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No.13222の一覧
[0] 【完結】GONG! ~超銀河英雄大戦【多重クロス】[行](2009/12/04 21:03)
[1] 第1話「さよりなオルタネイティブ」その1[行](2009/10/31 22:00)
[2] 第1話「さよりなオルタネイティブ」その2[行](2009/11/14 20:23)
[3] 第2話「機動戦艦さよりな」その1[行](2009/11/28 22:49)
[4] 第2話「機動戦艦さよりな」その2[行](2009/11/07 19:51)
[5] 第3話「魔法少女パラレルさより」その1[行](2009/11/14 20:18)
[6] 第3話「魔法少女パラレルさより」その2[行](2009/11/14 20:22)
[7] 第3話幕間[行](2009/11/17 21:01)
[8] 第4話「岡島さよりの憂鬱」その1[行](2009/11/22 13:44)
[9] 第4話「岡島さよりの憂鬱」その2[行](2009/11/22 13:52)
[10] 第5話「天元突破岡島さより」その1[行](2009/11/28 15:54)
[11] 第5話「天元突破岡島さより」その2[行](2009/11/28 16:04)
[12] 第6話「遙かなる地球の歌」その1[行](2009/11/29 13:22)
[13] 第6話「遙かなる地球の歌」その2[行](2009/11/30 22:45)
[14] 第6話エピローグ[行](2009/12/04 21:04)
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[13222] 第5話「天元突破岡島さより」その1
Name: 行◆0e973d72 ID:d0f899f5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/28 15:54

第5話「天元突破岡島さより」その1








  2003年10月31日04時12分。アメリカ、ヒューストン。国連航空宇宙軍外宇宙監視局。

「何だ?! 何が起こっている?!」

「あの光の渦は、一体……?」

 監視局職員達は半ばパニックになりながらも、観測を続けている。

 まるで決壊したダムから水が溢れ出すような勢いで、何もない空間から光が涌き出てきている。光の奔流は渦を巻いて太陽系へ、火星軌道へと流れ込んでいる。まるで火星軌道上に突然銀河系が出現したかのようだ。

「空が……明るい。まるで昼間だ」

 無数の光点は地球から見て太陽とは反対側のほぼ全天を覆っている。白が七分に黒が三分どころではない。白が九分九厘である。本来は夜の領域のはずの太陽の反対側は、まるで昼間のように明るかった。

「……国防長官……いや、大統領へのホットラインを。至急連絡だ」

 だが同時刻、アメリカ大統領は国防総省からの緊急報告を受けていた。

「BETAの総攻撃?」

「はい。ヴェルホヤンスク・ハタンガ・アンバール・ブタペスト・ミンスク・ロギニエミ、各ハイブからのBETAの出現を確認しています。総数不明。BETAは各ハイブの観測基地を破壊。その後前線基地へと突撃、現在交戦中です」

「ちょっと待て。観測基地を破壊?」

 各ハイブ近隣に設置された観測基地は、BETAの侵攻ルートからは外れた場所にあり大した武装もしていない。人類を障害物あるいは自然災害としか見なしていないBETAはこの観測基地をわざわざ破壊したりはしなかったのだ――これまでは。

 大統領の訝しげな問いに、国防長官は生真面目に答える。

「はい。BETAは前例のない動きをしているようです。現在情報部が全力で情報収集に当たっています」

「何が起こっている……?」

 その答えを知る者は地球上には誰もいなかった――横浜にいるさより達を除いては。








 日本時間18時12分、次元航行艦「アースラ」。その会議室。

「ニア……さんというのね、彼女は?」

 ユリカがさよりに確認する。混乱状態のさよりは頷くだけで精一杯である。

「そう――ニアさん、あなたが展開していた防壁はどうなったんですか? 破られてしまったの?」

「まだ展開中ですが、敵の目から逃れて時間を稼ぐという役割はもう果たせなくなりました」

「こちらの準備は全て終わっているから時間を稼ぐ意味はもうないけど……まさかこれほどの大群なんて……」

 ユリカはそう呟き、目を伏せる。ニアはそれに構わず、仮面のような感情の判らない顔をさよりへと向けた。さよりは小さく身を震わせる。

「岡島さより、銀河聖杯の起動を。敵を撃滅します」

「ちょっと待って! あなたは一体何?! その姿は、アンチスパイラルのものじゃないの?!」

 さよりは振り絞るようにそう問うた。そんなさよりを純夏が宥めようとする。

「さよりちゃん落ち着いて。敵が、BETAが動き出している、時間がないわ」

「でも!」

 むきになってニアに詰めようとするさよりだが、鉄壁に見えるニアの無表情の中にわずかに哀しげな感情の動きを見出した。それでさよりの頭が冷え、少し冷静になった。

「……ニアさん、最初から説明してもらえませんか? あなたはアンチスパイラルじゃないの? あの敵は宇宙怪獣じゃないの?」

 さよりの真剣な視線を受け、ニアが沈黙する。わずかな逡巡の後、ニアは「判りました」と返答した。「時間がない」と言っていた純夏もそれ以上口を挟まなかった。








「あなた方がBETAと呼ぶ敵。さよりさんが宇宙怪獣と呼ぶ敵。それらは螺旋族殲滅のためにアンチスパイラルが作り出した種族体系です」

 ニアの説明はそんな結論から始まった。螺旋族とアンチスパイラルについてはさよりが補足説明をする。

 螺旋族とは人類のような二重螺旋構造の遺伝子を持つ種族で、螺旋力というエネルギーを持っていること。螺旋族の過剰進化・螺旋力の過剰使用が宇宙を滅ぼすことに気付いたアンチスパイラルが、宇宙を守るために螺旋族を滅ぼすと決めたこと、等。

「あらゆる銀河、あらゆる宇宙に蔓延する螺旋族全てを滅ぼすことはアンチスパイラルにとっても困難なことでした。このため、アンチスパイラルはより効率的な螺旋族殲滅システムを考案し作成したのです。

 そのシステムは生み出された当初は一体だけ・一種類だけで、機能も単純なものしか持っていませんでした。ですが、そのシステムは自己増殖・自己進化機能を有していた。螺旋族のいる惑星に送り込まれ、そこで現地の螺旋族と接触し、その螺旋情報を取り入れて進化を果たし戦力を向上させ、増殖により戦力を増強させる。

 このシステムは敵対する螺旋族がいる限り無限に増殖し、無限に進化する。アンチスパイラルは気付いたのです、このシステムがスパイラル・ネメシスそのものであることに。このためこのシステムに属する種は一旦は全て滅ぼされ、システムのコアは――アンチスパイラルはネメシスと呼んでいましたが――封印されました。

 ですがグレン団との戦いによりアンチスパイラルが倒され、封印が解けてしまった。脱走したネメシスは宇宙の果て、次元の果て、平行世界の果てへと逃亡していきました。ネメシスの目的は螺旋族の殲滅、それは今も変わりません。

 ネメシスは逃亡中のあちこちの宇宙に自分の種子を撒いていきました。それらはそれぞれの宇宙で全く違う進化を遂げ、増殖により獲得した膨大な戦力でそれぞれの宇宙の螺旋族を脅かしています。それらは宇宙ごとに違う名前で呼ばれています……ザナックス、ネウロイ、バーサーカー、レギオン、ヴァジュラ、宇宙怪獣、そしてBETA。

 これらの種の中で最も戦闘力を洗練されたのが宇宙怪獣と呼ばれる種です。ネメシスは直営戦力にこの宇宙怪獣を選びました。そして、自分の手で螺旋族を殲滅しようと動き出している」

 ニアが天井を見上げる。その視線の先には数億の宇宙怪獣の群れが渦を巻いているはずだった。

「あの敵の本隊、あの中心にネメシスは存在しています。

 ――ネメシスの脱走に気付いたアンチスパイラルは最後の力を使って、自立存在でき自律行動できるある仮想生命を生み出した。その仮想生命の役目はネメシスを完全に滅ぼすこと。それがわたしです」

 さよりは躊躇いがちに彼女に訊ねる。

「……じゃあ、あなたはニア・テッペリンじゃないの?」

「確かにわたしはニア・テッペリンと呼ばれた仮想生命を元に、その記録と情報を引き継いで作り出されています。ですがわたしはニアではありません」

「シモンさんには会いたくないの?」

 さよりのその問いに、彼女は誰の目にも見える動揺を示した。その様子に、さよりがようやく安堵の笑みを見せる。

「シモンさんへのその想いを引き継いでいるのなら、あなたはニアさん本人じゃないのかな。あなたがわたしの知ってるニアさんなら、わたしは安心してあなたを仲間として迎えられる」

 そしてさよりは一同を、頼もしい仲間達を見回した。

「ユリカさん、純夏ちゃん、イリヤちゃん、ハルヒちゃん、やろう。召喚を始めよう」

 さよりの念頭にあるのは、グレンラガンでありガンバスターでありバスターマシン7号である。ニアがここにいる以上グレンラガンが実在するのは言うまでもないし、敵が宇宙怪獣ならそれと戦ったガンバスター達を召喚しようとするのも当然である。それだけの戦力があれば宇宙怪獣もネメシスも敵ではない、さよりはそう思っていた。








 地球の衛星軌道。宇宙怪獣の大軍団の先鋒は既にここまで到着していた。宇宙怪獣が兵隊――こちらの世界では艦載機級と呼ばれた小型種を放出、無数の艦載機級が地球に降下する。艦載機級が向かった先は北米大陸、次いで日本である。

 一方横浜基地の沖合、「アースラ」。

 さより達は会議室から移動し、甲板にやってきた。太陽は既に沈み、月の代わりに全天を覆う巨大な星雲が地平線から昇ってきている。銀河のような姿のそれは、宇宙怪獣の大群だった。

「あ、あれが……全部敵?」

 ハルヒがそのまま絶句する。クロノは拳を握り締め、夕呼は乾いた笑いを漏らした。

「ここまで戦力差があるとむしろ清々しいくらいね。悪あがきする気も起こらないわ」

 そんな夕呼に純夏が報告をする。

「これまでにないBETAの大群が人類の生存圏に向かっています。米軍の観測では、地上の全てのハイブから全てのBETAが出撃しているのではないか、ということです」

「空の連中と呼応しているのかしら」

 夕呼の疑問に、「その通りです」と答えたのはニアである。

「BETAと呼ばれる種は、ネメシスが撒いた種子をある珪素系生命体が資源採集用に改造したものです。このため資源採集を口実としつつ螺旋族を殲滅しようとする、奇妙な行動原理を持つようになりました。

 ですが、ネメシスがBETAに対して絶対命令権を有することには変化がありません。ネメシスはBETAに人類殲滅を最優先命令で出したのだと思います」

 それを聞いたさよりは「じゃあ地上の方も何とかしないと」と再度気合いを入れた。

「さよりさん、お願いします。この星を、人類を救ってください」

 霞が精一杯の気持ちを込めてさよりに願う。さよりは「うん、判った」と頷いた。

 「アースラ」甲板。その中央にさよりとイリヤが向かい合って立ち、その周囲にユリカ・純夏・ハルヒが並ぶ。その外側から、霞・夕呼・クロノ・なのは・有希、そしてニアが見守っていた。

「イリヤちゃん、お願い」

「判った――Anfang」

 イリヤの身体から金色に輝く魔力の奔流が溢れ出る。さよりは思わず手で顔を庇おうとした。だがその前にさよりの意識がどこでもない場所へと飛ばされる。さよりの意識が世界を超え、次元を超える。無限に広がる平行世界、無数に連なる宇宙。さよりの意識がそれらの姿を掴んだ。

「――え」

 気が付いたら、さよりは元の場所に戻っていて、目の前にはイリヤがいた。意識を飛ばしていたのは一瞬だけだったらしい。

「銀河聖杯は起動したわ。さよりの意識は今わたし達を通じて、あらゆる宇宙、あらゆる平行世界につながっている。そこから誰を召喚するか、あとはさより次第よ」

 イリヤの言葉にさよりは頷いた。目を瞑り、祈るように手を合わせたさよりはその意識を銀河の果て、平行世界の果てへと延ばした。光速の何千億倍の速度でさよりの意識が星々の海を翔けていく。幾千の平行世界、幾万の銀河、幾億の地球を通り過ぎ、さよりは求め願った世界へと行き着いた。

(グレンラガン……シモン……グレン団……! お願い、わたし達を助けて、この世界を救って……!)

 さよりの意識は確かにその英雄達を捉えていた。








 H11・ブタペストハイブ近く。

 ハイブから溢れたBETAの群れは津波となって大地を覆っている。もし航空機からこの大地を望めるなら、地平線の向こうまで大地を埋め尽くしたBETAが虫のように黒々と蠢いているのが見えるだろう。

 EU軍の戦術機が必死にBETAの群れを押し止めようとしているが、まさしく蟷螂の斧である。全滅は時間の問題だった。

 その時、古参の歩兵の一人が聞き慣れない音を聞いて空を見上げた。巨大な何かが力任せに空気を切り裂き、空を飛ぶ音――光線級の登場以降久しく聞かなかった音である。

「な――」

 空を飛んでいたのは、巨大な昆虫だった。要塞級並みに巨大な昆虫型飛行体が、音速で空を飛んでいる。何千という昆虫の群れはそのままの勢いでBETAの大地の中に突っ込んだ。BETAの群れがその昆虫にたかり、しがみつき、昆虫の巨大な身体を覆い尽くしてしまう。

「BETAに食われている?」

「まさか、BETAの敵なのか……?」

 その淡い期待は最悪の形で裏切られた。昆虫はBETAをしがみつかせたまま、空を飛んでいく。全ての昆虫が同じ方向へと向かっている。その方向の先にあるのは、ウィーン、ブリュッセル、そしてブリテン島。

「……まさか、まさか……BETAを輸送しているのか?!」

 ブリュッセルのEU軍基地が空からBETAの群れに襲われるのは、それから間もなくのことである。








 「アースラ」甲板上。さよりは目を瞑り手を合わせた祈りを捧げるような姿勢のまま身動き一つせず、懸命に召喚を試みている。

 周囲のユリカや純夏達は腑を焼かれているような焦燥を抱きながらも、さよりを見守ることしかできなかった。

(西暦2048年の地球、バスターマシン1号、2号、タカヤ・ノリコ……)

 さよりの意識がその世界の「星々の記憶」にアクセス、そこに刻まれた彼女達の勇姿を目の当たりにする。

(お願い……! 来て、この世界を救って……!)

 さよりの呼びかけは間違いなく彼女達に届いていた。








 北米大陸、ニューヨーク。

 衛星軌道より飛来した艦載機級の群れはニューヨークを空襲した。長距離攻撃の手段を持たない艦載機級は、節足を振り回してビルを破壊し、体当たりで林立する摩天楼を突き崩した。

「くそおっ! こいつら! こいつらぁ!」

 出撃した戦術機が迎撃。慣れない対空迎撃に戸惑いながらも、その戦術機は艦載機級の一匹を突撃砲で穴だらけにする。失速した艦載機級はビルの一つに激突し、ビルごと爆発四散した。

「ちくしょう……! 俺達の街を……」

 その衛士は次の目標に狙いを定める。だが、彼は上空から降ってきたビルの残骸に戦術機ごと潰されて果てた。

 ニューヨークを救援するため、アメリカ大西洋艦隊がノーフォークを出撃する。だがその艦隊に艦載機級の群れが襲いかかる。両者はノーフォークの沖合で戦端を開いた。

 戦艦マサチューセッツの主砲が火を噴き、空中で炸裂。数十の艦載機級がその一撃で粉微塵となり、乗組員は歓声を上げた。だがそれが悲鳴に変わるのに、それほど長い時間を要しなかった。

 マサチューセッツの対空砲火をかいくぐり、艦載機級がその横腹に体当たりする。たった一匹の、ただの一撃。それだけで、マサチューセッツは戦闘不能となった。マサチューセッツの横腹には巨大な穴が空き、艦体はくの字に曲がっている。海水が艦内に流れ込み、あっという間に傾斜。マサチューセッツはそのまま横倒しになって、沈没した。

 大西洋艦隊の艦艇50余隻がマサチューセッツと同じ運命をたどるのに要した時間は1時間足らず。全滅までに大西洋艦隊は千近くの艦載機級を撃破した。だがその数は北米大陸に飛来した艦載機級の十分の一にも満たなかった。









(バスターマシン7号、ノノ……お願い、来て……! 来て……!)

 さよりはイリヤを通じてその世界の「星々の記憶」にアクセスしている。さよりは確かに彼女の存在を把握している。彼女には確かにさよりの声が届いている。届いているはずなのに、

「……ど、どうして……」

 上空から爆音が響き、さよりが思わず上を振り仰ぐ。そこにいたのは艦載機級の大群である。

「エイミィ! 機銃に自動迎撃させろ!」

「岡島! 早くしなさい! ここで死にたいの?!」

 クロノが艦の防御を命じ、夕呼がさよりを叱責する。さらに純夏とユリカが、

「帝都にも、ニューヨークにも艦載機級の大群が、それにブリュッセルのEU軍もBETAの奇襲を受けてる」

「敵の本隊は地球からもう1000万キロまで接近しているわ。前衛は既に月軌道に到着しているのよ」

 さらにはハルヒと霞までがさよりを責めた。

「何やってるのよさより!」

「さよりさん……」

 さよりは我慢できなくなったように、助けを求めるように叫んだ。

「やってる! ずっと呼びかけてる! 声は確かに届いている! でも、来てくれない!」

 さよりの頬は汗とも涙ともつかないもので濡れていてた。

「イリヤちゃん、どうして?! 間違いなく聞こえている、届いているはずなのに……!」

 さよりの八つ当たりじみた詰問に、イリヤは肩をすくめる。

「召喚される側にも意志や想いがある。それに反することを求めた場合、召喚は失敗するでしょうね」

 例えば、祖国を救うために戦い、その功績で英雄となった人物や軍団を、当の祖国を滅ぼすために召喚しようとしても失敗するだろう。「星々の記憶」に刻まれているのは英雄当人の意志や想いだけではない。その英雄に向けられた人々の想いや憧憬、英雄に託された理想や希望がともに刻まれているのだ。銀河聖杯が召喚するのは意志のない人形などではなく、人々が夢見た英雄そのものなのだから。

「わたしが悪いって言うの?!」

「さよりちゃん、落ち着いて。もう一度最初から」

 憤るさよりをユリカが宥め、召喚をやり直させようとする。さよりは憤怒や焦燥で腑がよじれそうになっているが、それでもユリカの言葉に従って再度召喚を試みた。

「とにかく片っ端から呼び出してみなさいよ!」

 というハルヒの助言に従い、さよりは召喚対象を大幅に拡大する。

(ガンダム、マクロス、イデオン、ヤマト、ゲッターロボ、マジンガー、エヴァンゲリオン、ガオガイガー、エルドランシリーズ、アクエリオン、銀英伝……)

 思いつく限り全ての作品について実在の有無を確認し、実在であればひたすら呼びかけを行う。最早宇宙怪獣に対抗できるかどうかなど関係なかった。

(もう何でもいい。誰でもいい。一人でもいい。だから、わたし達を――わたしを助けて……!)

 さよりの意識は数多の勇者、無数の英雄の姿を捉えていた。さよりの声は確かに彼等に届いていた。だが、その呼びかけに応える者がただの一人もいない。

 その時、艦載機級の攻撃を受けて「アースラ」が大きく揺れる。さよりの身体は甲板の上に投げ出された。さよりはかろうじて上半身を起こす。

「どうして……どうして誰も来てくれないの……?」

 だが、さよりにはもう立ち上がる力は残っていなかった。両手と尻を甲板につき、子供のように涙を流す。その姿は、一同に作戦の失敗と自分達の敗北を認識させた。








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