作者の闘牙王です。皆さまのおかげでこのSSを無事完結させることができました。本当にありがとうございます。ここでは作中では明かさなかったこのSSの設定などを記していきます。まだ最後まで読まれていない方は注意してください。
この犬夜叉(憑依)の世界にはある大きなルールがありました。それが以下の三つです。
「犬夜叉とかごめが出会うこと」
「四魂の玉が砕け散ること」
「四魂の玉がこの世から消えること」
この三つはどんなことがあろうと決まった時間に必ずおきる出来事です。例えば四魂の玉が砕け散ることは犬夜叉がどんなに防ごうとしてもその時間に砕け散ってしまいます。
これはあるゲームのタイムトラベル理論を参考にしたものです。犬夜叉はタイムトラベルという題材を使っているのでそれを何とか使えないかと思ったのがきっかけです。ネタばれになるので作品名は挙げませんが気づいた方も感想などで名前を出さないようにしていただけるとありがたいです。
そして犬夜叉(憑依)の世界では犬夜叉の魂が転生してしまうというイレギュラーが起こってしまいました。このままでは確定した出来事の一つである「犬夜叉とかごめが出会う」を満たすことができません。そこで世界(便宜上こう呼ばせてもらいます)は転生した犬夜叉の魂を持つ闘牙を御神木と四魂の玉の力で犬夜叉の体に憑依させることにしました。御神木は魂を戦国時代まで運ぶ役目、四魂の玉は魂を体にとどめる役目を担っています。
犬夜叉の定義は犬夜叉の魂と体を持っていること。闘牙の魂を犬夜叉に憑依させることで「犬夜叉とかごめが出会う」という出来事を再現することができたわけです。それが闘牙が犬夜叉に憑依した本当の理由でした。
そして「四魂の玉がこの世から消えること」これも既に決まっている出来事でした。例えは悪いですが闘牙とかごめがいなくとも四魂の玉は消える運命にあったわけです。
しかし二人が旅をして様々な経験をし、結ばれたことは間違いなく二人自身の力によるものです。それだけは御理解いただけると嬉しいです。そしてこのSSのラストは戦国時代で生きることを選んだ原作と対になるように意識しています。
この作品ではタイムトラベルを行うには条件があります。それはタイムトラベルの先に自分、もしくは自分の前世、転生した人物がいないことです。これは作中で桔梗が言っていた「世界には同じ魂は同時には存在できない」というルールが原因です。そのため作中でも闘牙は井戸を通ることができませんでした。かごめの世界には既に旅を終えた闘牙がいたからです。
またなぜ闘牙をかごめがいた時間軸から憑依させなかったかというと大きく二つの理由があります。
一つは闘牙が御神木の前で倒れたことにかごめが気付く可能性が格段に上がるためです。世界の意志で誤魔化すこともできますができるだけ無理がある修正はかけないようにする必要が世界にはあったからです。
もう一つは犬夜叉に憑依した闘牙がすぐに井戸を通ってしまう可能性があったからです。かごめと同じ時間軸にするとわずかですが現代の闘牙が魂が無い状態になっている時間だけ犬夜叉に憑依した闘牙もかごめ同様現代に戻ることができてしまいます。そうすると犬夜叉の姿をした闘牙が人間の魂がない闘牙と出会ってしまう可能性が生まれてしまいます。そこで世界はかごめの時間軸から一年前、十四歳の闘牙を憑依させることにした、というわけです。
また闘牙の容姿ですが人間の姿の犬夜叉が短髪になったものだと思ってください。
そしてこのSSでは闘牙とかごめ以外の仲間がどうなったのかはあえて描いていません。読んでない方はぜひ原作を読んでいただけると嬉しいです。
長々と設定を書き連ねてしまい申し訳ありませんでした。ただこのSSのタイムトラベルについては穴も多いの見逃してもらえるとありがたいです。
最後に感想返しを行わないにもかかわらず多くの感想を下さった皆さま、本当にありがとうございました。作品の設定上、ネタばれになるような感想をいただくことが予想できたのであえて全ての感想返しを行わないようにしていました。(答えても問題ない範囲についてはいくつか返させていただきましたが)完結することができたのでこれから質問等があればできる限り答えて行こうと思います。犬夜叉が好きだという方が少しでも楽しんでいただけたなら本望です。
次回作の構想も既にできているのでまたよければお付き合いくだされば幸いです。
それでは。