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No.22507の一覧
[0] 機動戦士がんだむちーと【多重クロス】[Graf](2014/07/27 19:00)
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[5] 第06話[Graf](2010/10/21 09:52)
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[7] 第08話[Graf](2010/11/08 12:17)
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[14] 第14話[ネタ][Graf](2010/11/08 12:17)
[15] 第15話[Graf](2010/11/08 12:17)
[16] 第16話[Graf](2010/10/30 21:19)
[17] 第17話[Graf](2010/10/30 15:05)
[18] 第18話[R15][Graf](2010/10/30 21:24)
[19] 第19話[Graf](2010/10/30 21:21)
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[21] 設定集など(11-20話まで)[Graf](2010/11/06 11:04)
[22] 第21話[Graf](2010/10/31 14:31)
[23] 第22話[R15][Graf](2010/11/12 11:21)
[24] 第23話[Graf](2010/11/12 11:21)
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[35] 第33話[Graf](2010/11/07 16:59)
[36] 第34話[Graf](2010/11/08 02:01)
[37] 第35話[Graf](2010/11/09 05:33)
[38] 第36話[Graf](2010/11/09 05:32)
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[99] 第80話[Graf](2014/07/27 19:00)
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[22507] 第51話
Name: Graf◆36dfa97e ID:00f883d5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/20 12:13
 カーディアスと別れてすぐにアンナ・リンクスとバナージ・リンクスのN1への引越し手続きをとる。アンネ姉さん経営の全寮制学校に入れるつもりだ。まぁ、ミネバも通う予定だから、早すぎるUCというところだろうか。本当なら火星にでも連れて行きたいが、流石にカーディアスにジャンプゲートを使わせるわけにもいかない。行事ものには強制的に連行するつもりだが、往復二ヶ月拘束するのもなんだ。

 二人を乗せた連絡艇がN1に厳重な警護の上で出発するのを見送りフォン・ブラウンに戻ると、アルビオンが寄港しており、無事に増援と合流したようだ。シナプス艦長に東方先生とアクセルを紹介し、トロッターとノア少佐の部隊をつけると連絡すると感謝されてしまった。まぁ、流石に単艦でジオン残党の捜索とか死ねって感じか、と思わないでもなかったらしい。

 その際にコウ・ウラキの様子が気になっていたので調べてみたところ、ニナ・パープルトンとアナベル・ガトーの接触が起こっていないこと、及びニナとコウの関係が原作以上に進展しているためと発覚した。どうやらこの世界では紫豚は綺麗な人らしい。良いことか悪いことかは解らないが、ここで帳尻を合わせたのか?とか思わないでもない。

 フォン・ブラウンからNシスターズに戻り、茨の園攻撃準備を整えていると、チカチカとメールランプが点滅している。どうやら、出かけている間に結構たまっていたようだ。
 
 メールを見るとジャミトフのところに派遣したトレーズからのメールがある。あの男がメールをする姿など考えられないから、恐らくレディ・アンからのものだろう。彼女の場合、あまりにもトレーズに対する依頼心が強すぎるような気がしないでもないが、彼がこちら側なら絶対に裏切らないだろうことは予測できる。

「パイロット養成学校、"エコール"の設立案、か」

 恐らく、85年当たりに開校する事を考えていて、養成学校の生徒の中からニュータイプを発見しようとでも考えているのだろう。しかし、ジャミトフにしては穏当な案だ。などと思っていたら、ニュータイプ研究所の方では強化人間を作成するために薬物投与を繰り返し、何名かの死亡者が出ているらしい。医療による改造は費用もかかるため、低費用での育成が出来ないかの試験母体とするつもりのようだ。

 教育内容が穏当なものなら認めても良いだろうが、ニュータイプを見つけようとするならば、絶対に無茶をやるバカが出てくる。ジャミトフはそれを押さえるためにこれを作ろうとしているのだろうが、早晩、扱いはムラサメやオーガスタと同じように、強化人間の薬物投与による作成の方へ振れるだろう。しかし、デラーズに対応するためにライプツィヒのニタ研からソフィー姉さんたちを引き上げたのがまずかったのか?と思う。張兄さんの方はNシスターズのアングラ管理で忙しいので動かせないのが痛い。

 メールにはまた、トレーズが大隊規模のMS部隊―――リーオーを主力とする―――を率いて軌道上に移動を完了し、第一軌道艦隊と合同演習をする予定であることが記載されていた。恐らく、星の屑を見越して戦力の先んじた配備をした、と言うところだろう。第一軌道艦隊のベーダー大将には話を通しておけ、と言いたいらしい。まぁ、いきなりヘンテコな軍服着た奴らが入ってきたら驚くわな。コスプレしたバカ野郎を如何にかしろ、とかいう第一軌道艦隊司令部からの文句もあった。

 しかし、そういうわけにもいかない。部隊の認可が下りるのは12月1日付。それまでは彼らは"第9艦隊所属MS部隊"であるが、12月1日共に"特殊治安憲兵隊OZ"となる。ティターンズで暴走確実なバスクとジャマイカンを初めとする急進派を押さえるための部隊である。であるからには先んじて設立しておかないと邪魔が入る。実戦部隊の指揮官はバスクだからだ。

 ティターンズが設立されることはデラーズ紛争がどうなろうと既に規定路線であるが、設立までの経緯はかなり異なることとなるだろう。この前コーウェンを使って獲得した憲兵隊権限をOZに与えてあることが、そしてバスクに先んじて存在を確立させておくことが軍服騒動の発端である。トレーズも12月1日付で中佐に昇進予定だ。

 第一軌道艦隊を巻き込んでのティターンズ設立のための一大イベント、か。まぁ、コロニーが落下しても、落下事故を言い訳に使うのだから同じようなものだ。被害が出なければよしとするほかはない。しかし、やはりジャミトフはやり手だ。最終的に人体実験が中心になるにしろ、この段階で予備の代替案まで実現に持ってくるとはなぁ。




 第51話




 メールの件から一週間が過ぎ、11月8日となった。明日フォン・ブラウンをシナプスの艦隊が出撃するため、東方先生とアクセルにはトロッターへと移ってもらう。メカニックにはテューディに行って貰った。"技術的に遊びが過ぎる機体"が大のお気に入りらしく、また同時に"原理不明だが布状で生ずるビーム"を検証するためといって強行に同行を主張したので押されて認めてしまった。

 ハマーンやセニア、ミツコさんらとはあの一件以来関係が元に戻ったが、テューディだけはそうではない。むしろ、こちらを避けている向きがある。その事を話しかけても見たが、「時間が欲しい」という返事しか返ってこない。やはり、操られていたことは彼女にとってもショックだったらしい。気が重いが、これから一ヶ月は気が抜けない。心残りはあるが、落ち着いてからとしよう。

 さて、アルビオンのソロモン海出撃に合わせ、茨の園へ出撃する予定の部隊は私自身が率いることになるが、こちらの方にも手は加えてある。何せ、ようやく連邦軍の軍人や、宇宙世紀のキャラクターを完全に排除した、こちら側のキャラクターとバイオロイド兵のみの艦として「トロイホース」が運用できるのである。下手なところに寄港しなければばれる心配がなくなったため、艦内部での作業がしやすくなったのはうれしい。

 早速新型の内、ヒュッケバインとステッペンウルフを乗せ、援護の艦隊と共に出す予定。将来的には艦隊すべてをこちら側のキャラクターとバイオロイド兵で固めることが目標だが、まだ数年かかりそうである。そんなアンニュイな私がいるのはトロイホースの艦橋にある司令官席。艦長席では念願の新造艦を得たナタル・バジルール少佐が精力的に出撃準備の指揮をとっている。

「どうしたい?」

「姉さんか……うー、考え中。ナタルさんの軍服姿も本当に久しぶりだな、とか思って」

 話しかけてきたのはシーマ姉さん。本来なら月を任せたいところだが、艦隊司令官としてついて来るそうだ。ここのところMSで出撃する機会がないから少し不満気なのは御愛嬌だ。まぁ、自分の乗っているのがガンダムだというのもあるんだけど。気が重い。それは、この前のカーディアスとの一件でもそうだ。宇宙世紀の時代の動きが、人々ではなく一部の人間の影響が大きいと知ったときは流石にいらだっていたが、そりゃそうだろう。

 良くも悪くも民主主義という考え方、政治の仕方が最善である、と言う見方が定着してから長い。となると、そうした見方を否定するような動きをされるとそれだけで苛立ちをうむわけだ。それは、現在の地球連邦政府に対するジオニズム派の視点に近い。しかし、地球連邦を否定はするが民主主義は嫌いじゃない、などと言っているくせにダイクン家による半ば王政に近いジオン共和国を作ったり、明らかな専制主義に走ったジオン公国を支持するんだから人間と言うものはわからない。ジオン公国にも議会があったが、それが形骸に過ぎないものは子供でも知っている。

 結局は現状への不満を解消してくれる可能性があれば誰でもかまわないわけだ、と改めて思う。それは、カーディアス・ビストの言う可能性とかなり似た考え方だ。しかし、それはスペースノイドだけに共通する問題ではない。可能性しか示さずに何もしなかった政治勢力などこの世にいくらでもいる。それは宗教とて同じだ。

 宇宙世紀に入っても、人は神に、アラーに、仏に祈る。それは神が可能性をもたらしてくれるから?そんなことはない。神はご利益のために存在する訳ではないのだ。期待するなとは言わない。人は弱いものだから。しかし、可能性とかいう御利益を神が与えるものだと言い切ってしまうのは、どうにもよい気分ではなかった。




 ナタルの軍服姿、ねぇ。昔のアタシなら、また色ボケに走って!とか殴りつけるんだろうけど。

 シーマ・ガラハウ―――現在はシーマ・ミューゼルはため息を吐いた。このバカ、また考え事を始めた。目の前で苦悩する弟、というフレーズには少しばかり興奮もするが、流石に育ちすぎだ。自分の思考に口元を歪ませたシーマは、何事かに悩んでいるらしい弟の頭を叩いた。いつもどおり、いつもどおりの行動だ。決して家庭内暴力ではない。家族とのスキンシップの一環である。

 自分は、トールが知る歴史であれば一年戦争で使い潰された挙句にこの紛争で死ぬと言う。システムとやらが持っていた黒歴史とやらの記憶で、もう一人の自分の過ごした人生を見たが、そりゃああなっても仕方ないだろうねぇ、といまさら思う。

 目の前で頭を押さえて意識が痛みに向かっている弟と最初に会ったのは、もう10年近く前になる。あの天然でボケで人の迷惑を顧みないくせにお節介焼きの妹―――アンネローゼに引き取られたのが最初だった。サイド3、コロニー・マハルの貧民の一人だったシーマは、父親の建設会社が不況のあおりを受けて倒産して路頭に迷っていた。

 勿論、それまで蝶よ花よとまでは行かなくとも、まっとうな暮らしをしていたハイスクール生に、自分ひとりの暮らしを立ち行かせるような収入の当てがあるわけなどない。結局は身を売って生計を立てるか、当時拡大を始めていた軍に入って食いつなぐしか方法はなかったろう。もう一人の自分も、体を売るよりは、と軍に入ったに違いない。

 当時、サイド3を大きく包んでいた連邦への反感と、独立するジオンへの期待はあのころの自分の中にも確かにあった。あのまま軍に入っていたら、あの歴史と同じようにジオンの独立にすべてをささげて毒ガスで狂っていただろう。

 そういう意味ではアンネとお前に感謝だよね、とシーマは思う。自分にそれまでからすれば考えられない教育をしてくれたし、父の建設会社で働いていたコッセルたちを集めて海兵隊を作ってくれた。そして、気には食わないけれど、ソフィーやハマーン、ラインハルトに天然アンネ、気障野郎の張という家族も出来た。そういう意味では、マハル以上に私の居場所だと感じる。

 こんだけ人に出来る癖して何を考えているんだかねぇ。自意識過剰のバカにならないことは確かに良いのだが、だからといって自己否定過剰と言うのもタダのバカである。そこんところに頭が回らないのがある意味こいつらしい。ま、ハマーンたちがケツを持っている間は大丈夫だろう。

 トール、恩は忘れない。コッセルたち―――親父の建設会社を海兵隊と言う形で取り戻してくれた恩は忘れない。お前さんがあたしに新しい家族と帰る場所をくれたことも忘れない。だから、遠慮しないでもっとつかってくれればいいんだけどね。まぁ、こいつに其処を期待するのは無理か。

 まぁ、頑張ってくれよ、とシーマはもう一度トールの頭を叩いた。







 あれが、地球か。ヤヨイ・イカルガ中尉はグワンザンの舷側から見える地球の青い光を全身に浴びながら思った。本当に水の星なんだ、といまさら思う。月の裏側サイド3で育ち、敗走するジオン軍につれられてアクシズに向かった彼女にとって、今まで地球は写真かムービーでしか見た事が無かったものだ。

 それが目の前で輝いていることに、何か良くわからないが無性に喜ばしい感覚を感じる。アレを見ているだけで幸せになってくる感情を抑えられない。こんな気分は、いつ以来だろう。

 ああ、そうだ。変なオッサンと飲み屋で会って、それから運が開けたときだ。その時のオッサンは、友人らしいオッサンと一緒に今は私の部下だ。アンディ・ベイ中尉とリカルド・ヴェガ中尉。それぞれ2名のコ・パイロットを連れて、私の機体の援護を行ってくれる。

 アクシズのニュータイプ研究所。そことの出会いが全ての始まりだった。拒否反応のせいで実験機のトゥッシェ・シュヴァルツが廃棄された後、MSサイズにサイコミュを小型化できなかったため、やはりMAサイズに拡大せざるを得なかった。その際に適当な搭載機を探したところ、ちょうどシャア・アズナブル大佐用に開発されていたMA、ゼロ・ジ・アールに搭載することになった。

 開発が難航したけれど、洗い出しが終わったおかげで使えるようになったから良いんだけど、とヤヨイは思う。ビットの反応も良いし、ビグ・ザム2機との連携で使うIフィールド・フィールダーは私の機体を全てのビームから守ってくれる。私の夢を叶えてくれるマシンだ。

 リカルドのオッサンは乗るな乗るなとうるさいが、私の夢をかなえるためには必要なんだからしょうがない。私が伍長から2年で中尉にまでなれたのは、やはりこの力のおかげなのだ。

「噂に聞く連邦の部隊か。まぁ、あたしの昇進の礎になっていただくと言うことで!」

 満面に笑みを浮かべ、我慢が出来なくなった。私に全てを与えてくれた、あのコの下に行って見よう。ニコニコしながら格納庫への道を走るヤヨイを兵士たちは訝しげな目で見送る。平素のあの様子と撃墜スコアのアンバランスさは、ヤヨイ自身の性格もあってか尊敬と言うよりは不気味さで見られていた。

 ある意味この光景こそがニュータイプなる存在の実情だが、それを指摘するものは誰もいない。ヤヨイはうれしさをそのままに格納庫に向かう。格納庫にはグワンザンが輸送してきた2機のMAが搭載されていた。サイズが巨大に過ぎるため、通常ならMSを二個中隊格納可能なスペースが満杯になっている。

 1機はAMA-002ノイエ・ジール。アナベル・ガトー少佐に供与されるというMAだ。けれど、NT用の装備を外したMAは、所詮強襲用にしか使い物にならないだろう。ヤヨイは自分の価値をもう一度確認すると自分の機体に目を移した。AMA-00GR2、アインス・アール。元となった機体であるゼロ・ジ・アールは機体各所にメガ粒子砲を装備しているだけの機体だったが、ノイエ・ジールの建造と共に諸元は大幅に変更された。

 両肩のアーマー部はノイエ・ジールと同型に取り替えられ、ジオングと同型のサイコミュ制御の有線式ビーム砲を合計6基装備する。また、ゼロ・ジ・アールに比べて大きく背後に張り出したビット格納ポッドには合計24基のSビットが収納されている。それに加えて、頭部、腹部、肩部各所にメガ粒子砲を装備している。

 防御については腰の下の部分に、独立したジェネレーターによって駆動するIフィールド・ジェネレーターを装備し、そのフィールド強度はノイエ・ジールを上回る。また、僚機であるビグ・ザム2機と連動することにより、機体周辺だけではなく、一定区域にIフィールドを張り巡らすことが可能になった。所謂、Iフィールド・フィールダーである。

 フィールダーの実用化は一定範囲の空間内においてビーム兵器の使用を不可能にし、近接用のビームサーベル、中距離用のビームライフルは勿論、戦艦クラスの艦砲射撃ですらかなりの確率で無効化する。また、実弾兵器も銃弾などの徹甲弾で無い限り、フィールドの持つエネルギー量により誤爆を余儀なくされる。

 実弾及びビーム兵器の無効化を三機のMAが連携して行うことにより、一定区域の完全制圧を可能にしたわけだ。フィールドの影響から自機を守るために三機にはそれぞれ分厚くビーム・コーティングが行われているため、そもそもの防御力も高い。この三機の連携は私の敵に恐怖を与えてくれるだろう。

 ヤヨイは更なる栄達を夢見、いとおしげに機体に触れた。

 ただ、栄達した後を如何するかは彼女の脳裏には無かったのであるが。

 


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