外伝 三姉妹編 第一話 ゲイとフラガと相打ちと※この物語は『第一話 見切り発車』の約3年前の物語です。因果律と云う物がある。全ての物事に原因があり、そして結果がある。原因無き結果は在り得ない。蝶の羽ばたきが原因で嵐が起こる事もある。俗に言う「バタフライ効果」である。風が吹けば桶屋が儲かる事もある。風が吹けば砂が舞い、それが目に入り目が、っと現実逃避はこの辺でお終いにしよう。俺は今、とても困っている。そう、困っている。いい年をした大人(俺)とその大人の前に泣きそうなほど悲しそうな顔をしている女の子が三人。いや、訂正する。一人は大泣き。もう一人は目に溢れんばかりの涙を溜めている。(表面張力に感謝を)最後の一人は目に涙を軽く滲ませている。いい年をしている大人とは俺ことペトルーシャ・イースト准将だ。そして、俺の前にいる三人は先日俺の被保護者になった女の子達である。大泣きの子はベルナデッド。溢れんばかりの涙の子はカリン。軽く滲ませている子はアメーク。俺が家に帰ってきた時からこんな状態である。とりあえず、現状を打破する為に俺は三人にある指令を出した。「おほん、全員注目。これより、貴官達三提督に極秘任務を授ける。 いいか、これは秘密の任務だ。」三人の視線が俺に集中する。「今すぐに洗面所に向かい顔を洗ってきなさい。では、散開。」俺は三人を洗面所に向かって送り出すと三人が泣いていた原因を探る為に家の中の探索を開始した。・・・が、原因はアッサリと見つける事が出来た。まあ、ある程度予想は付いていた。玄関から焦げ臭い臭いがしてたしね。キッチンが酷い事になっている。憂国騎士団の襲撃。地球教徒のテロ。爆心地。あるいは、焦土作戦にあった農村の様だ。大事に隠していた兵糧まで焼き尽くされた哀れな村人の姿を垣間見た。(それは、来年の種籾ですだ。勘弁してくだされ、お侍様。)原因はこれだな。おそらく、何か料理をしようとして失敗したのだろう。とりあえず、焦げ付いた鍋を水に付けその後、時間的余裕が出来たので、三人が戻ってくるまで適当に時間を潰す事にした。しばらく経つと三人がトボトボと洗面所から戻ってきた。元気の無い三人に俺は、これからする今日の予定を説明した。「今日の夕食は外食にしよう。キッチンの片付けは明日にでもやればいい。 昔の英雄も言ってる。『明日出来る事は明日やれば良い。』」こうして、俺たちは悲惨な現実から一時的に目を逸らし安易な選択をした。人も水も低きに流れるとは良く言ったものだ。(あんたの言うとおりだよ、クゼさん。) 調査結果キッチンの惨劇は三人が料理をした結果だった。-------------------------------------------- 『諸悪の根源』別名 アレックス・キャゼルヌ何故、俺にトラバース法が適用されるんだ?既婚者のみでは無いのか? 諸悪の根源が無理やりねじ込んだ。←結論原因 俺がキャゼルヌ邸に遊びに行くたびに オルタンスさん(キャゼルヌ夫人)にばかり恩土産を持って行き 「三十にもなって独身などと、許しがたい反社会的行為だとは思わんか?」と言われれば 「知らなかったのか?俺は反社会的な人間だぞ。」と返す男に 少しは所帯持ちの苦労を分からせてやろうと考えたとしても不思議ではない。※これらの事は全てペトルーシャ・イーストの独断と偏見によるものです。ただし、一部は真実です。 --------------------------------------------