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No.26038の一覧
[0] 東方ギャザリング (東方×MTG 転生チート オリ主)[roisin](2014/11/08 16:47)
[1] 第00話 プロローグ[roisin](2013/02/20 07:12)
[2] 第01話 大地に立つ[roisin](2012/07/01 17:54)
[3] 第02話 原作キャラと出会う[roisin](2012/07/01 18:01)
[4] 第03話 神と人の差[roisin](2012/07/01 18:05)
[5] 第04話 名前[roisin](2012/07/01 18:08)
[6] 第05話 洩矢の国で[roisin](2012/07/03 21:08)
[7] 第06話 悪魔の代価[roisin](2012/07/01 18:34)
[8] 第07話 異国の妖怪と大和の神[roisin](2012/07/01 18:39)
[9] 第08話 満身創痍[roisin](2012/07/01 18:44)
[10] 第09話 目が覚めたら[roisin](2012/07/01 18:51)
[11] 第10話 対話と悪戯とお星様[roisin](2012/07/01 18:57)
[12] 第11話 大和の日々《前編》[roisin](2012/07/01 21:35)
[13] 第12話 大和の日々《中編》[roisin](2013/01/05 19:41)
[14] 第13話 大和の日々《後編》[roisin](2012/07/01 21:37)
[15] 第14話 大和の日々《おまけ》[roisin](2012/07/01 21:37)
[16] 第15話 鬼[roisin](2013/02/20 07:27)
[17] 第16話 Hulk Flash[roisin](2013/02/20 07:27)
[18] 第17話 ぐだぐだな戦後[roisin](2012/07/01 17:49)
[19] 第18話 崇められて 強請られて[roisin](2012/07/01 17:49)
[20] 第19話 浜鍋[roisin](2012/07/08 19:48)
[21] 第20話 歩み寄る気持ち[roisin](2012/07/08 19:48)
[22] 第21話 太郎の代わりに[roisin](2012/09/23 03:40)
[23] 第22話 月の異名を持つ女性[roisin](2012/09/23 03:39)
[24] 第23話 青い人[roisin](2012/07/01 17:36)
[25] 第24話 プレインズウォーカー[roisin](2012/07/01 17:37)
[26] 第25話 手札破壊[roisin](2013/02/20 07:23)
[27] 第26話 蓬莱の国では[roisin](2012/07/01 17:38)
[28] 第27話 氷結世界に潜む者[roisin](2012/07/01 17:39)
[29] 第28話 Hexmage Depths《前編》[roisin](2013/07/24 23:03)
[30] 第29話 Hexmage Depths《中編》[roisin](2012/07/01 17:42)
[31] 第30話 Hexmage Depths《後編》[roisin](2012/07/01 17:42)
[32] 第31話 一方の大和の国[roisin](2012/10/27 18:57)
[33] 第32話 移動中《前編》[roisin](2012/09/20 20:50)
[34] 第33話 移動中《後編》[roisin](2012/09/20 20:50)
[35] 第34話 対面[roisin](2012/07/08 20:18)
[36] 第35話 高御産巣日[roisin](2013/07/25 23:16)
[37] 第36話 病室にて[roisin](2012/07/08 20:18)
[38] 第37話 玉兎[roisin](2012/07/08 20:18)
[39] 第38話 置き土産[roisin](2012/09/20 20:52)
[40] 第39話 力の使い方[roisin](2013/07/25 00:25)
[41] 第40話 飲み過ぎ&飲ませ過ぎ《前編》[roisin](2012/09/20 20:52)
[42] 第41話 飲み過ぎ&飲ませ過ぎ《後編》[roisin](2012/07/08 20:19)
[43] 第42話 地上へ[roisin](2012/09/20 20:53)
[44] 第43話 小さな小さな《表側》[roisin](2013/01/05 19:43)
[45] 第44話 小さな小さな《裏側》[roisin](2012/10/06 15:48)
[46] 第45話 砂上の楼閣[roisin](2013/11/04 23:10)
[47] 第46話 アドバイザー[roisin](2013/11/04 23:10)
[48] 第47話 悪乗り[roisin](2013/11/04 23:11)
[49] 第48話 Awakening[roisin](2013/11/04 23:12)
[50] 第49話 陥穽[roisin](2013/11/04 23:16)
[51] 第50話 沼[roisin](2014/02/23 22:00)
[83] 第51話 墨目[roisin](2014/02/23 22:01)
[84] 第52話 土地破壊[roisin](2014/02/23 22:04)
[85] 第53話 若返り[roisin](2014/01/25 13:11)
[86] 第54話 宝物神[roisin](2014/01/25 13:12)
[87] 第55話 大地創造[roisin](2014/01/25 13:12)
[88] 第56話 温泉にて《前編》[roisin](2014/02/23 22:12)
[89] 第57話 温泉にて《後編》[roisin](2014/02/23 22:17)
[90] 第58話 監視する者[roisin](2014/02/23 22:21)
[92] 第59話 仙人《前編》[roisin](2014/02/23 22:28)
[94] 第60話 仙人《後編》[roisin](2014/03/06 13:35)
[95] 第??話 覚[roisin](2014/05/24 02:25)
[97] 第24話 Bルート[roisin](2014/10/26 18:27)
[98] 第25話 Bルート[roisin](2014/10/26 18:28)
[99] 第26話 Bルート[roisin](2014/10/26 18:29)
[100] 第27話 Bルート[roisin](2014/10/26 18:29)
[102] 第28話 Bルート[roisin](2014/10/26 18:30)
[103] 第29話 Bルート[roisin](2014/12/31 18:15)
[104] 第30話 Bルート[roisin](2014/12/31 18:15)
[105] 第31話 Bルート[roisin](2014/12/31 18:16)
[106] 第32話 Bルート[roisin](2014/12/31 18:17)
[107] 第??話 スカーレット[roisin](2014/12/31 18:22)
[108] ご報告[roisin](2014/12/31 18:39)
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[26038] 第??話 スカーレット
Name: roisin◆78006b0a ID:ad6b74bc 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/12/31 18:22

 こちらも過去のネタSS同様、執筆速度に影響のない範囲で、設定とか年代とかキャラ関係とか殆ど考えずに書き殴ったものになります。本編と分けてお読み下されば助かります。
 MTG成分は少なめです。


 ■□■□■□■□













「さぁ勇者様! 悪魔の根城はあの山を越えた奥にあります!」

「さぁさぁ勇者様! あなた様のそのお力で、あの憎っくき悪魔めを打ち倒して下さいませ! ―――では我々はこれで!」

「いやあの……俺、それどころじゃ……ってか逃げるんかい……」





 悪魔の中の悪魔。それが統べるは欧州随一の豊国。





「あぁ、スカーレット様だべか。それなんば、こげん道ばまっつぐいけば、日が落じる前までにゃつくんべ」

「他の国じゃあ神の子を崇めてるー、聞きますけんど、オラたぢぁそげんもんは必要なか。みーんなスカーレット様がお知恵を授けてくれんだかんね」

「んだんだ」

「あぁ、噂をすればだがね。あの馬車がスカーレット様だんべ」

「なぁに他所じゃあこげん憎らしか悪魔だっづども、ここは別だぁ。しっかり挨拶しておきんしゃい」

「……ここ、日本じゃねぇよなぁ……?」





 居並ぶ魔族は精強にして優美。従う配下は千に届く。





「よく参られた、旅の者よ。私がスカーレット城が当主、レミリア・スカーレットだ。まずは持て成しを受けてくれ。いつもいつも相手側の用件を済ませてしまうと、その相手が塵一つ残さず居なくなってしまうんだ。たまにはこちらの都合を優先させようと思うのさ。機が悪かったと思って、我が意に従ってくれるなら、スカーレットの名を以って、相応の対応をさせて―――……」

「スカーレッド様ぁ、うづの畑で取れたブドウですんだ。どうぞ召し上がって下せぇ」

「オラんとこは良い麦が実ってなぁ。こっづみだいにすぐんは無理ですんが、寒くなる前にゃあ金色の畑をお見せ出来ると思んまず」

「―――……旅の者、まずは城に行こうじゃないか」

「は、はぁ……」





 吸血姫が統べる都市。

 それは一つの、人魔共栄の理想郷。






「何コレうまッ! レミリアさん、俺こんな美味しいワイン飲んだ事ないですよ!」

「ほう? 人間でもこの味が分かるのか。とっておきだぞ? 私の血が混じっている一品ものだからな」

「ぶほっ!?」

「きゃあッ!?」





 なんやかんやで和気藹々。





「つまりあれか? たまたま木っ端悪魔に襲われていた人間を助けたら、それを担がれて、あれよあれよと言う間にお前はここに来てしまった、と」

「ええ、そうなります……」

「まぁ、このところは人間達の訪問もご無沙汰になって来たからね。少し前までは、やれヴァインパイアハンターだー、エクスソシストだー、聖騎士だー、と賑やかだったんだが……」

「それ、対・悪魔さんな方々を片っ端から返り討ちにしているように聞こえるんですが……」

「自分の領地に引き篭もって、悠々自適にやっているだけなんだけどねぇ」

「領民のおっちゃん達は活き活きしてしましたね。それに、慕われてもいる。凄く良い関係と思いますよ? これで悪魔だから~、なんて理由で討伐とかされてちゃあ、盲目過ぎるったらありゃしないと思いますし」

「やはり、背丈が足りないと威厳も伴ってくれないのね……」

「馬鹿にされているとか、怖がられているとか、そんな風には見えませんでしたけど。今のままで……それじゃあ駄目なんですか?」

「あぁ、駄目だね。私はスカーレット。泣く子も黙る、レミリア・スカーレットだ。夜を従え、悪魔を統べる、化け物の中の化け物。ロードオブヴァンパイア。それが威厳のイの字もないんじゃあ、お父様にも、世の悪魔達に顔向け出来ないさ。……客人くらいだよ。私の配下以外で、私に敬意を見せているのは」

「溢れ出てる力とか、領地の統率具合とか、配下の力量とか、そんな点なんかが、凄いなぁ。と思っている理由ですかね。年下の子供なんかには大体タメ語なんですが……。悪い言い方になりますけど、その辺りは相手を見て。ってな感じでして」

「……その言葉の中身……私の容姿に対する観察眼が含まれていないところに、理由の一端を垣間見た気がするわ……」





 当主の日常。

 これも一種の信頼関係。





「お城って遠巻きに見るだけで、一度も中に入った事なかったんですよ。主直々に案内してもらえるなんて、すっごい嬉しいです! いやぁ、お城とか要塞とかでっかい建物はそれだけで胸躍るなぁ!」

「ふふん、元気の良い男の子だ。いいかツクモ。領主たるもの、民の期待に応え、義務をまっとうする責務がある。しかも私は純血種たるロードオブヴァンパイア。ただこなせば良いというものではないんだ。常に優雅に、強者の余裕を以って―――」

「レミリアお嬢様。そこはまだ清掃中なので、資材が散乱しており、宜しくありません。こちらへ」

「ん、うむ」

「あの……お嬢様……。その……足を退けていただけませんと、布巾が……」

「む。す、すまない」

「あっ、居ましたねレミリア様! また血を残されて! 領民の方々のご好意を無駄になさるおつもりですか!?」

「あ、い、いや、どうにもあれとは相性が悪いらしくてな。エネルギッシュというかアブラギッシュというか……。この前の、裁縫屋の娘のはとても美味しかったんだが……」

「好き嫌いはいけないと、何度申し上げれば良いのですか! 確かに今日のは鍛冶屋の頭からいただいたものですが、『今回は俺の番か! 是非ともレミリア様に!』っていっぱい差し出して下さったんですからね!」

「う、うん。私が悪かった。後で必ず飲んでおくから……」

「―――スカーレット様! またナプキンを着けずにお食事を召されましたでしょう!? 洗濯中の女中が涙流しながらドレス洗ってますよ! 血液って落ちにくいんですから! 領主たるスカーレット様お召し物を買い換えるのに、いくら血税を使うのかお分かりにならないのですか!? 今すぐいらして下さい!!」

「ご、ごめんなさ」

「―――当主! 何処に行かれたのですか!? 今年分の農産物の合算がまだ終わってないではありませんか! 急いで政務室までお戻り下さい! 当主! 当主ーーー!!」

「う、うー!」

「……優雅?」






 最強VS最凶。







「―――あなたが、今度の私の玩具?」

「はんっ、見た目だけじゃなく中身までガキときたか。ノックは城門を破壊するものじゃあないんだがね。……魔法狂いな老いぼれ共の最高傑作だと言うから期待してみれッ―――」

「あぁ!? レミさんがマミった!! 後、その言葉は軽くブーメラン入ってます!」

「あはっ! 凄い凄い! もう殆ど治って……いいえ! 巻き戻っているのかしら! “壊れても壊れない”! 何て素敵なお人形! ゾクゾクしちゃう!」

「……このレミリア様の話を最後まで聞かないなんて、良い根性しているじゃない。―――かかって来いやクソガキャー!」

「出たー! レミさん十八番のカリスマブレイク! そこに痺れる憧れるゥー! ……って一度は言ってみたかったけど斬撃とか衝撃波とかが洒落にならんですよこれは! 動体視力の限界を実感出来るぅうううおおおお!?」






 決着。そして。





「がっ……ふっ……。制御魔力の暴走……。ふん、くたばり損ない達め。使い捨ての火矢じゃあるまいし、紛い物とはいえ、賢者の石をそれだけ連結させていれば、こうなる事は目に見えていたろうに」

「……たの、し、かった。……どうもありがと。レミリア……さま……」

「何だ。あれだけ我を通しておいて、事が済んだら、はいサヨナラか?」

「自分の体……ですもの。どんな状態なのかは……よく……分かる、わ……」

「……おい、お前。名前は何と言う」

「……さぁ……何だったかしら……。あれ、とか。これ、とか。お前、とか。……ドール……なんて言われてもいた、かしら」

「……人形、か。まったく以って忌々しい。……ふん。だが、なら丁度良い。おいお前。今から私の妹になれ」

「何を……言っているの……?」

「妹だよ、妹。このレミリア様の家族になれ、と言っているんだ。あぁ、言っておくが慈悲などではないぞ? そこの力を持て余したビックリ道化師のせいで、私の心の安らぎはどこへやら。慰み者として飼ってやる、と言っているんだ。だが奴隷を侍らせる趣味はないし、女中の真似をお前が出来ると思えん。忠義の臣下という柄でもなく、道化の枠は既に埋まっている。身近に置く理由としては、その辺りが無難だろうしな。それに、名前も付けてやるぞ? ―――フランドール、とな。人形にしては分不相応な……しかし優雅な名前になったろう?」

「……ふふっ。ありがとう、お姉様。でも、お気持ちだけいただいておきます、わ。私……もうすぐ、壊れちゃうし」

「ふざけるな愚妹。そんな運命、このレミリアが認めるものか」

「止めておいた方がいいと思う。力が暴走して、誰彼構わず、今の私に近寄ったもの全てを壊してしまうから。枷の外れてしまった今なら、人や物の区別なんてない。それこそ、風や炎なんて、形のないものですらクシャリと潰してしまいそうなくらい」

「それくらい何だというんだ。全ての運命はこの手の内に。生かすも殺すも我が意のままに。私の決定は、絶対だ」

「でも……」

「まぁ、口だけなら何とでも言えるからな。―――確認だ。お前の今のその力、自分の意思が介入していない……無差別に振るわれているんだな?」

「え、ええ……そうだけど……」

「よしよし。つまりそれは……“運が良ければ当らない”という事か」

「あっ」

「散々味わっただろうに、まだ味わい足りないようだ。さぁ、歯を食いしばれ、妹よ。運命が扉を叩く音を聞かせてやろう」





 漁夫の利を狙う者。





「お姉……様……」

「下がっていなさい、フラン。……ふん、雑兵を束ねて、お山の大将気取りか、教皇。……まったく以って反吐が出る」

「それに仕留められたお前の親は、さぞ愚昧だったのであろうよ。……あの時しとめ損なった悪魔の娘が居ると聞いたが、まさかそれが後を次ぎ、領主になっていようとは。……決めたぞ。お前を殺した後は、この地に住まう悪魔に心を売り渡した者共を浄化しよう。やはり一部の者達だけではなかったのだ、堕落者達は。あの時全て粛清していれば、このような面倒は経験せずに済んだのだがな」

「レミリア様! ここは我らにお任せを! まだあの小娘……妹、様、を相手になされた傷が癒されてはいないのです! ご無理はなさられないで下さい!」

「無駄だ、魔族共。全ては、この時の為に。魔法使い達の手を借りねばならんのが癪ではあったが、それももう、終いよ。対魔に特化した我が軍勢相手に、スカーレットの力なき貴様らは、もはや取るに足らず。早々に逝くがいい」

「我が領民を人質にしておいて父を殺した口が、よくもまぁ、粛清だの浄化だのと抜かすものだ。……おい、ツクモ」

「……何ですか」

「我が事に憤りを感じてくれているのは嬉しく思うがな。先程までと同様に、お前は決して手を出すな」

「なっ」

「これは我がスカーレット家の問題。部外者は黙っていてもらおうか」

「馬鹿じゃないですか!? いくら運命操作の能力があるといっても、そんな満身創痍な状態で、何が出来るっていうんですか! 切り札とかがある訳じゃあないんでしょう!?」

「出来る、出来ない、の問題じゃあないのさ。これは、誇りの問題。我が体に流れるスカーレットの矜持を守る為の戦いだ。邪魔をするな」

「それで領地を……仕えてくれている方達や、領民達を失ってもですか!?」

「そうだ」

「ッ」

「独善、傲慢、大いに結構。自己満足? そうだろう。独り善がり? その通りだ。 ―――しかし! 誇りの一つも守れぬような弱者に成り下がった覚えはないぞ!! 舐めるな人間! そのような綺麗ごとは教会の神父や、魔王に挑む勇者にでも言わせておけばいい! 我は魔を統べる者、ロードオブヴァンパイア、レミリア・スカーレット! 慢心の上に立ち、それを崩さぬ力を持つ者なり!!」

「……」

「分かってもらえたようで嬉しいぞ。……妹を、頼むわね」

「……頼まれました」

「あっ……」

「よっ、と。大丈夫か? 何処か痛いところとか、あるか?」

「だ、大丈夫……だけど……」

「うん?」

「その……誰かに抱っこなんて、された事なかったから……その……」

「ははっ。まぁ恥ずかしいとは思うけど、今だけ我慢して頂戴な」

「……うん」

「よしよし。素直な子は大好きですよ~」

「あぅぅ、グリグリしないでぇ……」

「……何か犯罪臭がして来たな、止めよ……。レミリアさん。ちょっと確認をば」

「……なんだ?」

「俺は“手を出さなければ”良いんですね?」

「そうだ。……あぁ、足でも頭でも一緒だぞ? あれらに攻撃魔法とかぶち込むとか、召喚魔法を使うとかもナシだからな」

「ええ、分かりました」

「……お前、何をする気だ?」

「いやぁ、“あいつらには”何もしませんって。あっ、ほら。進軍して来ましたよー。レミさん、前、前」

「ッ! いくぞお前達! ―――覚えてなさい、ツクモ!」

「いってらー……あっ、レミリアさん!」

「なんだ!」

「最後に、お願いです。相手は誰でも構いません。―――戦闘の始まり。最初の一合は必ず“ブロック”して下さい」

「……分かった」

「頼みますよー! それやったら、俺ホントに唯の一般人になっちゃうんですからねー!」

「ちょ、ツクモ! 今“やる”って公言したわよね!?」





 ルールブレイカー、ここに在り。





「教皇! た、太陽が!」

「有り得ん! 日食だと!? そんな時期ではない筈だぞ! ……日の当らぬところで魔族と事を構えるなど……これでは日の出まで時間を稼いだ意味が……。いや、だが、それでもスカーレットデビルが瀕死の今であれば、我が方の有利は……」

「たっ、大変です!」

「何だ!」

「へ、兵達が……兵達が煙を上げ、悶え苦しんでおります!」

「ッ!? どういう事だ!」

「はっ! 原因は分かりませんが、対魔の加護を与えた武具が、我らに対し牙を向いているようなのです!」

「馬鹿なっ! 神の威光が我らに対し害となる筈がない! あの悪魔めが何かをしたに決まっておる! ……ええい、すぐにそれらを外すよう命ずるのだ!」











『真に暗き時間』

 1マナで【黒】の【エンチャント】

 これが場に存在する限り、全てのクリーチャーは【黒】である。



 単体では何ら意味を成さないカードではあるが、これによって他の色のデッキを相手にした時に、【色】による【シナジー】や対策を狙った企みを挫く事が出来る。【プロテクション】の回避。【色】修正(全ての【白】のクリーチャーは+1/+1の修正を受ける)など、使い処はいくつかあるものの、汎用性は高くはない。

 しかし、【黒】は同色に対して無力なところが間々あるので(例・【黒】でも【アーティファクト】でもないクリーチャーを破壊する。等)、これを使う事で逆に【黒】としてのメリットを失う場合もあるので、使い処は慎重に。











「レミリア様、あれは!?」

「はんっ、まず間違いなくツクモの仕業だろう。我が契りの誠意を汲まず、その裏をかく行い。全く以って不愉快だ」

「ですが、それは「―――ゆえに!!」―――ッ」

「ゆえに。我は……我らは、あの裏切り者に対して報復をしなければならない。命尽きるまで、馬車馬の如く扱き使うでも良し。城を埋めつくほど財宝をねだるでも良し。淫魔達の餌にするも良し。神の子の血を受けた杯に願うより、何とも現実味のある……夢のある話ではないか」

「は……はッ!!」

「然るに! その願いを秘めたまま朽ちる事は、スカーレット家の名折れ! 後悔を叫び滅ぶ魔族は五万とあれど、我らはそれにあらず! 優雅に、強靭に、敵を踏みにじり、蹂躙し、屍山血河の上で声高らかに嘲笑するが我らなり! 強者の誇りを忘れるな! スカーレットの矜持を噛み締めろ! 苦境であればあるほど、己が魂の真髄を磨く娯楽である!
……楽しめ! 生とはこれ、愉悦の追及である! ―――さぁ、狂乱の宴を始めよう!! スカーレットの名に相応しい、血沸き肉踊る狂乱を!!!」









 ―――的な。




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