閑話 長男エメンタール・ヴァルターの野望俺は、多分銀河最強の存在だ。自惚れでは無くそう思う。そもそも、これから起こり得る未来をある程度まで把握しているし、チートな能力も持っているのだ。エメンタール・ヴァルターそれが俺の名前。全く、エメンタールと言えば、チーズの王様ではないか、俺にふさわしい。そんな俺は、何回も生まれ変わりと言うものを体験している。神に会った事は無い。なぜ生まれ変わり続けているのかは知らない。最初は、主人公の双子の兄として生まれ、幼少時に故郷が悪魔の襲撃にあった。その時に弟は父親の杖を、俺は魔法の呪文が書いてある紙を貰った。そのまま、最強オリ主としてのテンプレのような生活を続けて、封印されていた吸血鬼を救い。何もかもハッピーENDとして生を終えた。二度目は、全く知らない世界だった。超常の力が普通に存在する世界であったが、前世の影響もあり生まれながらにして俺は最強だった。なにせ前の世界の能力が、そのまま使えたのだ。その結果、俺は調子に乗りすぎて、全世界に狙われるようになってしまった。結局、死ぬ直前俺が思ったのは、自重するべきだったと言う後悔だった。そして、今、ギャラクシーエンジェルという、また知っている世界に生まれた。前と違い、魔法と呼ばれる力は一切使うことが出来なかった。俺なりの考察だが、コレは、EDENと呼ばれる銀河に魔法と言う概念が存在しないからではないかと思う。まだ未来は確定していない為、NEUEが存在しているわけでは無いので魔法が使えない。つまり、NEUEの存在が観測されれば、使えるかもしれないという事だ。しかし、前回で学んだ俺はそんなに勢いよく介入しようと思わない。俺は、介入して原作が崩れたら……などと気にすることは無い。俺以外がやるなら勝手にやれ、責任は自分で。仮に世界が滅びても、まあこれだけ生きているならばもういいかとも思えるからか? だけど、何もしないと言うのは面白くないから、安全そうなイベントには参加してみようと思う。と言うか、戦闘以外ならいくらでもだ。また、コレは5歳になったときに気付いたことだが、俺の能力の本質と言うのは、『一度手に入れたものならいくらでも使える』という、なんともまあ、中二臭漂う、転生者向けの能力だった。とりあえず、自分の最初の世界で使っていたラップトップを何も無いところから取り出してみたり、いろいろ試してみたら、無機物なら何でもいけるみたいだ。そういう訳で、きっと自分の能力である、魔法もすでに身についてはいるのだが、世界の法則ゆえに発動できないのであろう。そして、今10歳の俺は、ひたすら普通に生きるフリをしつつ、良く二次創作で見る、現代日本のサブカルチャーで金儲けと言うのをやっている。最初は、自分のホームページに、冗談半分でとあるアニメに字幕をつけてアップしてみたところ、物凄い量のアクセスがあったのだ。100以上の星系からなる国なわけで、人の数が多いのもあってか、広告料が入ること入ること。一日に300万人も来るのだ、正直阿保かと、馬鹿かと思うような勢いで俺の講座にお金が入ってきた。なんでも、アニメーションという文化はあるものの、ここまで娯楽に特化したものはロストテクノロジーであり。しかも、全く知らない言語で話している辺りが、歴史的価値すら有ると言われたのだ。殺到する「誰が作った」と言うメールには、無回答のまま3ヶ月ほどそのようなペースで回してたある日。俺は、いろいろよからぬ事を思いついたのだ。どうせ親の仕事をついでも暇になるのだから、自分で商会でも作ってみようと。そうして、アニメ、漫画、ゲーム、小説、音楽、他エンターテインメントなど。娯楽を与えることに特化したグループ 「チーズ商会」を立ち上げたのであった。弟が、原作に介入したいと言っている。俺が転生者だとわかってから、その手の話題をよく振ってくるようになった。こいつは、自分の機体を手に入れてから、どんどん自分に酔っている。学校の通信簿に、奇怪な言動が目立つと書かれるくらいだ。どーやら、こいつの原作知識は1のほぼ全てと、2のおおまかなストーリーくらいしかないみたいで、エルシオールについていきたいと言っている。まあ、それは問題ないので、頑張れと言ってやった。俺は、原作ヒロインとかあまり興味ないし。一目見れればそれでいいくらいかな? 弟が、接点持ってくれるなら、むしろありがたいくらいだ。と言うより、大学で彼女できたし。幼馴染の娘。彼女もいるし、将来も安定しているし、副業(こっちのほうが収入がすごい)もかなりの成果を挙げている。適当に引き出したアニメなどを字幕つけて渡せば、勝手に声を当てたりなどしてくれるのだ。俺が、実質の最高責任者だと知っているやつはほとんどいないので、気楽なもんだ。いろいろ、ノウハウをつませたり模しているので、オリジナルの作品もそろそろ評価を受けてきている。そして、一つの作品ごとに、それの関連商品まで売れるのだ。製造はこちらでやって、販売はブラマンシュに任せている。あと俺の指示で、とある艦を作らせている。コレは原作介入をするために使おうと思うっている。まあとにかく、銀河有数の金持ちで、恋人もいる俺は。「保険も作らずに命を懸けて原作介入なんて、割にあわねーよ」コレに尽きるわけである。