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No.18497の一覧
[0] 燕人無双/鈴々無双【完結】(三国志×恋姫無双)[じる](2010/05/19 18:25)
[1] 燕人無双 第一回 燕人醒めて孔明難に遇う[じる](2010/05/19 18:25)
[2] 燕人無双 第二回 一刀正史と外史を釈く[じる](2010/05/19 18:25)
[3] 燕人無双 第三回 桃園の三豪傑再び義を結ぶ[じる](2010/05/19 18:26)
[4] 燕人無双 第四回 一刀自ら選びて張益徳と会す[じる](2010/05/19 18:26)
[5] 燕人無双 第五回 呂奉先腹を空かし袁公路と出師す[じる](2010/05/19 18:26)
[6] 燕人無双 第六回 中庭に茶を煎じて両兄を論ず[じる](2010/05/19 18:26)
[7] 燕人無双 第七回 劉玄徳民を攜えて城を捨てる[じる](2010/05/19 18:26)
[8] 燕人無双 第八回 張翼徳長坂橋を大いに閙がす[じる](2010/05/19 18:27)
[9] 燕人無双 最終回 戦畢りて両張在るべき処へ帰る[じる](2010/05/19 18:27)
[10] あとがき[じる](2010/05/07 22:28)
[11] 燕人無双外伝:鈴々無双 第一回 鈴々醒めて大耳兒に逢う[じる](2010/05/14 19:14)
[12] 燕人無双外伝:鈴々無双 第二回 鈴々、後宮を大いに閙がす。[じる](2010/05/15 18:27)
[13] 燕人無双外伝:鈴々無双 第三回 鈴々、大耳兒に従い出師す[じる](2010/05/19 18:53)
[14] 燕人無双外伝:鈴々無双 第四回 鈴々戦って先主讐人を得る[じる](2010/05/17 22:25)
[15] 燕人無双外伝:鈴々無双 第五回 鈴々達大いに東呉の将と戦う[じる](2010/05/18 18:58)
[16] 燕人無双外伝:鈴々無双 最終回 戦畢りて両張やっぱり在るべき処へ帰る [じる](2010/05/19 18:25)
[17] 外伝後書き[じる](2010/05/19 18:27)
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[18497] 燕人無双 第八回 張翼徳長坂橋を大いに閙がす
Name: じる◆dd9afefd ID:f193b4ae 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/05/19 18:27
「前方、劉備軍が橋の前で陣を敷いております」
「よっしゃキターっ! 奴らようやく戦う気になったで!」

遠巻きにしていた曹操軍が攻め寄せる。

「惇将軍、あそこ!」
「あれ……は……誰だっけ?」

将軍達が長坂橋にたどり着いた時。

その小さな橋の手前、たった一人、男が立ちはだかっていた。

身長八尺。纏うは銀の短甲。兜は後ろの馬の鞍。
四方に晒すその顔は、豹の頭にわっかのまなこ。燕のおとがい虎の鬚。
携えるは丈八の蛇矛。

すっくと立つは橋の前。背後は急流。橋の向こうに人影は無く。

囲むは曹操軍、その数五十万。
整然と並ぶ黒い半円。その矛先は男を取り囲み、美しく危険な模様を描く。
兵たちは、指示を待ち粛として動かない。

「あの男、我らを一人で止める気か?……五十万対一だぞ?」

と春蘭。

「……なぜだかしらんが、むしょうに腹だたしい男だ」

と秋蘭。

「なんで突撃しないんですか?」

と季衣。

「いくら何でも一人で守れる筈がない……罠かもしれん」


男、三方をぎろりと睨み、大音声。

「オレ様は燕人、張益徳!!」

全身の毛を逆だたせ、吠える。

長さ一丈八尺。
身長に二倍する蛇矛をりゅうとしごいて右脇腹にかいこみ、ニタリと笑う。

「死にたい奴から」

空いた左手で万与の軍勢を招く。

「かかってきな!!」

大風が吹いた。

「この……闘気……ぐっ……、圧倒される……!」

まともに闘気にあてられ、部将夏侯傑が鼻血を噴きながら落馬する。

「なんて奴だ……闘気だけで、我らをこれほどまでに圧倒するとは……!」

五十万対一人。押し包めば終りそうなものだが、もはや兵どもの勇気では顔ひとつ上げられない。
目をつけられてはかなわんと、曹の字の旗を隠すやつまで出る始末。

どんぐりまなこが睥睨するのに合わせ、十重二十重に囲む五十万の曹操軍が、波をうって後ずさる。

「お死っにてぇのか、逃げてぇのか……」

蛇矛の石突を大地に突き立てる

「とっとと決めやがれ!!!」

一喝。天地が震える。


「くっ、舐めるな張飛!」

この圧倒的な空気の中、“気を取り直した”のは春蘭だった。

「何を喰ってそうなったのか知らんが……我が名は夏侯元譲!魏武の大剣なり!」

背中の大剣をずらりと抜く。

「これしきの闘気で圧せられるほど、軟弱な私では無いわ!」

七星餓狼を振りかざした春蘭が、大上段から切り掛かる。

「ぐっ……なにぃ!?」

曲がりくねった蛇矛の先は張飛のひと振りで雷光と化す。
下から逆昇る雷が、渾身の大剣を受け止め、春蘭ごと弾き返す。

「軽く、跳ね返されただと!」

「おっぱいじゃオレは倒せねぇ!」

意味は判らないが凄い自信。

春蘭は、くるりと回転し着地。
七星餓狼を大地に突き立て飛ばされた勢いを殺し、静止する。
再度の突撃を決意。張飛を睨む。

が。

自分の十間ばかり先に、先程自分の踏み切った足跡がある事に気付く。

(元いた所よりもこんな後ろまで飛ばされただと?)

なんたる膂力か。

(これは敵わぬかもしれぬ。こうなったらこの命と引き替えにでも奴を倒す!)

その時。

「待ちなさい、春蘭っ!」
「華琳様っ!?」
「私の許可無く死ぬことなど、絶対に許しはしないわよ」

曹の牙門旗と共に、華琳が遅れて戦場に到着した。

「秋蘭、軍を下がらせろ! これ以上この男を刺激しても何もならん。無駄な損害を増やすだけよ」
「しかし御身に何かあっては……」

「何も無い。……でしょう?張飛とやら」

華琳が張飛の前に立ち塞がる。

覇王の覇気が、戦士の闘気と激突する。
覇気は闘気を圧し、張飛の闘気はみるみる霧散する。

……あれ?なんか別のピンク色の気が。

「何も無い……その胸」

ニタアと笑う。

「オイラ好みだぜ」

両手をワキワキさせながら張飛が迫る。

「曹阿瞞は俺の嫁〜」

本能は瞬時に危険を察知。

「イ?ッヤー!!!!!!!!!!!!」

華琳はなにもかもふり捨てての逃走を開始する。

またかよ。

「止まり!止まりぃや!なんで……何で逃げてんねん!相手ひとりやで!」

追う霞。しかし、総大将の逃走劇で、曹操軍の総崩れが始まった。




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