現在俺は地図を片手にナミさんの方の船の上に座り、見張りを行なっております。
まぁ島の発見や海賊の発見、風を操っての方向転換とかいろいろあるから暇つぶしには事欠かないね。
んでもって他の皆さんは夜中に行なったプチ宴会の後ぐっすり寝てしまった。
てかバギー船から奪った酒ってかなりの量があったんだけど…あれ五十本くらいなかったっけ?
三人でしかも一晩で飲みきっちゃうってどうなのよ、いや大体飲んだの俺なんだけどね。
この体めちゃくちゃ酒が入るよ、しかも酔いつぶれることもないし。
さすが天狗、元々鬼の支配下にあったっていうか鬼に対し謙っていただけあるね。
もちろん飲み比べは俺の圧勝、割合で言うと俺:ナミさん:ゾロで7:2:1くらい。
今まで飲んでいなかったし、しかも飲むのを控えめにするよう言ってた立場だったのでゾロは俺が酒を飲めたことを異様に驚いていた。
ナミさんにいたっては負けると思っていなかったのか、かなり悔しがってたし。
でもアルコール中毒ってわけでもないんだよねこの体、便利。
それはさておいて大陸を発見、やっぱ今までとはスケールが違うね。
マサラタウンとは一体…うごご。
ていうか順番的に来たね、狙撃主&船。
特に船、やったね、やっとまともな居住ができるよ。
ちなみにウソップ編はよーく覚えている、なんか好きだったわ。
まぁ仲間になる人がいる場所は結構覚えているし、これで鬱展開も怖くない。
ワンピの鬱展開って大体過去編だけどね、ロビンとかロビンとかロビンとか。
くそっ、タイムパラドックス起こしたい。
だれかタイムマシンか電話レンジ(仮)かソウルジェム持ってきて。
ネタはほどほどに自重して皆さん起こすとしますかな。
「皆さーん、陸が見えましたよー」
まぁこれで起きるのナミさんくらいだろうね、という訳で男二人を起こします。
マストからぴょーんと飛び降りて向こうの船にダイブ、着地予想地点はルフィ。
「ぶべっ!?」
「朝ですよー陸ですよー」
グネっとした。
なんか嫌な感触だなぁ、あややの靴の所為でもあると思うけどね。
まぁちょうどルフィの顔に入ったので良しとしましょう、これ楽しい。
次はゾロ…どうやって起こそうかな(ニヤリ。
腹にキックは既にしたので、んーどうしようかなー迷うなー。
フフフクククハハハハハ。
「――ッ!?」
あ、起きた。チッ
なんだかまるで嫌な予感がして飛び起きたみたいな起き方だな、嫌な夢でも見たか?
まぁいいや、あーあ残念。
今ちょっといいアイディアが頭を掠めたというのに、タイミングの悪いやつだ。
「お二人ともおはようございます、陸が見えましたよ」
結構遠めで見たからまだ時間かかるだろうけど、細けぇこたぁいいんだよ。
さあ起きろ、構ってください寂しいです。
夜から朝までマストの上で一人ぼっちって拷問に近いね、精神的に。
「…お前変なことしようとしなかっただろうな」
「間違いなく気のせいです。自意識過剰ですか?ノイローゼになりますよ」
くそっ、勘が鋭くなってきやがって。
たった数日でなんて成長してやがる、流石ゾロとほめてやりたいところだ。
今度からはもっと慎重にならないといけないな、反省した。
俺は反省すると…強いぜ…。
よし反省もしたところでさっさと陸に上がろうかね。
おーい船長、いい加減寝ぼけてないで起きろー。
鴉は海に夢を馳せる
第九話 ちょっと目覚めてきたかもしれない
「あったなー本当に大陸が!」
「地図の通りに進んだんだから当然でしょ」
島ならまだしも大陸がなかったら欠陥ってレヴェルじゃねーぞその地図。
錨を蹴り落としてはい完了、上陸準備できました。
あ、でも財宝は念のため隠しておこう。
確か原作でも探りいれられてたからね、いや取り返すんだけど。
念のため念のため。
船の板をはずしてなるべく袋を平らに、よし入った。
二千万ベリーの小船の誕生である。
「この奥に村があんのか?」
「ええ、小さな村みたいだけど」
「それはいいですね、食糧を買い込んでおきましょう」
財宝は使わないけどそれ以外の資金もかなりあるからね。
こういうときしか使わないんだから買えるだけ買っとこう、どうせまた海賊相手に盗るんだし。
ふひひ、これだから止められないぜ。
それで買うのが食料ってのはなんとも悲しい話だけどね。
しっかし本当にでかいな、大陸だから当たり前だけど。
森、山、丘、これだけでかいのに地図を見れば村一つって。
寂しくない?ああでもこの大陸細長いしな、土壌の影響だろうか。
海の水吸ってる土じゃ家も建てにくいし野菜も育てにくいしね。
んでキョロキョロしてたら左手の崖の上の草の陰のところにウソップと子供三人見つけました。
名前なんだっけ?ピーマンとたまねぎと…。
そうだにんじんだ、この前齧ったじゃん、忘れるなよ俺。
ゾロも気づいてるっぽいな、んじゃ知らん振りしておきますかね。
「…さっきから気になってたんだが、あいつら何だ」
おおゾロナイス。
『うわああああ見つかったァ~~~~っ!!』
「おいお前ら!!逃げるな!!!」
うわ気づかれたとわかった瞬間子供三人が悲鳴を上げて逃走。
置いてかれているウソップにドンマイ&ざまぁ。
さてさて第一印象は大事だよね。
とりあえず仲間三人にも気づかれないスピードでウソップの後ろの林へ。
おそるおそる立ち上がったウソップの背中にゆ~っくり近づいて。
「おどろけ~!」
「ぎいやぁあああああああ!!!!?」
おお面白い、これは許されるね。
うお危ない危ない、崖から落ちる!
この崖結構高さあるよ、落ちたら多分骨折くらいじゃすまないかもしれないよ?
まったく気をつけたまえ。
俺が肩つかんで引っ張ってあげなかったら真っ逆さまだったよ。
「…あの馬鹿」
ゾロ君、残念ながら君の呟き聞こえているからね?ん?
その言葉を乙女に思ってるだけならまだしも言葉に出したらっ…戦争だろうがっ…!
ウソップ仲間になったら苛め抜いてくれるわ。
「お…お前さっきまでそこに…」
「さっきって『何秒前』ですか?」
悪いが天狗のスピードは音速だ。
体術面で言わせてもらえれば六式使いでも妖怪相手じゃ話にならないね。
新世界レベルの猛者ならちとやばいかもしれないけど、あれ人間じゃないよ。
さて肩をつかんだまま運送開始。
なんか叫んでるけど気にしない気にしない。
「船長~今日の晩御飯~」
「?そいつ食えるのか?」
真に受けるなよ。
妖怪…ていうか天狗なら食えるんじゃないかな?いや精神的に無理だ、SAN値が下がる。
いあいあはすたぁ、まぁウソップ君には俺の恐ろしさを理解してもらえたと思う。
第一印象って大事だね!
「おおおおお前ら!俺に手を出すのは止めておけ!俺の一万人の部下が黙っちゃいないぞ!!」
「おやおやそれほどすごい方の肉をいただけるとは光栄ですね~」
「うひぃぃぃいいい!!!」
にやにや、ああやっぱり人をいじるのって楽しいね。
癖になりそうだぜ!んー生前の性格なのかね、このSっぽいの。
「…そこまでにしておきなさい、アヤ」
「はーい」
ちぇっ、ナミさんからのストップが来たか。
しょうがないな~、まぁこれ以上怖がらせたらトラウマになりかねないし。
「あっはっはっは!お前面白ェなーっ!」
「う、笑うんじゃねェ!俺は誇り高き男なんだ!!!」
俺がべ○ータだ!!みたいな感じですか。
いかんいかんさでずむが疼く…静まれ俺の魂よ、素数を数えて落ち着くんだ。
「へー、仲間とでかい船をか!そりゃ大冒険だな!」
「ああ、グランドラインに行くんだからな!」
「グランドライン!?あそこは"海賊の墓場"って呼ばれてるくらいだぜ!?」
「でも行く、海賊王になるんだからな」
魚ウマス、そういや牛肉ばっかで豚肉も鶏肉も魚肉も食べてなかったな。
んー鶏肉はなー、なんとなく食べたくないんだよね。
あややって確かみすちーと鶏肉撲滅同盟組んでなかったっけ、その影響かな?
やっぱり妖怪の体と能力以外にも、あややの体に引っ張られてるのかね。
ていうかゾロ、お前は昼真っから酒かよ。
昨日さんざん飲んだだろうが、全体の十分の一くらい。
まぁいいけどさ、金払うの俺なんだけど。
盗ってきた金は身に付かないもんだね、まぁ使い道は(ry。
「――だが主といっても病弱で寝たきりの娘だがな」
ん?ああカヤの話か。
食事と考え事に夢中で話を聞くことを疎かにするとは、俺もまだまだだな。
まぁどうせ原作と変わらないだろうし聞かなくても一緒なんだけどね。
てかカヤ可愛いよね、最初ワンピース見てナミより好きになっちゃったわ。
病弱お嬢様って俺得、でも一番の好みは和服美人の大和撫子です。
どうでもいいけどね、超どうでもいいけどね。
「ん、もうこんな時間か。悪ィが時間なんでもう行くぜ」
「時間?一体何の?」
ああ、イッツライアータイムね。
「まぁまぁナミさんいいではありませんか、ウソップさんと言いましたか?
お会計は一緒に払っておきますのでご心配なく」
「え?いいのか?」
「ええ、一人二人の食事を奢った位で揺るぐほどの経済状況でもありませんので」
「お、おう。すまねェな…お前いいやつだったのか?」
「からかえども意地が悪いわけではありませんので、それにたかが一食奢って
貰っただけでいい人などといっていたら騙されますよ~?」
ニッコリ、笑顔は(ry。
おおすごい早さだ、そんなに怖いのか俺の…というかあややの笑顔。
「面白ェやつだったな!」
「ええ、愉快な方でした」
「…お前がいってんのは違う意味だろうが」
「おやおやばれてしまいましたか?」
「…時々アヤの事が分からなくなるわ」
すなわち激流に身を任せ同化せよ、考えるんじゃなくて感じろ。
少なくとも俺は勢いに身を任せて同化しています。
一時的なテンションに身を任せるやつは身を滅ぼすって聞いたけど気にしない。
そんな事を話してたら来客を告げるベルの音、喫茶店とかのこれ好きだよ俺。
んで入ってくる子供三人、ようやくきたか。
『ウソップ海賊団、参上っ!!』
もちろんたまねぎ、ピーマン、にんじんの三人。
いいね、いじり甲斐がありそうだぜ。
俺たち四人を見てざわざわしだす三人、ウソップを追って来たのに本人がそこにいなかったからだろう。
「お…おい海賊達っ!」
「われらが船長キャプテン・ウソップをどこへやった!」
「キャプテンを返せ!」
おーおー身の程知らずの子供は無邪気ですこって。
目の前にいるのが本当に非常な海賊だったらどうするつもりだったんだろうか。
まったく君たちは運がいい、ふふふははは!
「…はーっ、うまかった!肉っ!!」
その言葉に動揺しだす子供三人、ルフィその言葉をこのタイミングで言えるのは才能だと思うぜ。
まぁ本人まったくその気ないんだろうけどね、惜しいな。
ナミを見たらくすくす笑ってた、さっきはからかうの止めたくせにまったく。
そしてゾロにアイ・コンタクト。
「お前らのキャプテンならさっき……食っちまった」
再びナイスゾロ、もう一回言わせたらいじりの件は勘弁してやらん事もないかもしれない。
んでもって止めをいただきますのはもちろん。
「おや、先程の男と比べると随分食べ甲斐の無さそうな人間ですね~」
羽根を小さめに広げて満面の笑み。
おお、泡吹いて倒れるってこういうことを言うのか。
思いっきり地面に当たったけど大丈夫かね?しかし叫び声すら上げる暇なく倒れるとはね。
俺の威嚇スキルも上がってきたのかね、嬉しくないけど。