<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.12397の一覧
[0] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(ハーレムを作ろう続き)[shin](2009/11/07 17:44)
[1] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(始まりは突然に)[shin](2009/10/04 01:49)
[2] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(誰が悪いのか)[shin](2009/11/07 17:56)
[3] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(リハーサルは華麗に)[shin](2009/11/07 17:56)
[4] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(新たな仲間)[shin](2009/10/10 00:31)
[5] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(東方辺境領)[shin](2009/10/14 01:19)
[6] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(鉱山開発)[shin](2009/10/17 10:07)
[7] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(ボーデ商会)[shin](2009/11/07 17:58)
[8] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(お披露目)[shin](2009/11/07 17:59)
[9] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(賢人会議)[shin](2009/11/07 17:42)
[10] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(街道整備)[shin](2009/11/04 23:35)
[11] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(賢人会議Ⅱ)[shin](2009/11/07 17:41)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[12397] 伯爵令嬢ゼルマ・ローゼンハイム(賢人会議Ⅱ)
Name: shin◆d2482f46 ID:993668df 前を表示する
Date: 2009/11/07 17:41
「それで、次は何だ?」
帝政ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世が、声に苛立ちを込めて言う。

三ヶ月に一度の賢人会議が、大広間で開催されていた。

今回の賢人会議はいやに機嫌の良さそうなブッフバルト公のお陰で、皇帝の機嫌は更に悪化していた。
他の選帝侯達は一々皇帝の言う事に余計な一言を挟むブッフバルト公に、うんざりとしだしていた。


「ああそうそう、我輩からは、後一件ありましたな」
ブッフバルト公が嫌味たっぷりに、全員を見回しながらそう言う。

「うん? 何だ?」
皇帝も予定に含まれていないブッフバルト公の言い分に、怪訝そうな顔を向ける。


「実は、陛下が推し進められている街道整備の件で、重大な事実が発覚致しましたのでご報告させて頂きたく存じます」
馬鹿丁寧なブッフバルト公の言い方に、皇帝も少し困惑の表情を浮かべるが、先を促す。


「今回の街道整備に於いては、諸選帝侯のみならず皇帝陛下からも出資を仰ぎ、工事を進めて参りました」
今更何を言うのかと言う顔つきを全員が浮かべる。

「不肖、ブッフバルトも本整備に関しては、全体統括の任をお受けし、この身を投げ出し努力して参りました」
更に、そこまでやってないだろうと言う突っ込みが入りそうな言い回しに、更に全員のテンションが下がる。

「しかしながら、これに対して悲しいかな、重大な疑惑が発生致しました事を、ここにご報告させて頂く所存です」
そう言いながら、ブッフバルト公は後席に控えるキルンベルガー東方辺境伯を睨みつける。

ざわざわと、諸選帝侯の間からざわめきが広がる。
どうやら、ブッフバルト公は誰かを告発するようである。

「本告発に先立ち、証人としてアルベルト伯爵を召喚する許可を頂きたい。
 彼は、我輩の下で、本街道整備の会計監査を担当していたものであり、外に控えさせております」
皇帝は、うんざりとした表情を隠そうともしないまま、軽く手で指し示す。

扉が開き、アルベルト伯爵が後ろに女性を引き連れて入って来た。
一瞬、ブッフバルト公が眉を顰める。

どうして、ローゼンハイム伯の養女が一緒に入ってきたのか、ブッフバルトは怪訝に思うのだった。
まあ多分、アルベルトが告発を補完する為に連れてきたのだろうと自らを納得させる。

それよりも、今は東方辺境伯を叩き潰すのが先だ。
ブッフバルト公は、更に街道整備に掛かった費用について話し始める。

長々とした言い回しに、全員がうんざりとしながら、話を聞いている。
そんな事には一切躊躇しないブッフバルトは、いよいよ佳境に入ったかのように、再び辺りを睥睨した。

「ところが、何と実際に掛かった費用は全体の二割にも満たなかったのです」
ざわめきが、会議場全体に広がる。

それはそうであろう。
必要な金額として集めておきながら、実際には二割しか掛からなければ、ほぼ詐欺に近い。

ブッフバルト公は満足そうに会議室全体をゆっくりと見回し、皇帝の所まで視線を向ける。
うん?

ここに来て初めて、ブッフバルト公は違和感を感じた。
皇帝が、動揺していない。

チリチリと背筋が警告を発し出している。
だが、今更止める訳にも行かない。

「アルベルト、全員に資料を配りなさい」
ブッフバルト公の言葉に、アルベルト伯が手にした資料を全員に配り始める。

「それでは資料に関して、現場にて監査を実施したアルベルト伯から―」
「まて!」

資料を見ていた皇帝より、声が掛かる。

「何でしょうか、陛下」
「どうして、違う資料が二つ配られているのか?」

「資料が二つ?」
ブッフバルト公は、そう言われ手元の資料を見る。

自分の手元には、先日確認した資料が一部だけ置かれていた。
怪訝に思い、周りの席を見回すと、確かに資料を二つ見ている。

「失礼」
そう言いながらブッフバルト公は、隣に座っているオッフェンバッハ侯の資料を手に取った。

確かに、二部置かれていた。
一つは、自分が持っている資料と同じものだ。

もう一つは表紙は一緒だが、中が違うようだった。
パラパラと捲りながら見て行くと、ブッフバルト公の顔色が見る見る赤くなる。

それは、ブッフバルト公が改竄した部分を態々朱を入れて示した資料だったのだ。

「これは、どう言う事かな、アルトシュタイン侯」
皇帝が、目を細めブッフバルト公を見つめる。


「こ、これは…」
ブッフバルト公は、一瞬言葉に詰まる。

先ほどまではキルンベルガー東方辺境伯を陥れようとしていた筈が、今は自分自身が陥れられようとしていた。
パクパクと口を動かすが、言葉がまるで出てこない。




「陛下…僭越ながら、ご説明させて頂ければ幸いです」
甲高い女性の声が大広間に響く。

全員の目が声を出した女性の方を見る。
そこには、頭を下げた令嬢が佇んでいた。


「貴女は、確かローゼンハイム嬢ではないか?」
皇帝が、彼女を見てその名前を呼んだ。

「ありがとうございます、陛下に覚えて頂けて光栄です」
少しだけ顔を上げた彼女は、再び深々と頭を下げるのだった。

「それで、貴女が説明出来ると言うのだな」
「はい、陛下、なぜなら今回のブッフバルト公の一件は、私どもが仕込んだ事ですから」

ゼルマは、そう言って艶然と微笑むのだった。







ゼルマはゆっくりと、そして良く通る声で、説明を始めた。
今回の街道整備の費用に関しては、元々陛下の許可を取り、全体の三割を銀鉱山開発に充当する予定で合った事。
これに関しては、ブッフバルト公には秘密にしていた事。

また街道整備そのものも、画期的な工法を使い、工費を当初見積もりの五分の一以下に納めた事。
この結果投資費用に関しては、ほぼ半分にて工事を完了させる目処が立っている事。
そして、何よりこれらの事を陛下はご存知で、ブッフバルト公が知らなかったと言う事を。


「これらの状況にて、私どもは、ブッフバルト公がどのように動くかずっと見まもっておりました」
ゼルマはそう言いながら、後は何も言わず頭を下げる。

全員が、納得していた。
ブッフバルト公が長々と述べた事が、自分勝手でいい加減であった事を。

しかも、公が責任をキルンベルガー東方辺境伯に被せるようにして、投資金額の一部を着服しようとしたのだと言う事を。





「わ、罠だ! こ、これは、この女は、我輩を落とし入れようとしているのだ!」
ブッフバルトが、堪らずに叫びだす。




「罠ですと! どこの誰がそんな事をおっしゃるんですか!」




ゼルマが再び顔を上げ、ブッフバルト公を睨みつけて大きな声で叫ぶ。

「ランマース商会を使い穀物の値段を吊り上げ利益を得ようとした、アルトシュタット侯ブッフバルト公爵がそのような事をおっしゃるのですか!」

「ローゼンベルガー侯爵の跡継ぎがほぼ決まっていた養父ホルスト・グラーフ・フォン・ローゼンハイムを東方辺境領に追いやり、自らの縁者を無理矢理侯爵の跡継ぎに仕立て上げたブッフバルト公爵がそれをおっしゃるのですか!」
ゼルマは、更に憎しみを込めてブッフバルトを睨みつける。

そして、徐に右手で公爵を指差し、最後の言葉を吐き出す。

「そして何よりも我が実父、ラインハルト・グラーフ・フォン・ベークニッツ・ヴェスターテに罪をなすりつけ、離宮新築の費用を横領した人物がそれをおっしゃるのですか!」





最後は、絶叫に近かった。
ゼルマの美しい顔が、歪み瞳から涙が零れ落ちる。

シーンと静まり返った大広間の中で、ゼルマが取り出したハンカチで涙を拭き取るかすかな音だけが響く。



「陛下、このような席で興奮致しまして、誠に申し訳ございません」
そう言って、再びゼルマは頭を下げる。

「しかしながら、今私が言いました内容に関しては、証明できる資料証人も用意しております。
 また、これ以外での罪状に関しては、更に告発を望む元貴族が二十人以上いる事も事実として申し上げさせて頂きます」
そう言って、ゼルマは他の選帝侯方を見回す。


「このような席で、陛下並びに選帝侯の皆様方を煩わせたことを深くお詫び申し上げます。
 ただ、我が父、養父共々を貶めた方が選帝侯である以上、尋常の手段では告発が握りつぶされる事をお含み頂ければ幸いです」
そう言いながら、再び深くお辞儀をする。


「最後に陛下、私ゼルマ・グラーフィン・フォン・カーリッシュ・ローゼンハイムは、屋敷にて今後の沙汰をお待ち申し上げます。
 皆様方、本当にお騒がせして、申し訳ございませんでした」
そう言いながら頭を下げたゼルマは、誰にも止められないまま大広間を後にするのだった。






気丈に扉を閉めたゼルマは、その場で倒れそうになる。

「ゼルマ、良くやった!」
しかしながらそこに駆けつけたアルバートに支えられ、大広間から離れ廊下を足早に歩み去る。

そして誰もいない事を確認した二人は、その場から屋敷に転送するのだった。







烈火の如く怒り散らした令嬢が、大広間から出て行ったのを全員が呆気にとられるように見つめていた。
かくも女性を怒らすと怖いと言うのが、大方の反応だったのだろう。

それでもハッと気が付いたように、皇帝が警備のロイヤルガードを呼び寄せる。
「身体検査をして、拘束しておけ」

ブッフバルトは、ロイヤルガードに両側から挟まれるようにして、大広間から連れ出されて行くのだった。




「さて、落とし所はどこだ?」
皇帝は、改めて残った諸侯に問い掛ける。

「最低限は、地位の回復ですか」
ニーダザクセン候ホルシュタイン公爵が、言葉を返す。

ブッフバルトがいない以上、残った諸侯の中で発言権が一番強いのはホルシュタイン公になるのは間違いない。


「そうすると、アルブレヒト、ローゼンハイムの爵位は何になるのだ?」
「はあ、元々はローゼンベルガー侯爵の一族に連なるもので、継承権は第一位だった筈です」
皇帝も毒気に当てられたように、東方辺境伯を名前で呼び捨てにしていた。

それに対して、注意を促す事も無く、キルンベルガー辺境伯は言葉を返す。


「すると、現在のローゼンベルガー侯爵には早々に引退してもらい、ローゼンハイムに爵位を譲って頂くのが妥当かと」
いつの間にか、皇帝の側に来ていた、侍従長がそう告げる。

「ローゼンハイム嬢はどうだ、確かヴェスターテ伯爵だったかな」
「確かに、ローゼンハイム嬢は、ヴェスターテ伯爵家を再興するのが妥当ですが、現在その領土は…」


侍従長はそう言いながら、目の前でなるべく目立たないように身体を隠そうと四苦八苦しているアルベルト伯を見つめる。
「ああ、そうか、忘れてた」


ここに来て、哀れアルベルト伯は、初めてロイヤルガードに引き連れられて行くのだった。




「アルベルトを廃嫡して、ヴェスターテ家の再興か」
「しかし陛下、それでは最低限の状況を戻しただけです。
 両名の汚名の返上、数十年間の屈辱は、ブッフバルト公に補って貰う必要はあるのではないでしょうか」
ホルシュタイン公にそう言われ、皇帝も考え込む。

ニーダザクセン候が、アルバートに言われた事を考えている等、皇帝には想像も出来ない事だった。
もう一押しで、新たな帆船模型が二つになる。

そう現状復帰で帆船模型一つそして見返りが手に入ればもう一隻で、ホルシュタイン公は、アルバートと合意に達していたのだ。
元々ホルシュタイン公にすれば、自分の腹は痛まない上、上手くすれば目障りなブッフバルトを亡き者に出来る絶好の機会なのだ。

それだけに、二人に対する援護の手も気合が入ろうものだった。


「確か、アルベルト子爵は、離宮新築費用の横領摘発にて伯爵家を立てたと聞いております。
 それならば、同様に爵位は上がるべきものではないでしょうか」
ホルシュタイン公の言葉に、皇帝は考え込む。


選帝侯を廃嫡に出来るならば、今後の自らの権力はかなり強固になる。
その機会が今目の前にあるような気もするが、残りの選帝侯全員に反対されればそれは泡と消えてしまう。

それだけに、自ら言い出す事は難しい。

ホルシュタイン公は選帝侯としての立場があり言い出す訳は無かった。。
自ら皇帝に廃嫡の権利を与えるような物言いは、後々自分の立場を弱くするのだ。

帆船模型は手に入れたいが、ここでそれをホルシュタイン公自身が言うのは躊躇われるのだ。


暫く沈黙が大広間を支配する。
他の選帝侯達も、下手な事は言えないと黙っている。

よし、三台で交渉しよう。
「陛下、ブッフバルト公は廃嫡する必要があるのではないでしょうか。
 幾ら先代陛下からの忠臣とは言え、今回明らかになった罪状からは庇い立ては難しいかと」
ホルシュタイン公の言葉が、そんな帆船模型の為に為された等とは誰も想像が付く筈も無かった。


「ただ、選帝侯を減らす訳には参りませんな、いっそ、ローゼンハイムを侯爵から、アルトシュタットを任せてみては」
それは、オッフェンバッハ侯の言葉だった。

今まではブッフバルト公に追従するしか出来ない人物であったが、その人物が失脚した以上新たな立場を探す必要があるのは間違い無かった。
それ故、新しいアトルシュタット侯にブッフバルトの一族のものが成り、その人物と新しい関係を模索するよりはローゼンハイムを選んだのだった。


「よし、それで行こう。
 ローゼンハイム伯爵は、正当な跡継ぎとして侯爵位を継いでから、改めてアルトシュタット侯として選帝侯に任命する。
 そして、ローゼンハイム嬢は、ヴェスターテ家を再興後、改めてローゼンハイム侯爵の後を継いで貰おう」

一気に結論を述べ、皇帝アルブレヒト三世は、諸侯を見渡す。
反対意見が一切出ない事に、アルブレヒト三世は、密かに安堵するのだった。

少なくとも今回は、ゲルマニアでは選帝侯に対する罷免権を皇帝が持つ事が明らかになったのである。



そう、ゼルマ・グラーフィン・フォン・ベークニッツ・ヴェスターテが、この後ローゼンハイム女侯爵と呼ばれるようになる事が確定した事も。
ホルスト・グラーフ・フォン・カーリッシュ・ローゼンハイムが、ホルスト・ヘルツォーク・フォン・アルトシュタット・ローゼンハイムとなる事が確定した事も。

全てが皇帝にすれば、些細なことでしか過ぎない。
あくまでも、自らの権力基盤の強化に繋がるだけのほんの小さな変更でしか過ぎなかった。







但し、それを聞かされた本人達にすれば、大変な事であるのは、言うまでも無い。


今更選帝侯となり、公爵と呼ばれるのを嫌がるローゼンハイム公。

そして、ご主人さまのメイドを続けると言い張るゼルマ・ローゼンハイム女侯爵。





しかも、ゼルマはまだ理解していなかった。

そうブッフバルト公に対する復讐だけしか見ていない彼女は、自分がローゼンハイム公の養女であるという現実を。


ローゼンハイム公が新たな世継ぎを作らない限り、ゼルマには将来選帝侯と言う職が降ってくるのだ。
















旧ローゼンハイム伯爵の館は、現在ローゼンハイム女侯爵となってしまったゼルマが住んでいる。
結局養父であるローゼンハイムは、キルンベルガー東方辺境伯、ホルシュタイン公等に説得され、アルトシュタット侯ローゼンハイム公爵としてこの家を出て行った。

ゼルマも当然養父に一緒に来るように言われたが、それは何とか断り、それでも女侯爵と言う立場は逃げる事は出来なかった。
ローゼンハイム公爵には早く跡継ぎを作るようにせっついているが、今の所はまだそんな気配も無いのが唯一の気がかりだった。


そんなゼルマは、早朝から自分のベッドで目を覚ます。
昨日はローゼンハイム公爵に呼ばれ、舞踏会に出席せざるを得なかった。

「よし!」
ゼルマは、元気にベッドから飛び出す。
ベッドルームにある特製のクローゼットを開き、着替えを取り出す。

このクローゼットだけは、使用人には一切触らせないゼルマの大切なクローゼットである。
ゼルマは、スカートの下に履く、パニエと言う下着を取り出し、身に着けてゆく。

その上から、ワインレッドのワンピースを身に着ける。
レースのフリルを履き口にあしらったソックスを履き、白いエプロンを羽織る。

そして、髪留めとしてのカチューシャを付ければ準備は完了である。
ゼルマは術式を展開し、ゲートを構築する。

そのままゲートを抜ければ、お屋敷の自分の部屋。
「おはよう!」

「ああ、ゼルマ、朝から元気だよね~」
同室のアンジェリカが、まだ寝むたそうに、つぶやく。

それでも、起きて来てたのは立派だと思う。


「それじゃ、今日は私の番だから」
「ハイハイ、頑張って~」

部屋を出て、廊下を歩いて行く。
颯爽と胸を張り、目指すは反対側の建物。

目的のドアの前に辿り着き、服装に異常が無いか確認して、扉を叩く。
「おはようございます、ご主人さま」

そう、ゼルマ・ヘルツォーク・フォン・アルトシュタット・ローゼンハイムは今日も元気にメイドの仕事に励むのであった。


(おわり)

---------------------------------あとがき------------------------
ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
一応、ゼルマ復讐編はこれにて終了させて頂きます。

後は、外伝形式で幾つか掲載させて頂く予定です。
色々切り捨てたネタがあるので、何とか書ければと思っております。

今後も宜しくお願いいたします。


前を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.021212100982666