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No.2144の一覧
[0] 炎の代行者 [風の聖痕] [SIMU](2007/03/29 01:18)
[1] 炎の代行者 [風の聖痕] 第二話[SIMU](2007/03/29 01:19)
[2] 炎の代行者 [風の聖痕] 第三話[SIMU](2007/03/29 01:21)
[3] 炎の代行者 [風の聖痕] 第四話[SIMU](2007/03/29 01:22)
[4] 炎の代行者 [風の聖痕] 第五話[SIMU](2007/03/29 01:24)
[5] 炎の代行者 [風の聖痕] 第六話[SIMU](2007/03/29 01:24)
[6] 炎の代行者 [風の聖痕] 第七話[SIMU](2007/03/29 01:26)
[7] 炎の代行者 [風の聖痕] 第八話[SIMU](2007/03/29 01:33)
[8] 炎の代行者 [風の聖痕] 第九話[SIMU](2007/03/29 01:32)
[9] 炎の代行者 [風の聖痕] 第十話[SIMU](2007/03/29 01:36)
[10] 炎の代行者 [風の聖痕] 第十一話[SIMU](2007/06/16 13:24)
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[2144] 炎の代行者 [風の聖痕] 
Name: SIMU 次を表示する
Date: 2007/03/29 01:18
風の聖痕 炎の代行者






 あれ、ここはどこだ?


 気がつくと、僕の周りにはだだっ広い石造りの床や柱のある神殿のような場所にいた。
 前のほうに見える王座の上には黄色い・・・いや、黄金色に輝く火の玉が灯っていた。




『気がついたか?』




 すると、突然不思議な声が聞こえた。
 どう不思議かというと、はっきりと聞こえる割ににモヤッとした感じのある声。
 なんというか人の言葉なのに人の声じゃないような気がする。


『ふむ、少し混乱しているようだな。
まあ、死んだのだからしかたるまい。』


『へ?死んだ?僕が?』


 あれ、僕の声も何だか変だ。
 どうなってるんだ?


『では君はココに来る前にあったことを覚えているかね?』


『えっと・・・』


 確か僕は学校帰りのバスに乗ってて、
うちの近くのバス停に着くまで小説を読んでて、
赤信号で停止していたバスが動き出したと思ったら大きな音がして・・・


 そういえば最後にバスの窓の外に迫ってくる大型トラックがちらっと見えたような・・・







 あー・・・と言う事はつまり・・・


『僕って交通事故で死んだの?
 てことはココってあの世?』


『違う、本来なら黄泉の国に行くのだろうが、
 君が死んだ瞬間に我がここに呼び寄せたのだ。
 ちなみに汝の体はないだろう?』


『うわッ!!ホントだ、透けてる!!』


 そう言われて自分の手のひらを見てみると向こう側が透けていた。


『という事は今の僕って魂だけの存在?
 ああ、でも死ぬ前の体の形をしてるってことは霊体?』


『ほう、詳しいな。
 君の言ったとおり、汝は霊体と呼ばれる状態だよ。』


『魔法とかのファンタジー系は好きですから。』


 言ったとおり僕はファンタジー小説が好きだ。
 文庫からネットの二次創作まで色々呼んでいるつもりだ。


『それならば此処が汝のいた世界でないことはわかるか?』


『ええ、なんとなくそうじゃないかなって思ってましたけど、
 実際自分が体験することになるとは思いませんでしたよ。
 ところで、何処から話してるんです??』


 周りを見渡しても僕以外にはだれもいない。


『さっきから目の前におるぞ。』


『え?』


 目の前というと王座にある黄金色の火の玉がある。
 それを見ると僕が気づいたのに答えるかのように炎が揺らめく。


『もしかして・・・?』


『そうだ、我だ。』


 流石に目の前の火の玉が喋っているとなると驚いて言葉が出ない。


『そういえばまだ我が何者か話してなかったな。
 我に人のような名はない。あるのは人のつけた称号のみ。』


『といいますと?』


『そんなに聞きたいか?では教えよう。』


 返事も聞かずに話続ける火の玉。
 この人(?)絶対このやり取り楽しんでるな・・・


『我は四大元素の一つ、炎の精霊。
 その精霊たちを統べるの王!!炎の精霊王なり!!(決まったな)』


『・・・・・・』


『あーその、なんだ・・・
『おー!!』とか『何だって!?』とか少しは驚いてくれないか?』


 そんな事に頼まれてもな~・・・



『いやぁ、精霊の王ってネタはファンタジーにはよくありそうなネタですし、
 実際会ったらなんて可能性あるはずなかったから、どう反応したらいいのかわかりませんし。
 それになんというか、そういうすごい存在だともっと威圧感というか存在感がありそうですし。』


 というか、この状況自体ありえない事過ぎてこれ以上驚けないって言うか・・・


『それは我自身が力を抑えているからだ。
 素の我の波動を受ければ普通の人間ならば耐え切れるものではないぞ。』


『それはどうも。』


 とりあえずお礼は言っておく。
 だが、返事はなくこちらに視線を向けつづける(目はないのだがなんとなくわかった)


『・・・一応我の身分を明かしたのだから敬意をはらったりはせんのか?』


『普通はそうなんでしょうけど、威圧感がなさすぎるせいか威厳が感じられなくって。
 敬意をはらえと言われたら出来る限りしますけど。』


 出来る限りというのは僕自身そんなことをしたことがないからだ。
 そもそも王なんて一般人が普通会えるもんじゃないし


『いや、よい。そもそも堅苦しい会話など我は好まん。
 我が眷属たちにも堅苦しい話し方はやめろというのだがそれだけはいうことを聞かんのでな。』


『はあ・・・』


『それはともかくそろそろ本題に入ろうか。』


 先ほどまでの愚痴の混ざったような声からはうって変わって、
多少は威厳の有りそうな喋り方に変わる。


『そういえば、何で死んだ僕なんかを呼び出したりしたんです?
 暇潰しって訳でもないでしょう?』


『・・・・・・』


 すると何故か黙り込む精霊王。


『まさか本当に暇潰しなんですか?』


『い、いや、すべての理由が暇潰しってわけではない!!
 目的自体は我が手を下さねばならぬわけではないのだが精霊界に居続けるのは流石に暇でな、
 目的を果たせると同時に暇潰しにもなると思ってな。
 まあ、渡りに船というやつだ。』


『どれくらいの割合が暇潰しなんです?』


『ご、五割・・・・・・いや、六割くらいかの?』


 増やしてどうするんですか、そこは減らすところでしょう。


『だ、だが本当に暇なのだ。
 我等精霊王の役目というのは世界の安定と調和を図ることなのだが、
 実際は我等が存在するだけいいので殆どやることはないのだ。
 既にこんなことが千年近く続いて飽きることも飽きたのだ。
 これを暇と言わずになんという!!』


 必死だ・・・精霊王は本当に暇なようだ。
 凄いはずの精霊王はただの暇人という事実、夢が砕けるな。
 まあ、幻想は所詮幻想ということなのだろう。


『まあ、死んじゃったのに助かったというのもどうかですけど、
 一応助けてもらったのですし、できる事ならやりますよ。
 せっかくのファンタジーですし。』


『おお、我の暇潰しに付き合ってくれるか!!』


『暇潰しってブッチャケないで下さい。
 それより目的ってなんですか?』


 僕はあくまで目的のために手伝いたい。
 だが、もしこれでくだらない目的だったら即行で断ってしまいそうだ・・・


『そうだな、それを話さねば始まらん。
 実は我が昔契約した者の子孫である神凪一族のことなのだ。
 その一族は契約者の地を受け継いだことで力に溺れ『ちょっと待った。』何だ?』


 僕は精霊王の話に口を挟む。
 普通人の話に口を挟むのはよくないという事はわかっているが挟まねばならない単語を耳にした。


『今、神凪って言いませんでした。』


『いったぞ、神凪と。』


 神凪というと僕からは聞き覚え・・・いや見覚えのある苗字だった。


『神凪・・・かんなぎ・・・カンナギ・・・・・・・』


 僕は多少トリップしながらも考えを纏めていく。
 神凪というと僕が気に入っている小説[風の聖痕]で出てくる主役八神和麻の旧姓であり、
一応ヒロインキャラの綾乃の苗字だ。
(ちなみに一応とつけたのは僕の認識は原作より二次創作の方に偏っており、
二次創作ではよく生き残っている翠鈴のほうが気に入っているからだ。
ちなみに二番目は操)


『もしかして神凪って言うと・・・』


『うむ、おぬしの知っている神凪だ。』


『ッて此処は[風の聖痕]の世界ですか!!』


『おぬしの世界から見ればそういうことになるな。』


 そうなるって・・・簡単に言いますね・・・


『聞いてませんよ・・・』


『言ってなかったか?』


『言ってません!!
 とりあえず根本的な説明が足りてません。
 全部最初から説明してください。』


『よかろう』




 説明を要約するとこうだ。
 まず精霊王はある目的のために僕を死んだ瞬間に捕まえ僕をこっちの世界に召還した。
 この時点で僕が選ばれたのはランダムだったらしい。(宝くじの一等より確実に確率が低いだろう)
 ついでに死んだ者でなければならない理由もあるのだがそれは後での説明。
 さっきいった通りこの世界は『風の聖痕』の世界と全く同じであり、正確にはそれに酷似した世界らしい。
(他の要因で小説になかった出来事が起こる可能性が十分にあるからだ。(僕自身が他の要因になる可能性大))


 今僕がいる場所が精霊界の炎の精霊王の神殿。この部屋が精霊王の間らしい。
 ここいら一帯は炎の領域で炎に属する精霊や幻獣が居るとか。
 そして炎の領域があるのだから他属性の領域もあるのだろう。
 
 で、僕を呼んだ理由なのだがさっき言いかけたように神凪をどうにかしてほしいそうだ。
 如何どうにかしてほしいのかと言うと神凪は世代を重ねるごとに傲慢になり他の者に迷惑をかけまっているそうだ。
 神凪の人間が他の人間に迷惑をかけることについては人間同士の問題なので精霊王は干渉することではないが、
神凪があまりに自分の名を多用して振舞っていたので精霊王もいい気はしていなかった。


 そこへ同じく精霊王である風の精霊王から文句が飛んできたのだ。
 神凪の風術に対する認識(風牙衆の扱いなど)に少し頭にきているそうだ。
 あくまで少し。精霊王は人間そのものには大して守護の意識はない。
 同じ属性の精霊術師に関しても普通の人より多少加護が向くだけで大して重要視もしていない。
 だが、それでも自身の精霊達への暴言には頭にきたそうだ。


 そこで炎の精霊王は警告の意味を込めて神凪に生まれてくる子の一人から完全に炎の加護を消し去ったそうだ。
 神凪は傲慢になると同時に術者の質も落ちていたので、これ以上質が落ちれば炎の加護が消えると忠告し、
質が上がれ傲慢の増長も減るだろうと考えたらしいが・・・


『もしかして神凪に生まれてくる子の一人って和麻?』


『そのとおりだ。』


 隠された真実、和麻が炎術を使えなかったのは精霊王の所為。(神凪そのものが原因とも言えるけど)


『増長は減ったんですか?小説で読んだ限り逆に増えそうな感じでしたけど。(和麻が迫害を受けることによって)』


『どうやら増えてしまったようだ・・・』


『ダメじゃないですか!!
 それにいくらなんでも和麻が可哀想じゃないですか!!』


 将来、かなりイイ性格になるとはいえ、神凪時代の和麻はあまりに哀れだ。


『だから我もさすが悪いと思って風の王に頼んで強力な風の加護をつけてやったんだ!!
 おまけに才能があったら契約者にしてやれとも口添えをしたんだ!!
 これで文句なかろう!!』


『そういう問題でもないでしょう!?』


 風のコントラクター誕生秘話、契約には炎の精霊王の口添えがあった。
 なんか幻想どころか小説自体の設定の面白みまで砕けてきたよ・・・


『というか、風の加護を与えるんだったら、元通り炎の加護を与えればよかったじゃないですか!!』


『炎の加護は生まれる前に完全に消し去ってしまったのだ!!
 だからもう一度加護を与えるという事は出来ないのだ!!』


 逆ギレしないで下さいよ・・・
 この人、敬意はらうべき人物(?)じゃないんじゃないかな・・・


『はあ、もういいです・・・
 それで僕に何をやらせたいんですか?』


『何だか少しけなされたような気がするのだが・・・』


 さすが一応精霊王というべきか、直感が鋭い。


『気にしないで下さい、このままじゃ話が進まないような気がします。』


『誤魔化されたような気もするが・・・それもそうだな。
 汝にやってもらいたいことは我の変わりに人間界へ行き神凪の炎の加護を消してもらいたい。』


『へ?』








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はじめましてSIMUです
初投稿ですので修正のため消すこともあります


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