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No.31156の一覧
[0] コードギアス 帝国のルルーシュ 【第10話(ニーナ回)更新】[しまうー](2012/12/15 14:41)
[1] STAGE 1 魔 人 の 死 ん だ 日[しまうー](2012/02/07 15:39)
[2] STAGE 2 敗 者 の 笑 み[しまうー](2012/02/07 15:39)
[3] STAGE 3 ラ ン ペ ル ー ジ の 日[しまうー](2012/02/07 15:41)
[4] STAGE 4 偽 り の キ ャ ス テ ィ ン グ[しまうー](2012/03/09 17:05)
[5] STAGE 5 紅 の 憂 鬱[しまうー](2012/04/11 12:18)
[6] STAGE 6 ふ た り の 妹[しまうー](2012/05/17 17:06)
[7] STAGE 7 ウ イ ン ナ ー の 騎 士[しまうー](2012/06/11 16:43)
[8] STAGE 8 軍 服 の 乙 女[しまうー](2012/06/24 12:42)
[9] STAGE 9 奇 跡 の 末[しまうー](2012/10/08 13:14)
[10] STAGE 10 去 り 際 の 友[しまうー](2012/12/15 14:40)
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[31156] STAGE 8 軍 服 の 乙 女
Name: しまうー◆5ca8d63b ID:62c6ca91 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/06/24 12:42

特区日本式典後のゼロとの会談にて。
四聖剣は主力の自在戦闘装甲騎と共に潜伏班をまとめ
藤堂は警察機構の長として特区に残れ、とゼロは言った。

軍人・千葉凪沙としては異議はなかった。
藤堂と四聖剣、戦力の分散は理想的ではない。
しかし万が一特区で何か起こった時に一網打尽にされてしまっては
日本解放の灯が消えてしまうことになる。
リスクの分散はむしろ現実的、と言えた。

しかし千葉の思考を余所に、朝比奈省悟はゼロに噛み付いた。

「気に入らないね、ゼロ」
「藤堂さんと、我ら四聖剣を分断しようとしているように感じるんだけど?」

「適材適所、と言ってほしいな」

返答するゼロは予想の範囲内、といった様子。

「特区の治安維持をブリタニア人に任せるわけにもいくまい?」
「現在、特区日本で集団的に機能する団体はこの黒の騎士団しかない」
「そしてその中でも特区の日本人が信じるに足る名は『奇跡の藤堂』くらいだろう」
「先に言ったように扇には特区での情報収集を任せるつもりだ」
「となれば他に幹部で潜伏班を任せられそうなのは・・・」

ゼロの顔が室内の一角に向けられる。
その行く先を目で追うと、
間の抜けた顔を、自分で指差した男がいた。

「え、俺?」

やや明るい色をした短髪の男、名はたしか玉城。

(いや、それは・・・!)

黒の騎士団に入って日の浅い千葉だったが
それでも幹部連中の人格はおおよそ掴んでいる。

「いやー、でもあれだろ?」
「特区日本では色々と細かい事もしなきゃいけないわけだし」
「そーなると長年経理を預かってきた俺の経験が・・・」

何やらゴチャゴチャと言っているが
万が一の時、この男に日本解放の灯を託せるかと言えば、

(断じて否、だ)

千葉が抗議の声を上げようとすると

「あー、分かった、ゼロ」
「潜伏班は四聖剣が引き受けよう」

朝比奈は両手を上げてあっさりとゼロの提案を呑んだ。
ゼロも満足そうに頷く。
朝比奈としても、そして恐らくゼロとしても
玉城に潜伏班を任せられるわけがない。
ゼロからすれば予定通り、という問答だったのだろう。

(この男のこういう所が信用ならないんだ)

そう思いながら千葉が
この茶番の仕掛け役になった朝比奈を見る。
ゼロにやり込まれた格好だが
朝比奈にしては物分り、というか諦めが良すぎる。
丸メガネの顔には皮肉屋特有の笑み。

「でも四聖剣が雁首揃えて潜伏しなくてもいいんじゃないかな?」





発言の意図を察した千葉の顔を
横目で窺いながら朝比奈は続けた。

「もちろん自在戦闘装甲騎を抱えての潜伏なら補給とかの支援は必要だけど」
「それさえあれば、潜伏は慣れたことだよ」
「自分で言うのは何だけど指揮もそれなりにできるしね」
「逆に藤堂さんは不慣れな仕事、ならば補佐役が必要だと思います」

話を聞きながら必死に冷静さを装う千葉だが、顔が赤くなっていない自信はない。
何やら理屈を並べる朝比奈だが、
これは、つまり、そういうことだろう。

問われた藤堂は思案顔になっている。
『特区での警察活動』と
『潜伏及び特区崩壊時に日本解放の意志を遺すこと』を天秤にかけているのか。
そういう真面目な所が憧れであり、鈍感な所は憎くもある。

代わるようにゼロが口を開いた。

「フム・・・」
「潜伏班を特区崩壊後の保険と見ることを止めはしない」
「もっとも私は特区日本を成功させてしまうだろうがな」
「私からすれば潜伏に足る能力さえ残ってくれれば十分」
「・・・となれば藤堂の補佐は経験豊富な仙波あたりか?」

もっともな理由でお鉢を回された仙波崚河。
「分かっているのか」という朝比奈の視線に軽く手を上げて応じながら仙波が答える。

「いや、私は民間人との折衝は不得手」
「そういうことは若い人間の方がいいんじゃないか」

仙波の言葉に従ってゼロや皆の視線が自分に集まる。
一人話から置いて行かれた卜部巧雪が
頭の上に大きな『?』を浮かべながら
「俺が残ってもいいが」という顔をしているのは無視。

「わ、私が残ろう」

努めて。
努めて冷静に。
正面のゼロだけを見据えて千葉はそう言った。

「いいだろう」
「では特区日本に参加しない者の中から潜伏班のリストアップと
 特区日本で警察業務をするに足る者のリストアップを・・・」

ゼロは何事もなかったかのように受け入れ話を進める。
そして朝比奈、こちらを振り返り渾身のドヤ顔。




彼の気遣いに心から、心では感謝する。
しかしそれを口にするつもりは、微塵もない。


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