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No.26596の一覧
[0] IS〈インフィニット・ストラトス〉-IaI[SDデバイス](2016/03/07 00:44)
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[26596] 2-4
Name: SDデバイス◆132e9766 ID:a13b4935 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/05/25 02:13
 ▽▽▽

 『お兄ちゃん』

 弟もしくは妹が自身の『兄』に相当する存在に対し用いる呼称。
 何故か僕の友達はこの単語に脅える傾向がある。
 彼に居るのは『兄』でなく『姉』なので、この呼称に脅える理由は無い筈だ。こういった日常の端々に垣間見える小さな違和感をかき集めていけば、僕が彼に感じる不思議な感覚の正体も判別するのかもしれない。
しかしとっかかりがこの単語ってどうなんだ。

 ――とある人物の手記より抜粋。


 ▽▼▽

【親密な相手に用いる呼称として登録されていたのですが】
「間違ってはいないけど是非にやめてくれいや止めてくださいお願いします」
【はい】

 別にその呼び方自体に罪は全く無いし、『前』で実際に妹が居た俺にとっちゃ――確かに慣れた呼び方ではある。
 でもその呼び方で呼ばれると煮え湯というか沸騰した硫酸をタンクで流し込まれた日々が脳裏に蘇るので真面目に勘弁して欲しい。
 全くあいつは要らんとこばっかり母親に似やがってちくしょうめ。成長するたびに似てくるから、六年経った今はどれだけ凄まじい事になっているのやら。

(――――そっか。六年、経ってんだ)

 生き別れ、いや”死に別れ”た頃はまだ『子供』だった妹も、考えて見ればもう年頃になっている訳だ。年齢的に大学生でもやってるんだろうか。それとも何か夢でも見つけて走っている最中だろうか。
(…………はん)
 心配は、正直する必要無い。
 俺の妹は兄である俺より精神的にも肉体的にもずっと優秀だ。というかそろそろ人類の規格越えとるかもわからん。母親的な意味で。
 向こうで生きてた頃は『もっと可愛い妹が欲しいいやそんな高望みしない普通でいい普通がいい』って隙があれば愚痴ってた。でもいざ二度と会えなくなってみれば、あれはあれで可愛いやつだったと思えてくるから不思議なものだ。
 もうちょっとくらい、余計でも世話焼いといてやりゃ、よかっ――気持ち悪いつって蹴られるのが余裕で想像できる! ああっ、蹴られ続けた日々が脳裏に凄く鮮明に!!
(色々思っちまうけど、一番気になるのは伴侶に出会えるかなんだよなあ。滅茶苦茶凶暴だからなー……あれを嫁にしたいという猛者が果たして現れるかどうか……)
 容姿は、まあ身内の贔屓を引いてもそれなりにイイ線いってると思う。でもあいつ性格がなあ。そのせいというか絶対それが原因だと思うんだが、俺の知る限り色恋沙汰には欠片も縁が無かったように思う。正直あいつが真っ当に恋愛してる画が全く想像できん。
 見た目の割に乙女な箒とは本当えらい違い――何か今『恋愛』とか考えるとあの子の顔が真っ先に出てくるな。
(そーいや今日やったら機嫌悪かったなー)
 普段から無駄に気が強いというか気を張っている彼女であるが、思い返せば今日は朝――朝食の際からどうにもそれが顕著だったような気がする。
 今朝、といえば鈴という転校生の登場があった。しかし友達である俺はともかく、直接の知り合いでない箒が転校生くらいで心動かすだろうか。

「あ」
【?】

 『篠ノ之箒』が『織斑一夏』を好きだという事は、ちゃんと把握している。ただその『織斑一夏』と『俺』を俺はアタマの中で直接結びつけていないし、実際それは直接結びつかない。しかし俺の身に起こった特殊な事態を知らない箒は、『俺』と『織斑一夏』の根本は同一であると認識している。

(いっけね、そういや鈴って『女の子』じゃねーか)

 その認識の差がすっかりすぽんと頭から抜けていた。
 今朝の光景は、俺に取ってはただ友達とじゃれ合っていただけ。しかし『織斑一夏』が好きな箒の目には『好きな男が見知らぬ女の子と楽しそうにしている』という風に映っていただろう。つまりあれは『怒り』でなく『嫉妬』か。いや怒りでも間違ってないだろうけど。
 なんてーか、見た目と姿勢の割に本当根が恋する乙女だなあのホーキちゃんは。
(とはいえどーしたもんか、ねー)
【…………】
 『俺』が『織斑一夏』と別である以上、彼女の好意に対してリアクションを行うことは好ましくない。それは俺じゃなくてオリジナルの『織斑一夏』のやるべき事だ。
(現状維持、するしかねーんだよなあ)
 俺の中に『織斑一夏』の記憶が蘇り始めているが、最終的に『織斑一夏』が戻るかどうかは未だわからない。
 戻ると確定しているのなら――今はそれに伴うもう一つの結果は置いておく――それまでは彼女の好意に気付かぬフリをすればいい。
 しかし戻るまでに長い期間がかかる場合、また結局『俺』のままであるという可能性も、未だ残っている。その場合は箒にも事実を打ち明けた方がいいのかもしれない。
(あーもー、こういうの得意じゃねーのに)
【…………】
 これが完全に他人事ならもっとサクっと指針を決められるのだが、というかもう何回目かわからんけど本当今の俺の状態どうなってるのさ。誰か知ってる人居ないのかよコレ。
(結局は現状維持、かあ。こーゆー宙ぶらりんってのは好きじゃねーんだけどなあ)
 箒に総てを話すのは、それが良いか悪いかはともかく――俺にとって『楽』なのは確かだ。だが突きつけるには事実が不可思議で唐突過ぎる。それを、こっちの都合で15歳の女の子に叩きつけていいものか。多感な時期の『女の子』に。
(んー、兎に角。一回千冬さんに相談してみるかねー)
 そういえば千冬さんの学生時代ってどんなんだったんだろ――ああ、今と全然変わらないんだろうな。一瞬で想像できた。
【思案内容の開示を要求します】
(うわびっくりした。何どうしたのシロ急に)
【操縦者――『織斑一夏』のサポートも私の優先事項の一つです。何か重要な案件に行き当たっていることが明確である以上、私は持てる総てを用いてそれを解決に導く用意があります】
 驚いた。
 シロが長文喋ってる。
 いや長々と喋る事が無かった訳じゃない。だがそういう場合はどうも長い文章を『再生』している風で、喋ってるって感じじゃなかったのだ。
(気持ちは結構有り難いんだが、シロはこういうの向いてなさそうだからなあ)
【何故ですか】
(んー……?)
 お、何か不服そう不服そう。
(喩え話。もしお前より高性能な新型AIが開発されて。俺がその新型を褒めちぎってたらどうすればいいと思う?)
【私が問題解決に対して不向きであるという事との関係性が見受けられません】
(関係ないようであるんだなこれが。いいから答えてみ?)
【……『AIユニットを開発された新型と交換』】
(うん正解。だからお前は向いてない)
【それは正解でないという事では?】
(いや正解ではあるよ。ただ俺が求める正解ではないだけで)
【操縦者の最善でない以上、それは私にとっての正解ではありません】
 さあて。
 ある程度人生を過ごしてきたが、ヒトのように人格を持つ人工知能と接するのは流石に初めてである。なのでこっちとしてもシロとの距離感は正直測りかねている。
 初回にしてはちょっと難易度高いかもしれんが、ここは探りも兼ねて一つ問いかけてみるとしよう。
(宿題。時間制限は無し、ただし回答のチャンスは一回だけ。相方であるお前は俺をどう呼べばいいのか、俺はどう呼ばれたいのか。お前が求めるもの――俺にとっての『最善』が何なのか。考えてみな、”思うがままに”)
【時間をかける意味が理解できません。あなたが正解を提示すればそれで済む問題だと考えます】
(人間ってのは色々とめんどくさい生き物でね。無駄のない正論正解だけじゃやってけねーのさ。だからまずはそこら辺を知ってもらおーか)

【………………はい】

 戸惑いと困惑とそれと不満が混ぜ込まれていると思しき空白の後、シロは何時ものように簡潔でそっけない返事をした。
 この『宿題』には一つ、これ以上無い答えがある。とはいえシロがそれに辿り着くのは難しいだろう。目的は答えを探す過程にある思考だ。
 今切り捨てられている無駄な部分にも思いを馳せる事が出来ればよし。できなくても別によし。厳格な正論は別に悪い訳じゃない。
 知りたいのは、シロが”変われる”のか”変われない”のか。

「――ん」

(シロ、ちょっと質問。IS自体を起動せずに学園の地図とか出せる?)
【映像出力は不可能ですが、現在行っている相互通信でのナビゲートなら可能です】
(よし、じゃあちょっとナビをお願いしようか。無駄なトラブルは避けるに限る)
 
 その場でくるりと反転。
 気持ち歩を進める速度を上げ――曲がり角を曲がった瞬間に、俺は駆け出した。

 ▽▼▽

 休み時間。

 休むための時間。
 なのにどうして休み時間を経た俺はこうも疲労困憊しているのだちくしょうめ!
 あれから全体力を使い切る勢いで教室に戻った(辿り着いたとも言う)はいいが、授業に遅刻した事で織斑先生からは有り難いお説教と出席簿アタックを喰らい、トドメと追加課題である。普通に涙が出そう。俺が何をしたっていうんだ。

「織斑君、何してたの?」
「ちょっと逃走劇をだな」

 瀕死のまま授業を一つ乗り越え、次の休み時間にて隣の席の娘に問いかけられる。素直に答えたら滅茶苦茶怪訝そうな顔をされたが、実際そうなのだから仕方がない。
「そういえば篠ノ之さんも遅れてきたんだけど、もしかして一緒だったり」
「箒も遅れてきたのか。いや、そっちは知らねー、食事の後別れたっきりだし」
「そうなんだー。二組の友達が例の転校生も遅刻してきたってゆってたから、てっきり”三人”で積もる話でもしてたのかと思った」
「鈴も……?」
 にやにやと笑いながらの言葉に、俺はというと首を傾げた。
 時間に厳しそうな箒が遅刻というだけでも疑問なのに、さらに鈴が同様に遅刻してるってのはどう言う事だろうか。もしや食堂で二人に何かあったのか。
 ちらりと箒の方にさりげなく視線を飛ばす。真正面から視線がぶつかった。と思ったらものすごい勢いで箒が視線逸らした。
 ああ、これは何かあったな確実に。
 何てわかりやすい娘だ。
「ふーん、その様子じゃ本当に一緒じゃなかったんだね。じゃあ何してたの?」
「だから逃走劇だって。何か、こう明らかにちょっかい出しますよーって感じの人に遭遇してさ。面倒な事になる前に逃げたらすげー追ってくんの」
 すれ違う前にこっちが進行方向変えたから大丈夫だろうと安心してたら、何故かあの人追っかけてきたから困る。結局撒くのに休み時間と体力の概ねを費やす羽目になった。
「学園唯一の男子はもてもてだねえ。どんな人だったの?」
「えーと、ちらっとしか見てねーんだよ。確かリボンの色が二年だったな。んで髪が水色っぽくてー、何か扇子持っててー、雰囲気が独特で、後――脚が怖いくらい異様に速い」
 何度追い付かれそうになった事か。物理的なショートカットを多用してるこっちに普通に走って追い付いてくるってどういう事だよ本当。

「……………………その人もしかして『お前の事は何でも解ってるよ』みたいな表情してなかった?」

「あー、そーそーそんな顔してた。お前の総ては手の内だぜみたいな余裕綽々な感じ」
「ちょちょっと待って織斑君あの”楯無”から逃げ切ったの地味に凄いっていうかいや普通におかしいよ君」
「え、何? カタナシが何だって?」



「その人、うち(IS学園)の生徒会長だよ」






「へ?」





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