第三十二話 風林火陰山雷 前回までのあらすじ アッテンボローは無人艦隊を押付けられた。 以上、あらすじ終了「全艦戦闘準備!!」前方より帝国軍が接近して来る。ついに『アムリッツァ星域会戦』が始まった。それにしても、帝国軍の奴らは随分とやって来るのが遅かったな・・・。こっちは艦隊の再編に布陣、機雷の設置とか色々やる事があって何時、帝国軍が来るのかと戦々恐々としていたのに・・・。お陰で食事や昼寝(タンクベット睡眠)の時間までとることが出来た。「前方の帝国軍艦隊より通信が入りました。」「通信?」おっと、余計な事を考えていたら前方の敵艦隊から通信が入った。一体何事だ?「アレが噂に名高い『ペトルーシャ・イーストの第11艦隊』か。」帝国軍のオスカー・フォン・ロイエンタール中将は前方に位置する同盟軍第11艦隊を見ながら呟いた。「ローエングラム伯があれほど警戒している相手だ。さて、如何するか。」不敵な笑みを浮かべながら第11艦隊に対する戦法を考えていたロイエンタールだったが結局、彼が取った行動は通信で『降伏勧告』を送る事だった。「前方の敵艦隊に『降伏勧告』を行う。」「降伏勧告ですか?・・・敵が、受諾するとは思えませんが。」「当然だな。俺が敵だったとしても受諾しないだろう。」「では、何故?」「いや、特に意味は無いが。しいてあげるとすれば、ペトルーシャ・イーストの顔を見られるかも知れないからだ。」こうして、ロイエンタールはペトルーシャ・イーストの第11艦隊に対して降伏勧告を行った。「前方の敵艦隊より『オスカー・フォン・ロイエンタール中将』の名で、降伏勧告が入っています。」「オスカー・フォン・ロイエンタールだとっ!!」「イースト提督?」「ヤツめ!!死してなお、俺に刃を突き付けるだけでは飽き足らず、こんな所までしゃしゃり出てくるとは!! こう返信してやれ『第3次ティアマト会戦では貴官の罠に陥ったが今回は貴官の番だ。』とな。」「了解しました。」「それから、恒星アムリッツァに核融合弾を投下しろ。」「はっ。」「風任せの人生も悪くは無い。そして、向かい風より追い風が良い。」「ロイエンタール提督。敵艦隊より返信が来ました。」「読んでみろ。」「はっ、『第3次ティアマト会戦では貴官の罠に陥ったが今回は貴官の番だ。』、以上です。」「・・・第3次ティアマト?何の事だ・・・。」予想外の返答を受けたロイエンタールは、その内容に首を傾げていた所にオペレーターより悲鳴に近い報告が挙がってきた。「敵艦隊、急速接近して来ます!!」「何だと!!全艦後退しつつ、敵の攻撃を受け流せ!!」敵からの返答に意識を向けていた事と核融合弾を使った予想外の突撃によりロイエンタール艦隊はペトルーシャに先制攻撃を許してしまった。そして、「あの短時間に、此方の送った降伏勧告すら策に利用してしまうとは・・・ ペトルーシャ・イースト、噂以上のだな・・・。」ロイエンタールはペトルーシャに対する警戒を強めた。 恒星アムリッツァへ核融合弾投下 ↓ 恒星アムリッツァからのお土産(ボットン便所方式) ↓ 恒星風で艦隊の突撃速度アップ(一時的に) ↓ 敵艦隊を急襲ぶっちゃけ、ヤンのパクリ作戦だ。ヤンの艦隊を確認して見ると同じ事をやっている。「ははははっ!!圧倒的ではないか、我が艦隊は。」アムリッツァに投下した核融合弾のお陰で、かつて無い艦隊速度で第11艦隊はロイエンタール艦隊に先制攻撃を加える事が出来た。・・・正直言うと、予想していたより三倍は速い。自分でやって置いて、かなりビビった。「敵艦隊が反撃を開始しました。」「ちっ、全艦隊進撃を止めろ。これ以上前進すると敵中に孤立するぞ。」流石、ロイエンタールだ。もう艦隊を立て直して反撃して来やがった。俺だったら壊走してるぞ。「攻め立てるのは此処までだ。後はいつも通り『山々山々』だ。」「了解しました。」(『山々山々』とはペトルーシャの考案した戦術で防御重視の戦法である。 動かない事山の如し。動かざる事山の如し。不動なる事山の如し。後は野となれ、山となれ。 簡単に言うと『防御を固め、周りの味方に何とかして貰おう。』と云う事である。)臆病?慎重と言ってくれ。人任せ?やりたい奴にやらせるのが一番良いってヤンも言ってただろ?敵の数も圧倒的に多い訳じゃないし、こっちにはヤンにビュコック提督、ウランフ提督、ボロディン提督と優秀な提督が一杯いるしな。何とかしてくれるだろ。 現在の大雑把な艦隊配置(敵は省略) /\ | | /\ /\  ̄ ̄ | | /\ | |  ̄ ̄ | |  ̄ ̄  ̄ ̄ 第11艦隊 第8・第12 第5・第10 第13・第9 連合艦隊 連合艦隊 連合艦隊 △ アッテンあれからしばらく経った。俺の第11艦隊はロイエンタール艦隊と長距離砲での撃ち合いを、慎ましく続けていた。時々、ロイエンタールさんの横の艦隊も長距離砲でちょっかいをかけて来ていたが無視した。甘いな。その程度の挑発で、このペトルーシャ・イーストが動くと思ったのか?今の第11艦隊は山だ。山は動かない。ペトルーシャ・イーストも動かない。俺と第11艦隊を動かしたかったら、熱気バ○ラを呼んで来い。そんな事を考えていると、ついにヤツが現れた。『帝国軍の呼吸する破壊衝動』、『失敗するたびに昇進する奇跡の人』と呼ばれる『フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト』中将の出現だ。 現在の大雑把な艦隊配置(敵は一部省略) /\ | | /\ /\ / ̄│ シュワルツ  ̄ ̄ | | /\ | | \_│ ランツェンレーター  ̄ ̄ | |  ̄ ̄  ̄ ̄ 第11艦隊 第8・第12 第5・第10 第13・第9 連合艦隊 連合艦隊 連合艦隊 △ アッテン・・・・・つづく。皆様、お久しぶりです。豆です。仕事の関係上の資格を取る勉強をしていた為、更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。とり合えず、試験が終わったので投稿を再開いたしました。それから、本編と外伝の並び方ですが本編は本編の時系列で、外伝は外伝の時系列で並べる事にしました。外伝の最終話が、本編の第一話つながる様な形で行きたいと思います。