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No.13774の一覧
[0] うそっこおぜうさま(東方project ちょこっと勘違いモノ)[にゃお](2011/12/04 20:19)
[1] 嘘つき紅魔郷 その一 (修正)[にゃお](2011/04/23 08:52)
[2] 嘘つき紅魔郷 その二 (修正)[にゃお](2011/04/23 08:53)
[3] 嘘つき紅魔郷 その三 (修正)[にゃお](2011/04/23 08:53)
[4] 嘘つき紅魔郷 エピローグ (修正)[にゃお](2011/04/23 08:54)
[5] 嘘つき紅魔郷 裏その一 (修正)[にゃお](2011/04/23 08:54)
[6] 嘘つき紅魔郷 裏その二 (修正)[にゃお](2011/04/23 08:55)
[7] 幕間 その1 (修正)[にゃお](2011/04/23 09:11)
[8] 嘘つき妖々夢 その一 (修正)[にゃお](2011/04/23 09:24)
[9] 嘘つき妖々夢 その二[にゃお](2009/11/14 20:19)
[10] 嘘つき妖々夢 その三[にゃお](2009/11/15 17:35)
[11] 嘘つき妖々夢 その四[にゃお](2010/05/05 20:02)
[12] 嘘つき妖々夢 その五[にゃお](2009/11/21 00:15)
[13] 嘘つき妖々夢 その六[にゃお](2009/11/21 00:58)
[14] 嘘つき妖々夢 その七[にゃお](2009/11/22 15:48)
[15] 嘘つき妖々夢 その八[にゃお](2009/11/23 03:39)
[16] 嘘つき妖々夢 その九[にゃお](2009/11/25 03:12)
[17] 嘘つき妖々夢 エピローグ[にゃお](2009/11/29 08:07)
[18] 追想 ~十六夜咲夜~[にゃお](2009/11/29 08:22)
[19] 幕間 その2[にゃお](2009/12/06 05:32)
[20] 嘘つき萃夢想 その一[にゃお](2009/12/06 05:58)
[21] 嘘つき萃夢想 その二[にゃお](2010/02/14 01:21)
[22] 嘘つき萃夢想 その三[にゃお](2009/12/18 02:51)
[23] 嘘つき萃夢想 その四[にゃお](2009/12/27 02:47)
[24] 嘘つき萃夢想 その五[にゃお](2010/01/24 09:32)
[25] 嘘つき萃夢想 その六[にゃお](2010/01/26 01:05)
[26] 嘘つき萃夢想 その七[にゃお](2010/01/26 01:06)
[27] 嘘つき萃夢想 エピローグ[にゃお](2010/03/01 03:17)
[28] 幕間 その3[にゃお](2010/02/14 01:20)
[29] 幕間 その4[にゃお](2010/02/14 01:36)
[30] 追想 ~紅美鈴~[にゃお](2010/05/05 20:03)
[31] 嘘つき永夜抄 その一[にゃお](2010/04/25 11:49)
[32] 嘘つき永夜抄 その二[にゃお](2010/03/09 05:54)
[33] 嘘つき永夜抄 その三[にゃお](2010/05/04 05:34)
[34] 嘘つき永夜抄 その四[にゃお](2010/05/05 20:01)
[35] 嘘つき永夜抄 その五[にゃお](2010/05/05 20:43)
[36] 嘘つき永夜抄 その六[にゃお](2010/09/05 05:17)
[37] 嘘つき永夜抄 その七[にゃお](2010/09/05 05:31)
[38] 追想 ~パチュリー・ノーレッジ~[にゃお](2010/09/10 06:29)
[39] 嘘つき永夜抄 その八[にゃお](2010/10/11 00:05)
[40] 嘘つき永夜抄 その九[にゃお](2010/10/11 00:18)
[41] 嘘つき永夜抄 その十[にゃお](2010/10/12 02:34)
[42] 嘘つき永夜抄 その十一[にゃお](2010/10/17 02:09)
[43] 嘘つき永夜抄 その十二[にゃお](2010/10/24 02:53)
[44] 嘘つき永夜抄 その十三[にゃお](2010/11/01 05:34)
[45] 嘘つき永夜抄 その十四[にゃお](2010/11/07 09:50)
[46] 嘘つき永夜抄 エピローグ[にゃお](2010/11/14 02:57)
[47] 幕間 その5[にゃお](2010/11/14 02:50)
[48] 幕間 その6(文章追加12/11)[にゃお](2010/12/20 00:38)
[49] 幕間 その7[にゃお](2010/12/13 03:42)
[50] 幕間 その8[にゃお](2010/12/23 09:00)
[51] 嘘つき花映塚 その一[にゃお](2010/12/23 09:00)
[52] 嘘つき花映塚 その二[にゃお](2010/12/23 08:57)
[53] 嘘つき花映塚 その三[にゃお](2010/12/25 14:02)
[54] 嘘つき花映塚 その四[にゃお](2010/12/27 03:22)
[55] 嘘つき花映塚 その五[にゃお](2011/01/04 00:45)
[56] 嘘つき花映塚 その六(文章追加 2/13)[にゃお](2011/02/20 04:44)
[57] 追想 ~フランドール・スカーレット~[にゃお](2011/02/13 22:53)
[58] 嘘つき花映塚 その七[にゃお](2011/02/20 04:47)
[59] 嘘つき花映塚 その八[にゃお](2011/02/20 04:53)
[60] 嘘つき花映塚 その九[にゃお](2011/03/08 19:20)
[61] 嘘つき花映塚 その十[にゃお](2011/03/11 02:48)
[62] 嘘つき花映塚 その十一[にゃお](2011/03/21 00:22)
[63] 嘘つき花映塚 その十二[にゃお](2011/03/25 02:11)
[64] 嘘つき花映塚 その十三[にゃお](2012/01/02 23:11)
[65] エピローグ ~うそっこおぜうさま~[にゃお](2012/01/02 23:11)
[66] あとがき[にゃお](2011/03/25 02:23)
[67] 人物紹介とかそういうのを簡単に[にゃお](2011/03/25 02:26)
[68] 後日談 その1 ~紅魔館の新たな一歩~[にゃお](2011/05/29 22:24)
[69] 後日談 その2 ~博麗神社での取り決めごと~[にゃお](2011/06/09 11:51)
[70] 後日談 その3 ~幻想郷縁起~[にゃお](2011/06/11 02:47)
[71] 嘘つき風神録 その一[にゃお](2012/01/02 23:07)
[72] 嘘つき風神録 その二[にゃお](2011/12/04 20:25)
[73] 嘘つき風神録 その三[にゃお](2011/12/12 19:05)
[74] 嘘つき風神録 その四[にゃお](2012/01/02 23:06)
[75] 嘘つき風神録 その五[にゃお](2012/01/02 23:22)
[76] 嘘つき風神録 その六[にゃお](2012/01/03 16:50)
[77] 嘘つき風神録 その七[にゃお](2012/01/05 16:15)
[78] 嘘つき風神録 その八[にゃお](2012/01/08 17:04)
[79] 嘘つき風神録 その九[にゃお](2012/01/22 11:18)
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[13774] 嘘つき花映塚 その三
Name: にゃお◆9e8cc9a3 ID:dcecb707 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/12/25 14:02


 にらめっこ。

 今のリアの様相を表現するとしたら、それが一番似合うのだろうなと文は一人勝手に思う。
 目をぱちぱちと瞬かせながら真剣そのものの表情で文々。新聞に目を通す少女、その姿は背伸びをしてる子供のようで何だか微笑ましい。
 そんなリアを横目に、文は昼食にとリアから購入した新作パンに齧りつきながら、午後からの予定を思考する。一体これからどうしたものか、と。


 人里にてリアと出会ったその翌日。色々考えたものの、文はもう少しだけ人里で情報を収集することを選択した。
 レミリア・スカーレットに関する情報を得る為に、他の場所で聞き込みを行うことも考えたが、この人里にてもう少し
粘ってみても良いのではないかと結論付けたのだ。その理由は、人里において『全く情報が手に入らない』という訳ではないという点だ。
 幸か不幸か、この人里にはレミリアの情報が嫌という程に溢れかえっている。すなわち、情報の玉石さえ上手く判断出来れば、レミリアに関して
有意義な情報のみを抽出できるのではないか。これはある意味、文の新聞記者としての実力が試されていると言っても過言ではないのではないか。
 そうならば、幻想郷一のブンヤを自負する者として逃げる訳にはいかない。そんなノリで午前中の全てを情報収集に取り組んだものの、結果として釣果はゼロ。
 人々から得られる情報は、先日のものと大差なく、やはりレミリア・スカーレットの姿が二極化も甚だしい様相を呈してしまっていた。
 言ってしまえば、まさしく吸血『鬼』に相応しいレミリアと、そのあたりの幼女と何も変わらないレミリアと。
 その二つの情報を吟味し、何度も何度も考え直してみるものの、やはり文の導いた答えは後者が全くのでたらめだという可能性。自分達の元トップである
伊吹萃香を倒した吸血鬼が突き放して言えば『へたれ』などと誰が信じられるだろう。まとまらない頭を掻きつつ、気分転換と昼食の意味も込めて
結局文は彼女――リアのいる場所へと足を進めたという訳だ。これが昼前の出来事である。

 文が現れると、リアはきらきらと目を輝かせてまるで尻尾を振って喜ぶ子犬のように文を歓迎した。
 そんなリアに苦笑しつつ、文は約束通り先日食したパンの感想を告げる。――本当に、美味しかった、と。
 その言葉に、リアの顔はドキドキ顔から空に輝くお日様のように眩しいばかりの笑顔になる。そして事細かに感想を訊いてくるリア、
そんなリアを落着かせながら、面倒見良くリアの相手をする文。自分の事第一主義な文だが、実はこれでいて面倒見が良かったりする。
 天狗という集団を一をする群れに属する為か、文は自分より弱い存在に対し優しさを見せるところがある。強い者に媚び諂い、弱い者に
傲慢に見下すと言われる天狗の中では珍しい性質だが、天狗の中でも人一倍変人扱いされている文なので、別段気にすることもない。
 文の丁寧な感想を耳にしては嬉しそうに笑うリア。結局リアが文の感想に満足し終えたのは、話し始めて三十分は経とうかという頃だ。

 そんな話の最中に、リアはふと文の持っている配布用の文々。新聞に興味を示し、それは何かと文に訊ねかける。
 興味深々なリアに、文は少しばかり迷ったものの、そっと新聞を差し出して読むかどうかを訊ねかけた。文が迷った理由は、
まだ幼いリアに新聞の内容や文字が理解出来るかどうか分からなかった為である。けれどまあ、自分の作った新聞に興味を持ってくれるのは
悪い気分ではないし、何より読めなかったときは学の大切さに気付いてこれから学んでくれたらいい。そして、その後で自分の作った
文々。新聞を定期購読してくれれば問題無し、といった感じの軽いノリでリアに新聞を差し出したのだ。そんな文に、リアは喜んで新聞を受け取り、
先ほどからずっと新聞とにらめっこ中、という訳である。そんなリアを横目に見ながら、文は少し遅めの昼食という訳である。
 なお、パンの購入もリアの目の前で食べることも彼女に許可を取ってはいなかったりする。文が何度かリアに『パンを買う』と言っても、
リアは新聞に夢中で文の声が耳に入っていない様子。よって文は代金だけ茣蓙の上に置いて、三個あるうちの二個のパンを拝借することにした。
 恐らく、残りの一個はリアの言う『常連さん』用のものなのだろう。文の空腹コンディション的に三個全部食べたい気持ちはあるけれど、
それを勝手に平らげてしまうのは、流石に悪い気がして遠慮している。新聞に夢中なリアを放置し、文は二個目のパンへと手を伸ばす。

「…うん、本当に美味しい。この娘、言うだけあって菓子パン作りが上手ね。
椛のお土産用に買いたいから、明日から多く作ってもらうように言っておこうかしら」

 ふっくらと焼き上げ、砂糖をまぶした至極シンプルなパン。それなのに、一口齧っただけで広がる程良い甘さと食感。
 この年齢でこれだけのものが作れるなら、さぞかし将来は立派な菓子職人になれるだろうとリアの未来に文は判を押す。今のうちに
誘拐でもして、妖怪の山専属のパティシエにでもなってもらおうかな、なんて邪な気持ちもあったりなかったり。
 二個目のパンも食べ終え、文はパン屑を綺麗にするように指先を軽く舐め、小さく『ご馳走様でした』とリアに告げる。
 食べ終えた後のパンの袋を折りたたみ、肩にかけている小さな鞄に収納しようとしたその時だった。新聞を呼んでいたリアが突如がばっと
顔を上げ、文の方に視線を送ったのだ。突然の動きに、文は少しばかり驚きながらも訊ねかける。

「ど、どうしたの、いきなり顔を上げて」
「面白かった!!」
「…へ?」
「凄く凄くすっごーーーーーーーく面白かった!!」
「面白かったって…え、何が?」
「そんなの決まってるでしょ!新聞!文の作った『文々。新聞』!!読んでて時間を忘れるくらい夢中になっちゃった!!」

 突然のリアの言葉に、文は頭の中が完全に真っ白になってしまう。今までじっと黙って新聞とにらめっこしていたリアが
やっと顔を上げたと思ったら、唐突に自分の作った新聞をこれでもかという程に褒めちぎってきたのだ。まさしく
予想すらしていなかった事態で、文がそうなってしまうのも無理もないだろう。けれど、そんな文の事情などお構いなしに
リアは目をキラキラ子供のように(実際子供なのだが)熱を入れて何処が良かったという点を羅列していく。
 やれ内容が面白い、やれ写真が凄く良いという子供じみた真っ直ぐな評価から、やれ読者側に懇切丁寧に分かりやすく噛み砕いて記述している、
やれ記事の内容にちゃんと裏付けがあり信憑性の高い情報媒体だと思っただの読み手としての意見まで述べていく。
 呆然とする文に、リアは拳を握りしめて最後のひと押しとばかりに声を大にする。

「良かったところは沢山あったけれど、私が何より惹かれたのは新聞の文面から感じた文の熱意よ!!
見出しから構成から写真の選択まで、何一つとして妥協が無い!まさしく文の記者としてのこだわりを見たわ!
もうね、新聞を読んだだけで凄く伝わってきた!文が新聞を書くのが本当に本当に大好きなんだって気持ちが、沢山沢山伝わってきた!」
「あ…」
「だから私は大好き!文の一生懸命な新聞、文の努力と意志が込められた新聞、とても素敵だと思う!」

 臆すことも恥じることもなく、ただ真っ直ぐに語るリア。そんなリアの言葉に、文は気付けば自分の頬が強く熱を帯びていることを悟った。
 それも当然のことで、これまで文はこんな風に真正面から新聞創作を評価して貰ったことなんてなかった。天狗達の仲間内で競う新聞コンテスト等もあり、
批評という形で見て貰うことはあったけれど、読み手からこんな風に真っ直ぐな想いをぶつけられたことなど過去になかったのだ。
 『興味深い』『情報としての価値はある』などの言葉は新聞を取ってくれている人に言われたことはあれど、その文面からまさか
文の努力、想い、熱意を汲み取る者など誰もいなかった。それも当然で、新聞で重要なのは書き手ではなく情報、書き手のことなど瑣末なことでしかない。
 けれど、リアは新聞を新聞としてではなく『一つの作品』として読み取り、その感想を述べてくれた。それは新聞読者の感想と見るには
失格も甚だしい意見だが、新聞を書いた者の心を打つには十分過ぎる程に価値ある意見であった。
 リアの言葉に、文は自身を振り返る。一体いつ以来だろう、こんな風に新聞が素敵だと褒めて貰ったのは。
 自分の新聞、その出来にはいつでも胸を張る程の自信もプライドも持っている。いつだって自分は最高の新聞を書き続けた筈だと。
 けれど、それは一体何の為か。一体何の為に自分は新聞を書いてきた。何をして、新聞を書くことが楽しいと思ったのか。
 そんな遠い記憶を揺さぶるような、リアの感想。頭が混ぜ返されるような感覚に襲われながらも、文は乱れる心を抑えつけてゆっくりと
手をリアの方へと伸ばす。多分、今の自分はあまりに嬉し過ぎて、素直に気持ちを言葉に出来ないだろうから。だから、態度だけは、と。
 伸ばした手をリアの頭、すっぽり被ったフードの上に乗せ、文は少し乱暴なくらいの力でわしゃわしゃと撫でる。

「な、なによいきなり!?やめなさいっ!禿げちゃう、禿げちゃうから!!」
「新聞が読めるくらいには文字の勉強してる良い子へのご褒美よ。ありがたく受け取っておきなさいって」
「こ、こんなご褒美いるかー!!って、あれえ!?私の持ってきたパンが一個だけになってるうううう!!!」
「ごめん、私が食べた。美味しかったよ、ご馳走様。お金はそこにおいてるでしょ?」
「あ、本当だ…って、こらあああ!!店主の許可なく勝手に食べる奴が何処に居るのよ!?一歩間違えば泥棒じゃない!!」
「大丈夫。私、逃げ脚には自信があるから。これでも幻想郷最速なのよね」
「既に逃げる前提!?うう~!ばかばかばかばか!文の馬鹿!あほ!あんぽんたん!カバ!きつね!みどりのたぬき!」
「天狗だけど」

 涙目になりながらも、リアは文の置いたお金を昨日のように首にぶらさげた小袋へと収納していく。
 どうやら文句は言うものの、きっちり商売はしてくれるらしい。なんとも気難しいお姫様だなと笑う文に、
リアは少しばかりプンプンになりながらも、再び文に口を開く。

「でも、文って新聞記者だったのね。ジャーナリストって感じで格好良いかも」
「いや、感じも何もばりばりジャーナリストなんだけど…というか、言って無かったかしら?私が新聞記者やってるって」
「聞いてないわよ。今日初めて知ったわ」

 リアの言葉に、文はそうだったっけとあやふやな自分の記憶を引っ張り出そうと苦心する。
 初対面相手の場合、大抵は新聞記者であることをセットに自己紹介している文なのだが、どうやらリアのときはそれを
怠っていたらしい。いつもなら『新聞記者モード』の文が、その相手にとって初対面にあたる筈なのに…そんなことを考えつつ、文は改めて自己紹介をする。

「それでは改めて…私は文、清く正しく勇往邁進をモットーとする『文々。新聞』を発行している幻想郷伝統のブンヤ、射命丸文でございます。
もし文々。新聞がご入り用の時は遠慮なくお声をかけて頂ければ、今なら妖怪の山特製お守りが…」
「過去の文々。新聞が読みたい!頂戴!」
「…あやや、残念だけどバックナンバーは今手元にはありません。
申し訳ありませんが、これにて新聞記者としてのお話は終わりにさせて頂きます。…まあ、どうしても読みたいなら明日持ってきてあげるわよ」
「どうしても読みたい!」
「…貴女、本当に気持ち良いくらい真っ直ぐな娘ね。ちょっと両親の顔が見たいかも」
「?両親はいないけど、美鈴と咲夜ならここに来るわよ?会いたいの?」
「遠慮しておくわ。ご家族の方に『このお姉ちゃんが私を虐める~!』なんて泣きつかれちゃ対応に困るし」
「な、泣きつかないわよ!?あ、もしかして今馬鹿にした!?私のこと馬鹿にしたのね!?」
「馬鹿になんてしてないしてない。ちょっとした愛情表現だってば」

 ぎゃあぎゃあと文句を並び立てるリアに、文は悪戯な笑顔を浮かべたままでリアを弄りに弄り倒す。
 最早リアと文の間に壁など存在せず(最初からあったかどうかも怪しいが)、和気藹藹と笑いあう二人。そんな二人だけの空間が
裏通りに完成されていたのだが、文がリアを弄ろうと更に口を開こうとしたその刹那だった。

「――ッ!!」

 突如として全身を駆け巡った悪寒。背中に突き立てられた悪意、殺気。その信号が脳まで届く前に、文はリアを庇うようにして
両翼を開いて背後を振り向いた。それは文が妖怪の山で磨き抜いた、戦闘者としての射命丸文の反射行動。
 思考で考える間もなく、文は判断を下した。――誰かが自分を殺そうと、そのおぞましい意志を向けてきた、と。
 身体を背後に振り向かせ、視線が追いついたその先…そこに、件の人物は存在していた。日傘をさして、緑髪を携えた美女というに
何の躊躇する必要もない女性。だが、その身体から溢れ出る妖気の禍々しさが、その美を凍てつく程に冷たいものへと変貌させている。
 その女性は、文の方に視線を送ったまま、何を行動するでもなく楽しそうにニコニコと笑みを浮かべていた。その笑顔に、文は背筋に冷たい何かが走る。

「ちょっと文、貴女いきなりどうし…むぎゅ」

 当然の文の行動に何事かと横から覗きこもうとしたリアの頭を押さえつけ、文は言葉を発さぬままに正面の女性を睨みつける。
 いつでも動ける体勢を保ったまま、文は瞬時に相手を観察し、自身との単純比較を行う。そして得られた結果は…格上。その事実に
文は思わず苦笑いを浮かべそうになるものの表情には出さない。普段は度々不真面目を気取る文だが、こういう場面においては彼女の千年という
戦歴(キャリア)が身体を支配する。その経験が、文に強く語りかけるのだ。目の前の相手は、お前の届く相手ではない、と。
 故に、脳は常に逃げろ逃げろと警報を鳴らしているが、その一手を文は打てない。突如人里で殺気を向けられたことに頭が混乱している
という理由もあるが、何より文の後ろにはリアがいる。相手の狙いが自分ではなく、この小さな少女の可能性だってある。故に、動けない。
 逃げ脚には自信があるが、一人を担いで逃げられる相手であるとは思えない。どうする、どうする、どうする――
 思考を張り巡らせていた文だが、その行動は無意味に終わることになる。突如、目の前の女性は妖気を霧散させ、傘を折りたたみ、
両手を軽く上げる仕草を見せる。何事かと訝しむ文に、女性は楽しげに笑みを浮かべてゆっくりと言葉を紡ぐ。

「大袈裟ね。こんな人里で『そんなこと』を始める筈ないでしょう?」
「…そうかしら。私にはそうは思えなかったんだけどね…あれだけの『戯けた殺気』を放っておきながら、よく言う」
「あれは唯の味見。見知らぬ鴉が人の餌場を勝手に荒らしていれば、石の一つも投げたくなるわ。
初対面の者へ送る、私からの丁寧な名刺とでも思っておきなさいな」
「これはこれは随分と物騒な名刺ですことで…見下してくれるわね、妖怪」
「見下す立場だもの。興味の無い者、心惹かれぬ弱者は塵に等しいものよ、妖怪」
「ねーねー、さっきから何の話…そもそも文、貴女一体誰と話を…って、あー!!幽香じゃない!!」

 文の背後からひょこりと顔を出したリアは、対面する女性の姿を見て、大きな声を上げる。
 リアの声に、驚く文とは対照的に笑みを浮かべたまま女性はリアに向けて『こんにちは』と言葉を紡ぐ。
 先ほどまで殺気を振りまいていた女性とリアの応対に、文は眉を顰めたまま小声でリアに訊ねかける。

「…何、あの人、知り合いなの?」
「?そうよ。ほら、常連さんが一人いるって言ったじゃない、私のパンを買ってくれる人。それがこの人。名前は…」
「幽香。風見幽香よ、鴉さん。よろしくするつもりはないから、すぐに忘れてくれて構わないわよ」
「…あっそう。なら私の自己紹介は不要ね、私も貴女のことを覚えるつもりはないから」
「ええ、それで構わないわ。物事を覚えられない鳥頭らしくて実に素敵じゃない。それよりリア、いつものを頂いても構わないかしら?」

 文を無視し、女性――風見幽香は、リアに微笑みかけながら幻想郷で用いられている通貨を差し出す。
 完全に自身のことを見下している幽香に、文は売り言葉に買い言葉で返そうかと思ったものの、リアの商売客かつ現在進行形で
パンを購入しようとしている姿に自制する。態度はともかく、あちらは拳を完全に下げている。それなのに、わざわざこちらから
リアの前で事を荒立てることもない。そんな判断を下して押し黙る文を余所に、リアは幽香の差し出したお金と顔を困ったように何度も
視線を往復させる。そして、少しだけ迷った後、リアは差し出されたお金の半分だけ受け取って、残る一つのパンを幽香へと差し出す。
 その行動を横で見ながら、文は思わず首を傾げてしまう。どうしてお金を全部受け取らないのか、と。文の購入したパンの価格は
幽香が差し出している支払い料金と同じだった筈。それなのにどうして半額なのか、そんなことを考えていると、リアがおずおずと
申し訳なさそうに視線を幽香から逸らして言葉を紡ぐ。

「あのね、その…ごめん、幽香。今日はいつものパン、ないの」
「へえ…無いの。私の予約していたモノが、無いと貴女は言っているのかしら?」
「ご、ごめんなさい…幽香のいつも買ってくれてるパン、もう今日は残ってなくて…」
「…え」

 非常に申し訳なさそうにペコペコ謝るリアと、依然笑顔のままリアを見下ろす幽香。その横で表情を引き攣らせる文。
 予約していたパンはもう無い…その理由が自分にあることを、文はすぐさま気付く。恐らく、幽香が予約していたパンというのは
先ほど自分が食べてしまったパンのことだろう。確かにお金だけ置いて、リアの許可を取らずに食べてしまったし、そのことにリアは
声を荒げて糾弾していたけれど、まさか人様の予約したものだとは思う筈もなく。常連さん用にと一応一つ残してはいたが、
まさに三分の一の籤引きに失敗した状況になるとは。申し訳なさそうに謝るリアの姿に、胸の奥から罪悪感。それも当然のことで、
今回の件においてリアの過失は全くなく、あるのは文の失点だけである。しかし、しかしと文は頭を悩ませる。
 今回の件をリアに謝るなら構わない。けれど、今回文が謝るべき相手はリアではなく風見幽香。初対面の文に対し、舐め腐った殺気を
ぶつけ鴉だの鳥頭だの散々な暴言を吐いて下さった妖怪である。そんな初対面から好感度最低点を突破している相手に頭を下げるのは…

(そもそもパンの種類なんて何でも良いじゃない!メロンパンかアンパンか知らないけど、どんだけ小さいことにこだわってるのよこの女!)

 自分勝手な悪態を内心で付きながら、文は大きく息をついて意を決する。その決意は勿論、幽香に謝罪する決意である。
 いくら気に入らない相手とはいえ、流石に今回の件は自分が悪い。加えて、いつまでも何も悪くないリアに謝らせ続けるのも気分が悪い。
 ならばこちらが折れて嫌みの一つ二つと引き換えに水に流してもらうのが望ましい。そう決断し、頭を下げようとした文だったが…

「…なんてね。それではリア、予約していたモノとは違うけれど、このパンは確かに受け取らせて頂くわ」
「へ?い、いいの?」
「構わないわよ、パンの種類なんて拘っていたつもりはないもの。
フフッ、貴女とそこの鴉の間抜けな顔を見れただけの価値はあったわよ。望むなら、残りのお代も払ってあげましょうか?
特にそこの鳥頭鴉の葛藤する様子なんて、実に最高だったわね。吸血鬼と対を為す、太陽の空を支配する天狗とあろう者が…本当、無様ね」
「…ああ、そうですかそうですか。つまるところ貴女は私に喧嘩を売っていると。この射命丸文に喧嘩を売っているんですかそうですか」
「へえ…フフッ、貴女のこと、少しだけ評価し直してあげるわ、射命丸文。天狗のことだから、少し脅せば尻尾を振って媚びてくるかと思ったのだけど」
「強きに従い弱きに命ず。確かにそれは天狗としての生き方だけど…その強きも弱きにも『心惹かれる』って言葉が必要なのよ。
生憎私は貴女に心惹かれることなんて微塵も感じられないからね。私が尻尾を振る相手は私が心から認めた相手だけよ」
「…いいわ、実に良いわね鴉天狗。貴女のことも覚えておきましょう。来るべき祭りの際には、是非とも貴女も参加して頂きたいわ」
「なんのフェスティバルだか知らないけれど、私の手を引いてエスコートするつもりなら相応の覚悟で来なさい」
「な、なんで!?ねえ、なんでパンを売っただけなのにこんな重い空気になっちゃってるの!?
もお~!文も幽香もお願いだから仲良くしてよ!二人とも、私のたった二人だけの友達なんだから!」

 リアの絶叫に、文と幽香は睨み合いを止める。文は視線をそっぽに向けて、幽香は愉悦を零してリアに返答を返す。
 その声は何処までも甘く優しく。他者の骨を溶かしてしまうような、そんな濃密な甘い香りを伴った言葉。

「そうね…貴女の友達は、私達だけだものね。
たった二人しか存在しないの…今の貴女には、たった二人しか縋るお友達がいないの。だから、大切にしないといけないわね」
「そうよ!だから二人とも喧嘩は駄目よ!私の目の黒い内に喧嘩なんてご法度なんだからね!」
「…いや、喧嘩なんてするつもりは無かったんだけど…まあ、リアがそう言うなら」

 ぷんぷんと怒るリアに、文は幽香に対する矛を完全に納めてしまう。方や幽香は最初から相手にしてなかったとばかり。
 そんな様子が文を苛立たせるのだが、幽香は視線を気にすることなく受け流し、リアに向かって別れの言葉を紡ぐ。

「それでは失礼するわ。明日は何処かの黒鴉に掻っ攫われないよう、しっかりと私のパンを守って頂戴」
「またね、幽香。明日も楽しみに待ってるから」
「…というか、私が食べたって気付いてたのね。本当、嫌な奴」
「フフッ、貴女もまた会いましょう、射命丸文。舞台に上がる役者は多い方が楽しいから」
「私はあまり会いたくはないけどね…明日から貴女のパンを勝手に食べないように気をつけるわよ」

 文の捨て台詞を聞いて、幽香は今度こそ満足そうに笑みを浮かべて去って行った。
 幽香の姿が見えなくなるまで、リアはぶんぶんと必死に手を振り続ける。そんな姿を横目で見ながら、文は大きく息を吐き出して
呆れるように口を開く。

「…リア、貴女ってとんでもなく物騒な友達を持ってるのね」
「?物騒かしら。幽香って口は悪いけど、良い人よ。いつもパン買ってくれるし、ときどきお花くれたりするし」
「花…ねえ。アレに花なんて悪い冗談みたいな組み合わせねえ…」
「…文、もしかして幽香のこと、嫌い?」
「…あやや。嫌い、と断言までするつもりは無かったんだけど…ちょっと私らしくなかったわね」

 首を傾げるリアに、文は少し困ったような表情を浮かべつつ内心でちょっと困惑する。
 文は基本的にどんな相手だろうとマイペースを崩さない人物である。例え相手がどんなに喧嘩腰だったり見下したりしてこようと
ニコニコと柳に風でいるような少女であった。けれど、風見幽香との接触において、文はこれでもかという程に心を振り回されてしまった。
 相手の言葉を買い、自分の感情を上乗せして返し。適当にあしらって波風立てないようにする方法もあったのに、今回の文はその
選択を取らなかった。リアの前でそんな姿を取ることが出来なかった。どうしてだろう、そう考える文だが、別段深く悩むことでもないかと
呆気なく割り切り、リアに向けて笑顔を作って言葉を返す。

「安心なさい。こう見えて私は場を弁える人間…じゃなくて妖怪なの。リアの前で喧嘩なんてしないわ」
「そう?それならいいけど…私の前じゃなくても喧嘩は駄目よ?」
「それは約束出来ないわね」
「してよっ!?」

 相変わらずリアを弄る文。そんな光景が再び繰り広げられ、裏通りの小さなパン屋に温かな光景が戻る。
 そんな談笑をしばらく続け、文はそろそろ取材の再開といこうかと、伸びを一つしてリアに切り出した。

「そろそろ私は行くけれど、貴女はどうするの?パンはもう全部売れちゃったけど」
「私もお家に戻るわ。そもそも、今日は売れようと売れまいとお昼過ぎに切り上げる予定だったもの。
今日はこと後予定があるからね。多分もうすぐ迎えに来てくれると思う」
「予定?」
「うん。お昼から家にお医者さんが来るの。私、三日に一度健診を受けないといけないのよ。
うー…注射されたりする訳じゃないからまだ良いんだけど、それでもあの雰囲気、私嫌いなのよね…」

 何気なく放たれたリアの言葉に、文は一瞬踏み込んでいいものかどうか躊躇する。
 どこからどう見ても健康かつ元気いっぱいの少女が、医者の世話になっているなんて予想すらしていなかった。それも三日に一度も
健診を受けているとなると、何か抱えている可能性が高い。そのことに触れて良いのか…その一歩を、結局文は越えることは出来なかった。
 口にするかどうか迷っているとき、リアの口から人の名を呼ぶ声が放たれた為だ。それは今まで聞いたリアの言葉の中で、
一番温もりと親しみを感じられた、彼女の喜びに満ちた声。

「美鈴っ!咲夜っ!こっちこっち!」
「お待たせしました」

 リアの視線を追うように、文が移動させた視線の先には、二人の女性の姿があった。
 どちらも人里ではなかなかお目にかかれない程の美少女で、一人は特徴的な紅の髪を後ろで束ね、柔和な笑みを浮かべている。もう一人は
銀髪で髪を束ねることなく真っ直ぐに下ろし、まだ春先だと言うのに日傘を携えている。その二人の女性を見て、文は二人の外見的特徴よりも
大きく気になる点が存在した。

(――かなり、強い。この二人、種族までは分からないけれど妖か)

 人間では感じ取れない濃密な妖の気配。鼻の利く文ならばこそ悟れる妖気の大きさ。それを文は瞬時に感じ取っていた。
 リアに家族がいるとは聞いていたが、まさか妖怪…それもこれほどの妖怪だとは。小さな人間の女の子と、実力者である妖怪達の
アンバランスな組み合わせに、文は好奇心をそそられるものの、がっつくことはない。先ほどの風見幽香とは違い、向こうは文に対し
敵対するつもりも喧嘩を売ってくることもない。ならば、こちらから向こうの気分を害することもない。必要な情報は向こうから
切り出してくるだろう、そう考えて文はあちらの対応を待っていた。
 そんな文の考えを余所に、リアは喜びに全身を任せて、現れた紅髪の女性にぴょんと飛びつく。突然のリアの行動に驚くこともなく、
紅髪の女性はリアを優しく抱きとめ、手際良く抱き抱えながら、文の方へ視線を送る。

「この方は…」
「文!ほら、昨日言ったじゃない。新しいお友達が出来たって。あと私の名前も教えてるから、名前で呼んでも大丈夫よ!」
「そうですか…貴女が」
「ええと…リアの友達(?)をさせて貰ってる、射命丸文よ。はじめまして」
「これはこれはご丁寧に。私は美鈴と申します。それで、こっちが…」
「…咲夜よ」

 丁寧に言葉を返す美鈴と淡々と事務的な言葉を返す咲夜。その姿を見て、文はリアの同居人がなかなかどうして複雑な連中であると
理解する。美鈴の方はこちらと同類、腹に一つも二つも何かを抱えていそうな雰囲気だし、咲夜の方に至ってはこちらに友好的に
接するつもりもないらしい。そんなことを考えながら、文は息をついてリアに言葉を紡ぐ。

「この人達が貴女の言ってた一緒に住んでる人達なのね、リア」
「そうよ!美鈴も咲夜も私の大切な『お姉さん』なのっ!」
「あやや、そこまで嬉しそうに断言されるとこっちまで恥ずかしくなってしまいそう。良かったわね、美鈴に咲夜」
「あはは…」

 文の言葉に、美鈴は困ったように微笑み、咲夜は何かを我慢するように表情を顰めている。
 その反応に違和感を覚えつつ、文はそろそろお暇するかと言葉を切り出す。

「それじゃ私は行くわね。また明日会いましょう、リア」
「明日は新聞持ってきてね!忘れたら怒るからね!約束よ!」
「はいはい、ちゃんと持ってくるわよ。それに美鈴に咲夜、貴女達も縁があればまた明日」
「はい、また明日。リアのこと、よろしくお願いしますね」

 美鈴の言葉に笑って頷き、文は聞き込みの続きを行うべく、人里の表通りへと今度こそ去っていった。
 その姿が先ほどの幽香のとき同様、手を強く振って見送るリア。やがて文の姿が見えなくなり、手を振るのを止めたときを
見計らって美鈴がリアに言葉をかける。

「それではリア、行きましょうか。家の方で永琳も鈴仙も貴女を待ってますよ」
「…ねえ美鈴、私元気だから医者なんて要らないわ。今日はもう無しにしない?」
「駄目です。あんまり我儘を言うと、永琳からお小言が増えますよ」
「…うー」

 観念したのか、リアは意気消沈しながら美鈴の腕の中で小さな溜息を一つ。
 そんなリアを美鈴は苦笑しながら抱き抱え、咲夜は日傘で影を生み。
 昼下がりの穏やかな通り道に優しい影三つ。それは人里における、とある一つの家族の形。








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