鳴った。

「は、はい! 弾さん!」

私が彼の名を呼ぶと、彼は再び顔を赤くする。

「「……………………」」

私達の間に沈黙が流れた時、

「ウォッホン!」

突然の咳払いに私達は同時にビクリと震えた。

慌てて振り返ると、先程の女の子が私たちをジト目で見ていた。

「青春の甘酸っぱい出会いはいいとして、時と場所を考えてくださいね?」

その言葉に、私と彼は、耳まで真っ赤にした。

すると、

「あれ? 甲? 何やってんだお前?」

聞き覚えのある声がして振り向けば、そこには無剣さんと、

「あれ? 虚ちゃんまで? どうしたの一体?」

何故かメイド服姿の楯無お嬢様がそこに居た。

「お兄ちゃん! お義姉ちゃん!」

はい?

お兄ちゃんに………お義姉ちゃん?

「えっと………彼女はもしかして………」

私は2人に尋ねる。

すると、

「ああ、虚さんは初めて合うんだよな。 紹介するよ。 俺の妹の無剣 甲だ。 甲、こっちは布仏 虚さん。 生徒会の役員で、楯無の………まあ、幼馴染だな」

「初めまして! 無剣 甲です! お兄ちゃんがいつもお世話になってます」

「い、いえ、ご丁寧にどうも」

向こうが頭を下げたので、思わず釣られて頭を下げてしまった。

「それで…………」

無剣さんが弾さんに視線を向ける。

「え~っと、君は五反田………でいいんだよな?」

えっ? 

何で無剣さんが彼のことを?

「んあっ? 何で俺の名前知ってんだ?」

彼も不思議に思い聞き返す。

「名前を知ってるっていうか、苗字だけな。 君、篠ノ之神社の祭りの時に妹さんを探してただろ?」

「あっ、そういえば!」

楯無お嬢様も心当たりがあったのか声を上げる。

「あーーー!! あの時蘭の居場所を教えてくれた兄ちゃんか!! あの時は助かったぜ! お陰で蘭を見つけることが出来た!」

「そりゃよかった」

「で、一体今はどういう状況?」

楯無お嬢様が訪ねてきたので、私は簡単に説明をした。

「なるほど………」

無剣さんが呟くと、何やら私と弾さんを交互に見つめ、どこか面白そうな笑みを浮かべた。

「楯無」

彼はお嬢様に何やら耳打ちする。

すると、お嬢様まで楽しそうな笑みを浮かべ、

「虚ちゃん」

「は、はい!?」

突然名をよばれ、私はビックリする。

「まずは、彼を保健室に連れて行って、怪我の手当てをしてあげなさい。 その後、助けてもらったお礼に、この学園祭を一緒に回って上げるといいわ」

「はえっ!?」

お嬢様の突然の提案に私は思わず変な声を上げてしまう。

「い、いえ………でも、私なんかが一緒に回っても楽しめないんじゃ………」

私は思わずそう言ってしまう。

「何言ってるの? 虚ちゃん可愛いんだから、一緒に回れて楽しくない男の子なんていないと思うわよ。 ね? 五反田君?」

そこで何故弾さんに振るのですか!?

「えっ? 俺っ!? ………え………あ………まあ、虚さん見たいな可愛い人と一緒に回れたら男冥利に尽きますけど………」

彼の言葉に私は顔が熱くなる。

「はい決まり~。 虚ちゃん。 そういうわけだから、五反田君の事よろしくね。 生徒会の出し物に間に合ってくれればいいから、しばらくは自由にしてて。 あ、一夏君を見かけたら適当に言っておくから安心して。 それじゃ、盾、行きましょ」

「そうだな。 おっと、そういえば甲はどうする? 一緒に回るか?」

「ん。 2人の邪魔はしたくないし、私は私で自由に回るよ」

妹さんはそう言って、2人とは別行動を取った。

この場に残されたのは私と弾さんの2人だけ。

「ど、どうしましょうか?」

弾さんが話しかけてくる。

「そ、そうですね………まずは、言われたとおり傷の手当てをしましょう」

私はなんとかそう返す。

「そ、そうですか………ご迷惑をおかけします………」

「い、いえ………気にしないでください………」

私は、自然を装いながら彼に肩を貸し、保健室へと向かった。





【Side Out】






あとがき


第二十三話の完成。

あれ?

主人公よりも弾と虚が目立ってるような?

因みに自分は弾と虚のカップリングは結構好きです。

というか、何か弾は応援したくなってくるんです。

原作が弾視点だったので、虚視点でやってみました。

ということで、変なところで原作改変して、弾と虚がお近づきに。

でもって、甲が再登場。

もちろん招待券は盾から送られたものです。

次回は、甲とまだ出てない彼女が会う予定?

お楽しみに?

では、次も頑張ります。



PS.暗号が未だわからない人が居るようなので答え合わせをしておきます。

まず、暗号は以下の通りです。

zz@gt@ぎう。vsfllt。2¥yうぇ33q@。srw5d@^

これを直接入力で打つとこのようになります。

zz@gt@giu.vsfllt.2ywe3q@.srw5d@^

更にこれを「かな」入力で打つと次のようになります。

つづきがきになるひとはりりかるふろんていああだるとすてえじへ

となり、つまり、

続きが気になる人はリリカルフロンティアアダルトステージへ

となるため、答えは、XXX板にある自分の小説、リリカルフロンティア アダルトステージへ、GO!

というわけです。

納得しました?

¥がややこしかったかもしれない。




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