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No.15085の一覧
[0] 【完結】Scarlet Waltz(東方Project フランドール視点再構成)[道化](2010/03/13 13:33)
[1] Scarlet Waltz 02[道化](2009/12/26 16:48)
[2] Scarlet Waltz 03[道化](2009/12/26 16:49)
[3] Scarlet Waltz 04[道化](2009/12/26 16:50)
[4] Scarlet Waltz 05[道化](2010/01/04 12:14)
[5] Scarlet Waltz 06[道化](2009/12/26 16:53)
[6] Scarlet Waltz 07[道化](2009/12/26 16:55)
[7] Scarlet Waltz Epilog[道化](2009/12/26 16:56)
[8] SW =After Days= ~悩める紅魔館~[道化](2009/12/29 12:22)
[9] SW =After Days= ~黒白の魔法使い~[道化](2010/01/24 11:48)
[10] SW =Before Story= ~Bloody Pavane~[道化](2010/01/05 19:40)
[11] SW =After Days= ~思い出の写真~[道化](2010/01/07 21:22)
[12] SW =Another SIde= ~送る手紙~[道化](2010/01/07 22:15)
[13] SW =Another SIde= ~笑顔の魔法~[道化](2010/01/10 21:39)
[14] SW =Before Story= ~Boundary Minuet~[道化](2010/01/11 19:11)
[15] SW =After Days= ~小悪魔の趣味~[道化](2010/01/24 11:49)
[16] SW =After Days= ~小さな百鬼夜行~[道化](2010/01/24 11:20)
[17] SW =After Days= ~紅魔祭 前編~[道化](2010/01/28 20:06)
[18] SW =After Days= ~紅魔祭 中編~[道化](2010/02/05 18:54)
[19] SW =After Days= ~紅魔祭 後編~[道化](2010/03/15 14:11)
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[15085] 【完結】Scarlet Waltz(東方Project フランドール視点再構成)
Name: 道化◆5a734804 ID:b791bdfa 次を表示する
Date: 2010/03/13 13:33
 ここに記すは私の思いを書き留める為に書いた日記のようなものだ。
 日記というのはよくわからないので一応日記という事にしておくのだが、ともかくこれは私の思いを書き留めたものだと言う事をわかって欲しい。



 まず、私は吸血鬼と言う種族に分類される者だ。最近では架空の存在とされ、実在しないと言われているが、こうして吸血鬼は存在している。
 私は日光の下に出れば肌が焼かれ、流水を身に受けたらそれは痛い。銀も色々と危ない。ニンニクや十字架は微妙な所だ。
 大事な事を記すのを忘れていた。私の名前はフランドール。かつては「スカーレット」の姓を名乗っていたが、今はその姓は名乗ってはいない。



 私が家名を捨てる経緯となったのは、それは私の持つ能力が関係してくる。
 私は「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」というトンデモナイ能力を持っている。感覚的に「キュッとしてドカーン」と簡潔なものなのだが、実際危険極まりないものである。
 幼い頃の私はその危険な能力がどれほど危険なものなのか理解出来ておらず、更に制御も困難だった為に家の地下へと監禁される所であったのだ。
 私には優秀な姉がいた。私よりも5歳年上の優しく、強かった姉が。憧れていた姉であったが、その瞬間だけは妬みへと変わった。





 ――お姉様は愛されているのに、私はどうして閉じこめられなければならないのか!?





 その時、私は館を逃げ出した。私の能力を使って私を捕らえようとした者達を皆、破壊して逃げた。
 逃げて、逃げて、私は一人になった。
 最初は帰りたかった。だけど帰れなかった。私を追ってきてくれる者がいてくれるのではないかと思って待ち続けた事もあった。
 だけど、私は一人になった。
 お姉様も、お母様も、お父様も、メイドも、使用人も、誰も傍にいない。そして私は理解したのだ。私の能力が如何に危険で、皆がどうして私を閉じこめようとするのか。
 危険だからだ。そしてそれを理解していない私を押し込める為だと。
 逃げて、いなくなって、それはそれで結果は同じなのだから彼等は私を放置したのだろう。
 その時は思わず声が枯れるまで笑って、涙が出尽くす程泣いた。私はどうして生まれてきたのかと自分自身すら壊したくなった。
 私はだから暴走した。殺して、殺して、殺して、壊して、壊して、壊して。
 目に付くもの、全てが疎ましくて破壊と暴虐の限りを尽くした。私を狙って現れる者達も出てきたが、それでも私は破壊し続けた。時には自らも殺されそうになった。だけどそれすら快楽に変わりつつあった。
 あの時の私は「生きている」「存在している」という事を実感していたかったのだ。痛みは私の生を教えてくれる。痛みが感じられるという事は私の存在があるという事を明確にした。
 しかしそんな事を続けていれば、私の居場所なんて無くなってくる。



 ある日の事だった。私は初めて「壊したくない者」と出会ったのだ。
 その者は追っ手に追われ、丁度弱っている所を保護し、私が吸血鬼だと知っても恐れず、逆に吸血鬼というものがどういうものなのか観察し、暫く共に過ごした。
 暫く共に過ごした、というのは私にとって初めての事であった。同時に憧れていたものでもあった。
 当時の私は悔やまれる事に、「彼」の名前を覚えようとせず、結局最後まで私は彼の名を聞く事は出来なかった。
 彼は好奇心と冒険心に満ちあふれた青年であった。人間の癖に恐れ知らずで、弱い癖に私に食ってかかってきて。
 当時の私は弱っていた事から能力を使用するのも控えたかったし、隠れ場となっている場所をわざわざ壊そうとも思わず、彼を生かした。
 それが次第に愛着に変わり、彼と過ごす時間を望むようになっていた。
 だが、それは結局、私という存在がいてしまった事によって終わりを告げてしまった。



 私の存在が露見し、彼の家ごと襲撃され焼き討ちにされてしまったのだ。
 異端者は裁かなければならない、と目の前で凶刃に倒れる彼の姿は今でも明確に思い出せる。
 助け出した時も彼は既に瀕死で、最後の言葉も禄に聞く事が出来なかった。
 聞こえたのは「良かった」と満足げな声だった。私の頬を撫でて優しげに言った彼の顔は忘れる事は出来ない。
 その時、私は長年流していなかった涙を流し、泣き叫んだ。



 壊されるという事を理解した私は、最早何も壊す気にはなれなかった。姿を隠し、魔法によって姿を変える魔法を会得し、人に紛れて時を過ごした。
 何にも積極的に関わる気にもなれず、何にも興味を抱く事も出来ず、ただ虚ろに生きていた。
 それでも襲撃者達はやってくる。どこからともなく私の存在を掻き分け見つけ、襲撃してくるのだ。
 私は逃げに逃げ回っていたが、流石に鬱陶しくなったので船に乗って国外へと逃亡した。



 その国が、私の第2の転機となった。私が辿り着いた国、その名は「日本」という。
 私はそこでとある女性と出会った事が、今の生活の始まりでもあった。





「何書いてるの? フラン」
「きゃぁあああああああああっっ!?!?」


 突如背後から聞こえていた声に私は悲鳴を上げて乱暴気味にノートを引っ掴んでから後ろ振り向き背後にそのノートを隠した。
 背後には空間の裂け目から身を乗り出す一人の女性。その名、八雲 紫。今、私が住まう「幻想郷」と呼ばれる外の世界、いわゆる現世とは隔離されている世界の管理人である。
 ……そして、私の友人でもある。不本意な事に。





 日本に逃げたのは、私を追う宗教の影響がまだ及んでいない国であったし、黄金の国というフレーズには興味をそそられていたのだ。
 そこで私は日本へと辿り着いたのだが、そこで見つけたのが妖怪達の楽園「幻想郷」という訳であった。
 当初は私は八雲 紫と半ば敵対関係にあった。私は不思議な結界があると思い、無理矢理侵入すると、その結界の管理・維持をしていた紫と対立してしまった訳なのだ。
 当初は訳も分からずに交戦した訳なのだが、互いの誤解が解けた所で和解。私は幻想郷に受け入れられた。無論、色々な誓約こそあったものの私は特段受け入れられないものでは無かった。
 幻想郷は今までの生活と違って、とても安心して過ごせる世界であった。食糧である人も紫がどこからか提供してきてくれたし―後に知った事だが、罪人であったり、自殺志願者であったらしい―今もこうして比較的安定した生活を送っている。


「…で? どうしたの? 急に」
「友人の顔を見に来たに決まってるじゃない」
「ノックぐらいして欲しかったよ…心臓に悪い」
「あら、ごめんなさい」
「…悪いなんて思ってないでしょ」


 はぁ、と溜息を吐いて私は自らの金髪をかき混ぜる。昔は適当にザックザク切っていたのだが、今では半ば強制的に訪れる紫や、その紫の式神である藍に切られる。
 「女の子なんだから少しぐらい身だしなみに気を使え」と言われたが、私のような者と釣り合う男がいるのかも謎だし、男と付き合う気も一切無いのでどうでも良い。
 それでも別に嫌という訳でもないので、彼女達に任せきっている所、私は大分彼女達に依存しているのだろう、と推測する。


「貴方ももっと社交的になれば良いのに」
「こんな殺人鬼放っておいてくれて良いのに」
「あら、人を殺して久しい癖に」
「食事に食べてるよ」
「それは死すべき人か、死を望む人ぐらいでしょう?」
「傲慢だよ、人の死を決定出来る程、私は偉くもない」


 そう、と呟き紫は私の入れた紅茶を口に含む。色々と一人で暮らすようになって料理などには凝るようになった。
 食べさせているといっても紫と藍ぐらいだが。あぁ、時たま新聞を売ってくる鴉天狗に振る舞う事もあったか、とぼんやりと思い出す。


「そんな貴方にニュースよ」
「ニュース?」
「そう…」






「レミリア・スカーレットって知ってる?」






 そして、私は後に「吸血鬼異変」と呼ばれる異変の顛末を知る事となった訳だ。
 これが…後の第3の転機の切欠…。










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