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No.27528の一覧
[0] 【ネタ完結】私設武装組織ソレスタルキュービーイング(ガンダム00+キュゥべえ)[気のせい](2011/10/02 14:33)
[1] QB「皆僕のつぶらな瞳を見てよ!」[気のせい](2011/05/04 18:36)
[2] 変わりすぎるかもしれない世界[気のせい](2011/05/04 19:19)
[3] QB折衝[気のせい](2011/05/04 19:15)
[4] 僕に仕事を下さい[気のせい](2011/05/04 23:14)
[5] 管制官「こんなの絶対おかしいよ」[気のせい](2011/05/05 18:25)
[6] QBキャンセル[気のせい](2011/05/06 17:49)
[7] 次出たらぶん殴る[気のせい](2011/05/06 17:49)
[8] QB「本話の存在は了承されたよ」[気のせい](2011/05/08 17:24)
[9] 人革連「罠が仕掛けられない……だと」[気のせい](2011/05/08 17:51)
[10] QB「アレルヤ・ハプティズム、君の出番は余り必要性が無いよ」[気のせい](2011/05/08 18:45)
[11]  計 画 通 り[気のせい](2011/05/08 21:56)
[12] 金ピカ大使「私の頭の上にエンジェルの輪が見えるようだよ」[気のせい](2011/05/11 12:45)
[13] QB「もう少し我慢しててよ」[気のせい](2011/05/22 14:55)
[14] 三位一体「出番は?」 紫HARO「ネェヨ! ネェヨ!」[気のせい](2011/05/18 23:01)
[15] 三陣営首脳「我々って、ほんとバカ」[気のせい](2011/05/18 23:32)
[16] スメラギ「死相が見えるようだわ……」[気のせい](2011/05/21 16:01)
[17] 紅龍「浴室は無かった事にしよう」[気のせい](2012/05/30 18:52)
[18] 刹那「戦っているのか」 MS「戦っているわ」[気のせい](2011/05/23 21:11)
[19] MS「タダ飯! タダ飯!」[気のせい](2011/09/30 09:00)
[20] イアン「美人ならおk」 リンダ「あなた?」[気のせい](2011/09/30 09:03)
[21] サジ「ちゃんとご飯食べてる? 朝御飯食べないと力でないよ。育ち盛りはしっかり食べないと成長に支障が出たりするし、いくらナノマシンあるっていっても」[気のせい](2011/06/17 16:00)
[22] アレルヤ「刹那、それがGNタクシーの力だ!」[気のせい](2011/06/24 15:20)
[23] ロックオン「ハロ、Sレベルの秘匿義務って何かあったか?」[気のせい](2011/09/30 09:04)
[24] QB「CBの戦いはこれからだよ!」[気のせい](2011/06/30 23:47)
[25] QB「正しく2nd始まるよ!」[気のせい](2011/07/16 17:46)
[26] そんな機体名で大丈夫か。[気のせい](2011/07/22 23:25)
[27] 頭に……響くんだよォッ!![気のせい](2011/08/04 13:12)
[28] ヒリング「あたしの出番よ!」[気のせい](2011/08/30 13:32)
[29] 私マリナ・イスマイール。[気のせい](2011/08/21 04:05)
[30] トレミー「俺TUEEEEEEEE!」[気のせい](2011/08/30 15:58)
[31] ルイス「サジィ!」 サジ「ルイスゥ!」[気のせい](2011/09/22 21:10)
[32] アレルヤ「この期に及んで僕だけ原作イベントなのはどういう事なんだろうね……」[気のせい](2011/09/24 22:00)
[33] ミレイナ「アーデさんアーデさん! お話しして下さいですぅ!」[気のせい](2011/09/25 22:04)
[34] ELS「やあ」[気のせい](2011/09/30 09:07)
[35] ELS「待ってよー!」[気のせい](2011/09/30 08:51)
[36] 刹那「ネ申!」[気のせい](2011/09/30 09:35)
[37] ラッセ「なあ……最初から刹那だけテレポートすりゃ良かったんじゃないのか?」 スメラギ「それは言わない約束なの。でないと私達の出番無いわよ?」[気のせい](2011/10/02 19:25)
[38] 【小話】ミレイナ「魔法少女についてどう思うですか?」 スメラギ「これだから思春期は……」[気のせい](2012/03/16 23:13)
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[27528] QB「もう少し我慢しててよ」
Name: 気のせい◆050021bc ID:899ac1f2 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/05/22 14:55
人革連が、ガンダム鹵獲作戦を失敗し、更には超人機関のスキャンダルを世界に暴露されてから、三陣営の水面下で進んでいた非公式な会談が行われていた。
その計画名はプロジェクトG(ガンダム)。
タクラマカン砂漠、濃縮ウラン埋設地域での三大陣営の合同演習。
四方を山に囲まれ、砂漠化が進み、住人など皆無。
場所としてはうってつけである。


―ラグランジュ1―

 地球と月の間にある重力と遠心力のバランスポイント。
 そこには、いち早く宇宙開発に乗り出したUNIONのスペースコロニーがある。
 そこから約300km離れた地点には、コロニー開発の為に運び込まれた、多くの資源衛星が、巨大なアステロイドエリアを形成していた。
 その中に、私設武装組織CBの秘密ドックが存在する。
「アレルヤ、状況はどうだぁ?」
 イアン・ヴァスティが顔を出して言った。
 アレルヤ・ハプティズムがモニターを見ながら答える。
「問題ありません。衛星周囲のGN粒子散布も基準値を示しています」
「ここはわしらに任せて、地上に降りてもよかったんだぞぉ?」
 イアンがそう言いながら別の席のモニターを見て言った。
「大丈夫です。僕の体は頑丈にできてますから。……ところで、僕の例の脳量子波遮断処置スーツはどうなってます?」
 少し真剣そうに、アレルヤが尋ねる。
「ああ……次のミッションまでには用意できるぞ」
 イアンは少し微妙な返事をした。
「ありがとうございます」
 そのアレルヤの返事に対し、イアンは当然だろ、と言う。
「何を言っとるか。またこの前と同じことがあってはこっちが困るぞ」
「はは、正直、僕も困ります……」
 つい、人革連から襲撃を受けた時の事を思い出し、沈んだ表情をする。
 しばらくの間、皆の反応が輪をかけてよそよそしくなった……。
 だから、こっちに残ったんだけどね……。
 決して省かれた訳じゃない、これは自発的なものなんだ、とまでは思わない。
 アレルヤはネガティブな思考に陥りかけた所、ダメもとで質問をする。
「話せる事ではないかもしれないですが、CBは脳量子波に関係する技術にも造詣があるんですか?」
「それは答えにくいんだがぁ……一つヒントならやれる。ヴェーダがどういうものか考えれば、ある程度は推測がつくぞ」
 イアンは悩むようにしながらも、指を立てて答えた。
「……なるほど、そういう事ですか」
 アレルヤはヴェーダの正式名称、量子型演算処理システムを想えば、何となく関連性、詳しいことは分からないにしても、少なくともCBに結果として技術があることは分かった。
 ただ、何故ガンダムマイスターであるティエリアがあの場にいたのかまでは、不明であった。
 一方、地上のブリッジ主要CBメンバーは王留美が手配した邸宅でそれぞれ過ごしていた。
 スメラギ・李・ノリエガと王留美は水着を着て日光浴、ラッセ・アイオンは筋肉トレーニング、クリスティナ・シエラとリヒテンダール・ツエーリは好き勝手に会話、フェルト・グレイスはHAROを抱いて会話、ティエリア・アーデは地下でモニターを前にデータを真剣に確認していた。
 CBが行動を開始してから、世界で行われている紛争が38%低下。
 軍需産業に関わりを持つ企業の63%がこの事業からの撤退を表明。
 この数字だけ見ると、ヴェーダの計画予測推域には到達している……。
 問題は、ただ一つ、QBだっ……。
 何なんだ、あの生物はっ。
 ティエリアは思い出すだけで苛立たしいと、モニターを片手を握りしめ、強く叩いた。


―経済特区・東京・JNN本社―

 絹江・クロスロードが失踪者をキーワードに調査をした結果、JNNではCBについての報道特集番組を組む事ができた。
 細目が特徴の司会、矢口哲史が話始める。
[JNN取材班の調査によるとぉ……この200年で多くの科学者・技術者が行方不明、またはぁ、謎の失踪を遂げているということですが]
 対して、身を乗り出すように飯野誠貴が解説する。
[CBが、何らかの関わりを持っていたと考えられます。新型のモビルスーツ開発には、最短でも十数年、かかりますから]
[つまり彼らの計画は、200年以上前からあったということに?]
 この放送の翌日。
「よぉろこべ絹江! 昨日の報道特集、視聴占有率が40%を超えたぞぉ!」
 部長が、絹江が資料室にいた所に扉を開けて入ってきて興奮するように言う。
「本当ですかぁ!?」
 当の本人も普段よりかなり高い声で喜びの声を上げる。
「番組始まって以来の数字だそうだぁ」
 部長が歩きながら言い、絹江はパッと明るい顔をして尋ねた。
「じゃあ、取材を続けても?」
「あぁ! 上もそう言って来てる。次はCBの活動における世界経済への影響を特集するぞぉ。経済部の坂崎と組んで、倒産や経営を悪化させた企業をリストアップしてぇ」
 部長が調子に乗ってベラベラと話し始めた所で、絹江が少し迷うような表情をしながらも意を決して言う。
「部長!」
「でゅぉっ!?」
 途中で止められた事に部長が驚く。
「CBとQBについてのもっと深い調査、続けさせて下さい!」
「何でだ?」
 違う方面で切り出した方が視聴専有率は維持できるのに勿体無い、と部長は意外そうに言う。
 好意的に取られない事に後ろめたさを感じながらも絹江は説明する。
「えっ……。戦争根絶ではなく、CBとQBには、本当の目的があるように思えるんです。このまま調べていけば、真実が分かるかもしれません。だから私は!」
 絹江の様子を見かねて唸った部長は特集自体は他の記者に回せば良いか、と結論づけて、容認する事にした。
「うーん……。分かった。好きにしろ! 但し、無理はするな絹江。深みに嵌ったら抜け出せなくなる」
 その忠告を聞き、絹江は頷く。
「はい」
 絹江は次に時間が取れたら極個人的に調べに行くつもりの場所を既に一つだけ決めていた。
 その場所は、群馬県見滝原市。
 幻の少女を求めて。


三陣営の各軍も動きを見せ始めていた。
UNIONの対ガンダム調査隊(仮)はとうとう正式名称としてオーバーフラッグスという名称がつき、公には、フラッグのみで編成された第8独立航空戦術飛行隊として機能することになった。
それに伴い、各部隊の精鋭が十二人も集合となった。
セルゲイ・スミルノフ率いる頂武特務部隊は既に人革連・砂漠地帯駐屯基地に到着して出動待機状態に入っていた。
AEUではカティ・マネキン大佐がモビルスーツ隊の作戦指揮官となり、集合に遅れたパトリック・コーラサワーを二度も殴り、幸か不幸か期せずしてその心を釘付けにしていた。
もう逃げられない。
軍に関係ない所、経済特区・東京ではルイス・ハレヴィがルイスの母がとうとう母国に帰った事で泣いていた。


―王留美邸―

「合同軍事演習?」
 クリスティナが疑問の声を出し、リヒテンダールが続く。
「UNIONと人革とAEUが?」
 王留美と紅龍が続けて答える。
「エージェントからの報告です」
「数日後には、公式発表があるでしょう」
 その話にラッセが驚く。
「それが本当ならすげぇ規模だぞ」
「UNIONや人革が急に仲良くなっちゃって……何なんすか?」
 リヒテンダールが嫌そうに言う。
「私達とQBのせい」
 フェルトがHAROを膝にのせて簡潔に言う。
「そう……考えるのが妥当でしょうね」
 当然の様子で、とQB、と言ったフェルトに一瞬どうなのか、と思いながらもスメラギも肯定し、続けて言った。
「鹵獲作戦を失敗させた人革連は、他の陣営と組むことで、私達を牽制しようとしている……」
 そこへラッセが疑問を呈する。
「軍事演習なら、わざわざ俺達が介入する必要ないんじゃないか?」
 対して、ティエリアが考えるように淡々と言う。
「何かがある。……軍の派遣には莫大な資金が掛かる。たかが牽制で大規模演習を行うなどあり得ない」
「同意見よ。王留美、演習場所の特定を」
 スメラギが王留美が即座に頼むが、
「させています」
 既に始めていた。
「お願いね。皆、出撃することになると思うわ。今のうちに羽を伸ばしておきなさい」
 そして、そこまでで解散となり、それぞれ買い物や、スメラギはビリー・カタギリに呼ばれて会いに行ったりと過ごした。
 数日後。
[最新情報です。UNION、人類革新連盟、AEUは、三軍合同による大規模な軍事演習を行うと発表しました。UNION軍報道官の公式コメントによると、この軍事演習は、軌道エレベーター防衛を目的とし、各陣営が協力して様々な状況に対処するための訓練を行うとしています。現在、演習場所、日程については公表されておりません]
 このニュースが流れた所、地下のモニターではスメラギとティエリアが会話をしていた。
「どうです?」
 スメラギが答える。
「私とヴェーダの意見が一致したわ」
「紛争が起こるというのですか?」
「確実にね」
 スメラギがあぁ、嫌だと呟くように言う。
「場所は?」
「中国北西、タクラマカン砂漠。濃縮ウラン埋設地域」
 ティエリアがモニターに出された映像を見て呟く。
「濃縮ウラン……」
「どこの組織か知らないけど、この施設をテロの標的にしてる。UNIONか人革かがこの情報をリークして、演習場所に選んだのよ。施設が攻撃されれば、放射性物質が漏出し、その被害は世界規模に及ぶわ」
「すぐにでも武力介入を」
 即座にキツイ目付きで言い放ったティエリアに対し、スメラギが心配そうに言う。
「敵の演習場のただ中に飛び込むことになるわ。演習部隊はすぐに防衛行動に出るわよ。いいえ、ガンダムを手に入れるために本気で攻めてくる」
「それでもやるのがCBです」
「ティエリア……」
 そう呟きながらスメラギは思う。
 QBが現れ始めた時から大分立ち直ったわね……。
 今回のミッションも、QBが出れば、最悪の事態にはならないけれど……。
「ガンダムマイスターは生死よりも目的の遂行、及び機密保持を優先する。ガンダムに乗る前から決まっていたことです。いいや、その覚悟無くしてガンダムには乗れません」
 ティエリアは堅物のような発言をきっぱちと言い切った。
 こうして、CBの次のミッションが決定する。
 ロックオンは墓参りに故郷へ訪れていた所から戻り始め、アレルヤは整備の終わったプトレマイオスから出撃し、専用のスーツを着て、大気圏へと突入。
 刹那は指示を受けた際、アザディスタンのマリナ・イスマイールにふらりと会いに行き、その割には一方的な問いかけをして去っていった。


―AEUフランス・外人部隊基地―

[大佐、お客様がお見えになりました]
 モニターに部下の姿が映る。
「通してくれ」
 大佐がそう言って、程なくして部屋に、挨拶をして、現れたのは髭を剃ったアリー・アル・サーシェス。
 今回サーシェスが配属されるに当たってのスポンサーは再びPMCトラスト。
「我が隊に極秘任務ですか?」
 大佐は自身も事情を掴みきれていないが説明をする。
「詳しくは指令書を読んでくれ。この私ですら知らされていない。私に与えられた任務は、君にこの指令書を渡す事と、アグリッサを預けることだ」
 サーシェスが怪訝な声を出す。
「アグリッサ? 第五次太陽光紛争で使用したぁ……あの機体を」
「機体の受け渡し場所も指令書に明記されている」
 大佐が言って、話は終了、サーシェスは席から立ち上がり敬礼をする。
「了解しました。第四独立外人機兵連隊、ゲイリー・ビアッジ少尉、ただ今をもって、極秘任務の遂行に着手します」
 そして、その場を後にしたサーシェスは周囲に人がいない所で一人呟き、心底楽しそうに顔を歪めていた。 


―タクラマカン砂漠―

プロジェクトGへの作戦に備え、三陣営軍は人革連が前回ガンダム鹵獲作戦の際に行った、双方向通信システムを砂漠中に設置していた。
[双方向通信システム、全予定ポイントに設置完了]
 人革連の管制官から、砂漠地上にワークローダーによる双方向通信システムの設置完了の知らせが入る。
[ユーロ2より入電、これより浮遊型双方向通信システムの散布を開始する]
 AEUの通信により、飛行機の下部ハッチが開けられそこから順次浮遊型がばらまかれて行く。
 そしてUNIONからの報告。
[UNION3からの通信網、受信状況、オールグリーンです]
[シミュレートプラン、オールクリア]


―人革連・タクラマカン砂漠駐屯基地―

 基地内でオペレーターが報告をする。
[演習に参加する全部隊、通信網のリンクを確認しました]
[全モビルスーツへの配信状況、良好です]
 そんな中基地内を考えるように部下二人を従えて歩いていたセルゲイ・スミルノフが呟く。
「まさかなぁ……UNIONやAEUと手を組むことになろうとは。……浮かれおって」
 上空を飛ぶAEUのイナクトを見上げて言った。
 そのイナクトに対してカティ・マネキンから通信が入る。
[少尉、機体の防塵状況はどうか?]
 パトリック・コーラサワーが自信満々に答える。
「順調そのものです大佐ぁ。見ていてください、この機体で必ずやガンダムを!」
[無理だな]
 軽く一蹴され、コーラサワーは嘆いた。
[そんなぁっ!]


―UNION軍・沖縄近海―

 UNIONの空母三隻は沖縄近海を進んでいた。
 待機室にオペレーターから通信が入る。
[オーバーフラッグス隊は、命令があるまで待機です]
 上級大尉に昇進したグラハム・エーカーが答える。
「了解した」
 そして、独り言も言う。
「部隊総数52。参加モビルスーツ832機。卑怯者と罵られようとも、軍の決定には従わせて貰うぞ、ガンダムっ!」


―タクラマカン砂漠―

 人革連・国家主席官邸に、予定通りわざと見逃したテロリストが出現した事が報告され、それに合わせてCBが出現した事が伝えられ、演習の作戦をガンダムの鹵獲に変更する事が指示されていた。
 罠だと分かっていてキュリオスはデュナメスを巡航形態で機体の上に乗せ、上空を飛行していた。
[アレルヤ、速度と高度を維持しろ。……おぁっ! くっ!]
 言った傍から雲の中に入り、機体が揺れる。
[機体を揺らすなぁっ!]
 ロックオンは更に文句を言う。
 アレルヤが何言ってるんだと、苦笑して返す。
[無理言い過ぎ]
 一方、この二機の動きを捉えた各陣営の前線指揮官達は本作戦が全て仕組まれた事である事を司令部からの通達で知った。
 アンフ三機が濃縮ウラン埋設施設に砲撃をしかけ始め、他に人員輸送車三大が砂漠を走っている所であった。
 キュリオスとデュナメスがそれを捕捉、上空からロックオン・ストラトスがスナイパーライフルでアンフ一機を撃破。
「デュナメス、目標を狙い撃つ!」
 続け様に残り二機を呆気無く撃破。
 そのまま、残りは人員輸送車三台のトラックに向けても容赦なく射撃を行い、始末した。
「ゼンダンメイチュウ! ゼンダンメイチュウ!」
 HAROが報告してすぐ、ロックオンは精密射撃モードのスコープを元に戻しながらアレルヤに言う。
[離脱するぞアレルヤ!]
[了解]
 そこへ、小刻みのアラート音が鳴り響く。
「っん!?」
 突如飛来した大量のミサイルが展開され、無数の小型爆弾が飛び散る。
[っぁ!? 敵襲っ!]
 二機丁度の付近で爆発。
 アレルヤがその衝撃に声を上げる。
「うぉぉぉぐぁぁっ!」
「テッキセッキン! テッキセッキン!」
 HAROが爆炎の向こうからUNION軍の主力量産モビルスーツ・ユニオンリアルドの飛行編隊が人形携帯、巡航形態合わせて32機出現する。
「くそっ!」
 爆炎を抜け、目の前にその部隊を見たアレルヤが呼びかける。
[くっ……ロックオン!]
[わぁってる!]
 デュナメスは二発ビームを打って、キュリオスから離れ、更に一発の射撃と同時に膝部からGNミサイルを射出。
 キュリオスもコンテナからGNミサイルを大量に発射。
 瞬時に到達し、閃光と共に爆発が左右に広がるが、数機が木っ端微塵になったのも構わず、黒煙の中突破してきたうち巡航形態の一機がキュリオスの軌道を読んで特攻。
「くぁっ?」
 意表をつかれたアレルヤはそれを完全に喰らい、強烈な爆発の中で姿勢制御を失い、地上へと落下する。
「アレルヤ!?」
 それを見たロックオンが叫ぶが、
「テッキセッキン! テッキセッキン!」
 デュナメスにも包囲するべくリアルドが迫る。
 ロックオンはそれをGNビームピストルの連射で応戦し、二機を撃墜するが、
「うっ! 何!?」
 接近を阻止できなかった二機のリアルドがデュナメスに組み付く。
「こいつらっ!?」
 ロックオンが狙いに気づいた瞬間、リアルドの下半身が分離してその場を離脱、上半身がゼロ距離で爆発。
「ロックオン!!」
 地上に変形して着地していたアレルヤが後ろを振り返りながら叫び、接近するが、デュナメスの機体に損傷はほぼゼロ。
 デュナメスが丁度膝を折って衝撃を和らげながら着地してきた所に合流。
[ロックオン]
[大丈夫だ。来るぞ!]
 ロックオンが返答するが、すぐに遠方から数十を優に超えるミサイルが飛来してくる。
 デュナメスはGNフルシールドを前面に展開、キュリオスも菱形のGNシールドを構え防御する。
 更に人革連とUNIONのモビルスーツ部隊が二機を挟むように長距離射撃を行い、更にUNIONのリアルドが焼夷弾を落とし、二機をその場から動けないように釘付けにし始める。
「うぐぁぁっ!」
「ッチ! くそったれが! 今日はQBはどうしたんだよ!」
 二人は絶え間ない爆撃に耐え切るしかなくなり、声を上げる。
 そのままCBにとってはファーストフェイズの終了時刻が過ぎる。
 AEUタクラマカン砂漠前線基地の管制室ではオペレーターが続々とマネキンに報告を上げる。
「ユニオン3、初期攻撃に成功」
「QBの出現ありません!」
「ガンダム二機、キエフ4122ポイントです」
 マネキンが机に両手を付いて指示を出す。
「遠距離砲撃続行!」
「了解。遠距離砲撃、続行」
「ヒューマン1から有視界暗号! TF2123へ部隊の派遣を要請してきました!」
 そこへ一番右端に座るオペレーターが振りかって報告する。
 マネキンは口元を少し吊り上げ、指示を出す。
「やはり、手薄の場所を選ぶか……第23モビルスーツ隊を出撃させろ!」
 即座に格納庫からAEUのヘリオン部隊が出撃を開始する。
[第23モビルスーツ隊出撃せよ! 第23モビルスーツ隊出撃せよ!]
 そこへ、不満そうに扉をあけてコーラサワーが現れる。
「大佐ぁ!なぜ私に出撃命令を出さないんですか!? 俺はガンダムを!」
「今は待機だ」
 再びマネキンが一蹴する。
「しかし!」
 食い下がる。
「信用しろ。私がお前を男にしてやる」
 そう言ってマネキンはコーラサワーを宥めたが、当の本人は意味が分からない様子であった。
[ミッションプランをB2に移行する]
 ティエリアが通信で刹那・F・セイエイに告げる。
「了解。エクシア、外壁部迷彩被膜解凍。ミッションを開始する」
 すると、エクシアとヴァーチェの二機は最初から隠れていた岩場の近くで光学迷彩を解除し、その姿を現して立ち上がる。
[ガンダム二機発見! 本部に連絡!]
 偶然近くの空域に居合わせた巡航形態のリアルド二機が互いに通信を取り合い、その場を離れ始める。
 エクシアが飛びかかろうとした所、
「刹那、勿体無いから放置してよ!」
 突如コクピットにQBが現れ、始末するタイミングを失わせる。
「QB!」
 何故現れた、と刹那が言い、通信モニターにティエリアの顔も映しだされ、怒りの声を出す。
[QBだとっ! なら何故、いつものような行動を取らない!]
「しばらくしたらヴェーダから緊急ミッションが伝わるから、それまで我慢して欲しいな」
「何?」
[緊急ミッション? 何故貴様がそんな事を知っている! 嘘だ!]
「僕らがどうして嘘をつかないといけないんだい? 必要性が無いよ。前から言ってるけど僕らは君たちに壊滅されると困るんだ。どちらにしても、しばらくしたら分かるよ」
 いつも通りのQBの言い方に、感情を持つティエリアの心は無駄な刺激を受け、
[ぐっ……もう良い。今はミッション通り行動する! ヴァーチェ、離脱ルートを確保する! GNバズーカ、バーストモード!!]
 少々投げやりに叫びながら、両腕で構えたGNバズーカの砲身を伸ばし、バーストモードへと移行する。
 砲身がキュィィィンと白い光を上げ始め、
「粒子圧縮率97%! GN粒子! 開放ッ!!」
 極大のビームを放ち、その反動で徐々にヴァーチェ自体も後ろに後退する。
 そのビームは砂漠の地面に長く大きな塹壕をデュナメスとキュリオスの元にも届く位置まで形成する。
[ティエリア! プランがB2に移行したかぁ? 離脱するぞアレルヤ!]
 背後でその砲撃に気づいたロックオンがアレルヤに言う。
[了解!]
 そして二機は塹壕の中へと逃げこむ。
「ファーストシュート完了……GN粒子、チャージ開始]
 打ち終えた、ティエリアは無駄に大声を出したが無意味だったと少し落ち込みながら言うが、岩場の向こう側からまたしても無数のミサイルが飛来し、エクシアとヴァーチェに向かって降り注ぐ。
「この物量はっ!?」
「対応が早い!」
 そして、作戦開始から二時間が経過、デュナメスとキュリオスは爆撃の中をやり過ごしながら塹壕の中を進み、ヴァーチェとエクシアとの合流を図る。
 途中超兵ソーマ・ピーリスを含む、人革連の部隊が接近することに影響を受けることもなく、結果追いつかれる事なく、気がつかず、進んだ。
 しかし、エクシアとヴァーチェが釘付けにされていたために移動することができず、合流予定ポイントでの時間通りの接触はできなかった。
 ある程度順調に進んでいたデュナメスとキュリオスも途中で塹壕に集中砲火を受けて釘付けにされ、進行が止められる。
 しかし、戦闘開始から四時間が経過した時。
「くぅっ……いつまでこの砲撃はっ……何!?」
 ティエリアがヴァーチェのモニターに現れた本当にヴェーダから提示され緊急ミッションに驚く。
[ティエリア、これはどういう事だ]
「知るかぁっ!」
 ティエリアの叫びの一方で、ロックオンとアレルヤも驚いていた。
「何だこのミッションは!」
「信じられない……」


作戦行動中に新たに提示されるヴェーダからの緊急ミッション。
鳴り響くベルは、第二幕の始まりなのか。


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