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No.3303の一覧
[0] コードギアス 反逆のお家再興記[0](2010/01/26 23:47)
[1] お家再興記 2話[0](2008/07/07 16:04)
[2] お家再興記 3話[0](2008/07/07 16:04)
[3] お家再興記 4話[0](2010/01/26 23:48)
[4] お家再興記 番外編 [0](2008/07/07 16:07)
[5] お家再興記 5話[0](2008/07/07 16:07)
[6] お家再興記 6話[0](2008/07/07 16:18)
[7] お家再興記 7話[0](2008/07/10 17:57)
[8] お家再興記 8話[0](2008/07/28 07:22)
[9] お家再興記 9話[0](2011/07/12 23:36)
[10] お家再興記 10話[0](2008/08/08 03:36)
[11] お家再興記 11話[0](2008/08/12 10:02)
[12] お家再興記 12話[0](2008/09/06 21:44)
[13] お家再興記 13話[0](2008/09/06 22:26)
[14] お家再興記 番外編 2上[0](2008/09/28 23:34)
[15] お家再興記 番外編 2中[0](2008/09/28 23:34)
[16] お家再興記 番外編 2後[0](2010/01/23 21:25)
[17] お家再興記 番外編 2完結[0](2010/01/23 21:24)
[18] お家再興記 14話[0](2010/01/26 23:50)
[19] お家再興記 15話[0](2013/01/28 19:16)
[20] お家再興記 16話[0](2013/01/28 19:20)
[21] お家再興記 17話[0](2013/12/06 02:00)
[22] お知らせ[0](2015/12/25 02:52)
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[3303] お家再興記 3話
Name: 0◆ea80a416 ID:a87cd7a7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/07/07 16:04
「N1!N1!応答せよ!N1!
…くそ!だめだ!ブランジョ少佐どころか、誰とも繋がりもしねぇ!」

「…本部も駄目。
さっき繋がったきり、もう電波妨害で繋がらない
…妨害が無くても繋がらないかもしれないけど」

ジノとアーニャの二人の通信結果は僕のテンションをがた落ちにさせるには十分なものであった。
というかもう、テンションとかの話じゃなくて、絶望だよ。絶望でいっぱいだ。これ以上の絶望は結構。鬱になっちゃうから。

「どうする?本部に戻るか?」

「…本部は大丈夫だと思う。本部にはまだ戦力が残っている。
向うの伏兵がどれくらいかはわからないけど、直ぐには堕とされないはず」

「だが奴らの基地には、たっぷりと戦力が残っている。
本部が伏兵の攻撃に耐えている間に、敵の増援が着たら、本部も持たねえ。
ちくしょう!この電波妨害が無けりゃ戦局がわかるってのに!」

「それを言っても仕方が無い。
…それよりも私たちはこれからどう動くか」


「そうだな。どうする?アクア」

ちょ、お前!そこで半分鬱入ってる僕に聞くんじゃねえよ!

ジノの言葉にアーニャも僕に視線を向けてくる。
なんだか二人とも何かを期待しているような視線だ。
そんな目で僕を見ないで。

なんでこんな事になってしまったんだ。
ゲームのタイトルじゃなくて、リアルにデッドオアアライブな予感だ。
しかもデッドな予感がびんびんしやがる。
もはやデッドオアデッドって勢いだ。
どうすりゃいいんだ、僕は。

「アクア?」

アーニャが可愛らしく小首を傾げながら僕を促す。
ちょwアーニャタンwその仕草やめてください。
テラ萌えすw萌え萌えっすwww



つらい現実を忘れるために現実から逃げてみた。目の前のアーニャに萌える事にした。
こんな状況で萌えることが出来る僕はなんと、2ぶちゃんねるの住民の鑑なのだろうか。
我ながら恐ろしい存在だ。

とりあえず萌えながらこれまでの経緯について思い浮かべよう。萌えながらね。










僕がこのE.U.進行最前線基地本部司令部に配属されて四ヶ月が経った。

僕達3人はそれぞれ別々のKMF小隊に配属され、最初の方は先輩方に扱かれている日々を送った。
扱かれるとは言っても、下の方ではない。されたら硫化水素呑む。
ちなみに、此処でも僕のルームメイトはジノであった。
悪意を感じる。
僕は神様に嫌われているのだろうか?それとも尻神様に愛されているのだろうか?
謎だ。

そして2週間ほど、扱かれてから僕達は始めての戦場を体験した。

初めての戦場での出来事は心底恥ずかしいので、永遠に僕だけの秘密としておく。
ただ一つ言えることは、先輩が語った人を殺すことは直ぐに慣れる。と言う言葉だった。

そしてその言葉は直ぐに本当だと実感することになる。

ともかく、僕は初陣を生きて帰る事を成功する。
そして別の小隊に配属されていた、ジノやアーニャとも無事に再会することが出来た。

この司令部は流石に教官がE.U.の中でも激戦地と言っただけはある。ほぼ毎日戦闘だ。僕達新人三人は、初陣を経験してからはKMFのデヴァイサーとして駆り出される毎日だった。
毎日戦場へと赴き、生と死の狭間を体験する。戦闘ジャンキーとかには、たまらんシュチュエーションかもしれないが、平穏無事に暮らしたい僕には全力で遠慮したい環境に、今僕は居るのだ。
いろんな所から涙が出そうな勢いだ。

しかし僕が駄々をこねても、戦争は続くものである。
この本部が相手をしている、E.U.基地とは正しく一進後退の戦局を繰り広げている最中だったのだ。
ブリタニア側が攻めれば、E.U.側が押し返す。E.U.側が攻めれば、ブリタニア側が押し返す。奇妙なバランス関係が築かれていた。

僕としては、このようなバランス関係が築かれているのだったら、いっその事戦争なんかしないで、皆で仲良く引きこもっていようよ。と提案したい所である。
血生臭い奴等がいっぱいの、この司令部に提案できる訳ないけど。

そんな感じで戦争をしていた時、諜報部がある極秘情報を掴んだのであった。
それは僕たちが相手をしているE.U.側の司令部が別の戦地に一時的に援軍を送るという情報であった。
すなわち相手戦力が減るという情報だった。

この好機は逃せない。
そう判断した司令部は、即座に戦の準備を整え、E.U.に戦闘を仕掛ける事にした。
先行部隊のKMF部隊は三体一組の小隊を、4組。12体のKMFである。そしてその中には別々の小隊に組まされた僕達、新人3人が含まれていた。
つらい現実だ。二次元の世界に逃げたい。

KMF部隊は、それぞれの部隊ごとに散会し、E.U.側に見つからないように慎重に進んで行った。
そして各部隊が敵の基地を一定の距離を取りながらも包囲するように、囲いを作った。

そしてKMF大部隊長。エルゴ・ブランジョ少佐の号令と共に一斉に突入した僕たちは驚愕することになる。

僕たちを待ちかねていたのは、諜報部が手に入れた、現在の敵側の戦力の三倍以上の数の戦力を持ち、迎撃準備を万全に備えた状態でE.U.側は僕たちを待ちかねていたのである。

僕たちは敵に嵌められたのだ。
めんどくさいので、手っ取り早く言うが。
ブリタニアの諜報部に、わざと敵に有益となる情報を流し、秘密裏に戦力を整えていたのだ。
しっかりしてくれ。諜報部。死んじゃうじゃないか。僕が。

敵の一機のKMFが銃砲を放った時、E.U.側の武装が火を噴いた。
そしてそれは虐殺の開幕の狼煙となるのであった。

僕たちは即に、一時撤退をしようとしたが、敵側の攻撃は怒涛の勢いで僕たちを蝕め、僕の小隊で隊長を勤める、グラン・エンフィ大尉、及び隊員のアビリーズ・J・ラカン中尉は戦火の中、その命を散らすこととなった。敬礼。

砲弾の嵐の中、命からがらに僕が何とか敵の基地から逃げ延び、非常事の集合ポイントに向った時、其処に居たのは、僕と同じく砲弾の虐殺を潜り抜けた、ジノとアーニャが居た。
そしてそれは、集合ポイントに辿り着いたのは、僕達三人だけと言う事実だった。ガッデム。

僕が周囲の警戒をし、ジノが仲間が生き残っていないか、一抹の望みを載せ通信を行い、アーニャは本部へと通信を試みる。
電波妨害が錯綜し、通常の通信すら困難の中、二人の通信結果は僕たちを最悪の状況へと追い込む結果となる。
それはKMF部隊とは連絡が付かず、何とか繋がった本部との通信内容は、本部が敵のKMF部隊に襲撃されているというものであった。
そしてそれ以降、通信は繋がることは無かった…。
不吉すぎる。こんな死亡フラグ満載な状況が、今の僕たちを取り巻く現状である。つらい現実だ。マスター…バーボンおかわり。そしてアーニャタン萌え。







「アクア!どうした?」

ジノの呼びかけに、アーニャに萌えながら、過去を振り返っていた僕を現実へと復帰させた。
できればもう少し現実を忘れていたかった。

「いや、すまない。この後のことを、少し考えていてた」

流石に、アーニャに萌えながら、現実逃避かましてた。
なんて、言える訳が無い。ジノに謝りながら、今度は本当に、今後のことを考える。


1 敵の本部を再襲撃。―――NO。  敵の本部には、わんさかと敵の戦力がある。これを僕達三人で殲滅するなんて、無理だし、やろうとも思わない。少数の極普通の機動兵器で、圧倒的多数の敵を殲滅することができるなんて、アニメの世界だけだ。そして僕の乗っている機体は、残念ながらブンダムでは無い。唯のグラスコーだし。僕自身はブータイプと呼ばれる人種で無いので、刻など見えない。と言うわけで、敵本部に突撃案は無し。


2 ブリタニア本部に戻る。―――ダウト。 此処から本部までは、かなりの距離がある。予備バッテリがあるから、バッデリー切れの心配は無いが、本部に戻ったら、敵の奇襲部隊と、敵の本部からの増援部隊に挟まれる可能性がある。そんな事態になってしまったら、命が幾つあっても足りなすぎる。敵の本部に再突入するよりは、生存率は高いと思うが、これも危険。故に本部に戻る案も無し。


3 敵に投降―――――――OK牧場! これだ!これしかない!敵に突っ込んでも、味方の所に戻っても、死亡の予感がプンプンする!ならばいっその事、逆の発想で敵に投降するのだ。歯向かうから、死亡フラグが立つのだ。ならば歯向かわなければいい。これによって死亡フラグを回避!これでいくしかない!なーに。例え捕虜になっても、E.U.側も、ブリタニアとの捕虜条約を守って・・・くれるか?
考えろ・・・よく考えるんだよ!アクア!このままE.U.の捕虜になっていいのか!?考えて見ろ!?奴らは、ブリタニアの淫獣達と一緒で女の変わりに、男と交わるような奴らの可能性があるぞ!?しかも相手は勝利者であり、僕は敗北者の捕虜だ。その絶対的な優位な立場で、僕にどんな要求をするかわかったもんじゃない!そう、E.U.の兵隊が緊縛されている僕を見て・・・。










『ウホッ!いい捕虜…』


兵隊男は緊縛されている捕虜男のことをじっくりと視姦してくる。
そんな兵隊男にフッ…っと兄貴らしく微笑む捕虜男。



『やらないか?』


深い深い、いさじボイスで誘う捕虜男。

その言葉に思わず、捕虜男の緊縛を解き。
ホイホイとトイレに付いて行ってしまう、兵隊男。


『よかったのか。
ホイホイ付いてきて。
俺はノンケだって、かまわないで食っちまう人間なんだぜ?』



『こんなこと初めてだけど、いいんです…
僕…捕虜男さんみたいな人
好き、ですから…』

その捕虜男の質問に、兵隊男は嬉し恥ずかしそうに頬を染めながら応える。


『うれしいこと言ってくれるじゃないの。
それじゃあ、とことん。よろこばせてやるからな』


その言葉に気を良くした捕虜男は、あらん限りのテクニックを駆使して、兵隊男を極上へのヘブンへと誘ってあああ゛゛あ゛ー!・・・ピクピク。















きめぇ!マジできめぇ!
なんて事を想像してしまったんだ。僕は!
もう、なんちゅーか。色々と勘弁してください。
こんな事を考えてしまった自分が憎い。
賢者タイム突入はいやー!尻にションベンはやめてーー!

しばし僕は自分が生み出した妄想に苦しむ結果になってしまった。
我ながらなんちゅーもんを想像してしまったんだ!マジガッデム!


はぁはぁ。お、落ち着くんだ。アクア。
これは僕の思考が暴走しただけで、決してE.U.側の兵隊に阿部(あぶ)さんのような人が居るとは限らないじゃないか…。
そうだよ!端からそんなことばかり考えていたら、紳士な兵隊さん達に失礼だよな!
僕はなんて事を考えてしまったんだ…。こんな自分が恥ずかしい。
ごめんなさい!お父さん!お母さん!ついでにミレイ姉さん!あとクソ爺!
アクアは、自分の偏見で無実の人を傷つける所でした!


…あれ?
ちょっと待てよ?これって僕の方が誘ってないか?
何時の間にか僕が阿部さんになっているような…。

自らの罪を家族に懺悔し、悟りを開きかけた僕であったが、ここで重要な事に気づいてしまった。
気づきたくなかった。
マジで。本気で。まじで。


…さらにきめぇ!超絶にきめぇ!
なんちゅー事に気づいてしまったんだ!僕はぁ!
何だ!?実は深層心理では、ガチホモになりたかったのか!?僕はぁ!?
認めたくねえェ!僕の全生命に賭けて認めたくねえェェ!
もう死にたい!でもやっぱり死にたくない!くそみそテクニックだぁ!僕はノンケのはずだぁ!腹の中がパンパンだぜ。一体どっちなんだぁ!僕はぁ(泣)


「おい!アクア!
どうした!?大丈夫か!?」



負のスパイラルに陥っていた僕を救ってくれたのは、類まれなる王子さまオーラをかもし持つジノであった。
ジノの魅惑のハスキーボイスに、僕の心は正常を取り戻すことに成功する。



ジ、ジノ!
ありがとう!今だったら、僕の尻を許してあげるよ!
…って、やっぱり僕はガチホモだったのかぁぁ!?もう死にたい!でもやっぱり死にたくない!でもでもやっぱり死にたいのかなぁ!?


「アクア!」

再び負のスパイラルに陥らんとしていた僕であったが、そんな僕を救ってくれたは、ピンくちんまいアーニャタンであった。
いつもは僕と同じく無表情な顔つきをしているのに、僕の事を心配してくれているのだろうか?心配そうな顔つきで僕のことを見つめている。ギザ萌える。


…萌える?

その言葉に僕の脳裏に天啓が閃いた。

そう。そうだよ。僕は女の人に萌えることが出来る。
これ即ち。僕がガチホモでは無い事の証明!神の定義。僕は真理に辿り着いたのだ。
真性・・・じゃない新生アクアの誕生だ。
今の僕は全てを悟ったブッダだ。お釈迦様と並ぶ存在だ。崇めてくれていいよ。


「いや、大丈夫だ。やっと決心が付いたよ」

通信画越しに二人の顔を見つめる。
そう、僕は決心したのだ。敵に投降する!これが僕が取るべき道だ。
仮にE.U.側に阿部さんの様な人が居ても、仕方が無い。
僕は全てを受け入れたのだ。悟りを開いたのだ。全ては命があっての事。
命に比べれば貞操の一つや二つ、惜しくは・・・惜しくなんか・・・惜しいけど・・・すっごく惜しいなぁ・・・死にたくなるなぁ。

いかんいかん!せっかくの決心が鈍ってしまう。とにかく、僕は敵に投降するのだ。これはガチ。


「僕は敵の本部に行く。君たちは「ふざけるな!」ヒィ!」


君たちはどうする?と、続けようとした僕であったが、言葉の途中でジノの怒声で遮られてしまった。
あまりの怒声に、思わずヒィ!っと驚いてしまったよ。
ヒィ!なんて生まれて初めて使ったよ。こんなやられ役の台詞、生涯使いたくなかった・・・orz


や、やっぱ敵に投降ってだめっすか。
いや、でも生き延びたいんすよ!分西先生!


僕の哀願の視線をその身に受けた、ジノは怒気を震わせながらさらに言葉を発してきた。



「お前だけを、敵のど真ん中に突っ込ませて、俺たちには本部に戻れって!?ふざけるなよ!」




…は?何言ってんすか?ジノさん?


僕の脳裏には?マークが幾つも発祥するのであった?



■ジノ・ヴァインベルク■


「おい!アクア!どうした!?大丈夫か!?」


俺はアクアに声を掛けずにはいられなかった。

これからの俺たちの行動を、話し合いに、暫しアクアは考え込んでいた。

そこまではいい。しかし少しすると、いつも冷静沈着であり、どんな時でも己が感情を露にしない、アクアの表情が苦悩で歪んで行ったのだ。
その表情は士官学校からずっと付き合いのある、俺が初めて見るほど、苦悩を表した表情であった。

俺の言葉に、アクアは一度顔を上げ、俺の顔を見つめてきた。
そしてまた苦悩に満ちた表情をする。

「アクア!」

アーニャもアクアの異変が気がかりなようだ。
いつもはアクアと並んで、無表情な奴だが、今はアクアを心配している事が一目瞭然でわかる。
こんな時に不謹慎かもしれないが、俺は今、貴重な体験をしているのかもしれない。いつも、自らの感情を決して表に出さない、俺の友人たちが、こうまでも感情を露にしているのだ。こんなことは滅多にないだろう。


「いや、大丈夫だ。
やっと決心が付いたよ」


アクアは、アーニャの言葉に一つ頷きながら、顔を上げてきた。
その顔は決意に満ち溢れた表情をしている。
なんだ?何を決意したっていうんだ。アクア…。



「僕は敵の本部に行く。君たちは「ふざけるな!」」




その言葉を聞いた時、思わず怒声を張り上げている自分が居た。
だが俺は怒声を上げた自分を、後悔してはいない。


「お前だけを、敵のど真ん中に突っ込ませ、俺たちには本部に戻れって!?ふざけるなよ!」


そう。
こいつは、よりにもよって自分だけで、敵の基地を再襲撃し、少しでも敵の増援を減らそうとしているのだ。
そして、俺とアーニャの二人で、司令部に戻れというのだ。

「アクア!お前には、果たさなくちゃいけない使命があるんだろ!?
それをこんなところで終わらせるってのか!?」

俺の言葉にアクアは、目を瞬たせながら、聞いている。


こいつがあんなにも苦悩した理由がやっと理解できた。

この馬鹿は、自分の使命と、俺とアーニャの二人の友人。
どちらが大切か、悩んでいたのだ。

そしてアクアは一人で悩み。答えを出したのだ。

俺たち二人のために、自分が犠牲になるという、馬鹿の答えを。

本当に馬鹿な奴だ。

なんて愛すべき馬鹿野郎なんだよ。

「お前が、敵の本部に突入するって言うんだったら、俺も行くぜ。
アクア。俺とお前は相棒だ。
相棒ってのは、どんな時でも、お互いを見捨てないってもんだ!
それをよーく、その馬鹿な脳みそに刻み付けていろよ!」

俺の宣言を少しの間アクアは呆然と聞いていた。

「私も付き合う」

その声の持ち主。
アーニャのモニターに視線を向けると、アーニャは微笑んでいた。

「私も付き合う。
KMFは基本3体小隊を組む。
私とアクアとジノで3人。
…私たちは3人で相棒」

微笑みながらアーニャは言葉を続ける。

その言葉をアクアは、やはり呆然とした表情で聞いていた。

へっ…今日は本当に珍しい日だ。
こいつら二人のいろんな表情を、見れるなんてよ。

「ああ…俺たちはトリオだ。3人で相棒だな」

気づいたら、俺も微笑んでいた。
現状は絶望的。
だがそんな事は微塵たりとも感じさせない、何かが俺の心の中に根付いていた。


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