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No.2193の一覧
[0] 機動戦士ガンダム ツィマッド社奮闘録(現実→UC)[デルタ・08](2007/12/29 19:02)
[1] 第2話[デルタ・08](2006/08/07 23:26)
[2] 第3話[デルタ・08](2006/08/08 14:00)
[3] 第4話[デルタ・08](2006/09/05 16:19)
[4] 第5話[デルタ・08](2006/08/11 22:36)
[5] 第6話[デルタ・08](2006/08/21 12:27)
[7] 第8話[デルタ・08](2006/09/05 16:16)
[8] 第9話[デルタ・08](2006/10/06 09:53)
[9] 第10話[デルタ・08](2006/10/06 09:54)
[10] 第11話[デルタ・08](2006/11/07 11:50)
[11] 第12話[デルタ・08](2006/12/26 13:42)
[12] 閑話1[デルタ・08](2008/01/01 20:17)
[13] 13話(別名前編)[デルタ・08](2007/07/01 00:29)
[14] 14話(別名中編)[デルタ・08](2007/07/01 00:22)
[15] 15話(別名中編2)[デルタ・08](2007/07/01 00:27)
[16] 16話(別名やっと後編)[デルタ・08](2007/07/01 00:31)
[17] ツィマッド社奮闘録 17話[デルタ・08](2007/07/30 11:55)
[18] ツィマッド社奮闘録18話[デルタ・08](2007/08/16 12:54)
[19] 19話[デルタ・08](2007/08/31 13:26)
[20] 簡単な設定(オリ兵器&人物編) [デルタ・08](2007/08/31 13:47)
[21] 20話[デルタ・08](2007/10/11 19:42)
[22] 21話[デルタ・08](2010/04/01 01:48)
[23] 22話[デルタ・08](2007/12/25 15:59)
[24] 23話[デルタ・08](2007/12/31 18:09)
[25] 閑話2[デルタ・08](2008/01/01 20:15)
[26] 24話[デルタ・08](2008/02/24 17:56)
[27] 閑話3[デルタ・08](2008/05/23 11:31)
[28] 25話[デルタ・08](2008/07/29 14:36)
[29] 26話[デルタ・08](2008/10/18 17:58)
[30] 27話[デルタ・08](2008/10/31 22:50)
[31] 28話[デルタ・08](2009/01/18 12:09)
[32] 29話[デルタ・08](2009/03/18 17:17)
[33] 30話(又は前編)[デルタ・08](2009/04/02 16:07)
[34] 31話(別名後編)[デルタ・08](2009/05/14 22:34)
[35] 閑話4[デルタ・08](2009/06/14 12:33)
[36] 32話[デルタ・08](2009/06/30 23:57)
[37] 33話 オーストラリア戦役1[デルタ・08](2010/04/01 01:48)
[38] 34話前半 オーストラリア戦役2-1[デルタ・08](2010/04/01 01:45)
[39] 34話後半 オーストラリア戦役2-2[デルタ・08](2010/04/01 01:46)
[40] 35話 オーストラリア戦役3[デルタ・08](2010/08/26 00:47)
[41] 36話前半 オーストラリア戦役4-1[デルタ・08](2010/08/26 00:40)
[42] 36話後半 オーストラリア戦役4-2[デルタ・08](2010/08/26 00:40)
[43] 37話[デルタ・08](2010/12/24 23:14)
[44] 38話[デルタ・08](2010/12/26 01:19)
[45] 閑話5[デルタ・08](2011/01/04 12:20)
[47] 39話 前編[デルタ・08](2012/09/30 17:14)
[48] 39話 後編[デルタ・08](2012/09/30 17:23)
[49] お知らせとお詫び[デルタ・08](2015/04/03 01:17)
[50] ツィマッド社奮闘禄 改訂版プロローグ[デルタ・08](2016/03/11 19:09)
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[2193] 25話
Name: デルタ・08◆83ab29b6 ID:c766749a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/07/29 14:36
ツィマッド社奮闘録25話

グランドキャニオンの大地の上で何両もの車両が列を成して止まっていた。それは多連装ロケット砲を搭載させたドーリーとそれを牽引するサムソンだった。そして少し離れた所に停車している元連邦軍所属だったホバートラックの中で地図と有線電話を相手にしている者達がいた。

「・・・目標はトラップエリアをたった今通過したそうです。速度は変わらず」

「了解、現地の風速は?」

「・・・それも先程から変わっていないそうです。行動は予定通りにされたしと・・・・・・これ以上無ければ回線を遮断するので回収されたしとのことです」

「了解・・・・・・各車へ命令、予定ポイントに向けて全弾発射せよ! 終了次第逃げるぞ」

その命令が伝わった直後、ドーリーに固定されていた多連装ロケット砲から無数のロケット弾が空へと向けて撃ち出されて行った。そして乗せていた荷物を撃ち終えたサムソンは次々にその場を急速に離れていった。





ホワイトベース

周りに着弾した多くのロケット弾と数発の直撃弾でホワイトベースは揺れて、避難民達が悲鳴を上げる。

「敵の攻撃です! 何発か命中しましたが本艦の被害は軽微です」

「一体どこから攻撃してきているんだ! ブライト、さっさとガンダムを出して反撃しろ!」

「ですが敵影は周りに見えません、恐らくまた長距離からの砲撃です。ならばガンダムを出すのは得策ではありません」

「無駄でもいい、撃ってきたと思われる方向に索敵出撃だ! 敵の砲兵を叩き潰せばゆっくり安眠できるだろう、何度この攻撃を受けていると思っているのだ!」

「ですがそれでは・・・・・・」



ジオンの攻撃で揉めるブライトさんとリードさん、最近艦橋でよく見る光景だ。

「お~お~、やってるねぇブライトさん」

「カイさん、不謹慎ですよ」

「別にいいじゃねーか、ジオンの奴らのせいでストレス溜まってるんだしガス抜きは必要でしょ」

「ですけど・・・・・・」

「やれやれ、まじめだねぇ。そんなんじゃ肩こっちまうぞ」

「アムロ君、カイ君。ガス抜きはいいが抜き過ぎないようにな、いつでも出撃できる状態を保つのがパイロットとしての義務だからな」

「あ、エドワードさん」

現れた青年はホワイトベースの中でも少ない正規兵で、プロトガンダムのパイロットをしているエドワード・J・フォーリー少尉だ。オーストラリアのシドニー出身らしいけどジオンの隕石落としの時はイングランドに移住してたらしく、あまりジオンを憎んでいない人だ。僕達の間ではリュウさんと並んで頼れる兄といった立場の人だ。ちなみにリュウさんとプロトガンダムのパイロットを交代してたりする。

「たしかに連日の攻撃で精神的に弱るのは分かるが、どんな時にも民間人を守るのが軍人というものだ 」

「でもよぉ~、俺達も元々民間人だぜ。もっと俺達にも気を使ってほしいぜ」

「カイ君の言いたいこともわかるがな。連邦軍は今ガタガタだからそのせいで君達の力を借りねばならない。正直すまないと思っている」

そういってすまなさそうに頭を下げるエドワード少尉、そう素直に謝れると逆にこっちが申し訳なく思えてくる。

「そういえば疑問だったんですけど、なんでリュウさんではなくエドワードさんがガンダムに乗っているんでしょうか? リュウさんもエドワードさんも正規のパイロット候補生でどちらがなってもおかしくないと思うんですが」

「ああ、それはリュウの奴より俺のほうがモビルスーツの白兵成績が良かったからプロトタイプに搭乗することになったんだ。リュウはどちらかといえば射撃が得意だからな。ガンダムは汎用性が高いが基本は白兵型の機体だから俺をガンダムに乗せて射撃の得意なリュウがガンキャノン又はガンタンクに乗る。これが俺達候補生の中で噂されてた話だったな」

まぁもっとも、とエドワード少尉は続ける。

「サイド7についてから発表された人事じゃあ、本来ガンダムに搭乗する予定だったのはテストパイロットをしてたケンプ中尉とヴェルツ大尉で、リュウはガンタンクで俺はガンキャノンの予定だったんだわ。だけどその二人が戦死しちまって、俺にお鉢が回ってきただけなんだがね。あの攻撃で友人も何人か死んじまったし」

「す、すいません。余計なこと聞いてしまって・・・・・・」

「別にいいさ、軍に入ってから一応覚悟してたことだし」

そう言った所でカイが疑問に思っていたことを口に出した。

「ん~・・・なんかよぉ、エドワードさんってば余りジオンを敵視して無いみたいに思えるんだけど、そこんところどうよ?」

「そうだね・・・・・・正直なところ、俺はシドニー生まれだけど、物心付いたときにはイングランドに居たから、シドニーが隕石で消滅したと言われてもピンとこないんだ。それにこの戦いはサイド3に連邦政府が長いこと圧力かけた性で戦争になったという取れ方もあるからなぁ。まぁ俺の先生が話してた事なんだが、宇宙移民にとってみれば地球に裏切られたって思うのも無理ないし」

「? どういうことですか?」

「元々宇宙移民は増えすぎた人口を宇宙に出し、地球の環境を修復しようという事からスタートしたんだ。中には強制的に移住させられた人達もいる。だけどある程度移民が出たら政府は突如移民を打ち切り、スペースコロニーを植民地として扱ったんだ。空気すら税の対象にしてね。しかも特権階級は地球でのうのうと過ごしている。これじゃブチ切れるのも無理は無いさ」

「空気に税って、そうだったんですか?」

「おいおいアムロ君、知らなかったのかい?」

「仕方ねぇや、アムロは機械オタクで世間に疎いし、親父は連邦の技術者だったんだからな」

「なるほど、確かに連邦軍の人間ならそこら辺は免除されるからなぁ。 ・・・お、ようやくブライトさん達も終わったみたいだな」

どうやら攻撃の追加が無かったので出撃は無しの方向で決着したみたいだ。だけど艦内の雰囲気はギス ギスしている。不定期に行われるジオンの攻撃で乗組員と他の避難民との軋轢も出てきている。この前 エドワード少尉がコアファイターに乗り、弾道軌道で衛星軌道上から援軍を要請したけどミノフスキー粒子のせいで通信がちゃんと届いたかさえ不明らしい。エドワード少尉曰く『届いていて援軍が来てくれればもうけもの』だそうだ。
これから僕等はどうなるんだろう。



エドワード

アムロにカイと別れた俺は頭を抱えていた。あいつらには比較的楽天的に言ったがこの艦、ホワイトベースの置かれている状況は正直言ってかなり悪い。モビルスーツのパーツや弾薬は元から少なく、本来予備パーツだったものは組み立てられ戦力となっている。つまり予備パーツ自体がほぼ存在しない状況だ。整備班の話では、このまま補給がなければ共食い整備も考慮しなければならないらしい。ホワイトベース自体も主砲こそ損傷していないが、少なくない数の対空砲を破壊されているし、レーダーをはじめ艦体各部に蓄積しているダメージもかなりのものだ。幾ら高性能な機体があっても補給が無ければ、いずれは稼動しなくなるのは目に見えている。せめてサイド7でなし崩し的にクルーになった子供達は生き残って欲しいがな。元から軍人である俺やリュウ、士官候補生のブライトやサラミスからきたリードは死ぬ覚悟はあるだろう。

「ようエド、しけた面してんなぁ」

「グリュードか、ガンタンクの整備が終わったのか?」

俺に話しかけてきたのはホワイトベースで数少ない正規兵パイロットの一人、俺と同期のグリュード・エインフュ少尉だ。射撃が得意でガンタンクに乗っている。ガンタンクの整備をしていたはずだが、もう終わったのか?

「俺のはすぐに。まぁ前回の嫌がらせ攻撃時に出撃してなかったから簡単なチェックで済んだからな。 出撃してたらもっと遅くなってるよ」

「お前のガンタンクは特別だからな」

「まぁ普通のが2人乗りなのに対し俺のは1人乗り用に開発された機体だからな。上半身の回転が可能になったのはありがたいが、コスト削減の為にコアファイターを廃止した性で頭部コックピットで怖い思いをしなきゃならん」

「コックピットのガラスも、一応ザクマシンガンに耐えれるって話じゃなかったか?」

「確かにガラス自体は一応耐えれるんだが、パイロットの精神の方が先に潰れちまう。むき出しのコックピットに弾丸が命中するのは想像を絶する恐怖だぞ? モニター越しとは大違いだ」

そう、幾ら耐えれるといわれていても恐怖心だけは押さえられない。ナイフで寸止めすると言われて振るわれても恐怖を感じるのと同じだ。そう考えるとガンタンクの頭部コックピットに乗るパイロットは勇者だ。

「まぁ、俺の機体みたいなのをジャブローとかで生産してるらしい。噂じゃ量産型ガンタンクとかRX-75MPとか言われてるそうだぞ。勿論コックピットは頭部で」

「・・・どうコメントすればいい?」

せめて胴体内部にコックピットを設置してやれよと思うのは間違ってないと思う。

「まぁ長距離砲撃とかの支援射撃メインだから問題無いと判断したんだろ。実際ガンタンクは長距離支援機だからな。というわけでお前さんは俺みたいな後衛が活躍できるように前衛でがんばってくれよ」

「ふっ・・・了解了解。無事にジャブローに着いたらPXで酒とツマミを買って派手に騒いでやろうぜ」

「お、いいなそれ。それまでお互い死ぬなよ」

「ふっ、お前もなー」

そう言って2人は笑いながら別れた。だがその約束が果たされぬとは、今の二人には知る由も無かった。





「編隊各機へ告ぐ、困難な渓谷低空飛行で今まで1機の脱落も無い事を誇りに思う。作戦名『メトロノーム』が発動されているのは知っているな? 木馬までもうすぐだ、一番槍の我が隊の攻撃で奴らを魔女の大釜に招待してやれ!」

そう言うとレーザー通信から「了解」という声と、カチカチッと言う音が返ってきた。喋る余裕が無いときに多様される了解という意味の合図だ。
彼の背後には一定の間隔を置いて5機の爆装したジャベリン戦闘爆撃機が続いていた。スペック上ではジャベリン戦闘爆撃機は2t爆弾を4発装備できるが、機体の操縦性を重視し2発のみにして亜音速で、マッハで言うならマッハ0.7前後、時速860km程の速度でグランドキャニオンの渓谷を飛行している。まぁ当然860kmというのは渓谷内で出す最高速度で、カーブが多いポイントは失速ギリギリまで速度を低下しているが、危惧されていた操作を誤って渓谷に激突という自体が起きていない事からもこの部隊の優秀さが伺える。そしてついに目標を捕らえる。

「む? 赤外線センサーの反応増大するも機能低下中・・・各機へ、目標を捕らえたぞ。爆撃用意、目標は左右のモビルスーツ発進口だ。予定通り奇数番号は向かって左、偶数は右を狙え!」

そう、ただの爆撃なら普通に急降下爆撃で十分だ。だがモビルスーツ発進口を狙うとなると真正面からハッチを攻撃したほうが迎撃も少なく不意を打てる。更に言えば相手は大気圏突入が可能な装甲を持つ新型艦、ただの2t爆弾ではダメージを与えれるかどうかは分からない。よって進んでくる敵艦の前から攻撃することによって、相対速度を少しでも上げて敵に与えるダメージを上げようということであった。

「・・・見えた、攻撃を開始する!」

渓谷を曲がった先にはこちらに向かって進んでくる木馬の姿があった。既にレーダーはミノフスキークラフトの性で使い物にならず、赤外線センサーも機能低下していた。だからこそミサイルではなく攻撃力もある無誘導爆弾を搭載していたのだ。しかも今回6機のジャベリンの内、前衛の3機が搭載しているのは例えるならGBU、所謂バンカーバスターのような貫徹能力に長けている特殊なタイプの2t爆弾だ。しかもロケットで加速するタイプのもので、少しでも貫徹能力を増そうとする工夫が施されている。 後続の3機の搭載しているのは、通常の2t爆弾を搭載したのが2機、残り1機はナパームタイプを搭載していた。



「しょ、正面に敵機です! 数6、爆装してます!!」

「な、なんだと!? なぜ気づかなかった!」

「渓谷内を飛行してきた模様でs・・・敵機爆弾投下、命中します!!」

「各員衝撃に備え・・・」

直後、ホワイトベースの艦橋を大きな振動と爆音が襲った。しかもそれは次々に襲い掛かり、衝撃と爆炎が駆け巡った。

「各部、被害報告をしろ!」

衝撃で床に叩きつけられたブライトがそう言うと、しばらく間をおいて各所から報告が飛び込んできた。

「こちら機関室、何人か軽症者がでましたが特に異常ありません」

「こちら左舷格納庫、側面に直撃弾をうけたようですが内部に目立った損傷はありません。いい具合に装甲が爆弾を弾いたみたいです。人的被害も軽微です」

ここまでの報告に艦橋にいた皆が安堵しかけたが、遅れて入ってきた悲痛な叫びに顔を青ざめ、リード中尉はヒステリックに叫びまくる羽目になった。

「第2ブリッジです。死傷者多数発生、設備の一部が破損しましたが設備の多くはまだ生きています。 しかし今現在どこかで火災が発生しているらしく、入ってくる熱風が凄まじいので第2ブリッジから総員退去します」

「・・・・・・中央ハッチです。敵機が突っ込んできて火災が発生しましたが、こちらは無人だった為に人的被害は無し、現在消火活動中です。ですが搭載してたのがナパームらしく、消火に手間取っています。このままでは上の第2ブリッジや主砲、対空砲も危険なので要員の増援を。なおガンペリーも大破、炎上中です」

「・・・こちら右舷格納庫! パイロット及び整備員に死傷者多数発生。モビルスーツ発進口が破壊されてカタパルト使用不可能、更に内部に爆弾が飛び込んできて、直撃を受けた整備中のガンタンク1機が全損しました! 他のモビルスーツもプロトガンダムが中破に近い小破、ガンタンク1機中破です。 不幸中の幸いで、一番奥で整備してたガンキャノン1機は破片による掠り傷以外目立った損傷はありません」

そう、左舷のモビルスーツ格納庫こそ損傷軽微だったが直撃を受けた右舷格納庫は壊滅的な打撃を受けていた。
順を追って見てみよう。ジャベリン1番機が投下した特殊爆弾2発が右舷格納庫(カタパルト)ハッチに直撃しこれを破壊、2番機は左舷を狙ったが狙いが逸れて中央ハッチに1発命中、残り1発は左舷装甲に弾かれ崖に命中し崖が崩落し大量の土煙を巻き上げる。3番機は続いて右舷を狙い1発がガンタンクに直撃するが残り一発は目標をそれて渓谷の底に命中。
ここまでは順調だったが誤算が生じた。外れた2発の爆弾が巻き上げた土煙とホワイトベースの火災による黒煙で目標が視認しづらくなったのだ。その影響で4番機は見事に外してくれて、5番機は第2ブリッジに辛うじて命中させたものの、もう1発は外した。
そして最後のナパーム搭載機の6番機は・・・・・・ホワイトベースとの距離を間違え中央ハッチに激突しナパームが誘爆、中央格納庫を火の海にした。



「ブライト、ちゃんとジャブローまで到着できるんだろうな? この艦が沈められたら軍法会議だぞ!」

「ですが今ある戦力でなんとかするしかありません。この先のミッド湖周辺で敵の待ち伏せが考えられますが、ここを突破しなければ先に進めません」

「虎の子のガンダムも1機が小破、しかもそのパイロットの少尉も負傷したそうじゃないか。他のパイロットも数名負傷したそうだろう。それで突破できるのか!?」

「やってみせればいいのでしょう!(畜生、いつか殴ってやる)」







キャリフォルニアベース VF北米方面司令部

「超高高度を飛行している偵察型コムサイからの報告では、木馬の左舷は軽傷ですが右舷は重症の模様とのこと。帰還した攻撃隊のガンカメラの分析でも恐らく敵モビルスーツ1機の大破は確実視されています」

「一番槍の航空隊は任務を果たしました。困難な渓谷内飛行で犠牲が出ましたが、それでも木馬にダメージを与えたのは間違いありません。メトロノーム第一段階、オペレーション『ギャラルホルン』は成功しました」

「それでは第二段階、オペレーション『ヴィーグリーズ』に移行し、間髪開けず最終段階、オペレーション『ギムレー』を・・・これで作戦名『メトロノーム』が完遂されるわけですな」

やぁ皆お久しぶり、中々忙しくて死に掛けてるエルトランだYo。作戦室の一角で大勢の参謀と今後の展開について話しちゃってるよ。

「そうですね。木馬に圧力を与え余裕を奪う『ギャラルホルン』は成功しました。木馬の現在の進路は ?」

「当初の予想通りミッド湖方面を目指しています。恐らく二日後には開けた場所に木馬は出ます。既にミッド湖周辺にはガルマ様の率いる正規軍が展開しつつありますので、万が一失敗した場合でも対処は可能です」

「それじゃあ当初の予定通り『ケーニッヒス・パンツァー』『スカイキッド』『ブラックナイト』には出撃準備を。これで決着がつくだろうからね」

「しかし支給した武装、本当に使えるのでしょうか?」

「まぁアレらは実戦評価の意味が強いからね。特にブラックナイトの機体はドムシリーズの可能性を考えた機体だから、うまくいけば正式にラインに加える予定だよ」

そう言って私は最近多用している栄養剤と胃薬、漢方薬をミックスした飲み物Ⅹを飲んだ。それぞれが混ざり合って凄まじい味となり、睡魔など一撃で消し去ってくれる代物と化す。その味は正に混沌だが、それに微妙に慣れた自分が悲しい。・・・味覚まだまともだよな? いまんとこ趣味である紅茶は美味しく感じるし、まだ大丈夫か。さて、覚悟完了ということでさっさとコレ流し込むか。

「・・・・・・・・・・・・」

恐らく今私は形容しがたい顔になってるんだろう。その証拠に周りは皆少し引いている。まぁ当然だけどね。

「・・・社長、大丈夫ですか?」

「一つ一つは問題ないんだけどそれぞれが一緒になると・・・・・・不味いよ、この世の全ての不味さが競い合うように地獄の交響曲を・・・飲んでみるかい?」

「すいませんもういいです勘弁してください」

「メディック呼んだ方が良くないか?(ボソ」

「確か知らずに飲んだ奴がこの前気絶しなかったかアレ?(ボソ」

まぁ普通ならそうだろう。子供先生が登場する某漫画の図書館組の一人はまた違う感想をするかもしれんが、まぁそんな感性の持ち主はいないだろう。でも最近これでも睡魔が完全に取れなくなってきているし、他にも何か混ぜてみるか。

まぁ話を戻そう、後二日後、それが木馬の命日だ。既に賽は投げられた、後はどう転びどう対処するかのみ。まず手始めに・・・山脈から山まで減った書類をフルボッコにしなきゃね!(泣き


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