最初に
この作品は2006年8月7日に投稿を開始した作品の改訂版です。
とはいえ、改訂版と銘打っていますが実際は改定前のものに加筆や削除等を加えたもので、おそらく改定前のものと文章が変わってない場面が多いと感じると思います。
なので基本的に現実→UCへの憑依ものというのは変わらず、ジオン側を有利にする為ご都合主義(もちろん連邦にもてこ入れしてますが)がはいるのには変わりがなく、更に神様転生要素を含みますので、それらが嫌な人は見ないほうが吉かと思われます。
また他作品の兵器や人物が登場するクロスオーバーとなります、ご注意ください。 ……本当は他作品のキャラとかは改定前のだと閑話限定にするつもりだったが、ドウシテコウナッタ…………
誤字脱字と思われる場所は指摘をよろしくお願いいたします。
あえて前作では『……』を使わず『・・・・・・』としていましたが、リアル友人から突っ込みをくらいまくったので『……』に変更します。
なお、作者の事情(仕事や実家の都合等)で執筆が止まる可能性が多々あります。忘れた頃に更新されるかもしれませんが、お許しください。
また、旧版を残してもいいのではという意見がありましたので、一部の話を除き残しておくことにしました。
なお以前から告知していた通り家業を継ぐ為の修行に逝くので、今月から2~3年程PCが使えなくなり投稿する事が出来なくなります。
なので今回のプロローグはあくまでサンプルです。本当は2話ほどできてたんですが、復帰後に執筆する際はどんな感じで書いていたのか思い出すのが手探り状態&ガンダム関連の新刊も出ている事だろうから、それらを加味して改めて改訂版を出したいと思っています。
後、一応音信不通状態となるのでこの話はsage投稿としておきます。
???
多くの光が浮かんでは消えていく密室で男は何かの作業をしていた。
周りの光の一つ一つは何らかの文字の羅列で、中には映像もあった。
ある映像には剣と魔法のファンタジーな世界が映し出され、またある映像には無数の宇宙戦闘艦や惑星が圧倒的な光の渦に飲み込まれ壊滅していく様子が映し出されていた。
『よし、最後に……簡単に死なれてはつまらんしこのスキルを入れて、ここのこれをこう捻じ曲げれば……ん、成功。仕込みは完了、あとは彼の行動次第か』
その中で、その男は新たに生み出された光を注視し、ニヤリと笑みを浮かべた。
『さて、彼はどんな物語を紡いでくれるんだろう。私を失望させないよう、期待しているよ?』
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目が覚めるとそこは……
知らない部屋でした……
機動戦士ガンダム ツィマッド社奮闘録(現実→UC)
「……知らない天井だ」
まぁお約束の台詞はおいといて、本当にどこだここ? たしかガンダムのゲームをやってたら急に眠くなって……気がついたらここにいたんだよな。ってかマジでどこだよここ?
「……よっこらせっと」
そこ! じじぃくせぇとかいうな! ん? 誰への突っ込みかって? そりゃ聞くのはヤボってもんだ……って、何を言ってるんだ俺は。痛い人な行動をするような人間じゃなかったはずだが…………しかし本当にどこなんだろう? 確実に俺の部屋でないことは間違いない。こんな広い部屋はうちのどこにもないからな。
「……? なんだ? 体に違和感を感じる? ……鏡どこだ? ってか声がなんか変だ……風邪でも引いたか?」
周囲を見渡すと目に映るのは先程まで寝転んでいたソファーに目の前にあるテーブル、そしてその上にぶちまけられている大量の錠剤と倒れて中身の多くが流れ出たミネラルウォーターのペットボトル。部屋一面がフカフカのカーペットで、部屋の隅にあるクローゼットの横に鏡があった。テーブルの惨状が気になったものの、その鏡を覗きこんでみると……
「……誰?」
自分の知らない人物の姿がそこにあった。歳はだいたい20代後半ってとこか?
「……ぐ!? ガッ、ギゃあaアアあああAアあ!?!!??!??!」
鏡の映す自分の姿に呆然としていると、いきなり頭を痛みが襲った。恥も外聞もなく、ただただカーペットの上を頭を押さえてのた打ち回る事しかできなかった。
そして数十秒とも数分とも思えた頭痛が収まった時、頭の中に膨大な量の記憶が存在する事に気が付いた。その記憶は本来この体の持ち主である、ツィマッド社の若社長『エルトラン・ヒューラー』のもので、ここがUC、宇宙世紀だとも知った。
つまり……
「ガンダムの世界に憑依ですかい!?」
しかし憑依ものだとしても、普通はパイロットとかだと思うのだが……よく考えりゃパイロット=G等に耐える訓練等があるからインドア派の俺にとっちゃ根を上げる可能性が高いか……そういやかなり昔にジオニックの社長か会長だったかに憑依するSSがあったな~ ……しかしツィマッド社とは…………ツィマッド社のMSっていったら何があったっけ? 有名なのでギャンにゴッグ、ヅダにドムシリーズだよなぁ……そういやイフリートもだったかな。
そんなことを考えていたとき、ある重大なことを思い出した。
「そうだ、今何年だ!?」
……敗戦間際だったら洒落にならんと思いつつ、部屋においてあるカレンダーを見るとそこには……
「UC70年? 70年っていうと……開戦9年前だよな……他にもなにかあったような気がするんだが……」
そこまで考えてふと思い出した。
「そうだ! コケるモビルスーツが開発された年じゃないか! ってことは……すでにモビルスーツの開発が始まってるってことじゃないか!……たしかコケるモビルスーツは70年5月のはずで、ツィマッド社はMS技術ではかなり出遅れたんだよな。今からジオニック社と技術提携をすればMS技術で出遅れるということはないだろう。いや、逆に旧ザクとのコンペでヅダが勝利できるかも知れないぞ」
思考の海に沈むエルトランだったが、彼は気が付いていなかった。エルトランになる前の本来の彼は確かにガノタ、いわゆるガンダムオタクと呼ばれる存在だったが、そこまでディープなオタクではなく、ましてやUC70年5月にコケるモビルスーツこと大型二足歩行機が試験を行うなど、ネットや本で調べない限りわからないということに。
そしてしばらく思考の海に潜っていたエルトランだったが、彼はある重大な問題を思い出した。
「そういやジオンが負けたのって結局派閥争いの為だったんだよな……ギレン派にキシリア派、ドズル派か。たしかランバ・ラルがホワイトベースに特攻しかけたのも派閥がらみで補給がされなかったからじゃないか。新型機を作っても派閥争いとかなんとかしないと負けるかも……問題山積みだな……」
しかめっ面をするエルトランだったが、彼はそこで更に重要な事を思い出した。
「……いやまて、そもそもここは……『 ど の ガ ン ダ ム の 世 界 』なんだ? ファーストガンダムっていっても、TV版&劇場版、漫画の0079版、THE ORIGIN版、サンダーボルト版とか色々あるし……なにより、ありえないかもしれんが…………『 岡 崎 版 ガ ン ダ ム 』だったら色々と洒落にならんぞ!?」
割と洒落にならない事に気が付き、頭を抱えるエルトラン。
……憑依してから早速問題が山積みの彼に未来はあるのか!?