第三十三話 今日こそ動かしてやる!!山よ、銀河よ、俺の歌を聴け!! 前回までのあらすじ アッテンボローは丁度良い感じのポジションをとった。 以上、あらすじ終了 『黒色槍騎兵(シュワルツ・ランツェンレーター)』が現れた。 シュワルツ・ランツェンレーターは同盟軍第13・第9連合艦隊に突撃をかけた。 しかし、第13・第9連合艦隊はひらりと身をかわした。 第13・第9連合艦隊はシュワルツ・ランツェンレーターに反撃した。 シュワルツ・ランツェンレーターはダメージを受けた。 続けてシュワルツ・ランツェンレーターは第5・第10連合艦隊に突撃をかけた。 しかし、第5・第10連合艦隊はひらりと身をかわした。 第5・第10連合艦隊はシュワルツ・ランツェンレーターに反撃した。 シュワルツ・ランツェンレーターはダメージを受けた。 続けてシュワルツ・ランツェンレーターは第8・第12連合艦隊に突撃をかけた。 第8・第12連合艦隊はダメージを受けた。ビッテンフェルト提督の指揮するシュワルツ・ランツェンレーターが戦場に到着してからの戦況の推移を某RPG風に説明してみると上の様な状態になった。側面に突っ込んできたシュワルツ・ランツェンレーターをヤンやビュコック提督、ウランフ提督達の艦隊は華麗にかわし(正確には艦隊を後退させただけ)前方を突っ切っていったシュワルツ・ランツェンレーターに砲撃を浴びせ損害を与えた。だが、第8・第12連合艦隊は後退が間に合わず側面にシュワルツ・ランツェンレーターの突撃を受けてしまった。 ←今ココ!!これが現在の状況だ。流石、同盟軍の将来を背負って立つ有能な提督達だ。ヤンとビュコック提督、ウランフ提督達はビッテンフェルトの突撃をかわした。第8・第12連合艦隊は回避に失敗して仕舞ったが、それは彼らが無能だったからでは無い。第8・第12連合艦隊が比較的前方に位置していた為に後退が間に合わなかった事と、シュワルツ・ランツェンレーターの突撃速度が予想以上に速かったのが原因だ。(決してヤン達が避けたの原因では無い。・・・たぶん。)正直、第8・第12連合艦隊が回避に成功していたら、より前方に位置している俺の第11艦隊は、後退が間に合わず側面を直撃されていた可能性が高い。今は只、彼らの作り出してくれた僅かな時間を使って戦局を有利に進める為の策を実行するのみである。大丈夫。敵はビッテンだ。彼ならきっとやってくれる。最後の最後に致命的なミスを・・・・。期待しているぞ、ビッテン君。「全艦隊後退せよ。その後、ルグランジュ少将並びにワイドボーン少将指揮下の分艦隊は本隊より分離し、 右に九十度回頭後に第8・第12連合艦隊の後方を通り、第8・第12連合艦隊の右側面に食い込んでいるシュワルツ・ランツェンレーターの背後を襲え。」「「了解しました。」」「なお、分艦隊分離後の指揮はルグランジュ提督に任せる。臨機応変に頼む。」「「はっ!!」」ルグランジュ、ワイドボーン両提督への指示を出し終わり、両提督を映していたモニターが消えると副官のフック・カーン大尉が心配そうに口を開いた。「第11艦隊の戦力の半数近くを別働隊にして、本隊は大丈夫でしょうか?」「普通は不味いな。だが、後ろでピクニックを楽しんでいる奴が居るだろ?そいつにも働いてもらう。 戦艦『ユリシーズ』に通信を送れ。『ピクニックは終了、裏山で宴会せよ。』だ。」「『ピクニックは終了、裏山で宴会せよ。』ですね。了解しました。」戦艦『ユリシーズ』はアッテンボローの無人艦隊旗艦であり、アッテンボローが乗り込んでいる艦だ。ちなみに、今回ユリシーズへは艦長以外の人員も乗り込んでいる。第三次ティアマト会戦時の囮作戦の時は、ユリシーズを艦長とヤン、アッテンボローの三人で動かしたらしい。・・・・・無茶しやがって。 ペトルーシャ・イーストの出した指示図(一部艦隊省略)------------------------------------------------------------ △ △ △ △ ◇◇ ▲▲ ◇◇ ▲▲ □ △=第11艦隊 ◇=第8・第12連合艦隊 □=無人艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ △ △ △ ◇◇▲▲ △ ◇◇▲▲ □ △=第11艦隊 ◇=第8・第12連合艦隊 □=無人艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ◇◇▲▲ △ ◇◇▲▲ △ ◆ □ ◆ △=第11艦隊本隊 ◆=第11艦隊分隊 ◇=第8・第12連合艦隊 □=無人艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ◇ ◇▲▲ ◇▲▲ △ △ ◇ □ ◆ ◆ △=第11艦隊本隊 ◆=第11艦隊分隊 ◇=第8・第12連合艦隊 □=無人艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ◇ ◇▲▲ ◆ ◇▲▲ ◆ △ △ ◇ □ △=第11艦隊本隊 ◆=第11艦隊分隊 ◇=第8・第12連合艦隊 □=無人艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------「第11艦隊旗艦より入電『ピクニックは終了、裏山で宴会せよ。』です。」「よし、これより無人艦隊は第11艦隊の後方へ移動する。」第11艦隊司令官ペトルーシャ・イーストからの通信を受け取った無人艦隊司令官のアッテンボロー提督(仮)は即座にペトルーシャ・イーストの思惑を察し、それを行動に移した。一方、ビッテンフェルトに蹂躙されつつある第8・第12連合艦隊ではボロディン提督が指揮下の艦隊に『後退せよ』とアップルトンの提督が指揮下の艦隊に『前進せよ』と、相反する命令を出していた。この様な事になったのは彼等がパニックになった訳でも、無能だったからでも無い。側面より突入して来た敵艦隊に対して、第8・第12連合艦隊内で前方に位置していたアップルトン提督の艦隊と後方に位置しているボロディン提督の艦隊が、それぞれに空いていた前と後に移動し敵をやり過ごそうとした結果である。突入して来た敵を食い止めるのでは無く、あえて突破を成功させて被害を減らす方法を彼等はとった。そして、ボロディン提督の艦隊は後退を成功させつつあった。だが、前進したアップルトン提督の艦隊は、前方の帝国軍艦隊より集中砲火を浴び被害を拡大させつつあった。他の同盟軍艦隊は、シュワルツ・ランツェンレーターの突撃をかわす為に一時後退しており、アップルトン提督の艦隊に対して効果的な援護を出来ずにいた。 第8・第12連合艦隊と黒猪の動き(一部艦隊省略)------------------------------------------------------------ ◆◆ ▲▲ ◇◇ ▲▲ ◆=アップルトン提督の艦隊 ◇=ボロディン提督の艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ◆◆▲▲ ◇◇▲▲ ◆=アップルトン提督の艦隊 ◇=ボロディン提督の艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ◆ ◆▲▲ ◇▲▲ ◇ ◆=アップルトン提督の艦隊 ◇=ボロディン提督の艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター------------------------------------------------------------ ▽▽ ▽▽ ▽▽ ◆◆ ▲▲ ▲▲ ◇◇ ◆=アップルトン提督の艦隊 ◇=ボロディン提督の艦隊 ▲=シュワルツ・ランツェンレーター ▽=その他の帝国軍------------------------------------------------------------この様に、アムリッツァ星域会戦はビッテンフェルト提督の出現により、戦況が一気に変動していった。・・・・つづく。いつも、ご愛読ありがとう御座います。豆です。今回は皆大好き、ビッテン突破です。それにしても、艦隊の配置図とか難しいですね。極東杉の木殲滅委員会会員は着実に増加しています。いつか、この運動が花粉症から人類を救うと信じて。