やぁ元気かい? 私? 私は今快適な病院ライフを楽しんでるとこだよ。ええ、端的に言えば・・・暗殺されかけちゃったよ、あはははは・・・そこ! 笑ってる場合じゃないだろ!って突っ込みいいねぇ! 山○君、座布団1枚もってきて~
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まぁ混乱してるだろうし、ことのいきさつを説明しよっか。他のコロニーに対する攻撃を撤回してもらうようにジオン公国の主要な企業の書名集めてザビ家に渡しました、ガルマ経由で。そしたらなんとかコロニーへの攻撃をするのをやめてくれたんだが、数日後にジオニック社とかとホテルで会談終了後、車に乗り込む間際を狙撃されちゃってねぇ。幸い弾は急所には外れたんだが腹を貫通しちゃって・・・で、急遽病院へ入院したんだ。入院翌日にガルマが見舞いに来てくれたよ。それ以降は不穏な気配がしないからもう大丈夫かな? って感じなんだ。今思えばあれはわざと腹を狙ったのかな、警告のつもりで。まぁそんなことでそろそろ退院なんだがもう開戦まで後1ヶ月無いよ。そういやジオニック社やMIP社から見舞金とか送られてきたけど・・・これって賄賂とか贈収賄になるのかな? ありがたく受け取ったが・・・
さて、ブリティッシュ作戦なんだが入院中にガルマに聞いた話では小惑星に核パルスエンジンを装着して落下させる方法をとったらしい。これをジャブローに落下させるらしいんだが・・・大丈夫なのかな? まぁ入院中なので行動ができないからとめる術はないけど・・・
で、話を変えるけど、私の私兵の『ヴァルキリーフェザー』長いから今後はVFって呼ぶか・・・そこ! マク○スとかいうなぁ~ ちなみに部隊のエンブレムはヴァ○キリープロ○ァイル2の戦乙女をモデルにしてたり・・・まぁそれは別にいいか、話を戻すけどVFが準備整いました。装備しているMSはヅダとプロトリックドムですよ。 え? 全てリックドムじゃないのかって? やだなぁ部隊に配備してる試験用の機体を除けばドムシリーズの正式量産機はやっと再設計に移ったところだよ。あくまでプロト機で性能・問題点等の洗い出し等を行いそれから再設計するって計画だったからね。量産が始まるのはUC79年6~7月あたりかな? まぁプロトリックドムもまぁまぁの性能だがやはり加速性能は現段階ではヅダの方が上だし・・・正式機はヅダ並を目標にしてるがね。まぁ話をおいといて、開戦後にVFはプロトリックドムの実戦テストと並行してヨーツンヘイムと合流、ヨルムンガンドの護衛をさせようと思っている。たしかにヨルムンガンドは艦隊決戦砲としては不適格かもしれないが、要塞砲と考えれば捨てたものではないと思う。まぁ艦隊決戦がおこるかかなり疑問な状況だが・・・そういえばかなりの数のパイロットを確保できましたね。しかしなんか疲れたなぁ・・・少しねま~す、おやすみ~
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「社長、テストパイロット達は皆準備できました。全機出撃準備完了です!」
「分かった、開戦まで後少しだ。開戦と同時にMS隊を発進させ、コロニーに駐屯する連邦艦隊へ攻撃を開始せよ」
「了解!」
え?いきなり場面を変えるなだって? やだなぁ、それじゃ物語が進まないじゃないか。ちなみに今は開戦1時間前だよ。無事退院もできたし完全復活ってとこかな。
今VFはうちが開発したジークフリート級巡洋艦『ジークフリート』と『ワルキューレ』にうちの保有していた大型輸送艦『ズィード』と『ツァイン』そしてうちが試作した情報統制艦『アンドロメダ』という5隻の艦で移動してる真っ最中だよ。 え? なんで巡洋艦を持ってるかって? 簡単さ、軍部と最初に交渉した時、建造する何艦かはうちが運用試験の為に運用するっていったんだ。まぁ軍部もごねたが建造する艦の価格を割引してあげたら態度を豹変させたよ。ちなみに試作艦の『アンドロメダ』だがこれはレーザー通信能力とかが特化しており、大艦隊の旗艦としても通用するレベルなんだ。他にも情報収集能力とかも高いが、武装が護身用のものしか積んでなく、MSも4機しか搭載できないため軍から建造依頼は全くきてないね。まぁVFの艦隊旗艦用に建造したものだしまぁいっか。うちの大型輸送艦はMSなら12機搭載可能な大型の高速輸送艦だから艦隊全てでMSを40機運用できる。このMSの構成はヅダが10機にプロトリックドムが30機だよ。プロトリックドムは統合整備計画の恩恵を受けてヅダよりも操作しやすくなっているのでうちのパイロットの中でも経験の浅いパイロットを乗せてますよ。プロトリックドムの武装はジャイアントバズーカ、120mmマシンガン、胸部拡散ビーム砲、ビームソードと、何機かにはシュツルム・ファウストを持たせてある。
で、この部隊の初任務はサイド2に駐屯している連邦艦隊への攻撃で、コロニーに極力傷をつけないように戦わないといけないんだよね。駐留してる兵力もマゼラン級3隻、サラミス級6隻を中心にフリゲート艦や小型戦闘艦艇等、計18隻にトリアーエズにセイバーフィッシュといった宇宙戦闘機が計20機といった大兵力なんだ。 ・・・まぁ駐屯してる部隊の数よりこちらのMSの数の方が多いんであっという間に片付きそうだが(爆)それに乗ってるパイロットもガルマ経由でドズル中将からあるパイロット達を借りてるし・・・ってか実際借りれるとは思ってなかったが(汗)
「社長、時間です。」
っと、時間が経つのは早いですね。じゃあ戦闘開始といきますか。
「各艦に通達、ミノフスキー粒子散布ミサイル発射後、MS隊を発進させろ。コロニーにできる限り傷をつけるなと伝えてくれ」
「了解しました。各艦ミサイル発射!」
その命令と同時に大型輸送艦を除く各艦からミサイルが発射された。ミサイルは迎撃されることもなく炸裂、辺り一体にミノフスキー粒子をばら撒いた。そして混乱し始めた連邦艦隊を尻目にVFはMSを発進させていった。
「MS隊の発進を確認。先陣はサイクロプス隊のプロトリックドムです」
「各員いいな、我々の任務はコロニーに駐屯している連邦の部隊の撃破だ。その際コロニーに傷を付けるなよ。 ・・・ん? ミーシャ、また酒を飲んでるな」
「へへ、俺にとっちゃウォッカはガソリンみたいなものです。温まってきましたぜ」
「いい加減にしろよ、死んだら飲めなくなるんだからな。こちらガルシア、了解しやした」
「こちらアンディ、任務了解しました。ひよっこはどうだ?」
「俺だってVFの、サイクロプス隊の一員です。馬鹿にしないでください」
「バーニィ、落ち着いて。 クリス、発進完了です」
「よし、俺とミーシャ、ガルシアとアンディ、バーニィとクリスでチームを組め。それぞれマゼラン級を落とし、指揮系統を破壊するぞ。破壊したチームから残敵掃討に移れ」
そういって2機ずつに分かれたプロトリックドムはミノフスキー粒子で混乱している連邦艦隊のマゼラン級に殺到した。マゼラン級は対空砲火を撃ち放ってくるが、MSの機動の前にかすりもしなかった。ミサイルもミノフスキー粒子によって無力化され、主砲もMSを狙うには適さなかった。そうこうしているうちにサイクロプス隊の攻撃によってマゼラン級戦艦は全ての武装を破壊されスクラップ状態になっていった。
他のMS隊も駐屯部隊に攻撃を仕掛け、戦闘開始から僅か3分で連邦艦隊はほぼ無力化されていた。20機ほどいるセイバーフィッシュやトリアーエズといった機体が誘導が効かないミサイルやバルカン砲を撒き散らしながら突っ込んでくるのに対し、MS隊はマシンガンで迎撃し、これをスペースデブリに瞬時に変えていった。そして・・・
「艦長、もはや戦闘は不可能です。ガンポッドも使用不可能、砲座も全滅です」
「ミノフスキー粒子の広域散布なのか・・・しかしどうやって?」
「艦長、どうします? 最早戦闘力の残っている艦は・・・」
「・・・友軍の状況は?」
「はい、目視で確認しただけではマゼラン級1隻大破、航行不能と思われます。もう1隻は轟沈・・・サラミスも2隻が戦闘力喪失、1隻がスクラップ、残り3隻は見当たりません。他のフリゲート艦も2隻を除いて見当たりません。恐らく轟沈かと・・・戦闘能力を保持する艦は見当たりません」
「・・・ジオンの配置は?」
「正面の艦隊とサイド2方面にモビルスーツが分かれています。脱出は絶望的です」
「・・・仕方ない。発光通信で降伏を伝える」
「・・・了解しました。 ・・・残念です」
「連邦マゼラン級から発光! モールスです、読みます・・・『我サイド2駐留部隊所属マゼラン級戦艦艦長イライザ・オロマ中佐。貴艦隊に降伏する、部下の安全は保障されたし』だそうです」
「全部隊に攻撃中止命令をだせ、それと返信だ。『貴艦隊の降伏を受理する。乗組員の安全は保障する』と伝えろ」
「了解しました」
「さて、後はあのスクラップを回収して色々と・・・「緊急! 敵艦隊を補足しました。急速接近中!」方位は?」
「本艦から右45度、上方50度! パトロール艦隊と思われます。構成はサラミス級2隻!」
「すぐ動かせるMS隊はいるか?」
「少々お待ちください・・・エリザ・ヘブン伍長のプロトリックドムにジャン・リュック・デュバル大尉とフランツ・アドレー中尉のヅダが最も近いです。それぞれ迎撃に向かいました」
「分かった、『ジークフリート』と『ワルキューレ』も迎撃にあてろ。各隊警戒を怠るな!」
「こちらエリザ、目標を補足。これより攻撃を開始します」
「こちらデュバル大尉だ、我々は向かって右の艦をやる、君は左の艦を頼む。こちらはまだ弾があるが、そっちはどうだ? 弾が足りんようなら砲座を潰して後は巡洋艦に任せろ」
「了解しました。こちらはバズーカが2発のみですので、バズーカを撃ち終えたらビームソードで砲座を潰します」
「了解、健闘を」
そういって通信は切れた
・・・この戦争が終わったら私は自由に生きられる・・・
そう思うエルザは、ふとあの時のことを思い出した。彼女の原隊はムサイ級巡洋艦『チェール』のMS隊だった。あの日、サイド3へ停泊中に艦長に呼び出され艦橋に出頭した。
「エリザ・ヘブン伍長、ただいま出頭しました」
「ご苦労、エリザ・ヘブン伍長。君に転属を命ずる」
「・・・転属ですか?」
転属と聞いてどこの部隊に飛ばされるか全く分からなかったが、その行き先を告げられた時は正直思考がとまった。ありえないからだ。
「うむ、本日を持ってエリザ・ヘブン伍長は巡洋艦『チェール』の配属を解き、ツィマッド社の特別試験部隊、通称『ヴァルキリーフェザー』への転属を命ずる。詳しいことはこの書類に書いてある。以上だ、下がってよし」
「・・・は、はい? なにかの間違いでは・・・」
「これは上層部からの命令だ。明日までにツィマッド社本社へ出頭するように」
その後はあまり覚えていない。予想外の事態ばかりで思考が止まっていたのかもしれない。分かっているのはツィマッド社のパイロットになったということだ。そして次の日、ツィマッド社へと出向いた彼女を待っていたのは予想外のことばかりだった。どうやら彼女は軍を引退してパイロットとしてツィマッド社に就職したということになっていたのだ。そして契約期間は1年。それ以降は交渉によって決めていくということだった。つまり1年後には彼女は自由を手に入れることができるということだ。
・・・まさか来年には自由が得られるとは思ってなかった。それまでなんとしても生き延びなきゃ・・・・・・でも・・・自由になったら私は何ができるんだろう?
そんなことを考えているとコックピット内にアラート音が響いた。あわてて考えを打ち払うと、目の前にサラミス級が迫っていた。
「っ、このぉ!」
その声と同時にバズーカを連射する。放たれた2発の弾は真っ直ぐ直進し、サラミスの主艦橋を吹き飛ばした。この攻撃で指揮系統が混乱したサラミスはまともな指揮ができなくなり、エリザのプロトリックドムはバズーカからビームサーベルに持ち替えて接近戦を試みた。
そしてもう1隻のサラミス級にはヅダ2機による容赦無い攻撃が加えられいた。まずマシンガンで主な砲座を潰し、シュツルム・ファウストとバズーカで艦首ミサイル発射口とエンジンを破壊しようとしているのだ。彼らの戦法はヒット&アウェイで、1機が攻撃したらすかさずもう1機が支援する息のあった戦術機動で徐々にサラミス級からの抵抗は無くなっていき、止めにバズーカの弾がエンジンに直撃したのだ。次の瞬間、サラミスは太陽と化した。
1隻のサラミスが爆沈した時、もう1隻のサラミスも決着がつこうとしていた。エリザのプロトリックドムは至近距離から砲座を破壊していったが、さすがに距離が近すぎる為に反撃として何発か被弾する。だがその装甲の厚さに攻撃は全て食い止められ、目立った損傷は発生していなかった。そして・・・
「エリザ伍長、離れてください! 艦砲射撃を開始します!」
「了解!」
そう、エリザが敵の注目を集めているうちに、巡洋艦2隻はサラミスのすぐ近くまでせまっていたのだ。そしてエリザがサラミスから離れ、ようやくサラミス側が巡洋艦2隻を確認したとき、すでに決着はついていた。
「メガ粒子砲、一斉発射!」
その号令と共に撃ち出された8本のメガ粒子砲の線はサラミスの船体を貫き、サラミスは跡形も無く轟沈した。
ここに、サイド2を巡る戦闘は終了した・・・『ヴァルキリーフェザー』の初勝利と共に・・・