<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.28140の一覧
[0] 餓狼少女まどか☆マギカ 【完結】[クライベイビー](2013/08/15 00:31)
[1] 餓狼少女まどか☆マギカ―1―[クライベイビー](2011/06/27 04:25)
[2] 餓狼少女まどか☆マギカ―2―[クライベイビー](2011/06/07 16:39)
[3] 餓狼少女まどか☆マギカ―3―[クライベイビー](2011/07/03 14:17)
[4] 餓狼少女まどか☆マギカ―4―[クライベイビー](2011/08/07 00:11)
[5] 餓狼少女まどか☆マギカ―5―[クライベイビー](2011/08/09 21:03)
[6] 餓狼少女まどか☆マギカ―6―[クライベイビー](2011/08/11 19:11)
[7] 餓狼少女まどか☆マギカ―7―[クライベイビー](2011/08/27 23:43)
[8] 餓狼少女まどか☆マギカ―8―[クライベイビー](2012/02/11 08:53)
[9] 餓狼少女まどか☆マギカ―9―[クライベイビー](2012/01/01 13:46)
[10] 餓狼少女まどか☆マギカ―10(修正)―[クライベイビー](2012/06/16 11:26)
[11] 餓狼少女まどか☆マギカ―11(ほとんど修正)―[クライベイビー](2012/04/23 15:23)
[12] 餓狼少女まどか☆マギカ―12―[クライベイビー](2012/04/23 12:17)
[13] 餓狼少女まどか☆マギカ―13―[クライベイビー](2012/06/16 17:38)
[14] 餓狼少女まどか☆マギカ―14―[クライベイビー](2012/09/19 06:18)
[15] 餓狼少女まどか☆マギカ―15―[クライベイビー](2012/10/15 17:32)
[16] 餓狼少女まどか☆マギカ-16-[クライベイビー](2013/08/26 06:47)
[17] 餓狼少女まどか☆マギカ―17―[クライベイビー](2013/08/06 18:14)
[18] 餓狼少女まどか☆マギカ―18―[クライベイビー](2013/08/15 00:33)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[28140] 餓狼少女まどか☆マギカ―6―
Name: クライベイビー◆2205aff7 ID:86f2e92d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/08/11 19:11
まどかは工場で腰を下ろしていた。
先ほど見た光の奔流。
消えたそれを見上げるように顔をあげている。
魔女が最後に救われたことを祈っていた。
まどかがそうしていると複数の足音が耳に入ってきた。
「…マミさん、ほむらちゃん」
「遅くなってごめんなさいね」
「魔女はもう倒したようね」
マミとほむらがあたりを見渡してそう言った。
「それにしてもさっきの光はなに?」
ほむらが聞く。
まどかは空を見上げたまま先ほどのことを言った。
「魔女からあの光が…信じられないわね」
「聞いたこともないわね。それにしてもきれいだったわね」
「…ええ」
マミもほむらも考え込むようにして言った。
二人にとっても初めての現象であるらしかった。
しかし考え込む時間もなかった。
魔女の洗脳が解けた人たちの後始末があったからだ。



赤い髪の少女がいた。
その赤い紙をポニーテールにしている。
鋭い目つきをしており、八重歯も相まってきつめな印象を受ける少女である。
口に細長いクッキーにチョコを塗ったお菓子―ポッキーを咥えていた。
それが空を見ていた。
正確には光の奔流が上っていた所を見ていた。
「おいキュゥべえ」
そう言う少女の肩にはキュゥべえがのっていた。
「どうしたんだい?」
「今の光はなんだ?あたしは一度も見たことないぞ」
「さあ僕にもよくわからないね。ただ―」
「…なんだよ?」
「あの街でとんでもないことが起こるだろう」
「へぇ…」
それを聞いた少女は笑みを浮かべた。
「おいそれをやったのは誰なんだい?」
「鹿目まどかさ…」
「新入りかい?」
「いや、そういうのじゃない」
「じゃあなんだよ?」
「彼女とは契約していないんだ」
「なに!?」
「魔法少女の素質はあるんだけどね。どうしても素手で闘うと言って聞かないんだ」
「…なめやがって」
それを聞いて少女は面白くないという顔をする。
「で、どうするんだい杏子」
「決まってんじゃん」
杏子と呼ばれた少女は答えた。
「潰してやるよ」
口に咥えられているポッキーが折れた。





早朝の公園を走っている影があった。
恭介である。
息を切らしながらも歩くスピードで走っていた。
恭介はまどかに会うなり走ることを命じられた。
そこにルールがあった。
自分の好きなペースで走ってもいいが一度でも歩けばそこで終了というものだ。
まどかはその公園の中央でメニューをこなしながら恭介を見ている。
始めてから1時間は経っていた。
最終的にはまどかがメニューを終えるまでの2時間を通して走った。
これは恭介の精神力を見るためのものであった。
この2時間という数字はなかなかのものである。
恭介は苦痛に対する耐性をすでに持っているらしかった。
走らせた後は各種筋肉トレーニングをやらせた。
記録は大体が平均であったがその中で一つだけすごい記録があった。
ヒンズースクワットである。
普通であれば100回やれば筋肉痛で翌日は動けなくなる。
100回以上は普通できない。
そのヒンズースクワットを200回、息が切れ切れであったがやってのけたのだ。
それを見たまどかは恭介にねぎらいの言葉をかけた後、続けて言った。
「上条君。今日やった回数は絶対やってもらうからそのつもりでね」
「はい」
「…あとこれを見てもらえるかな」
そう言ってまどかが腰を下げる。
足が跳ね上がる。
その足が鋭い軌道で前に放たれた。
「足技から教えるね」
恭介の眼に蹴りの軌道が残っていた。



学校で仁美があくびをしていた。
その仁美にまどかが声をかける。
「仁美ちゃん、どうしたの?」
「ええ。昨日の夜なぜか工場いまして。そんな記憶ないんですけど、それで警察にいろいろ聞かれたんです」
「そんなことがあったんだ。身体のほうは大丈夫?」
「大丈夫ですけど、全く眠れませんでしたわ」
「無事でよかったよ」
まどかが安堵したように言った。

マミとほむらが屋上にいる。
昼休み、まどかとさやかは仁美と一緒にいるためここにはいない。
マミとほむらが一緒にいるのはほむらが話したいことがあったからだ。
「…で話ってなにかしら?」
「ワルプルギスの夜が一ヶ月後に現れる」
「なんですって!?」
「だから協力して欲しい」
ほむらの言い方は淡々としている。
マミは眼を細くしていった。
「それは確かなの?」
「ええ」
「どうして知っているの?」
ほむらは髪を掻きあげて言う。
「それは言えない。信用してとしか言えない」
それを聞いたマミが不満そうに言う。
「わかったわ。でもまどかさんにもそのことを言うのよ」
「ええ、いつまでも隠せるものでもないし」
教えようが教えまいがワルプルギスの夜が現れたらやって来るのがまどかという人間である。
そういう共通認識がマミとほむらに出来上がっていた。





繁華街のビルの隙間―人通りがほとんどないそこにまどかは佇んでいた。
頭部を陥没させた使い魔が消えたのを確認したところであった。
まどかは構えを解いた。
しかしいつ何時襲われてもいいという心構えはそのままであった。
視線を感じた。
正確には使い魔が消えたそのときから誰かの視線を感じたのだ。
それが出てくるのを待っていた。
「あーあ、何してくれちゃってんのさ」
「あなたは…」
そのまどかの後方から声をかける者がいた。
赤い髪の少女、杏子であった。
「なんで倒してしまったのさ」
「人を襲うから」
「いいじゃないか別に」
「なに!?」
「食物連鎖ってやつさ」
それを聞いた瞬間まどかがぶるりと震えた。
「駄目だよ。使い魔に人を喰わせるなんて」
「へぇ、大体察しはついてるようだね」
使い魔が人を喰らえば魔女になりグリーフシードを体内に持つようになる。
そのことを言っているのだ。
「協力すれば安全に魔女を狩れる」
「いやだね、それに―――」
そこまで行ったところで杏子が光に包まれた。
杏子が光から出てきたときにはすでに恰好が違っていた。
赤を基調とする魔法少女になっていた。
手には槍を持っていた。
「あんたが気に入らない」
その槍がまどかに突きつけられていた。
「…どうして?」
「遊び半分で首突っ込みやがって。しかも契約してないだと?」

そこまで聞いてまどかは言う。
「だったら試してみればいいよ…」
杏子はそれを聞いたとき怖気を感じた。
「今ここで」
そう言ったまどかの周囲に異様なものが満ちた。
例えるなら格闘技の試合場である。
そのまどかの周囲だけに異様なルールがあった。
それは闘争であった。
どちらが強いかを決める、ただそれだけのために死力を尽くすということであった。
まどかの身体からその闘志に見合った熱があふれ出ている。
その熱に当てられたように杏子の身体から汗が流れ出た。

「しゃあ!」
杏子が突き付けた槍をさらに深く突いた。
それをまどかは後方に体を捻ることにより避けた。
杏子は回転し柄の部分から槍を振るった。
まどかとの間合いは遠い。
しかし、その柄がいつのまにかまどかの頭部側面に叩きつけられようとしていた。
槍に見えたそれは多節昆であった。
それに仕込まれている鎖が柄をまどかまで届かせたのだ。
まどかはそれをぎりぎりの位置で見切って避けた。
杏子は柄を振るった勢いをそのままに多節昆を操る。
頭、足、腰、胴、首―――
振われるそれをぎりぎりの位置でまどかは避けていく。
無論、杏子もただ振り回しているだけではない。
杏子の回転も速くなる。
杏子のそれが回転とともに威力、速度が増している。
ところどころにフェイントも織り交ぜている。
それをまどかは避けていく。
連撃を避けているから避けたときの体制にも隙ができないようにしている。
足に放たれたそれをまどかは足を上げて避けた。

杏子は回転しながら多接昆を振るう。
杏子が次に放つのは穂の部分のはずである。
しかし、杏子はその回転の途中で多接昆を槍の形状に戻し、槍を突く直前の腕の形を作った。
杏子の身体がまどかに対して正面になる。
回転の勢いをそのままに前に踏み込んできた。
杏子は回転の勢いをそのまま生かして前に出てきている。
片足で全速力の魔法少女から後方に逃げるのは至難である。
まどかは前に打って出るしかない。
その前に出たまどかを槍が捕らえようとする。
瞬間杏子は腕にすごい力を感じた。
槍の先端の側面に大きな力が生じた。
その力に引きずられるように杏子は後方に吹き飛んだ。
まどかのこぶしが槍の穂先の側面を叩いた。
その思考が杏子の頭に浮かんだときにはすでに杏子の体制は整っていた。
そして着地した瞬間槍を構える。
一撃でももらえば不利になることが先ほど分かったからだ。
だから隙を晒さない―とそこまで思ったとき、
「ぬわわ」
杏子が我を忘れて叫んだ。

杏子の槍の穂は見事にねじ曲がっていた。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.028101205825806