<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.29586の一覧
[0] その欲望を開放して魔法少女になってよ!【完結】(仮面ライダーオーズ×魔法少女まどか☆マギカ)[カードは慎重に選ぶ男](2013/07/27 22:08)
[1] 第二話:ここで死んで。世のため人のため、そして何より彼女のために[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:13)
[2] 第三話:後藤と黒と盗撮画像[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 03:27)
[3] 第四話:パンツがあるから恥ずかしく無いもん[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 03:29)
[4] 第五話:Cyclone effect――風が呼ぶバッティング[カードは慎重に選ぶ男](2014/02/23 16:14)
[5] 第六話:魔法少女を逮捕せよ[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:26)
[6] 第七話:死なないのか? 私は聞いてない! [カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:26)
[7] 第八話:彼女には72通りの称号があるからな[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/27 15:55)
[8] 第九話:灼熱地獄の黄祭[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 03:56)
[9] 第十話:treasure sniper――殺してでも奪い取る[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:30)
[10] 第十一話:その時歴史が狂った[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:31)
[11] 第十二話:Tの災難/赤信号を振り切れ [カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:32)
[12] 第十三話:Tの災難/ 私は友達が少ない[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:35)
[13] 第十四話:(心が折れる音) [カードは慎重に選ぶ男](2011/10/05 14:52)
[14] 第十五話:rebirth ――珍獣は二度死ぬ[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:37)
[15] 第十六話:緑の党[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/21 04:02)
[16] 第十七話:A dying hero, a dead heroin[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/29 10:44)
[17] 第十八話:自分が変われば世界も変わる[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:42)
[18] 第十九話:その配役はおかしいでしょ[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/13 18:19)
[19] 第二十話:Ride the wind――風向きは変わり続けて[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/04 02:48)
[20] 第二十一話:悪魔へ下す鉄鎚[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/06 18:37)
[21] 第二十二話:暴走特急隊[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/06 19:04)
[22] 第二十三話:海へ辿り着かない雫[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/11 01:14)
[23] 第二十四話:壁にミミリア 障子にメアリー[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/16 19:07)
[24] 第二十五話:Free your heat――本当の気持ちと向き合えますか?[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/13 21:30)
[25] 第二十六話:小さな手のひら[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/13 21:29)
[26] 第二十七話:弱い女[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/17 21:17)
[27] 第二十八話:秘密主義者の集い[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/17 21:32)
[28] 第二十九話:継接インディアンポーカー[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/21 04:09)
[29] 第三十話:Power to tearer――暴君と泣き虫と欲望 [カードは慎重に選ぶ男](2011/09/21 03:58)
[30] 第三十一話:ずぶ濡れ衣々[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/24 22:21)
[31] 第三十二話:XXX板に出張スレを建てる予定はありません[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/25 09:19)
[32] 第三十三話:化物[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/28 17:36)
[33] 第三十四話:カンドロイドは電気鰻の夢を見るか?[カードは慎重に選ぶ男](2011/09/28 17:59)
[34] 第三十五話:Individual-System――悪意[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/02 02:18)
[35] 第三十六話:戦略的敗走[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/02 09:02)
[36] 第三十七話:颯爽退場洋菓子城[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/05 12:15)
[37] 第三十八話:口は万災のモト[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/05 12:22)
[38] 第三十九話:彼女の名前は[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/08 10:33)
[39] 第四十話:Sun goes up――夜明けを待つ休日[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/08 10:45)
[40] 第四十一話:変異[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/12 03:49)
[41] 第四十二話:恐怖心 俺の心に 恐怖心[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/12 02:39)
[42] 第四十三話:かの人のみぞ知る真価[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/15 09:24)
[43] 第四十四話:地雷付迂回路[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/15 09:52)
[44] 第四十五話:LORD OF THE SPEED――卂き魔法少女、マギブラック![カードは慎重に選ぶ男](2011/10/18 22:37)
[45] 第四十六話:円環の折り返し[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/18 22:34)
[46] 第四十七話:役者は揃わなかった[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/23 01:33)
[47] 第四十八話:ヤミーの身体はボロボロだァ![カードは慎重に選ぶ男](2011/10/23 01:32)
[48] 第四十九話:もう誰も頼りない[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/25 18:46)
[49] 第五十話:Break the Chain――蝙蝠の意地[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/25 18:46)
[50] 第五十一話:Kの誤算/それはとっても中ボスかなって[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/29 19:52)
[51] 第五十二話:Kの誤算/切掛[カードは慎重に選ぶ男](2011/10/29 19:45)
[52] 第五十三話:逆転の似合う女[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/01 20:21)
[53] 第五十四話:さらば戦友よ[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/01 20:31)
[54] 第五十五話:Time judged all――運命を奪い取れ[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/06 03:29)
[55] 第五十六話:愛しのグリード[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/06 03:34)
[56] 第五十七話:疑心伝心[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/09 01:00)
[57] 第五十八話:第一発見者を疑え[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/12 18:48)
[58] 第五十九話:伊達姿鎧男[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/16 00:20)
[59] 第六十話:EGO 〜eyes glazing over――勝手なヒト[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/19 23:02)
[60] 第六十一話:困った時に他人に頼れる奴は手強い[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/22 22:16)
[61] 第六十二話:捻くれ女[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/26 21:33)
[62] 第六十三話:ヤミーがこうなったのは私の責任だ……だが私は謝らない[カードは慎重に選ぶ男](2011/11/29 20:54)
[63] 第六十四話:戦いの後に[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/29 10:32)
[64] 第六十五話:Love Wars――愛っていうのは呪いみたいなものなんだ[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/06 22:29)
[65] 第六十六話:平日の昼間に出歩いてる女子中学生って……[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/29 10:27)
[66] 第六十七話:ダイナミック起床[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/14 02:56)
[67] 第六十八話:遅れた役者[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/18 05:59)
[68] 第六十九話:戦・略・崩・壊[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/20 23:48)
[69] 第七十話:Stranger in the dark――信じられるヒト[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/25 20:22)
[70] 第七十一話:扉越アンサンブル[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/28 11:37)
[71] 第七十二話:浴びるようにおでんを食べてみたい[カードは慎重に選ぶ男](2011/12/31 23:06)
[72] 第七十三話:調査とプレゼントと危険な会長[カードは慎重に選ぶ男](2012/01/28 22:21)
[73] 第七十四話:鋼・騎・無・双[カードは慎重に選ぶ男](2012/02/04 21:36)
[74] 第七十五話:DEEP BREATH――虎の溜息[カードは慎重に選ぶ男](2012/02/08 05:21)
[75] 第七十六話:汝の隣人を愛せよ[カードは慎重に選ぶ男](2012/02/18 21:13)
[76] 第七十七話:未決断チルドレン[カードは慎重に選ぶ男](2012/02/24 20:42)
[77] 第七十八話:私の会う人がこんなに人間じゃない訳がなくもない[カードは慎重に選ぶ男](2012/03/03 20:09)
[78] 第七十九話:道化とピエロと形無しジョーカー[カードは慎重に選ぶ男](2012/03/12 07:36)
[79] 第八十話:Flashback――不気味な過去[カードは慎重に選ぶ男](2012/03/18 03:30)
[80] 第八十一話:一・触・即・発[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/27 15:59)
[81] 第八十二話:緊急回避は確かに格好良い。しかし余裕を以て回避するのが理想的である事は間違いが無い。[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/01 00:32)
[82] 第八十三話:妖怪と理解と望まれない再会[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/14 20:06)
[83] 第八十四話:将軍は日本語でジェネラル、英語でSHO-GUN[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/14 20:40)
[84] 第八十五話:SAMURAI STRONG STYLE――男の昔話[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/21 20:10)
[85] 第八十六話:欲しい言葉[カードは慎重に選ぶ男](2012/04/28 17:52)
[86] 第八十七話:破・願・逸・笑[カードは慎重に選ぶ男](2012/05/05 21:18)
[87] 第八十八話:永かった一日[カードは慎重に選ぶ男](2012/05/12 20:53)
[88] 第八十九話:暴れん坊前哨戦[カードは慎重に選ぶ男](2012/05/19 21:13)
[89] 第九十話:Break a warning――ウロボロスの綻び[カードは慎重に選ぶ男](2012/05/26 20:22)
[90] 第九十一話:ひとのちから[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/02 08:49)
[91] 第九十二話:時代劇の中で会った、ような……[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/09 19:37)
[92] 第九十三話:二つに一つのA/二兎を追う者は二兎とも獲れ[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/25 17:04)
[93] 第九十四話:二つに一つのA/世界を回すもの[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/25 17:08)
[94] 第九十五話:Switch on! ――切り替わる舞台[カードは慎重に選ぶ男](2012/06/30 19:17)
[95] 第九十六話:友・達・野・朗[カードは慎重に選ぶ男](2012/07/09 20:56)
[96] 第九十七話:巨大化は悪の美学[カードは慎重に選ぶ男](2012/07/14 22:40)
[97] 第九十八話:泡沫の夢[カードは慎重に選ぶ男](2012/07/21 19:08)
[98] 第九十九話:押収Cheater[カードは慎重に選ぶ男](2012/07/28 21:36)
[99] 第百話:Naturally ――本当の貴方ですか?[カードは慎重に選ぶ男](2012/08/04 23:08)
[100] 第百一話:閃きの黄色[カードは慎重に選ぶ男](2012/08/12 00:42)
[101] 第百二話:もしも無限があるのなら[カードは慎重に選ぶ男](2012/08/18 22:09)
[102] 第百三話:錬金術師の残したアレコレ[カードは慎重に選ぶ男](2012/08/26 18:15)
[103] 第百四話:探究エンカウンター[カードは慎重に選ぶ男](2012/09/01 20:05)
[104] 第百五話:Bounce Back ――善意より高いものは無い[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/24 06:34)
[105] 第百六話:河原割[カードは慎重に選ぶ男](2012/09/15 19:04)
[106] 第百七話:犯人はヤス[カードは慎重に選ぶ男](2012/09/22 23:17)
[107] 第百八話:ごとごとホットポット[カードは慎重に選ぶ男](2012/09/29 21:20)
[108] 第百九話:かくれんぼの必勝法は、誰がゲームに参加しているのかを鬼に教えない事である[カードは慎重に選ぶ男](2012/10/06 17:37)
[109] 第百十話:Ride on right time ――少し遅れるぐらいがヒーローの定時出勤である[カードは慎重に選ぶ男](2012/10/13 20:41)
[110] 第百十一話:結界天丼[カードは慎重に選ぶ男](2012/10/20 20:19)
[111] 第百十二話:伏兵[カードは慎重に選ぶ男](2012/10/27 21:19)
[112] 第百十三話:胸に七つの……[カードは慎重に選ぶ男](2012/11/03 21:14)
[113] 第百十四話:割りたい背中[カードは慎重に選ぶ男](2012/11/10 22:12)
[114] 第百十五話:Last engage ――約束された良き終焉[カードは慎重に選ぶ男](2012/11/18 01:04)
[115] 第百十六話:生と死の狭間に[カードは慎重に選ぶ男](2012/11/24 22:56)
[116] 第百十七話:残念パーティ[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/29 10:39)
[117] 第百十八話:凍える子羊にカモミールの温もりを[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/08 22:04)
[118] 第百十九話:いしのゆくえ[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/15 23:49)
[119] 第百二十話:Shout out ――さや歌[カードは慎重に選ぶ男](2012/12/22 23:28)
[120] 第百二十一話:俺が変身する!!![カードは慎重に選ぶ男](2013/08/17 11:01)
[121] 第百二十二話:開幕[カードは慎重に選ぶ男](2013/01/05 20:39)
[122] 第百二十三話:Mに目覚めの口付を/生者より愛を込めて[カードは慎重に選ぶ男](2013/01/20 16:14)
[123] 第百二十四話:Mに目覚めの口付を/引いて駄目なら殴り倒せ[カードは慎重に選ぶ男](2013/01/20 16:10)
[124] 第百二十五話:Reverse / Re:birth ――相転移[カードは慎重に選ぶ男](2013/01/26 21:27)
[125] 第百二十六話:人魚姫と灼熱と奇跡の担い手[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/02 20:45)
[126] 第百二十七話:本当に裏切ったんですか[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/02 21:37)
[127] 第百二十八話:彼女の守った世界[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/09 22:28)
[128] 第百二十九話:目指す、先[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/16 20:57)
[129] 第百三十話:Got to keep it real ――ホントにしちゃえば良いんだよ[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/23 21:39)
[130] 第百三十一話:グリードと人間と半端者[カードは慎重に選ぶ男](2013/03/30 22:43)
[131] 第百三十二話:完全態[カードは慎重に選ぶ男](2013/04/07 01:03)
[132] 第百三十三話:死を解する獣[カードは慎重に選ぶ男](2013/04/13 21:37)
[133] 第百三十四話:獣愛ずる姫君[カードは慎重に選ぶ男](2013/04/27 18:30)
[134] 第百三十五話:Double-Action ――二律背反[カードは慎重に選ぶ男](2013/04/27 18:49)
[135] 第百三十六話:羽のような重さ[カードは慎重に選ぶ男](2013/05/04 20:57)
[136] 第百三十七話:獅子身中の蟲[カードは慎重に選ぶ男](2013/05/11 21:16)
[137] 第百三十八話:蝙蝠女は選べない[カードは慎重に選ぶ男](2013/05/19 00:17)
[138] 第百三十九話:魔法と約束と最後の希望[カードは慎重に選ぶ男](2013/05/25 21:56)
[139] 第百四十話:Regret nothing ――後悔なんて、あるわけない[カードは慎重に選ぶ男](2013/06/01 22:37)
[140] 第百四十一話:信頼[カードは慎重に選ぶ男](2013/06/08 22:22)
[141] 第百四十二話:ウヴァ死す[カードは慎重に選ぶ男](2013/06/16 08:43)
[142] 第百四十三話:光もたらす者[カードは慎重に選ぶ男](2013/06/29 22:08)
[143] 第百四十四話:絆の鎖[カードは慎重に選ぶ男](2014/01/23 21:03)
[144] 第百四十五話:Finger on the trigger ――世界に弓引く意思[カードは慎重に選ぶ男](2013/07/06 23:24)
[145] 第百四十六話:コネクト ――全てを繋げ[カードは慎重に選ぶ男](2013/07/13 21:09)
[146] 第百四十七話:また あした ――俺たちの 私たちの[カードは慎重に選ぶ男](2013/07/21 18:29)
[147] 第百四十八話:Anything Goes! ――選んだ明日[カードは慎重に選ぶ男](2013/07/27 22:26)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[29586] 第七十一話:扉越アンサンブル
Name: カードは慎重に選ぶ男◆e9b07b89 ID:ab888f41 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/12/28 11:37
「なるほど。後藤はその変態博士から転校生を守るために後をつけ回していた、ってこと?」
「いや、それも微妙に違うんだが……」

暁美ほむらの拉致監禁事件の概要を後藤が説明した結果の、美樹さやかからのレスポンスがそれであった。
もっとも、その際にバースシステムが使用されたことなど後藤は知らない。
そのため、真木博士が魔法少女を使って何らかの実験を企んでいた事ぐらいしか、説明出来ていなかったりする。
加えて、美樹さやかという自称魔法美少女は、一を聞いて十を知るほど聡明では無いのだ。

「……その一件と鹿目まどかの失踪は、繋がっているわ」

そして、そんなさやかの勘違いを華麗に流して、飽く迄まどかへ一直線な転校生様。
現在のほむらにとって重要なのは、飽く迄鹿目まどかの身の安全を確認することなのである。
従って、後藤がさやかに説明を行っている時間さえ、勿体ないと思っていたほどだ。

「その二つは、真木清人と伊達明が共に鴻上財団に所属しているという以上の繋がりを持っているのか?」
「やっぱり鴻上財団は悪の秘密結社だったってこと?」
「人聞きの悪い事を言うな! 大体、鴻上財団の存在は別に秘密じゃない!」

世界一規模の大きい秘密組織というギネスブック項目があるらしいので、あながちそうとも言い切れなかったりするのだが。
さらに、後藤とて財団の目指すものが明確に見えている訳では無いので、若干不安に思うこともある。
今までは財団の目指すものがこの世界の平和へと結びつくと信じて活動して来たものの、今回のような事件が起これば、多少の不信感は抱いているのだ。
それでも、まだその不信感は決定的なものでも無いが。

「先程貴方は、真木清人は単独犯だと言ったけれど……あの一件にも、伊達明が一枚噛んでいるのよ」
「財団真っ黒じゃん!?」

先週末の一件を思い出しながら、ほむらは飽く迄淡々と、自身が見たままを述べてみた。
見知らぬ研究所に拉致され、逃げ延びようとした矢先に、バースがほむらの捕獲にやってきた事を。
時間停止の無力化と新たな能力の覚醒までは詳細に語る気は無いものの、それ以外の情報については、一通り吹き込んでおく。
動物を模した奇妙なロボットによって捕縛されたことや、危うく殺されそうになったことなどを、踏まえて。

「ちょっと待て。俺も伊達明についての情報は一通り調べたが……彼は長い間外国に居て、日本に帰国したのが三日前の昼頃だった筈だ」

ところが、暁美ほむらの口にした情報は……後藤の調べたそれと、明らかに矛盾していた。
何故後藤がそんな事を調べているのかといえば、気になったからとしか答えようが無い。
バース装着者への誘いを自ら蹴った割に、確りと未練を残しまくっているぐらいが、きっと後藤さんらしいのだろう。
それは兎も角、後藤が調べた限りでは、伊達明の入国履歴的に考えて暁美ほむらの拉致監禁には関われない筈なのである。

「鴻上財団って交通省まで操れんの……?」

……入国管理局は、国土交通省では無く法務省の管轄である。
何となく、難しい言葉を使ってみたかったのだろう。おそらく。
尚、密出入国を行う時には、法務省よりもむしろ空港の現場職員数名を個人的に脅迫した方がかかる費用は少なくて済む……らしい。

「財団ならそれ位出来ても不思議じゃないが、財団がそれをするという事はアリバイ作りを考えての工作だろう。だが……そのためには、誰かがこの情報を調べることが前提になるぞ?」
「それなら、その伊達って人が自己申告すれば、疑った誰かが調べるんじゃないの?」

確かに、二人の言う事は尤もらしい。
そんな手の込んだ工作をしても、それが効果を発揮するためには入国日時という情報を追及者へと見せなければならない。
そして、珍しく的確な事を口にした、美樹さやか。
言われてみれば、その工作の効力をもっとも迅速に発揮させるには、伊達明からの自己申告が一番である。
だがしかし、暁美ほむらが出会った伊達という男はそんな情報を微塵も口にしていなかった筈だ、と記憶を洗いながら思う。
……何かが、かみ合わない。

そもそも、暁美ほむらの視点においては後藤からの情報を鵜呑みにするのも若干の不安が残るところではある。
なんせ、個人の入国記録を調べたという辺りは当然のように情報入手経路はハッキングに寄るものであるため、犯罪に片足を突っ込んでいる気配が色濃く匂っているのだ。
もっとも、犯罪という点においては、ほむら自身も窃盗を働いているという自覚はあったりする。
もちろん、本人としては緊急回避のつもりで居るわけだが。

「もしかして、その伊達って人に双子の兄弟が居たりとか」
「そんな戸籍は無かったな」

実は人違いという点においては、さやかは非常に惜しい外し方をしていたのだが。
そして、そんな益体も無い事まできっちりと調べている後藤さんは、少し生真面目すぎるきらいがあるのかもしれない。
うんうんと唸って、何かを思いつこうとしているさやかだが……正直なところ、ほむらさんからの期待度はそこまで高く無かったりする。
確かに財団内部の協力者を手繰り寄せたのはお手柄だが、それだけでは払拭しきれない程のさやかの伝説を、ほむらは目の当たりにして来ているのである。
案の定……

「こんな時はアレだ。『ワケが解らないよ』!」

似ていない物真似などという無駄芸に走るさやかに、イラッとさせられたりして。
近頃まどかに会えていない事によってストレスが溜まっていたために、ほむらは愛用のマシンガンを取り出す一歩手前である。
しかし、さやかも只ふざけている訳では無く、マミさんの夭逝に加えて失恋とまどか失踪が重なったせいで割と精神的に一杯一杯なのだ。
自分のテンションを無理に上げていないと動けなくなりそうだという不安からの言動なのだが……余裕が無いのはお互い様でもあった。

「最近は、そういうギャグが流行っているのか?」

そして、ネタに真顔でマジレスをかます後藤さん……
そのギャグは魔法少女という酷く狭いコミュニティの中でしか通じないネタなので、おそらく覚える必要は無いだろう。
ほむらとしては、あの一山いくらの大量生産品の言葉なんて、思い出しただけでも吐き気がするぐらいである。
……と、そこまで考えて。

「……もしかして」
「今のギャグで一体何に気付いたって言うんだ……」
「えっ!? あたし、『また』お手柄!?」

あの『個』というものの存在しない不気味な宇宙人の生態が……ほむらへ、切っ掛けを与えてくれていた。
硬直した事態を打破する、鍵を。
積極的に攻撃を行ってきたバースと逃げに徹したバースの間の違和感が、埋まる。
その先にある新たな道を開くための光が……ようやく、見え始めたのだ。

「あの鎧は、複数存在するの?」

世界の収束は……近いのかも、しれない。



『その欲望を開放して魔法少女になってよ』
第七十一話:扉越アンサンブル



結局鹿目まどかを交番へと引き渡した伊達明は……少しだけ気分を軽くしながら、帰路についていた。
普段の伊達なら、家出少女を見つけても少しだけ助言をする程度のお節介が関の山だろうが、今回ばかりは事情が違っていたのである。
警察に保護されたカナメちゃんもひょっとすると伊達の想像を超えるような過去を背負っているのかもしれない、という思考は、伊達の頭の片隅に残っていた。
だが、伊達明自身の生命には代えられないという思いの元に、心を鬼にして警察に突き出したのだった。
おかげで、物騒な魔法少女に絡まれても平気だという明るい展望も、見えている訳だが。

「とにかく、これでもうお七ちゃんも怖く無ぇ!」

会長から寝床として借りている研究所の一室へと足を運びながら、希望に満ちた未来を幻視する伊達明。
彼は、気付いている筈も無かった。
クロス先の世界観において、『もう何も怖く無い』が特大のフラグであるという事に。
そんな伊達が、研究所最奥の一室の扉を開けて、目の当たりにしたものは……

「あれ? 誰か居……」

3名の、男女だった。
室内で何かを話し合っていたようだが、会話を中断して伊達に視線を集中させている彼らに、伊達は見覚えがある。
その内で唯一の男性である青年は、伊達に国際電話を貸してくれた財団構成員だったはずだ。
髪の短めな女子中学生は、先日ヤミーの親と一緒に居た子だったような気がする。
その二人は、別にどうでも良いのだ。
何といっても残りの一人が、死神過ぎるのだから。

「……」
「……」

腰まで伸びた黒髪に、イマイチ何を考えているのか判断に余る、むっつり顔。
服装こそ見滝原中学の制服であったが、伊達がその子供を見間違える筈も無かった。
流石に、未だ警察から学校への連絡が回るには早すぎる時刻である。
お七ちゃんがカナメちゃんの消息を突き止めている筈は無い。
……つまり、伊達明の取るべき行動は、一つ!

「失礼しました」

音が立たないように丁寧に扉を締め、その戸に背中をついて、額に滲み出た汗を拭う。
一体どうして、伊達のねぐらと成っている筈の一室で、お七ちゃんに会わなければならないのか。
だがしかし、伊達の耳に次の飛び込んできた音は、ドアノブを引く時特有の『ガチャリ』というそれで。

「最近の俺、運悪過ぎるだろ!?」

咄嗟にドアノブを逆向きに捻って扉の開放を防ぐ伊達だが、あちらには3人も居るのだから、いずれ押し切られてしまうだろう。
現在ドアノブ越しに感じる握力は一人分だけだが、この先どうなるかは分かったものでは無い。
扉が軋む音が全く聞こえない辺り、扉自体を破壊される心配は要らないだろうが、このままではジリ貧である。
というか、この部屋の所有者は何を思ってそんなに強靭な素材で扉を作ったのだろうか……?
それはともかく、会長から渡された鍵も、内側からはツマミ一つで解除されてしまうために意味が無い。

「ウホッ?」

何が起こっているのか把握しているのか非常に微妙なゴリラのカンドロイドの声が耳に入る。
そして、伊達にとって幸運なことに、ゴリラカンは自身に期待された役割を把握出来たらしい。
こんな局地的過ぎる状況にまで対応できるAIを作った博士は、一体何を考えていたのか。
謎は、深まるばかりである。
そんな伊達の疑問を投げ捨てつつ、垂直な扉をよじ登ったゴリラカンは、伊達と共にドアノブに手をかけた。
手をかけて……しまった。

ここで、一つの豆知識を補足しておこう。
ゴリラのカンドロイドの機能のメインはもちろんヤミーの感知ではあるのだが、それ以外にもこのメカには恐るべき特色が組み込まれているのだ。
それは……パワーである。
片手の握力だけで60kgという伊達明にさえ匹敵するような出力が出るのである。
そいつが伊達と共にドアノブを握れば、どうなるか。

「抜けたッ!?」

A:もう何も怖く無い。
ゴキン、という金属特有の音と共に、綺麗にドアノブ内部の留め金が外れ、扉には円状の穴だけが残されていた。
どうやら、頑丈だったのは扉の素材だけで、ノブの内部の部品は市販品だったらしい。

「落ち着けお七ちゃん! こんな時こそ話し合いだっ!」

そして、ドアノブの無くなった扉という遮蔽物は……伊達に精神的な余裕を与えていた。
伊達としては、話し合う時には相手の目を見ながらだという信条は持っているが、何にでも例外というものはあるのだ。
誰だって、銃を向けられたままの話し合いはゴメンなのである。

「……今すぐに貴方を撃つつもりは無いわ」
「そりゃぁ、僥倖だ」

扉の穴から聞こえてくる平坦な声は、伊達が先日聞いたものよりは熱が抜けているように思える。
ドアノブの穴から炎が噴き出す気配も感じられない。
部屋の中に居る人間が、お七ちゃんを落ち着かせたのだろうか?
その面子も、全員が伊達と顔見知りであるとは言え、大概に意味不明な人選だが。
というか、同じ学園同士の二人は兎も角として、彼女達が何故財団の構成員と密会を開いていなければならないのか。
ともかく、追いかけて来ようとしたところを見ると、逃がすつもりも無いらしい。

「先にお七ちゃんに教えときたい事がある」
「何かしら」

撃つつもりが無いにも関わらず引き留めるという事は、おそらく話し合いがしたいという事なのだろう。
ならば、伊達がまず出さなければならない情報は、決まっていた。

「さっき、カナメちゃんと偶然会ってな。交番まで案内してやったところだ」
「交番? まさか……道に迷ってただけ、とか?」

お七ちゃんのモノでない声が、室内から聞こえてくる。
恐らく、先日カブトヤミーの親と共に居た女の子のものだろう。
尚、伊達が行ったエスコートは、『案内』などという優しいものでも無いのだが、ものは言い様というヤツだ。

「まぁ、そんなトコだろうなぁ。言っておくが、俺が監禁してた訳じゃねぇぞ」

道というよりは、人生に迷っていたような印象である。
もちろん、そんな事を言って場をいたずらに混乱させるとまた命が危うくなるかもしれないので、口にしない。
あの二重人格モドキのカナメちゃんが色々と迷走しているというのは、伊達としては間違いないと思っていたりするが。
交番の前で警察官と一緒に3人で撮ってもらった写真を丸めてドアノブの跡から押し込みながら、身の潔白を主張する伊達。
偶然にも警官が簡易カメラを持っていたために、その警官に頼み込んで証拠を持ち帰ることが出来たのである。

写真が部屋の中に引きこまれてすぐに、部屋の中から人間の歩く音が聞こえて来る。
恐らく、お七ちゃんが写真を他の二人に見せに行ったか、他の二人が写真を見ようと歩み寄ったのだろう。

「これは、確かに鹿目に見えるな」
「あたしもそう思う。何か目つき悪い気もするけど」

部屋の中の二人が同意する声が聞こえる辺り、伊達の汚名はようやく晴れようとしているらしい。
外に居る伊達には……先ほどから声の聞こえてこない暁美ほむらが、どんな顔をしているのか、見ることは叶わない。
鹿目まどかの無事を知って安堵の息を漏らしているのかもしれないし、まどかの失踪の原因に何か心当たりがあって慌てているのかもしれない。
あれだけ熱心に鹿目まどかの事を探していたのだから、まず前者だろう、と伊達は思う。

「そういう事だから、もう俺を狙わないでくれよ」
「……分かったわ」

……そしてようやく、伊達は聞くことが出来た。
今までとは比べ物にならないレベルの安全をもたらす、暁美ほむらの一言を。

そうと分かれば、伊達の未来は明るい。
手早くバースドライバーを装備し、手荷物の中からセルメダルを取り出した。
何故かと言えば、このままでは部屋の中の人間が外に出られないからである。
部屋の中から炎で破れば火災報知器が作動してしまうだろうし、火器は跳弾が危険すぎる。

「変身」

手早くセルメダルをベルトへと投入し、サイドのレバーを回して、掛け声はあまり仰々しく無い程度に抑えて。
十のオーブに囲まれた鎧が瞬く間に現れ、伊達の身体を包み込む。
もっとも、その姿は扉の内側の人間達には見えていない訳だが。

「どいてな! 今、この扉ブチ破るからよ」
「待って」

扉の前に居られると、突入時に怪我をさせてしまうかもしれない。
そう思っての伊達の発言だったが……部屋の中から聞こえてきたのは、それを引き留める声で。
次の瞬間には……周囲から、物音が消えていた。
伊達は、その感覚を以前にも味わったことがある。
ほむらに連れられてとある空地まで誘導された時の、音の無い世界のそれだ。
だが、何故その不思議な魔法を、今この時に発動したのか?
……その答えも、直ぐに伊達の耳へと届いた。

「……鹿目まどかを、ありがとう。今まで、ごめんなさい」

何となく、面と向かって言いたく無かったのかもしれない。
扉の向こうで、伊達から目を逸らしながら謝るほむらの姿を思い浮かべて……思わず苦笑いが漏れてしまっていた。
根拠も無く、伊達には理解できてしまっていたのだ。
正面から謝るのが怖くて、でもその逃げ腰が良くないのだと自覚しているからこそ……きっと、伊達にしか声の届かないこの空間を作ったのだろう、と。

「俺としては目を見ながらの会話の方が性に合ってるが……」

今回はそもそも、ほむらに撃ち殺されないために扉越しの対話を提案したのが伊達の方だったという事情があるために、その点はあまり強く言うことが出来ない。
しかし、それだけでは無かった。
少し対人スキルが未熟でも、謝罪と感謝は確りと伊達の心に届いていて。
未だ中学生である少女の未来を期待するには充分だと、伊達には思えたのだった。
……だからこそ。

『ショベルアーム』

顕現した巨大な左腕によって、頑強だった筈の扉を紙のように破りながら。
その剛力に目を見張っているほむらへと……仮面越しに、言い放った。

「許す!」

交わった世界の住人を繋げる、一言を……



・今回のNG大賞
偶然カメラを持っていた警察官……?

「この世界での俺の役割は警察官か」
「俺の世界の時もそうだったっけ。似た世界なのかもしれないなぁ」
「さっきの女の子を引き取って行った刑事さんって、別の世界で会いませんでした? ファイズの世界辺りで見たような……」
「この世界のお宝は……ソウルジェムだね。適当にかっぱらって来るかな」

貴様のせいでこの世界も破壊されてしまったぁッ! おのれ(ry

・公開プロットシリーズNo.71
→ダイナミック仲直り。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.051119089126587