いい船長ってのには3つの『N』が必要なんだなあ…!『三つのN』!
1つ目は…『名が売れている』だ、2つ目は『仲間が裏切らない』。
…そして3つ目は冒険やお宝を『望む』…いいだろ?船長の3つの『N』だ。
っていうのを港のすっごい片隅に建ってる古ぼけたラーメン屋で考えてみました。
我ながら上手にできたと思うよ、でも刃九郎にいったら
『…いいんじゃないでしょうか』とかそっぽ向きながら言われたよ、悲しかったよ。
あぁここの豚骨チャーシューマシマシラーメンが五臓六腑に染み渡るでぇ…。
うん、ていうかこの店ラーメン屋なのにカウンターに酒瓶とかが並んでいるのはなぜ?酒場をそのままラーメン屋にしたの?
あと立ち食いなのもなぜ?駅とかにある蕎麦屋じゃないんだからさ。
か弱い乙女(見た目に限る)が港の片隅のラーメン屋で立ち食いってどんな状況だよ。
というか大海賊時代にラーメンとかミスマッチにも程があるだろ…。
ワンピースの世界も常識に囚われないね、だからあややの姿でここにきたのかね。
いやそれだったら早苗さんでもよかですけどね、大海賊時代に吹き荒れる奇跡の風。
お前の奇跡で世界がヤバい。
うんそれでね、俺グランドライン行きます。
いやそれは確定事項だったんだけど、グランドライン行って海賊団始めるよ!
んでそのためには仲間が必要な訳で。
でもルフィみたいに幸運Exモードじゃないからあんないい仲間達がグランドライン前で見つかる訳がない訳で。
そうするとグランドラインで仲間作ろうって話になって、でもそのためには名前が売れてる必要があるよね?
そういう訳で俺が出した結論は、『海軍に喧嘩売ってそこそこ高めの懸賞金かけてもらって注目度を上げよう』ってことです。
ついに俺も海賊の旗揚げになる訳だ、夢がひろがりんぐだね。
さらにここにはスモーカー大佐がいるよね、あれ?今大佐?後で大佐になるんだっけ?
まあいいや、奴には個人的な私怨があるのだよ。
前世の記憶、あやふやな記憶の中でも貴様への恨みは忘れぬぞ…!
首を洗って待つがよい…フフフ、ハハハ、ハーッハッハッハッハァ!
鴉は海に夢を馳せる
第十九話 私怨と名上げと召喚…いやなんでもない
さてやってきました断頭台、海賊王が死んだこの場所から俺の新たなる伝説浪漫大活劇が始まるという訳だ!
いやールフィ達の時とは違って快晴だから景色がすごくいいね。
爽やかな昼下がり、断頭台に登る俺、ザワつき不思議そうな目で俺を見る野次馬共。
駆けつけてくる海兵、向けられる銃口、叫ばれる警告…ムードとは一体なんだったのか…。
『そこの君!直ちにその断頭台から降りなさい!これは海軍直々の命令である!』
っせーな!もうちょっとこの景色を堪能させろよ!こっちはいろいろあって癒しが足りないんだよ!
海軍が何様だってんだコンチクショー!俺をここから降ろしたいならブルドーザーでも持ってきな!
さて、名前を宣伝するのはいいけどどうやってしようかね。
なるべく一般人を巻き込みたくはないけど…そうなりゃ海軍ボコるのが一番手っ取り早いかね。
見たところ今俺に銃を向けてる海兵がざっと見て八人くらい?んで俺に向かって拡声器で叫んできたのがリーダ格か。
つまりリーダー合わせても九人、おいィ?あもりにも謙虚すぐるでしょう?
あーもう直接海軍本部に突っ込んで嵐竜巻巻き起こした方がよかったかも。
とりあえず銃を向けられたままっていうのは落ち着かないよねね。
「刃九郎、ちゃっちゃと片付けちゃって…狙うのは武器だけね?」
『了解しました』
言うやいなや俺の肩から飛び立つ刃九郎、飛び出す力で俺の肩が痛い。
そして刃九郎が俺を取り囲む海兵を横から横へと通りすぎると同時に、海兵の銃が真ん中のあたりで両断される。
いやはやお見事、流石我が海賊団戦闘部隊裏隊長(予定)。
そうだ、海賊団の名前も考えておかないとな。
かっこいいのがいいけど…んー俺のセンスだとどうも厨二臭くなるな。
黒鴉海賊団とか…いかん自分のナンセンスさに笑えてくるわ。
もう刃九郎海賊団とかでいいんじゃないかな、あいつもよくやってくれてるしね。
てか俺が戦ったのってバギーの獣野郎と黒猫海賊団の雑魚共だけかよ…。
刃九郎に至っては鮫仕留めて今の海兵の銃両断しただけだし、なんという宝の持ち腐れ。
もっと戦わせてやりたい…でも自分も戦いたい。
ガイアが俺にもっと戦えと囁いている…!
『…アヤ様、いかがなさいましたか?』
「…いや、なんでもないわ」
おかえり刃九郎、あー戦わせてあげたいなぁ戦いたいなぁ。
いかんいかん落ち着くんだ俺、どこぞやの戦闘民族じゃないんだから。
いや海軍を\デデーン/して無双状態になっても俺としてはアリだけどね。
そんなことだらだらと考えてたらいつの間にか海兵さん達がログアウトしてた。
そろそろ本命かな…さぁこいスモーカー!ここがお前の死に場所だぁ!
いや殺しはしないけど血祭りにあげてやる…貴様の罪はそれほど重い!
まぁ冗談はさておいて、そろそろ待ってるのも暇だし名前売り出しのパフォーマンスの開幕といきますか!
まず広場の中心に全力で上昇気流を発生させます、んでもって風でこれでもかというくらい雲を呼びます。
はい完了、分単位とかからずに黒雲覆う空の完成です。
ね?簡単でしょう?
もちろんその間も自分が作っていますアピールを忘れない、具体的に言うと元気玉を生み出すかの如く片手を上に上げ笑いながら大衆にアピール。
これで何も起こらなかったらただの痛い子だけどね、でも事実として雷雲ができてるからしっかりアピールできてるでしょ…できてるよね?
流石に快晴から雷雲まで一分掛からずなるってのがありえないってことくらいは分かってるよね?
うん分かってるはず、さて後は大佐が来るのを待つかな…。
とか思ったらもう見えるとこまで来ちゃってたわ、広場の横の入り口の野次馬の向こうのどでかいバイクの横でコート羽織るとこが見えたわ。
そして一直線に近づいてくる白い煙の線、密度高いなオイ。
この暗い中でも目立ちすぎだろ…一体何の煙なんだ。
原作でもルフィつかんでたし、煙っていってもいっぱいあるよね?
あーでもワンピースって漫画は海賊力学で成り立ってるからな…深く考えるだけ馬鹿か。
「海軍本部大佐″白猟のスモーカー″だ、大人しくお縄に付きな」
「本日旗揚げのアヤです、カラスは縄では飼えませんよ?」
「なら煙で籠を作ってやろうか?」
「結構です、元々飼い慣らされる性分でもないので」
はい口喧嘩終了、しかし話終わると同時に煙になって乙女の柔肌をつかもうとするのはどうかと思うぜスモーカーさんよ。
お前の煙がどんなものかは知らないが煙は煙!⑨と一緒に高いところに登っているのがお似合いだぜ!
とりあえず距離をとるために団扇で一仰ぎ、おら飛んでけ!
「なっ!?てめェ能力者か!」
「Exactly(その通りでございます)」
いきなりの団扇の突風で広場の真ん中に飛ばされるスモーカー、まさかこれで終わりとは言うまいな!
ついでに貴様の武器の海楼石もいただいておいた!これで勝つる!
いやまぁあややに効かないけどね。
さてなす術もあるまい!もはやおまえなんか怖くねぇ!野郎ぶっ殺してやる!
貴様は絶対に許さんぞ!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!
そして貴様への恨み、確実にはらしてくれる…!
アレは忘れもしない、夏休みの事だった…。
当時学生だった俺はワンピ好きの友達と共に夜の夏祭りに来ていたのだ。
あ、もちろん友達って男だよ?残念ながら俺には女性と縁がなくってね…。
いや若いころはなくはなかったのだが、いやモテモテだったが膝に矢を受けてしまってな…。
まぁそんなことはどうでもいいとして、とにかく夏祭りに来ていたんだ。
んで当てもなく二人っきりでぶらぶらしてると、突然かき氷を持った小学生の低学年くらいの男児が俺にぶつかってきた。
もちろんその手にあったかき氷は俺の着ていた愛用の黒い甚兵衛にシューッ。
普通なら俺はここでブチ切れて…いやそんな度胸はないか、ないな。
まぁ普段なら紳士的な態度とはかけ離れた態度でその男児に接することになっていただろう。
だが、その日の俺は前日にその友達から借りたワンピースのアーロン編からラブーン編を読んでいたのだ。
そう、ここでその日の俺はあのスモーカーの台詞を試してみたくなったのだ。
結論から言おう、言われたガキは渡された金を持って礼も言わずにさっさとどこかへ消えてしまった。
んでもって元ネタ知ってる友達には大爆笑されるハメになった…!
さらにその友達がそのことを夏休み明けにクラスの間ネタにし、俺のあだ名は『スモーカー』になったのだ…!
しかもそのせいで先生からはタバコ吸ってるのかと勘違いされ指導室に呼び出された!
…思い出したらスモーカーにじゃなくて友達に恨みを持ってきたよ。
いやいや、スモーカーにも罪はある!よって断罪する!
え?俺が言わなきゃよかった?その意見は先日に受付終了させていただきました。
さぁかかってこいよスモーカー!怖いのか?
あれ?スモーカーさんどこいった?
広場の真ん中に飛ばしたよな?あれ?
…まさか!上か!
見つけた!ふふふ、俺が過去を振り返っているうちに不意をつこうとしたようだがそうはい神崎!
たとえ貴様が上から襲ってこようとも…。
あれ…もしかしてスモーカーさん落下してません?
何で飛んだんだよ…なにがしたいんだスモーカーさん。
そんなこんなで広場の真ん中に着地するスモーカーさん…あれ浮かび上がった?
敵を前に遊ぶってそれでいいのか海軍本部大佐…あれでも飛んだんじゃなくて浮かび上がった…?
…あ、そういや上昇気流発生させてたっけ。
しかも全力の…あーそれで吹き飛ばされたってことね、やっと納得したわ。
そういや煙だったねスモーカーさん、まさか本当に高いところに昇るハメになったか。
援軍にきたらしき数十人の部下もなにやってんだあの人見たいな目で見てるよ…。
いかんいかんもう十分黒雲集めたし上昇気流止めよう、さすがにアワレすぎるわ。
上昇気流止めたから部下の人たちもその目止めてあげて!ちがうんだこれには深い訳があるんだよ!
スモーカーさんカワイソス、一重に俺の所為だけど。
どうしようこのグダグダな感じ、もうスモーカーさんも満身創痍だし。
どりあえず広場の真ん中でorzになりながら息切らしてるスモーカーさんに駆け寄ってみるか。
そして刃九郎、俺のことそのジト目で見るの止めようか。
せめてなんか言ってくれよ…せめて。
「…ぐっ、クソッ!」
「残念ながら、檻に入るのは貴方でしたね」
鎌鼬ベーリングを逆に相手にかけてやる!するとぉ~!
うん普通に風の檻ができるわけだよ、名前募集中。
まぁロギアで有効なのはスモーカー相手くらいだけどね、煙になったら風に飛ばされ生身だったら切り刻まれる。
クロコダイルとかでも有効かも、多分戦わないけど。
他のロギアは無理だな、雷にマグマに光って風じゃ対向できないよ。
ちなみに周りの部下の人達には刃九郎が対応、刀も銃も真っ二つ。
そのなかにたしぎさんもいたけど、まぁ相手が刃九郎じゃあね…。
でも刀が真っ二つにならなかったのは十分すごいところだと思うよ?
刀もたしぎさんの刀の使い方もね。
さーて、なるべく懸賞金をあげてほしいんだけどどうしようかね?
ここにいる海軍の人たちを【見せられないよ!】にしてもいいけど俺の飯がまずくなる。
スモーカーさんを××するのも恨みはあるけど気が引ける。
というわけで
「海軍本部大佐もこの程度ですか…これじゃ殺す気も起きませんね~?」
「――ッ!!」
名づけて『煽りに煽って懸賞金UP大作戦』!ふははは俺はお前のプライドを破壊しつくすだけだぁ!
ついでに見せつけるようにスモーカーの武器をくるくると回してはスモーカーを突っつく!
屈辱的であろう!無様なり無様なり!
しかも周りにはお前の部下もいるしなぁ!ギャハハハカキクコカクカコカカカカァ!
「この有様で本部の大佐ですか…いえそもそもそれでも男ですか?」
男である経験を生かして割り出した女に言われて一番傷つく&むかつく言葉ランキング第一位!『それでも男か』だぁ!
やばいよねこの言葉の力は、もう俺だったら度胸とか置いといて絶対ブチ切れるもん。
男女平等とは女のための言葉であるとは誰の言葉だったか。
まぁそんな話はおいといて、計画を進めようではないか!
おやおや歯切りなンかしちゃってどうしたのかな~スモーカーくゥン?
悔しかったら反撃してもいいんじゃよ?
やばい楽しくなってきた。
うんでもいい加減にしておこうか、俺も鬼じゃないしね。
だからいい加減そのまとわりつくようなジト目をこちらに向けないでくれるかな刃九郎。
マジで勘弁してください意外とそれ傷つくんですホントにごめんなさい。
よしさっさと締め括ってグランドライン行こう。
あ、この武器はいらないからスモーカー返却。
ポイッとな…あ、スモーカーさんの頭に当たった。
ごめんごめん、そんなつもりはなかったんだいや本当に。
「さーてグランドラインでも目指しますか、あそこならマシな人も見つかるでしょうし」
よしこれで最後にしよう!さぁ刃九郎早くしろ!
なるべく優雅に歩きつつ退場、海軍達の目から離れた瞬間猛ダッシュ!!
サーキットの風になる!速い速すぎるぜ!
目指すはあのデッカイ山!ラブーンの…名前忘れた!
よしそこ行こう!なるべく速く行こう!