設定集、裏話です。読まなくても本編には支障は無いので興味がある方は良ければ読んでみてください。
プロットの段階からアキ自身には大きくこの三つの制限を設けている。
①最初から最強にはしない。
②基本的に自分から戦うことはしない。
③相手の命を奪うことはしない。
おおまかにこの三点。①については初めから最強にしてしまえば物語が盛り上がらなくなってしまうため。ラスボスであるルシアの体にシンクレアを持っていることからどうしても最強に近い形になってしまう可能性があったためジェロ戦時点では六祈将軍級と設定し、そこから段階的に強さを引き上げて行くことにした。その甲斐もあり最新話ではようやく大魔王級まで成長させることができた。
②については能動的にアキが動いてしまうと蹂躙、物語が破綻してしまう危険があったため。没になったエリールートはもしアキが能動的に動いていたらというIFでもある。また性格上ヘタレであるため自分が動かざるを得なくならない限りアキ自身は戦わない、受け身の主人公とした。
③については倒した相手を殺すことはRAVEの世界観に合わないこと。そして相手を殺すことができないという制限を設けることでアキの強さを抑えることが目的だった。
また物語の展開上ハル達と接触することは極力ないように徹底している。これはあまりにも頻繁に接触していては緊張感が無くなり、慣れ合いになる可能性があること。何よりもハル達と接触する展開になるとどうしても感想が荒れてしまうリスクがあるため。事前にアキの状況などはできるかぎり提示したのだがそれでもハル達と敵対するのが気に入らない、アキが全て敵を倒せばいいのではないか、アキの考えが分からないなどの感想が見られたので作者的にはアキとハル達の接触は最低限にしたいのが本音。これから先アキがハル達と直接接触するのは後二回の予定。
・このSSにおける強さ、パワーバランスについて。
プロットを作る段階でできるだけキャラクターの強さ、パワーバランスを明確にすることを心がけた。幸いにもRAVEは完結した作品でありキャラクターの強さはおおよそ決まっていたのでそれほど苦労することなく設定できた。もっとも原作では強さが曖昧であったり、描写に疑問があるものもあったのでその辺りは作者の個人的なイメージで設定した。
基本的には六祈将軍級、キング級、四天魔王級の三つのクラス。
原作よりもクラスごとに超えられない壁を意識した。具体的にはキングには六祈将軍が全員がかりでも敵わない、四天魔王級にはキング級は子供扱い、六祈将軍級は二秒で瞬殺されるなど。
『六祈将軍』
キングに選ばれし六人の戦士であり六星DBをあやつる最高幹部。原作では幾度もハル達を苦しめた強敵であり、RPGでいえば四天王に位置するであろう集団。原作曰く一人ひとりが一国を相手にできる戦力。
序盤の壁とでも言える存在であり、原作でも強さの基準としてよく使われていた。人気が高いキャラクターも多いため書く際には作者がかなり気を使うキャラクター達。基本的には原作と大差ないがレイナとディープスノーについては若干差異が生まれている。
『レイナ』
キングの側近であり六祈将軍の紅一点。このSSでは六祈将軍の中では最も出番が多い。理由は動かしやすく、アキとからませやすいため。アキにおける姉のようなポジションであり、アキに対して恋愛感情を抱くこともない(好意はあるが)ため作者的には重宝できる存在。ジェロの乱入によって触れる方はあまりいなかったが原作の死亡フラグを折り、生存が確定した。原作での彼女の死はかなり重要な出来事でありそれを変えるのはどうかとも悩んだのだがやはり死ぬはずだったキャラクターを救うのが二次創作の醍醐味の一つだと考え生存することになった。彼女には後に重要な役割がある予定。
『ディープスノー』
キングのもう一人の息子でありシュダの後任として加入した六祈将軍。原作では動きだすのは先だったのだが原作崩壊によってそれよりも早く参戦することになる。忠義の騎士とでも言える性格であり作者が一番好きな六祈将軍であるため出番も優遇されている。ゼロ・ストリームと五六式DBという強力なDBを有しているため六祈将軍の中でも屈指の強さを誇る。没案ではドリューによってネクロマンシーとして蘇ったキングと戦う展開もあったのだがあまりにも酷であること、キングを蘇らせることができるのは強すぎるため没となった。
強さの順位は以下の通り
ハジャ>>>ベリアル≧ディープスノー≧ジェガン>レイナ=ユリウス
『六つの盾』
BGの最高幹部であり六祈将軍に対抗するために集められた集団。設定上は六祈将軍に匹敵凌駕する存在なのだが原作で見る限りはどうしても力不足な感が否めなかったのでこのSSではかなり強化することになった。特にルナール、ルカン、ジラフの三人については大幅に強化されている。
『ルナール』
BG副船長でありナンバー2にあたる女性。原作でもユリウスをして化け物と呼ばれるほどの強さを誇る。しかし原作では戦闘によって敗北することなく、ハードナーとハルの戦いに乱入することもなく退いてしまうという消化不良だったためにこのSSではそれを何とかしようと考えた。設定としては六祈将軍最強であるハジャに匹敵する強さにすることを念頭に強化。閃光のDB『ライトニング』と戦斧によって速さと魔導士にとっての天敵である物理攻撃を併せ持っていたのでそれだけでもいいかと最初は考えたのだが全体魔法などの回避不可の攻撃をどう対処するかの問題が浮上。そこで『閃光化』という極みを追加することでその問題をクリアした。またこの際初めてDBの極みの設定が生まれ、後に全てのシンクレアと一部のDBに採用されることになった。六つの盾の中では作者が最も好きなキャラクターでありエクスペリメントでのアキとの戦いはかなりお気に入りの一戦。
強さは以下の通り。
ルナール>>>ルカン>>ジラフ>レオパール=コアラ=シアン>リエーヴル
六祈将軍と六つの盾を比較するとおおよそ以下の通り。
ハジャ=ルナール>>>ルカン>ベリアル≧ディープスノー≧ジラフ≧ジェガン>レイナ=ユリウス=レオパール=コアラ=シアン>リエーヴル
『キング級』
DC最高司令官であるキングと同格の強さを持つ者たち。具体的にはシンクレアを持つドリュー、オウガ、ハードナーの三人とハルの父であるゲイルを含めて五人が位置する領域。RPGではラスボスに位置する存在。六祈将軍を束ねることができる、世界を混乱に陥れることができる戦力。
『キング』
DC最高司令官であり闇の頂点とまで呼ばれる存在。本名ゲイル・レアグローブ。その名の通り王に相応しい力を持っているボスであり原作でまだ六祈将軍を倒していないのに戦いを挑んだ時には作者自身驚いた記憶がある。序盤、中盤で戦って倒せる相手ではないのだがゲイルがいたことで何とかハル達は勝利した。このSSでは強さの基準としてよく使わせてもらっている。没案ではキングが羅刹剣を使う展開もあったのがハルとゲイルの二人がかりでも勝てる気がしないことと倒してもまだモンスタープリズンがあるという無理ゲーになってしまうので没となった。展開上アキとの接触はほとんどなかったが最後の結末は作者的には上手くいったのではないかと思っている。ちなみに他のシンクレア持ちとDBの破壊はなしというルールで戦った場合は
・ドリュー……剣の腕は互角。闇魔法、引力斥力にはデカログス、ブラックゼニスで拮抗できるが魔王化とヴァンパイアの極みをどう凌ぐかがカギ。モンスタープリズンを含めて六対四でキングが不利。
・オウガ……金術、物理無効の能力を持つがデスペラードボムという遠隔攻撃をキングは持っているため有利。金術の究極技も封印剣で無効化できる。ラストフィジックスの極み中はオウガは無敵になってしまうため耐えるしかないがそれでもほぼキングが負けることはない。
・ハードナー……剣の腕は互角であるが処刑剣、再生によって近接はハードナーが絶対有利。遠距離戦もアナスタシスの極みによってDBは無効化されてしまうため不可能。モンスタープリズンを使った上での持久戦でしか対抗できないものの最終的には辛勝できる。もっともその時点でキングも敗北しているので実質引き分け。
となっています。シンクレア持ち達の設定は以前の感想欄で触れているので読んでいない方はそちらを参考にしてください。
『四天魔王』
魔界を統治する四人の魔王。それぞれが世界を支配する程の力を持つ者たちでありRPGでいえば裏ボスにあたる存在。原作曰くドリューを小僧扱いし、六祈将軍を二秒で消せる強さ。特にメギドは原作でも復活したエンドレスを足止めするなど凄まじい強さを見せたのだがやはり最終決戦という宿命からか原作では四天魔王は肩書きの割には疑問が残る敗北を喫してしまったのでこのSSでは作者が想像していた強さを再現することにした。単純な力でいえばキング級の倍。四天魔王には気合いや補正、相性などは通用せず、あくまでも地力が四天魔王に届かなければ勝利できない設定になっている。
『ジェロ』
絶望。四天魔王の紅一点であり最も冷酷な氷の女王。本来なら登場は終盤なのだがこのSSではマザーのせいで序盤に登場することになる。目的はアキの初実戦と四天魔王の強さを読者に示すこと。(もっともジェロは半分しか力を出していないがそれでもキング級)そしてもう一つがジェロが迎えにやってくるというフラグを作るため。原作ではメギドが一目でルシアを大魔王の器だと見定めたがそれでは面白くないためアキに対してはジェロにその役目を与えた。その二つ名の通り冷酷な性格であるが自らが認めた者に対しては慈悲深い面も見せる。基本的に面倒くさがりであり、自分が興味があること以外では動かない。二万年以上氷漬けで眠っていたのもそのためという設定になっている(本人は大魔王の器が現れるのを待っていたと言っている)
能力は『自動再生』と『絶対氷結』
外からのどんな攻撃も再生してしまう氷の肉体と使用した相手を決して溶けることがない氷で永遠に閉じ込める絶対氷結を以て遠距離から相手を封殺するのが基本戦法。内からの攻撃なら倒し得る可能性はあるのだがそれはアキのせいで潰されている。絶対氷結は魔法でありながら物理判定も併せ持っているため封印剣でも防げない。対抗するにはウタ並みの戦気かベルニカの絶対回避魔法ぐらいしかない。また魔導士でもあるが接近戦も可能であり不慣れな剣でもドリューを圧倒できるほどに並はずれた身体能力も有している。
余談だがある意味シンクレア達にとっては天敵ともいえる存在。特にバルドルにとっては逆らうことができない相手でありせっかくアキの元に行き、好き勝手できると思った矢先にジェロも着いてくることになったのでバルドルはアキよりも絶望している。
『ウタ』
永遠。戦王であり戦鬼。四天魔王最強の男。その二つ名の通り四天魔王の中でも最高の実力者でありアキにとっては最大の死亡フラグ。戦うことだけが生き甲斐であり、それ以外には全く興味がない。儀式自体も彼にとってはどうでもよく器であるアキと戦うことだけを楽しみに一年修行に励んでいた。その甲斐もありアキは一度死に、生き返ると言う貴重な体験をすることができた。その思考から四天魔王の中でも特に動かしやすいキャラクター。もっとも四天魔王はメギド以外は終盤に登場し出番が少なかったため言動は多分に作者の都合が入っている。
能力は『戦気』と『戦鬼化』
詳しい説明は感想欄で既に触れているので割愛。コンセプトは単純な強さ。質と量における質を極限まで追求した形。後にお披露目となるアスラの能力とは真逆、対になるように設定している。
強さについては
ウタ>ジェロ=メギド 番外 アスラ
となっており、アスラについては他の三人とは違う次元での強さであり比較できない形になっている。
設定集は以上になります。少しでも楽しんでいただければ幸いです。