「へえ…」
「キャラヴェル!」
「うおーっ!!」
パシャパシャパシャパシャパシャっと。
正面から一枚、側面から一枚、真上から一枚、斜めから二枚。
真下から…は無理か、流石に。
…落ち着いた、すごく落ち着いた。
いらっしゃいメリー号、ようこそメリー号。
いやーこれでようやく小船とおさらばか…胸が熱くなるな。
しっかし今見ると結構面白いデザインしてるなメリー号。
あと黒猫海賊団とかバギー海賊団の船に比べるとやっぱり小さいな。
だが、それがいい。
この小柄な船がグランドラインの約半分を超えていくのか…。
「お待ちしておりましたよ、これは私がデザインしました船で――」
執事なのになんで船デザインしてるんすかメリーさん。
なんかメリーさんってあれだな、羊より前にあっちがでてきたわ。
まったく怖くない上にむしろ来いと思ってしまう俺はもう末期かもしれないね。
でも俺だけじゃないって信じてる、うん。
ていうか今は俺が人外で人怖がらせる類じゃないですか…え?怖がらせちゃっていいのもしかして?
そういやゾロ君にOSHIOKIしなきゃいけなかったし、うふふふくふふふふ。
馬鹿っていったもんね?乙女に馬鹿って言ったもんね?
許されざるよ、絶対許早苗だよ。
ていうかメリーさんがなんか呪文唱えてるけどなんていってるのあれ?
ドラ○もーん、ほんやくコンニャクよろしくー。
絶対日本語じゃないよあれ、オンドゥル語とかハナモゲラ語とかだよ。
あいにく俺はブロ語とルー語にしか精通してないので理解できません。
うん予想通りルフィ首傾げてるし、いや俺はナミさんが何故理解できているのかが理解できません。
お前は悪くないよルフィ…多分、いやでも船長やるなら海の知識はもっといてよ。
ガープさんも何故に肉体ばっか鍛えてそういう知識をつけてやらなかったのか…。
まぁ教えても理解できてなかったとは思うけどね。
「いい船だなー!」
「航海に要りそうなものは全て積んでおきましたから…」
マジですか、カヤお嬢様マジお嬢様。
そういえば食料とかの買い物するの忘れてたよ、今思い出したわ。
船に浮かれて大事なことを忘れるとは…俺もまだまだ未熟か。
まぁ海賊で熟すってのもなんていうかこう…あれだけどさ。
ベテランの海賊って言われれば聞こえはいいけどね。
とりあえず金もあるし?特には問題ないかな…航海的には。
まぁ問題は山積みだね、全部一気に片付けんのは無理だから一個一個消費していくとしますか。
幸い時間はまだまだたっくさんあるしね、ゆっくりゆったりのーんびりいきますか。
「―――ぁあああああああ!!!」
…ウソップ君何してはるん君?バカジャネーノ?
うわーでっかいリュックだな、人間の倍あるリュックっておま。
名状しがたい光景だな、珍百景余裕でINだよウソップくんおめでとう。
リュックと共に転がる男、ギャグ絵にはなりそうだね。
もうなってるね。
あえてもう一回いうけどバカジャネーノ?
「船長、ゾロさん」
ガスッという重々しい音と共に止まるリュックwithウソップ。
蹴りで止めることないやん二人とも、かわいそうだよ。
でも顔面を蹴りながらあえて鼻は折らないというなかなかのファインプレー。
その無駄に洗練された無駄な技術に僕は敬意を表する!
「わ……わりぃな………」
「「おう」」
しっかし改めてテラヒドスこの二人。
まぁ俺だったら華麗にグレイズしたと思うけどね。
いやいや俺があんなことしたら俺じゃなくてウソップがただじゃすまないからそういうことだよ。
けっして面倒くさいからとかそんな悲しい理由じゃないよ。
「…やっぱり海に出るんですね、ウソップさん」
「ああ、決心が鈍らねェうちに行くことにする…止めるなよ」
「止めません…そんな気はしていましたから」
「なんかそれもさびしいな」
お前はいったいカヤお嬢様にどうしてほしいのだ、泣きながら止めてほしかったのか?
そんな甘い色の空気になったら俺の右手に封印された漆黒の龍神がその場のピンク色の空気をまとめて食らい尽くすがな!
くそぅ…かわいい子がほしいよ、美しいお姉さんもいいけど可愛い子がっていうか癒しがほしい。
ああ、社会の風と世間の目が俺には冷たすぎるぜ…。
もう自分でも意味わかんなくなってきてるわくそったれ。
嫉妬の炎で身が焦げそうだ、鎮まれ…俺のダークドラゴンよ…。
あそこの空気を邪魔してはいけない…くっ、ダークドラゴンの力が…!
「――お前らも元気でな、またどっかで会おう」
お前は何を言っているんだ(AA略)。
「なんで?」
「へ?なんでってお前…」
「ほら、いきますよ?船長と狙撃主さん?」
「だとよ、さっさと乗れ」
「俺たちもう仲間だろ」
まったく、一度共に戦ったというのにわからない奴だな。
あ、ごめん俺は一緒に戦ってないわ。
俺寝てたわ。
「…キャ、キャプテンは俺だろうな!!」
「ばかいえ!!おれがキャプテンだ!!!」
やれやれ、また騒がしくなりそうで何よりだぜ。
俺たちの冒険はまだまだ始まったばかりなんだからよ…。
あ、記念に一枚撮っておくか。
カヤお嬢様とメリーさんも入るように…カシャッとね。
うん、みんな笑顔のいい写真が撮れたぜ。
残念ながら文花帖みたいに自分は入れないけど、まぁいいか。
第十三話 海の半分を渡る船と『三人目』の仲間
さてさて再び海の上だが、やっぱり小船とは揺れが違うね。
小船のときはすごかったけどこっちだと微かにしか感じないし。
あー潮風が気持ちいい、小船のときはべたつくし臭いしみたいに思ってたんだけどねー。
余裕があるからなんだろうね、主に広さの面でもさ。
あとキッチンに感動した、めちゃくちゃ感動した。
やっと生野菜以外に野菜の食べ方ができるよ、ありがとうメリーさん。
まぁ他にもいろいろあったしね、保管庫に食料とかたくさん詰め込んであったり。
医務室とかもあったな、今のところは需要なさそうだけど。
あ、あの三千万ベリーは宝物庫につっこんどいたぜ。
どうせナミさんに盗られちゃうけどさ…まぁあることに使う金は取っといたからまだ盗られてもおk。
小船?介錯は俺がしたよ。
一応敬礼もしておいた、そこそこお世話になった(?)しね。
まぁどうでもいいね、超どうでもいいね。
さようなら小船二号。
んでもって今五人集まって海賊旗製作中なう。
あと先に言っておくが私の画力指数は53(ゴミ)です。
もちろん変身or形態変化などあろうはずがございませんのでご心配なく…。
鉛筆とかで書くくらいなら少しは描けるんだけどね…色塗ると途端にね、うん。
で、うちの船長だが。
「できたぞ!!海賊旗!!!」
「コイツには…つまり絵心ってもんがねェんだな」
「ううん…これってもしかして芸術なんじゃないかしら」
「海賊旗ってのは"死の象徴"のハズだろ…まぁある意味恐怖だが」
「…なんというかその、ハイカラですね?」
どうしてそうなった?どうしてそうなった。
あ、もしかしてアレか!抽象画か!なるほどなーすごいなーあこがれちゃうなー。
もしくはアレだな!あの…心理テストのやつ、ロールシャッハテスト?だっけ。
うんそうだそうに違いない、ゲルテナさんマンセーみたいな。
芸術ってのは奥深いな、うん。
うんって言葉と芸術を合わせるとあいつ思い出すな…ジャンプつながりだが漫画違うな。
あの漫画は…最初はすっごい面白かったけど戦争編はいったあたりから読まなくなったなー。
ていうかあの漫画全然忍んでないよね?ていうか忍者漫画で忍んでるのあったっけ?
NA○TOに○空に烈火の○…あ、H×Hにも忍者いたな。
全員忍んでないね、忍者って何だったんだいったい。
で、紆余曲折あってマークができました。
ルフィの考えたマークをウソップが描いて完成。
ちなみに皆で海賊旗製作しているところの写真はもちろんいただきました。
抜け目はないぜ。
「まぁ、これで私達もようやく海賊の仲間入りって所ですかね」
「おう!海賊船もできたしな!!あとは音楽家だ!!」
なんでそこまで音楽家にこだわるんだYOU。
海賊っていったら音楽家は必須なのか?
えーと後はコックに船大工に考古学者に音楽家に医者に…。
巫女とか魔法使いとかメイドとか庭師とか欲しいね!
いやまぁ冗談だけど…いや欲しいってのは冗談じゃないけどさ。
一番欲しいのは癒し(可愛い子)ですハイ。
「んで、船長はなにをしているので?」
「大砲の練習だよ、せっかくついてるし」
「ばかめ、おれにかしてみろ」
なんという火薬の無駄遣い…ていうかこれってあのイベントかよ。
んーじゃあウソップに任せるか…まぁ自分は用意しているとしますかね。
「ん?アヤどこいくんだ?」
「少しキッチンの性能を確かめに」
まだ見ただけで料理してないしね。
見せてもらおうか、新型のキッチンとやらの性能を!
「メシ作るのか!?」
「マジか!俺たちも食いにいっていいか!?」
「大砲の練習をするのでしょう?ちゃんと食事として持っていってあげますから」
「「ちぇー」」
悪いな、今回作る料理一人用なんだ。
というか食事だけじゃ不満なのかお前ら、どうせつまみ食いするつもりだったんだろうが。
まったくしょうがない船員共だ…やれやれだぜ。
あややのパーフェクト三分クッキングー。
一応俺の料理の腕はそこそこってところ、たしか料理屋でバイトしてたし。
まぁサンジの腕にはかなわんだろうがね、相手は本職でこっちは元バイトじゃ比べるのもおこがましいが。
んで今作ろうとしているのは超健康促進野菜炒めです。
ライムだけってのもあれだしねー。
ていうかライムは俺が勝手にライムジュースにしちゃったぜ。
だって普通に絞って飲んでもおいしくないし、俺の好みではだけど。
だから砂糖とか塩と合わせて作ってみました、かなりの自信作だぜ。
さて野菜炒めだが…うん、よくできてるね。
まぁこんなもんは料理の腕関係ないけどね、健康によさそうな野菜適当にぶち込んで炒めてハイ完成。
やっぱ野菜炒めはごま油が一番かなー、作りたての香りがいいのが一番好きだ。
蒸してもヘルシーでいいが今回はヘルシーにしちゃうとまずいしね。
食べやすさ?男ならそのくらい我慢せんかい!
んでそこにビタミンCの詰まったレモンと塩を軽くしぼって隠し味。
野菜炒めとレモンって意外とあうんだよね…って教えてもらったことがあったはず。
あんま覚えてないぜよ。
お、なんか今物音したな。
ジョニーがやられた音かな、っていうことはまだ少し時間があるかな。
とりあえず野菜炒めは蓋をかぶせといて、ちょうどいい時間だし一味の食事もついでに作っておくか。
なんかあらかじめ分かっていたみたいに思われても困るしね。
まぁチャーハンでいいかな?簡単かつ手抜きに見えずおいしく。
「食事の用意ができましたよー、今日は栄養たっぷりの野菜炒めとチャーハンとライムジュースですよー」
お、倒れたヨサクがいるってことはタイミング的にはピッタリかな。
ちょうどライムジュースも持ってますよー偶然ですよー。
「えーと、誰ですか?その人たち」
「説明は後!そのライムジュースもらえる!?」
「え、ええ飲む予定でしたし…」
ナミさん必死すぎワロエナイ、まぁ人命かかってるしね。
どうぞどうぞ、あと野菜炒めもどうぞ。
「…そのチャーハン食っていいか?」
「ええ、どうぞ。あと事情説明よろしくです」
念のためにね、まぁこれにはゾロの不信感を取り除く意味もあるけど。
ていうか船長たちはあとで食わせてやるからそんなに必死にヨサクにいろいろ詰め込まないであげテ!
後書き
アヤ「作者は犠牲となったのだ…私の出番、その犠牲にな…」
アヤ「ていうかたくさんの人から鷹の目との会合を楽しみにする声が…」
アヤ「ヤバイデスッテソンナコワイヒトニチョッカイカケルナンテデキマセンッテ」
アヤ「あ、あと天狗の特性を説明してくださいましたあらたかんがり様、わざわざありがとうございました」
アヤ「んー三年後まではちょっと…考えてませんね」
アヤ「そして通りすがりの白狼天狗君、君は首輪を持って港裏までくるように」
アヤ「まぁ今回から後書きが結構フリーダムになってくるかもしれません」
アヤ「もうなってる?はははまさか」
アヤ「ではでは今回はこれまでー、ご視聴ありがとうでしたー」