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No.24249の一覧
[0] 異人ミナカタと風祝 【東方 オリ主 ダーク 恋愛(?) 『境界恋物語』スピンオフ】[宿木](2011/08/22 21:18)
[1] 異人ミナカタと風祝 序の一[宿木](2011/02/03 01:20)
[2] 異人ミナカタと風祝 序の二 弥生(夢見月)[宿木](2011/01/18 22:37)
[3] 異人ミナカタと風祝 序の三 卯月[宿木](2011/01/18 23:01)
[4] 異人ミナカタと風祝 第一話 卯月(植月)[宿木](2011/01/23 00:18)
[5] 異人ミナカタと風祝 第二話 卯月(苗植月)[宿木](2011/09/09 14:54)
[6] 異人ミナカタと風祝 第三話 卯月(夏初月)[宿木](2011/02/02 23:08)
[7] 異人ミナカタと風祝 番外編 ~八雲と橙と『御頭祭』~[宿木](2011/04/02 22:16)
[8] 異人ミナカタと風祝 第四話 皐月[宿木](2011/04/06 22:52)
[9] 異人ミナカタと風祝 第五話 皐月(早苗月)[宿木](2011/04/11 23:39)
[10] 異人ミナカタと風祝 第六話 水無月[宿木](2011/06/29 23:34)
[11] 異人ミナカタと風祝 第七話 水無月(建未月)[宿木](2011/07/03 22:49)
[12] 異人ミナカタと風祝 第八話 水無月(風待月)[宿木](2011/07/08 23:46)
[13] 異人ミナカタと風祝 第九話 文月[宿木](2011/07/15 23:08)
[14] 異人ミナカタと風祝 第十話 文月(親月)[宿木](2011/08/22 21:30)
[15] 異人ミナカタと風祝 第十一話 文月(愛逢月)[宿木](2011/08/28 21:23)
[16] 異人ミナカタと風祝 第十二話 文月(文披月)[宿木](2011/09/02 02:37)
[17] 異人ミナカタと風祝 第十三話 文月(蘭月)[宿木](2011/09/12 00:51)
[18] 異人ミナカタと風祝 番外編 ~『御船祭』と封印と~[宿木](2011/09/17 20:50)
[19] 異人ミナカタと風祝 第十四話 葉月[宿木](2013/02/17 12:30)
[20] 異人ミナカタと風祝 第十五話 葉月(紅染月)   ←NEW![宿木](2013/02/17 12:31)
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[24249] 異人ミナカタと風祝 第四話 皐月
Name: 宿木◆e915b7b2 ID:21a4a538 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/06 22:52
 異人ミナカタと風祝 第四話 皐月




 それは、朝食の時間に出た話だった。

 朝のお勤めを済ませ、身支度を整え、学校へ行く準備をし終わった私は、常の如く祖母と共に向かい合って食事をしていた。お茶碗は卵と共に空っぽ、焼き魚も皮まで食べ終わり、最後の御椀に口を付けている時だ。

 「玲央さん。この大型連休は、何か予定が有りますか?」

 物静かな態度を、欠片も崩すことなく、祖母は私に話しかけた。

 「いえ。特には。……早苗と少し、出る予定だけです」

 私の答えに、そうですか、と頷いた祖母は、そのまま確認する様な口調で続ける。

 「一日ですね?」

 「ええ……じゃなかった、はい。五日間の内、一日だけです」

 五月の大型連休。即ち、ゴールデンウィーク。今年は、五月三日(水曜日)から、翌週の日曜日まで五日間が休みになっている。世間では旅行に行ったり、誰かと遊んだり、と五日間を満喫するのだろうが、私や早苗の場合は、そうもならない。
 祖母も、そして早苗の祖母も、実に如才ない方で――――『日頃出来ない、細かな仕事は、暇が出来た時にやるものです』と言って、既に五日間の内の、丸二日は潰れる事が確実な量の仕事を回してくれていた。まあ、ある意味充実した休日になる事は間違いないだろうけれど、楽しい、とは間違っても言えない。

 「玲央さん。尾形の家の、紗江さんは分かりますね?」

 「はい。仲良くさせて頂いています」

 この祖母の前では、言葉の使い方一つにも気が抜けない。学校で御名方さん(もう、呼び捨ては止めだ)と早苗の会話を聞いているのも疲れるけれど、祖母の前だと、正直、肩が凝って仕方がない。
 祖母はもう、八十歳を過ぎている。だが、未だに病気や不調もなく、矍鑠と日々を送っている。若い筈の私以上に、何時まで経っても精神の緊張が緩まないのだ。……正直、この人が弱った姿を、私はほとんど見た事がない。

 「それで、お祖母さん。紗江ちゃ……さんが、どうしました?」

 「紗江さんが、この連休中に此方に遊びに来たいそうです。私は許可を出しました」

 洩矢大社『五官の祝』の中の一つが、『凝祝』の尾形家だ。
 その仕事は、洩矢大社の記録全般である。記録と言っても、何月何日に行事をしました、という単純な記録ではない。祭具の管理、建物の補修や計画、神事の段取りと下準備などなど、人の流れから物資の流れまでを監督する、縁の下の力持ち的な雑用をこなしている。

 紗江ちゃん――――緒方紗江は、そんな尾形家に生まれた女の子で、一家の長女。祖母の口ぶりでは年齢が分からないと思うが、実はとても若い。年下というか、私の半分にも満たなかったりする。
 今年で六歳。今は幼稚園に通っている、来年から小学生の可愛い女の子だ。

 「……面倒をしっかりと見るなら、任せた仕事を二割、減らします」

 「やりますっ!」

 思わず、私は答えていた。いやホント、神社の娘としてはどうかと思うが、祖母達が回す仕事は、慣れていてもかなりキツイのだ。彼女達は実にイイ性格をしていて、全力で二日間やれば、ギリギリ終わる分量の仕事を回して来る。出来ない量ではないのだ。だから、必死にやる羽目になる。

 働く事全般に言える事かも知れないが、楽な仕事は存在しない。何をしているか、今一知られていない巫女の仕事も、外見からは想像できない位ハードだ。
 一つ一つに礼儀作法があり、決まった手順が有る。祝詞は全暗記、奉納演舞も体に覚えさせているし、雅楽器や和装にも通じる必要がある。私や早苗が日々を過ごしていけるのは、それらが既に生活の一部であり、幼い頃からの習慣になっているからに、他ならない。

 「そんなに大きい声を出す物ではありません」

 静かになさい、と少し顔を顰めて告げた祖母だった。

 「あ、御免なさい。……でも、良いですよお祖母さん。紗江さんと過ごせるなら」

 面倒を見るとは即ち、目を離さず、食事や睡眠、遊びや風呂、更には勉強などに付き合うという事なのだが、私は構わなかった。普段と大きな違いはない。
 それに、紗江ちゃんと話していると、色々と楽しいし、此方も“学べる”のだ。

 「……分かりました。では貴方が世話をする、と先方には伝えておきます。――――さて玲央さん。急ぎなさい」

 祖母は静かに、壁掛け時計を目線で示す。

 「そろそろ、家を出る時間ですよ」

 「あ」

 はっとして確認すれば、いつも家を出る時間まで五分も無い。また早苗を待たせてしまう。
 私は慌てて味噌汁を流し混み、シンクの中に食器を運んで、鞄を引っ掴んだ。

 「――――えと、ごちそうさま! 行ってきます!」

 行ってらっしゃい、の言葉を背中に受けながら、私は五月晴れの空に飛び出したのである。




     ●




 『御頭祭』から三週間。新年度明けの空気も落ち着き、そろそろ授業にも慣れてきた。

 爽やかな風は気持ちが良いし、五月晴れの言葉の通り天気は青く広い。気温も温かく、睡魔に誘われた事も一度や二度ではないが――――幸い、早苗が起きている後ろで眠れるほど、私は薄情な性格はしていない。日々頑張って欠伸を噛み殺しながら、いたって真面目に学校に通っている。

 「レオ、知っていますか? 『五月晴』と言う言葉は、太陰暦で考えるべき単語なんです。だから今年『五月晴』を使うなら、5月26日以降が正しいんですよ」

 「あ、そうだっけ」

 そんな豆知識はさておき。
 通学しながら、紗江ちゃんが遊びに来る事を話すと、早苗もとても喜んだ。

 洩矢大社に関わる人間は多くても、その中で同年代の子は多くない。というか全然いない。私の姉と『八島』のお姉さんを除けば、一つ上に『御名方』の四音がいるだけだ。高校一年生の私達の次は、幼稚園生の紗江ちゃんまで世代が飛んでしまう。
 せめて間に何人か、中学生か小学生の子供がいれば随分違ったのだろう。でも、こればかりは親達に文句を言うしかないし――――それに、文句は最早、言う事が出来ないのだ。家系が途絶えなかったのが幸いと思うしかない。

 「結局、尾形さん達は『御頭祭』の手伝いにはこれなかったしね……。紗江ちゃん、私達に会いたくて、家のお祖母ちゃんに直接、電話で頼んだんだって。勇気があるよ」

 「紗江ちゃんですねえ」

 くすくす、と早苗も笑う。互いに、祖母の堅っ苦しさは知っている。あの人達の緊張感は、電話越しでも伝わってくるのだ。……そして凄い事に、それに紗江ちゃんは怯えない。
 小学生にもならない少女だが、あの娘は本当に行動力がある。持ち前の勘の良さもあるのだろうけれど、兎に角、一人で何でも動いてしまう。何時だったか、一人で電車に乗り込んで遠くの駅で発見され、大騒ぎにもなった。

 「私もレオの家に顔を出しますね。それで、何曜日に来るんですか?」

 「ん、今日の夜だって」

 「はやっ」

 思わずノリ良く答えた早苗だった。早苗は意外とこれで腹黒かったり、Sっぽかったり、敢えての天然ボケを演出したり、もっと酷い時はロボットマニアになったりもするので、特に気にしない。

 「――――? でも、少し唐突過ぎる気もしますよね」

 ふと、違和感を思ったのだろう。早苗が考え込む顔になる。
 先程も言ったが、紗江ちゃんはまだ幼い。だから多少余裕がある。けれども、彼女もれっきとした祝女だ。洩矢大社の立派な血縁者なのだ。……遠くない内に、自分が巫女の修業を頑張らなくてはいけない事。そして、親戚のお姉ちゃん達が大変な事も、分かっていない筈がない。

 「……私も、そう思ったんだけどね」

 祖母が言うには、紗江ちゃんが“如何しても”、と言ったのだそうだ。

 『なーんか、早い内に、来た方が、良い気がするの。なんかね、上手に言えないけど、早くに行かないと、何か起きる気がするの』――そんな言葉を聞いて、祖母は許可を出したのだ。我儘とは違う、漠然とした予感で――紗江ちゃんがそう言ったから。それが理由だ。

 「ああ、ならば、仕方がないですね」

 早苗も、納得したように頷く。

 「うん」

 仕方がない、と思う。
 尾形紗江の予感は当たるのだ。それも余り良くない事に限って。

 「まあ、お陰で、と言うべきかなあ。お祖母ちゃん、紗江ちゃんの面倒見ながらでも出来る仕事に絞ってくれたんだ。書類仕事とかね。……早苗もそうでしょ?」

 「ええ」

 彼女は頷いて、あ、でも、と付け加える。

 「あれ、違った?」

 私の祖母の事だから、きっと平等に早苗の仕事も削ったと思ったのだけれど。

 「いえ、お祓いの予約を消化しないといけないんですよ。それを思い出したんです」

 洩矢大社は勿論、普通の参拝客へのサービスも提供している。……というか大きい神社だから、かなりしっかり提供している。
 その内の代表的な物が『厄除け祈祷』だ。学業成就や交通安全、縁結び、子授け、七五三参り、家内安全に、合格祈願まで。バリエーションが豊富で節操無いなあ、とか私は思っていたりする。

 この現代社会でも。いや、現代だからか。ゲン担ぎの意味も込めてお祓いをやって欲しい、と来る人が結構多い。普段は上社の宮司さん達が行うのだが、早苗は『神長官』の家と言う事で、修業の一環として毎月、何人か任されている。

 「多いの?」

 「いえ。……一人か二人、でした。二時間もせずに、直ぐに終わると思います」

 「そう。じゃ、紗江ちゃんには伝えとくね」

 「はい、お願いしますね」

 実は、私も過去に『お祓い』の方法を教わりはした。だから、儀式の方法自体は知っている。
 ただ、悲しいかな。才能が全く無い私は、誰の目から見ても“効果が微塵もない”事が明らかになるだけだったのだ。参拝してくれるお客さんに、余りにも失礼になりそうな位だった。以降、私の『お祓い』の修業はなくなった、と言う訳である。
 正直に言えば、早苗を手伝えない事が、今でも少し、心苦しい。

 「あ、そうですレオ。少し思いついた事が有るんですが」

 「あ、うん。何?」

 考え込みそうになっていた私は、その声で引き戻される。危ない危ない。下手に悩むのは柄じゃあないのだ。母にも、貴方は考え込んじゃ駄目よ、と昔に忠告されてもいる。私もそう思う。
 取り繕った私の態度は、顔には出ていなかっただろう。早苗は特に変な顔もせずに。

 「紗江ちゃんに、先輩を紹介してくれませんか?」

 さらっと、そんなトンデモナイ事を言った。
 ええー。




 そんなこんなで学校に行き、生徒会室で仕事をする。八坂二中で有名だった私と早苗は、有能な新人部員として各クラブから目を付けられていた様だけれど――さっさと生徒会に入ってしまったからか、勧誘の“か”の字も来ない。普通の生徒に、御名方四音を相手にしろというのが、難しいのだ。

 「……尾形の、紗江、ね」

 早苗から話を聞かされた御名方さんは、興味がないように呟いて、それで黙ってしまった。
 これは最近になって判明した事だが、この人の無言は「勝手にすれば良い」という意味だ。了解の返事と、断りの言葉は使うが、それ以外が基本的に受動的。沈黙に陥ったのならば、こちらが勝手に何かをしても文句は言わない。それを一早く見抜いた辺り、早苗の人を見る目は凄い。

 「顔を見せに行くかもしれないので、宜しくお願いしますね」

 にこにこ、と輝くような笑顔で言われても、彼は、ふん、と軽く鼻を鳴らすだけだった。不機嫌な態度を隠そうともしない。他の男子生徒なら見とれるかもしれないが、この先輩には効果が無い。
 ……しかし如何やら、私が紗江ちゃんを紹介する事は、早苗の中では決定事項らしい。小学生の子供には、御名方さんは少し刺激が強すぎるのではないだろうか。怯えないか心配である。

 「それじゃ、放課後に」

 和気藹々、とまではいかないが、まあ雰囲気自体は悪くないまま、仕事を終え、私達は教室に向かった
 慣れてきたからかもしれないが、高校の授業は、難度は高いが中々楽しい。午前中、真面目に授業を受ける。名前が知られているし、洩矢大社の顔がある為、サボれもしない。居眠りして風聞を立たせる訳にもいかない。有名税という奴だ。

 「ええと、お邪魔します」

 「はい、どうぞ」

 早苗と私、そして最近加わった武居さんの三人でお昼を食べ、また午後の授業。窓からの光は温かいし、満腹で眠気を覚えるし、古典は勉強せずとも理解できる。三重苦に苛まされながらも、気合いで起き続けて、二コマの授業を終わらせる。

 その後、掃除当番が休みな事を確認して、早苗と共に生徒会室へ。当然のように座っていた御名方さんに(この人は、基本、授業に出席しない。でも成績は学校一位だ。理不尽)軽く頭を下げて、鞄を置く。

 早苗が裁く書類を確認している間、私は流しでお茶の準備だ。薬缶ので温度を測り、三つの湯呑みに緑茶を注ぐ。巫女の仕事にお茶汲みが有るのは、なんか少し間違っている気がしないでもない。

 『いえ。美味しいお茶を神社の縁側で飲むのは、巫女の日課らしいです。……私も伝聞ですけど』

 誰だ、そんな事を早苗に言ったのは。
 そもそも、このご時世、勉強と仕事に忙殺される世の中で、縁側が残っている神社で、呑気に茶を啜れる人間が何処にいるというのだ。羨ましい。

 まあ、文句はさておき、私の生徒会の仕事は雑用だ。恐るべき速度で学校の雑務を完璧に終わらせる御名方さんと、其れに追従する早苗を横目に、肉体労働をする。コピー用紙を補充したり、備品の直接確認をしたり、古紙を回収したり、生徒会を掃除したり、約二時間。

 「……さて。今日も御苦労」

 気が付いたら部屋の中にいる水鳥先生が、椅子から立ち上がって荷物を纏めると、それで本日の生徒会業務は終了だ。先生は鍵を閉め、御名方さんを家まで送っていく。私と早苗は、連れ添って家に戻るという訳だ。

 時刻は夕暮れ。薄暗くなり始めで、女生徒二人が――――と言われれば危険に思われるかもしれないが、そんな心配は皆無。大通りを通るし、神社への参拝ルートを通る。近所の人たちは全員、知り合いだ。仮に不埒な輩が出ても……多分、撃退できちゃうし。

 「あ、もう紗江ちゃん来てるかな……。家、寄ってく?」

 「いえ。遅くなると明日に響くので、また今度にします」

 何でも、『お祓い』の予定は明日なのだそうだ。寝坊も出来ないから、明日が終わってから来ます、と語る。うん、紗江ちゃんにはそう伝えておこう。聞きわけの良い子だから納得してくれると思うし、私が一緒に、洩矢大社まで行ってあげても良い。

 「分かった。それじゃ、またね」

 「はい。また明日」

 私と早苗の家は近い。隣、とまではいかないけれども、歩いて一分も無い距離だ。走れば二十秒で付く。私がまた、と言って、早苗が明日会いましょう、と言う。このやり取りも、小学生に入る前からずっと変わらない。多分きっとこれからもだ。
 そう思って、私は家の扉を開けた。

 「ただいま、帰りましたー」

 「おかえりなさい!」

 わお。元気な声だ。

 「お久しぶりです、レオお姉ちゃん!」

 私を出迎えたのは、紗江ちゃんだった。




     ●




 尾形紗江。

 現在六歳。八坂幼稚園さくら組(年長の事だ)で、来年からはピカピカの小学生。
 子供らしく天真爛漫で、行動力に溢れている。ちょこちょこと歩く足で、一人で勝手に行動してしまうから目が離せない。
 生まれ故か空気を読むのが上手で、静かにしなさい、と言われると素直に聞いてくれる。最近は、下に妹が増えた事で少し、お姉ちゃんの自覚が出てきたらしい。おしゃまさんになっている。

 要するに、可愛い親戚の女の子だ。

 「あのね、レオお姉ちゃん!」

 「あ、ちょっと待って」

 お話して、とひっついてくる紗江ちゃんを少しだけ押し留める。私も話をしたいのだが、帰ってきたら遊ぶ前に色々とやる事があるのだ。鞄を置いて、制服を畳み、私服に着替えて素早く下に戻る。
 廊下まで下がった所で、台所から祖母が顔を出していた。相変わらず隙のない立ち姿である。

 「お帰りなさい、玲央さん」

 「お祖母さん。ただいま」

 顔を出した祖母に、挨拶をする。最近は挨拶を家庭でしない家が増えているようだけれど、私は少し信じられない。面倒だとか、必要ないとか、そう思っている人も多い様子だけれど……個人的には反対だ。
 まあ、確かに礼儀作法は叩き込まれた。でも、挨拶は嫌々やっている訳じゃない。幾ら祖母が厳しい人だと言っても、礼儀を欠かしてはいけないと思っている。
 簡単な事をキチンと行う、という事は意外と難しいのだ。巫女の仕事をして、常々思う。私的に巫女の仕事が好きか嫌いかと、公的にちゃんと行動するかしないかは、全く別の話なのだ。

 「何か御用ですか?」

 廊下の真ん中で、ちゃんと向かい合う。人の話はしっかりと聞きなさい、の通りだ。体に染みついた作法は、中々変わらない。
 私が少し空気を落ち着かせた所で、祖母は言う。

 「玲央さん。私はこれから社務所へ行ってきます」

 社務所は大社境内の一番奥にある。今からか、と思ったけれども、祖母が言うからには本当なのだろう。話を聞けば、何でも身内での集まりがあるそうだ。昼間の内に行う筈の会合がすれ込んでしまったらしい。

 「帰宅時間は不明ですから、遅くなるようなら先に休んでいて構いません。紗江さんの面倒をしっかりみなさい」

 状況から見るに、祖母は私の帰りを待っていたのだろう。幾ら紗江ちゃんが良い子だとはいえ、幼稚園生を一人で、夜に留守番させる事をしない辺り、祖母は(固い人だが)優しいのだ。
 既に準備は済ませて有るらしい。少し周囲を見れば、玄関前の片隅には外套が用意され、衣類が入っているだろう鞄が置かれていた。

 「分かりました、お気をつけて」

 「では、宜しくお願いしますね」

 そう言うと、荷物を持って、祖母は私と入れ違う。足袋に草履という時代が懸かった履物で家を出ていく姿は、背中姿まで祖母だ。嫌でも空気が引き締まる。私の言葉に言えない緊張感は、彼女の背中が扉で遮られるまで続いた。

 「……ふう」

 静かに、玄関扉が閉まり、同時に緊張感から解放されて、私は大きく息を吐いた。
 早苗のお祖母さんと並んで、あの人達ほど刀自という言葉が似合う人を、私は知らない。

 「レオお姉ちゃん?」

 祖母が出て行くのを見計らった紗江ちゃんが、声をかけて来た。

 「あ、うん。ごめんね。もう良いよ。……さて、何しようか。お話する? ご飯には早いけど」

 時計の針はもう六時を回っている。幸い、紗江ちゃんが来るという事で夕御飯の準備は、祖母がしてくれていた。台所に漂う香りは、カレーである。……いや、巫女さんだって洋食は好きだし、神職だって肉は食べる。仏教と違って、戒律という囲いが低いのが神道の良い部分だ。

 「あのね、お姉ちゃん」

 私が尋ねると、紗江ちゃんは少し躊躇った後に、勇気を出して言って来た。

 「一緒に、お風呂入ろ!」

 うん、良いよ。






 肩までお湯に浸かると、一日の疲労が抜けていく感じがする。思わず口から洩れた吐息は、湯気と混ざって登っていった。
 普段ならば足を延ばすのだが、今日は紗江ちゃんがいるから、少し狭い。それでも、こうして体を弛緩させ、リフレッシュするには十分だ。

 「はあー」

 可愛い妹分も肩まで浸かり、うなうなうな、と言葉にならない鳴き声で目を閉じている。子猫や子犬には見えないけれど、行動の一つ一つが小動物ちっくだ。とても可愛い。

 子供の可愛さを上手に表現する事は難しい。元気が良い、とか、良い子だ、とか、曖昧な表現になってしまう。世間の本や小説では、よくもまあ、上手に人間を表現できると思うくらいだ。
 例えば、紗江ちゃんの髪型はショートボブだ。綺麗に揃った髪が、首や顔にぺたりと張りついている。大きな目と長い睫毛は一族の系譜の特徴だし、肌は赤ちゃんみたいだ。羨ましい位に白くてすべすべ。体育系のノリに近い私とは、かなり差がある。

 早苗も美人だしなあ、と思いつつ、目を閉じて考えていると、紗江ちゃんが声をかけて来た。

 「ねえ、お姉ちゃん」

 その声は真剣そのもの。お風呂と言う場所に相応しくない感じまでする。

 「んー」

 寝る寸前の様な声で返事をしながら薄く眼を開くと、紗江ちゃんは私を見ている。その視線は、真剣だ。
 何だ、と思って体を起こしかけ――――。

 「どうやったら、おっぱい大きくなるの?」

 ザブン。
 思わず、頭からお湯に沈んでしまった。
 慌てて頭を出して、髪の水滴を拭う。何を、と思ったけれど、小さい子供の言う事だ。腹を立てるのは論外としても、荒げるのも宜しくない。お風呂場で声響くし。大きな声だと近所に迷惑だし。

 「……その内だよ。紗江ちゃんも、育つから大丈夫」

 迷った末に出した答えは、とにかく無難な物だった。
 これは本当だ。小学生にもならない女の子が、今から悩んでも何にもならない。

 というか、私の胸は貧しくはないが、年相応の大きさでしかない。寸胴体系の紗江ちゃん(小学生にもならないのだから当然だ)から見れば大きくても、所詮は並み。豊かにする方法だって私も知りたい位である。……早苗と一緒にお風呂に入った時など、その格差に何とも言えぬ気持ちになったのだ。
 腰とか足なら、自信があるんだけれどね。

 「というかね、そう言う質問はお母さんにしなさい。間違っても、他人に聞いちゃいけないよ」

 「レオお姉ちゃん、他人じゃないよ?」

 「うん。まあ、そうなんだけど……」

 純粋な顔に、上手な答えを返せそうになかった私は、話題を変える事にする。
 確かにまあ、お風呂場らしい話題では有るが、私の頭で変な知識を与えて、紗江ちゃんに悪い影響を与える訳にもいかない。せめて早苗に任せないと。

 「紗江ちゃん、なんでそんな質問を?」

 「あのね、えっとね。――――大人に早く、なりたいな、って」

 体だけ育っても大人じゃないよ、と言う事は簡単だが、じゃあ如何すれば大人なの? と尋ねられると私は答えられない。
 二十歳を過ぎても、お金を自力で稼いでも、それは大人の要素であって定義ではないだろう。高校生として、そろそろ考える時期に来ているかもしれない。……いやいや、話が逸れている。

 「じゃあ、なんで大人になりたいのかな」

 「あのね。あの……。私、大きくなったら、お姉ちゃんとかお爺ちゃんみたいに、神社の仕事したいの。だから、早く大人になりたいなーって」

 真っ直ぐな目で、私に言ってくる。
 そうか、と思った。うん、それならば納得だ。小さいのに考えてるな、と思う。

 他人の家の事情に立ち入るのは失礼だけど、尾形家は親戚なので大目に見てもらおう。
 紗江ちゃんの語る“お爺ちゃん”とは、尾形日文さんの事だ。祖母達とも古い付き合いの、尾形家の総まとめをしていた人。歴史から数字まで『神社の記録』という面で、あの人ほど精通していた人はいないだろう。実に絵に描いた好々爺で、私や早苗も、かなり御世話になった。

 過去形で語っているけれど――――実は日文さんは今年の二月、病気で亡くなった。今年の御正月までは元気だったのだけれど、急に体調を崩して、直ぐに黄泉路へ旅立ってしまったのだ。だから今、尾形の家は、過去のデータ整理で非常に忙しいらしい。

 此処だけの話。『御頭祭』の手伝いには、紗江ちゃん達も来るはずだった。しかし非常に運の悪い事に、四十九日と『御頭祭』重なってしまったのだ。幸い、祭事の準備に支障はなかったけれども。……この大型連休に、来たいと言ったのには、会う機会を逃した代わりの意味もあるのだろう。
 しみじみと思って。

 「紗江ちゃん、そんなに慌てなくても大丈夫だよ」

 考えた私は、自分の思う所を語ってみる。
 知識としてではなく、経験として話すのならば、良いかもしれない。
 未熟な私だが、小さな女の子よりは人生経験を積んでいる筈だ。

 「その気持ちがあれば、多分……もう少し大きくなれば、普通に色々出来るようになるよ。私もまだ、将来の事は分かってないもん。でもね、何かをしたい、何かになりたい、っていう夢を持って、それを目指せば……結果は相応になる、と思うよ。――――それに」

 例え、結果に結びつかずとも、その過程は無駄にはなるまい。
 諦めたら試合終了だ、とはよく言った物だ。

 「――――それに?」

 紗江ちゃんには私と違って才能がある――――、と、そう言いかけて止めた。
 そう言う事は、小さな子供に話す物ではない。

 「あ、いや。ううん、それだけ」

 高校生になった為か、妙に自分について考える事が多い。自分らしくない、本当に。
 誤魔化しながら浴槽に立ちあがって、私は紗江ちゃんに笑いかけた。

 「ほら、おいで。……頭洗ってあげる」






 そんなこんなで私達はお風呂タイムを終えた。

 紗江ちゃんの体と髪とを拭いて、服をしっかりと着せる。尾形家の両親は、ご丁寧にも段ボールで衣服を送ってくれていた。下着と可愛いパジャマをセットにして渡せば、紗江ちゃんならば一人で着替えられるだろう。そしてこの隙に、お風呂の水を使って洗濯機を回しておく。

 そして、ご飯。一時間近くもお風呂に入っていたから、既に大分、空腹だ。手早くカレーを温め、冷蔵庫から冷たいお茶を出して並べる。お風呂上がり、冷たい麦茶、美味しいご飯。これはもう、誰が見ても完璧ともいえる黄金トリオだ。紗江ちゃんも綺麗に一皿、残さず食べ終わった。

 その後、洗い物。続いて洗濯物を干す。歯磨きを手早く済ませ、揃って二階に上がる。あっと言う間に思えるが、時刻は既に九時前。紗江ちゃんは寝かせないといけない時間だ。結局、余り遊ぶ事は出来なかったけれど――まあ、明日からもあるし、許してもらおう。

 「お姉ちゃん、一緒のベッドで寝ても良い?」

 「うん。でも、お姉ちゃんもう少し起きてるから、先、寝ててね」

 彼女を布団に寝かせて、しっかり掛け布団を被せる。部屋の灯りは消して――――机のライトだけ点ける。
 何をするのか、と言われれば、答えは一つ。
 学生の本分を全うするのだ。

 「さて。……勉強しますか」

 巫女の仕事は、明日以降でも十分間に合う。しかし今日の授業の復習だけは、今日の内にやっておかないと後で泣きを見る。中学校時代、早苗に散々言われたおかげで、得手不得手は別として、しっかり机に向かう事は習慣になっている。祖母から言われた巫女としての座学も、行わなくてはならないし。

 なるべく眩しくない様に、静かに、と背後に配慮しつつテキストと資料を開いた私が眠りに就いたのは、その日の十二時の事。ベッドは紗江ちゃんでとても温かく、実に良い感じで、潜り込むと直ぐに眠りに落ちてしまった。
 そして。




     ●




 その夜、私は人生最悪ともいえる、悪夢を見た。




     ●




 翌日。普段、時間ギリギリまで寝ている事が多い私にしてみれば、破格ともいえる速さで目を覚ましてしまった。背中に走る冷たい感覚は、寝汗だろう。太陽はまだ昇り始めたばかり。けれども、改めて眠る気にはなれない。
 ……夢の中身は、覚えていない。けれども、心の中にしこりが残る、後味が悪い印象があった。

 (……何だろう)

 何か分からない。悪夢は、ストレスを発散させる為の自己防衛機能の一つだ、と何処かで聞いた覚えがある。けれど、自分の心身には何処にも異常が無いし、悩み事も無い。強いて言えばこの数日、考え事は多いけれども……昔から悩んで、しっかり結論を導いた筈の悩みばっかりだ。
 心に僅かにかかる、その暗雲を単語で表せば、きっと不安という言葉になる。ほんの数分、私は考えて。

 「ま、良いか……」

 あっさりと思考を放棄した。
 ウジウジ悩んでいても仕方ない。明日以降も悪夢を見るようならば、その時しっかりと原因の究明に当たれば良い。明るく前向きに、が私のモットー。思慮深い行動は早苗の役目だ。

 セットされた目覚まし時計のアラームをオフにして、紗江ちゃんを起こさないようにベッドから抜け出た。彼女のくうくうと眠る姿を見て和むと、思わず頬を突っつきたくなってしまうのだが、自重する。勝手に顔を触られて良い気分になる人間は少ない。

 妹が出来たらこんな気分だろうか、と思いながら私は階下に降りることにする。とりあえずシャワーを浴びて、着替えて朝の仕事をしよう。
 ゴールデンウィーク初日の、嫌味なほど清々しく晴れ渡った空を見ながら、私は大きく背伸びをした。






 「わあい! 早苗お姉ちゃん!」

 洩矢大社の境内に入って早苗を発見した瞬間、紗江ちゃんは走り出して、そのまま飛び付いた。砲弾というか、そんなイメージだ。普段から元気だけれど、テンションが凄く高い。
 というか、紗江ちゃんの勢いが強すぎて、ドスッ! とか言う音が受け止めた早苗のお腹から聞こえていたけれど大丈夫か。よく見れば、微笑んでいる顔が、微妙に引き攣っている。

 「い、いらっしゃい、紗江ちゃん。……久しぶり、ですね」

 「うん!」

 震えた声の早苗に、元気よく答えが返る。同時に顔に浮かぶのは、満面の笑みだ。……子供の笑顔は、強い。純粋無垢な笑顔に、文句は言えないだろう。早苗の様な周囲に気を使う人間には、なおさらだ。
 普通に歩いて近寄った私は、苦笑いを浮かべながら、早苗に張り付く紗江ちゃんを引き剥がす。勿論、優しく。

 「はいはい、嬉しいのは分かるけど、そんな蛸みたいにならないの」

 ぎゅー、という擬音語はまさにこの為にあるのでは、という位に両腕で早苗に絡んでいた紗江ちゃんだったけれども、私が注意すると(顔は少し不満そうだったが)、離れてくれた。まあ、代わりに早苗の手を掴んだけれども、これは大目に見よう。
 お昼時と言う事もあって、境内の中の参拝客は少ない。社務所にはバイトの巫女さん達もいるし、仕事は宮司さん達がいる。昨日の話では、早苗の仕事は『お祓い』だけらしいので、少しならば時間が取れるだろう。

 「お疲れ様。首尾は?」

 「ええ。先程、無事に終わりました。先程、此方を辞していかれましたが」

 「あ、うん。途中で擦れ違ったよ。女の人だよね?」

 大社の階段を上っている最中に、一人の女の人と私はすれ違っていた。美人は美人だが、何処か位、影のある女の人だった。何か大きな悩みか、あるいは不安を宿していたように思う。
 早苗には遠く及ばない私だが、長年神社で働いているお陰で、参拝客の顔を見れば大体の目的は分かる。確証があった訳ではないが、その女性が『お祓い』を受けたんだろう、と思っていた。

 「はい」

 そうですよ、と頷く。流石に内容までは話せないが、長い付き合いという事で教えてくれた。
 納得した所で、一番重要な質問をする。

 「……えと、後の仕事は?」

 「今日はお終いです。許可も貰って来ました」

 にっこり笑った早苗は未だに巫女服だったが、既に仕事は終わっているらしい。顔には達成感が見える。

 そう言えば朝、境内で掃除をしている最中に話したけれども。紗江ちゃんが折角来てくれているのだから、と早苗は気を使って、今日の午後という時間を捻り出したのだ。その皺寄せは明日になってしまうのだが構わない、と言っていた。
 ……うん、明日は紗江ちゃんにも手伝わせて、一日頑張って働く事にしよう。そうしよう。

 「早苗、お昼もまだだよね?」

 「ええ。でも折角ですし、何処か外に食べに行こうかな、と思うんです。……家の中にただ居るのも、こんな良い天気では勿体ないですし」

 確かに。私達は大凡、連休中に遠くへ出かける事が難しい立場だ。夏休み位の長期休暇ならまだしも、GWでは幾ら長い時間でも、一日が限界。その上、翌日や朝夜の雑務に支障が出てはならない。
 そう考えると、仲が良い者同士でお昼を食べに行く、というのは良い案だ。

 「お外に、食べに行くの?」

 「はい。そうしましょう。紗江ちゃんの好きな物にしましょうか」

 その言葉に、本当? と目を輝かせて紗江ちゃんが声を上げた。

 「ありがとう、お姉ちゃん達!」

 その言葉を聞いた時、別に苦労しても良いかな、と思ってしまった。多分、早苗も同じ気持ちだっただろう。こんな笑顔を見れるのならば、お姉ちゃん達は遊ぶのに躊躇はしない。
 この大型連休は、彼女が来ただけで十分、記憶に残る物になるだろう。私は、そう確信したのだ。




     ●




 そして。
 本当に――――記憶に残る連休になってしまった。


 何故ならば、この二日後。
 連休半ばの、金曜日。
 テレビのニュースで、私達は酷く衝撃的な事実を知ることとなる。




 『それでは、次のニュースです。本日午後十二時三十分頃、新宿駅で人身事故がありました。巻き込まれた女性は、猪去蝶子さん、三十三歳で……』




 『お祓い』を受けて帰って行った、あの女性が。

 その口の中に、『洩矢大社』で購入した「お守り」を口の中に加えたまま。

 東京都新宿駅ホームから列車に飛び込み、表現不可能な程に無残な屍を、衆人環視の元に晒す事になったからだ。














 新キャラの尾形紗江。幼女です。あざとい、とか言わんで下さい。――実は『境界恋物語』で、すこーしだけ彼女について縁が語っています。もしも当時から蒔いておいた伏線を発見出来たら、多分あざとい、という思いは消えるでしょう。そんな役割です。
 平穏に見える。不幸が続いているだけに思える。けれども実は……そんな色々な不安を 感じてくれれば嬉しいです。

 状況転換を場面の説明を、少ない言葉で表現するのが難しい……。
 あと、原作東方キャラを少しで良いから絡ませないと話が地味です。今のところ、何人か、八雲家以外で予定はしているんですが……。どうしよっかなあ。

 ではまた次回。

 (4月6日投稿)


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