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No.12354の一覧
[0] ゼンドリック漂流記【DDO(D&Dエベロン)二次小説、チートあり】[逃げ男](2024/02/10 20:44)
[1] 1-1.コルソス村へようこそ![逃げ男](2010/01/31 15:29)
[2] 1-2.森のエルフ[逃げ男](2009/11/22 08:34)
[3] 1-3.夜の訪問者[逃げ男](2009/10/20 18:46)
[4] 1-4.戦いの後始末[逃げ男](2009/10/20 19:00)
[5] 1-5.村の掃除[逃げ男](2009/10/22 06:12)
[6] 1-6.ザ・ベトレイヤー(前編)[逃げ男](2009/12/01 15:51)
[7] 1-7.ザ・ベトレイヤー(後編)[逃げ男](2009/10/23 17:34)
[8] 1-8.村の外へ[逃げ男](2009/10/22 06:14)
[9] 1-9.ネクロマンサー・ドゥーム[逃げ男](2009/10/22 06:14)
[10] 1-10.サクリファイス[逃げ男](2009/10/12 10:13)
[11] 1-11.リデンプション[逃げ男](2009/10/16 18:43)
[12] 1-12.決戦前[逃げ男](2009/10/22 06:15)
[13] 1-13.ミザリー・ピーク[逃げ男](2013/02/26 20:18)
[14] 1-14.コルソスの雪解け[逃げ男](2009/11/22 08:35)
[16] 幕間1.ソウジャーン号[逃げ男](2009/12/06 21:40)
[17] 2-1.ストームリーチ[逃げ男](2015/02/04 22:19)
[18] 2-2.ボードリー・カータモン[逃げ男](2012/10/15 19:45)
[19] 2-3.コボルド・アソールト[逃げ男](2011/03/13 19:41)
[20] 2-4.キャプティヴ[逃げ男](2011/01/08 00:30)
[21] 2-5.インターミッション1[逃げ男](2010/12/27 21:52)
[22] 2-6.インターミッション2[逃げ男](2009/12/16 18:53)
[23] 2-7.イントロダクション[逃げ男](2010/01/31 22:05)
[24] 2-8.スチームトンネル[逃げ男](2011/02/13 14:00)
[25] 2-9.シール・オヴ・シャン・ト・コー [逃げ男](2012/01/05 23:14)
[26] 2-10.マイ・ホーム[逃げ男](2010/02/22 18:46)
[27] 3-1.塔の街:シャーン1[逃げ男](2010/06/06 14:16)
[28] 3-2.塔の街:シャーン2[逃げ男](2010/06/06 14:16)
[29] 3-3.塔の街:シャーン3[逃げ男](2012/09/16 22:15)
[30] 3-4.塔の街:シャーン4[逃げ男](2010/06/07 19:29)
[31] 3-5.塔の街:シャーン5[逃げ男](2010/07/24 10:57)
[32] 3-6.塔の街:シャーン6[逃げ男](2010/07/24 10:58)
[33] 3-7.塔の街:シャーン7[逃げ男](2011/02/13 14:01)
[34] 幕間2.ウェアハウス・ディストリクト[逃げ男](2012/11/27 17:20)
[35] 4-1.セルリアン・ヒル(前編)[逃げ男](2010/12/26 01:09)
[36] 4-2.セルリアン・ヒル(後編)[逃げ男](2011/02/13 14:08)
[37] 4-3.アーバン・ライフ1[逃げ男](2011/01/04 16:43)
[38] 4-4.アーバン・ライフ2[逃げ男](2012/11/27 17:30)
[39] 4-5.アーバン・ライフ3[逃げ男](2011/02/22 20:45)
[40] 4-6.アーバン・ライフ4[逃げ男](2011/02/01 21:15)
[41] 4-7.アーバン・ライフ5[逃げ男](2011/03/13 19:43)
[42] 4-8.アーバン・ライフ6[逃げ男](2011/03/29 22:22)
[43] 4-9.アーバン・ライフ7[逃げ男](2015/02/04 22:18)
[44] 幕間3.バウンティ・ハンター[逃げ男](2013/08/05 20:24)
[45] 5-1.ジョラスコ・レストホールド[逃げ男](2011/09/04 19:33)
[46] 5-2.ジャングル[逃げ男](2011/09/11 21:18)
[47] 5-3.レッドウィロー・ルーイン1[逃げ男](2011/09/25 19:26)
[48] 5-4.レッドウィロー・ルーイン2[逃げ男](2011/10/01 23:07)
[49] 5-5.レッドウィロー・ルーイン3[逃げ男](2011/10/07 21:42)
[50] 5-6.ストームクリーヴ・アウトポスト1[逃げ男](2011/12/24 23:16)
[51] 5-7.ストームクリーヴ・アウトポスト2[逃げ男](2012/01/16 22:12)
[52] 5-8.ストームクリーヴ・アウトポスト3[逃げ男](2012/03/06 19:52)
[53] 5-9.ストームクリーヴ・アウトポスト4[逃げ男](2012/01/30 23:40)
[54] 5-10.ストームクリーヴ・アウトポスト5[逃げ男](2012/02/19 19:08)
[55] 5-11.ストームクリーヴ・アウトポスト6[逃げ男](2012/04/09 19:50)
[56] 5-12.ストームクリーヴ・アウトポスト7[逃げ男](2012/04/11 22:46)
[57] 幕間4.エルフの血脈1[逃げ男](2013/01/08 19:23)
[58] 幕間4.エルフの血脈2[逃げ男](2013/01/08 19:24)
[59] 幕間4.エルフの血脈3[逃げ男](2013/01/08 19:26)
[60] 幕間5.ボーイズ・ウィル・ビー[逃げ男](2013/01/08 19:28)
[61] 6-1.パイレーツ[逃げ男](2013/01/08 19:29)
[62] 6-2.スマグラー・ウェアハウス[逃げ男](2013/01/06 21:10)
[63] 6-3.ハイディング・イン・ザ・プレイン・サイト[逃げ男](2013/02/17 09:20)
[64] 6-4.タイタン・アウェイク[逃げ男](2013/02/27 06:18)
[65] 6-5.ディプロマシー[逃げ男](2013/02/27 06:17)
[66] 6-6.シックス・テンタクルズ[逃げ男](2013/02/27 06:44)
[67] 6-7.ディフェンシブ・ファイティング[逃げ男](2013/05/17 22:15)
[68] 6-8.ブリング・ミー・ザ・ヘッド・オヴ・ゴーラ・ファン![逃げ男](2013/07/16 22:29)
[69] 6-9.トワイライト・フォージ[逃げ男](2013/08/05 20:24)
[70] 6-10.ナイトメア(前編)[逃げ男](2013/08/04 06:03)
[71] 6-11.ナイトメア(後編)[逃げ男](2013/08/19 23:02)
[72] 幕間6.トライアンファント[逃げ男](2020/12/30 21:30)
[73] 7-1. オールド・アーカイブ[逃げ男](2015/01/03 17:13)
[74] 7-2. デレーラ・グレイブヤード[逃げ男](2015/01/25 18:43)
[75] 7-3. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 1st Night[逃げ男](2021/01/01 01:09)
[76] 7-4. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 2nd Day[逃げ男](2021/01/01 01:09)
[77] 7-5. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 3rd Night[逃げ男](2021/01/01 01:10)
[78] 7-6. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 4th Night[逃げ男](2021/01/01 01:11)
[79] 7-7. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 5th Night[逃げ男](2022/12/31 22:52)
[80] 7-8. ドルラー ザ・レルム・オヴ・デス 6th Night[逃げ男](2024/02/10 20:49)
[81] キャラクターシート[逃げ男](2014/06/27 21:23)
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[12354] 6-2.スマグラー・ウェアハウス
Name: 逃げ男◆b08ee441 ID:38d1799c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/01/06 21:10
"シーウィッチ号"とその僚船はラースの渡してくれた海図を元に遠回りの航路をとったことが幸いしたのか、災難に見舞われることもなく無事にストームリーチへと到着した。数日を海上で余計に過ごすことになったものの、今回の航海で大きな収益を上げたリフリーの機嫌はその程度で下降するものではない。仕事が欲しくなったならいつでも声を掛けてくれという上機嫌な船長に丁重に別れを告げ、一ヶ月ぶりに自宅へと到着した俺は久しぶりの帰宅を皆から歓待された。旅の話を肴に皆で夕食を取り、さらにデザートを平らげた後にようやく冒険譚は海賊ルーグの根城へと差し掛かった。そこに潜んでいたペットのヒュドラを火攻めで倒す頃には随分と夜も遅くなり、子供たちはそろそろ普段は寝付いている時間にまでなっていた。見慣れたサンダー海ではあるが、その先に待っていた物語は彼等の興味を随分と引いたようだ。区切りのついたところで解散とし、ようやく俺は自室へと戻ることとなった。

部屋のテーブルの上には留守中の間に届いたいくつかの封書が置かれている。数名の知り合いからの手紙以外にも夜会等への招待状、新聞社からの取材の依頼、カルノが集めた情報を書き連ねた紙の束……そういった全てに目を通し、返事を書いたりそのままレターケースに仕舞いこんだりとしているうちに一通の封筒が目に留まる。それ自体は決して派手な外見ではなく質素な白い外見であるが、封蝋に刻まれた印章には見覚えがある。俺がこの街に初めて訪れたその日、手にした短剣の剣首に刻まれていたものだ。

俺が知るその短剣の持ち主はただ一人──ロード・ジェラルド・グッドブレード。あの胡散臭い詐欺師のような男はしばらくこの街から離れていたのか、俺が海賊退治に出かける頃にはいつもその姿を見ていた『きまぐれ海老亭』でも姿を見せていなかったのだ。良くも悪くも有名であるこの男の失踪に、世間では「ついに雇い主の逆鱗に触れて僻地へ飛ばされた」だとか、「家業を継いで海に出たところでディヴァウラーに貪り食われた」だの様々な噂が流れていたものだ。

そんな話題の男からの封書である。念のため秘術などの反応がないことを確認した後、俺はその封書を開封した。特に何かが起こるわけでもなく出てきた便箋には達筆な字体での署名に始まり、迂遠な物言いを重ねながらも面会を求める文章が綴られていた。便箋に書かれた署名の日付はそう古いものではなく、この封筒が俺の部屋に届けられてからまだそう長い時間が経過していないことを教えている。俺は同居人たちに少し外出すると用向きを告げ、雨の降る夜のストームリーチへと踏み出すのだった。








ゼンドリック漂流記

6-2.スマグラー・ウェアハウス








『きまぐれ海老亭』は、深夜だというのにも関わらず相変わらずの盛況ぶりだった。人の入れ替わりの激しい港湾地区の酒場にあって、連日火を絶やすことなく営業を続けるこの店はまさに不夜城と言えるだろう。よく目立つ看板の下にある両開きのウエスタン・ドアを押し開き、カウンターまでたどり着くとすっかり顔馴染みとなったバーテンが声を掛けてきた。


「いらっしゃい、トーリの旦那。少し日に焼けましたかね? また一曲聴かせてくれるなら飲み食いの金額はサービスさせてもらいますよ」


ハーフリングの主人はそう気さくに話しかけながらもよく冷えたエールのジョッキを俺の前に置いた。俺はチップを含めた代金を代わりにテーブルに乗せてジョッキを受け取ると、一口呷ってから用件を告げた。


「生憎今日のところは演奏家は休業でね、しばらく顔を見せなかった間の話は今度来た時にでもさせてもらうとするよ。

 アイデアを纏めるのにゆっくりと静かなところで酒を楽しませてもらおうと思うんだが、どうかな?」


そういって外套の内側から取り出した封筒の印章を見せる。馴染みの店主はそれで俺の言いたいことを察してくれたようだ。彼はやや残念そうな顔を浮かべつつも、話を合わせてくれた。


「それなら仕方ないね、良い物語が生まれるには熟成が必要だってことくらい俺たちだって判ってるさ。

 とっておきのテーブルに案内するから、いい話が思いついたらまずはここで披露してくれよ。

 常連の連中の中には結構アンタのファンが多いんだ。最近顔を見せなかったものだから次はいつだと問い合わせが来るくらいにはね。

 ああディドリー、こっちの旦那を案内しておくれ!」


店主であるアラキア・ゴードンがそう声をかけると、近くで周囲のテーブルに目を配っていたウェイトレスの一人を呼び寄せた。彼女はハーフリングらしくすばしっこい動きでカウンターそばまでやってくると、一言二言上司と言葉を交わした後に俺の手を引っ張りだした。


「初めまして、旦那様。お席までご案内いたしますね」


ハーフリングは名前の通り成人でも背丈は人間の半分ほどと小さく、その掌も小さい。だがその分機敏さと手先の器用さは大したものであり、この小さな手からは様々な料理や工芸品が作られているのだ。勿論、戦場においても決して侮ることは出来ない戦闘力を発揮することもある。俺たち人間が大型の獣などを相手に勝利をおさめるのと同様に、この種族をその体格から侮った者たちは然るべき報いを受けることになる。

とはいえ彼女はそのいずれも得手としているわけでもないらしく、重心の定まらない動きでこちらを先導していく。はしっこく人の流れを見極めながらするするとテーブルの間を抜けていくのはどちらかといえば彼女が観察眼に優れているからなのだろう。こういった飲食店におけるウェイトレスの給与体系は基本給が少なく、チップで稼ぐ必要があると聞いたことがある。受け持ちのテーブルから注文がでそうな雰囲気を見逃さないために観察眼が鍛えられているのだろう。

そうやって案内されたのは他の客とは切り離された酒場の一区画だった。そこの壁だけが数メートル四方の広さで凹んでおり、衝立で広間から区切られたそのスペースにはテーブルといくつかの椅子が並べられている。ゲームでも酒場を隅から隅まで回っていれば、こういったスペースで密談のような会話が行われていたものだ。自分がそれを利用することになったことを感慨深く思いながら奥の椅子に腰掛けた。案内してくれたハーフリングのウェイトレスの小さな掌にこの場所の利用料を含めた多目のチップを握らせて飲み物を注文すると、彼女は飛び跳ねるような勢いで衝立の向こうへと消えていき、一息もつかないうちに新たなグラスを持って現れた。俺の待ち人が現れたのは、その一杯をちょうど片付けたころのことだ。


「お待たせしたようだね。お詫びに次の一杯は私のとっておきを出させてもらうよ。サイアリの15年物だ。

 あの国には腕の良いワイナリーも多かったのだが、もはや彼らの酒精がコンテストで表彰されることはないという事が残念でならないよ」


そう言って壮年の域に差し掛かった男が俺の正面へと腰を下ろした。ロード・ジェラルド・グッドブレード。失踪の噂を払拭するには十分と言える程、彼本人はいたって健康な様子だ。まだ長い休みを貰ってバカンスを楽しんでいたというほうが信憑性を感じられるほどだ。


「しばらくぶりだな、ジェラルド。

 てっきりカルナスあたりの針葉樹林で木の本数を数える仕事にでも左遷されたんじゃないかと心配していたんだ」


実はゲームのアップデートの間には、彼が姿を消した時期をそう表現しているものもあった。俺がそれを思い出しながらも声をかけると、彼はいつもどおりの大仰なアクションで肩をすくめるとやれやれと首を振った。


「それは勘弁してもらいたいな。私は生まれも育ちもこの街だからな、あんな北の果ての寒い国になどに行ったら芯まで凍りついてしまうよ!

 それより君も暫くこの街を離れていたみたいじゃないか。私の不躾な招待にこんなにも早く応じてくれてくれるとは思ってもいなかったよ。

 では我等の変わらぬ友誼に乾杯といこうじゃないか」


運ばれてきたワインをグラスに注ぎ、持ちあげて軽く合わせると硬質な音が響いた。口に含むと濃厚な味わいが舌を包んでいく。さらに予めジェラルドが注文していたのだろう料理を先ほどのウェイトレスがテーブルまで運んで来た。時間はそろそろ夜更けと言っていい時間で、既にお互い夕食を済ませているであろうことからその量は随分と控えめだ。ジェラルド推薦のワインをその運ばれたチーズと合わせて楽しむこと暫くの間、他愛もない雑談を続けた後にようやく彼は本題を切り出した。


「さて、わざわざトーリにここまで来てもらった件なんだが……勿論君は私達が初めて会った時のことは覚えているだろう?」


彼の問いに俺は静かに頷きを返す。この体になってからというもの、記憶力も抜群に向上している。元の世界で一度見ただけにすぎない情報などもが鮮明に思い出すことが出来るというこの便利な力は、俺がブレスレットを通じてキャラクターを成長させる上で欠かせないものだ。特技や呪文、あるいは技能の使い方、クリーチャーの一般的なデータ。この世界で俺だけが持つ、異質の情報を汲み取る力だ。それだけでなく、物覚えの良さというものは生活全般に渡って有用だ。俺のその反応を見て満足そうに頷くと、ジェラルドはグラスを置いて話を続けた。


「君にはボードリー・カータモンの悩みを解決するのに協力してもらった。

 あの時はハザディルというバグベアの密輸商人がボードリーの倉庫に目をつけていたんだが、君の助力を得てその企みを頓挫させることが出来た。

 おかげで彼はコインロードの信頼を失うことなく真面目に商いに精を出していた──つい先日までは」


そこまで話してジェラルドはこちらの反応を窺うように言葉を止めた。口ぶりから言うと再びボードリーに絡んだ難事が発生したということなのだろう。それは俺にとっても心当たりのあることだ。俗に"ボードリー三連クエスト"と呼ばれる事件にはアップデートによって続きが追加されたのだ。中レベル帯に位置するそれは、レイドクエストに繋がる重要なものとして記憶している。


「最近この街を騒がしている海賊騒ぎは君もよく知っているようだが、それに絡んだ内容だ。

 ボードリーは熱心なソヴリン・ホストの信仰者で、稼ぎの1割を常に寄付する篤志な男なのだがどうやらそれがディヴァウラーに嫌われたようでね。

 ここ暫く、彼の倉庫から出た荷物を載せた船はその全てがシャーンに届く前に悪神に招かれて海底に沈んでいるんだ。

 おかげで最近ボードリーはこの酒場でも顔を真っ青にして、程度の低い酒を呷っては酔いつぶれている始末だ。

 幸いこれまでの堅実な商売が実を結んでいるためにすぐに破産とはいかないようだが、それも明晩遠からずといったところだろうな」


ジェラルドはそこまで話すと首を横に振ってやれやれとでも言いたげにしながらグラスを口に運んだ。俺が不在にしている間にカルノが集めていた情報には確かにそういった内容も含まれていたが、彼の話はそれを裏付けるものだった。そしてその話しぶりからして不運という言葉で片付けられるものではない、この事件についてさらに深い事情をこの男が握っていることを予想させるものでもある。


「さらに間が悪いことに奴のビジネス上のパートナーと思わしき連中がここ2、3週間の間に、何年も滞納していた税金を完済している。

 そのうえ大規模な買い付けを行なって積荷を満載した船でシャーンとの交易を悠々と行い、莫大な利益をあげている。

 こういった流れの中にある悪の作為を放置する訳にはいかない──そういったわけで、何人かの捜査官がこの港を隅から隅まで走り回った。

 その結果として、裏で手を引いている悪辣なバグベアの密輸商人を姿が浮かび上がってきたというわけだ」


バグベアの密輸商人、ハザディル。それがこのクエスト「ハイディング・イン・ザ・プレイン・サイト」で相対することになる相手だ。このストームリーチで阿漕な商売をやっている組織の長だけあり、本人も強力な戦闘能力を有していた。また部下の質や量も生半可なものではなく、高難易度では無造作に突っ込んでいった前衛が瞬く間に死体になることもザラだったほどだ。レベル12が上限だったころの、数少ないレベル10クエスト。多くのプレイヤーがクエスト入り口にある罠で即死した経験もあるであろう、印象に残るクエストだ。


「そこまで解っているならあとはそいつを排除して"めでたしめでたし"ってやつじゃないのか。

 わざわざ俺を呼び出して世間話に聞かせるような内容じゃないと思うんだがね」


だがこの世界には冒険者や腕利きは俺の仲間だけではない。権力者はその権勢を維持するために強力な手駒を抱えているものだ。コインロードの面子にも関わるようなこの事件であれば、そういった切り札達が送り込まれそうなものではある。単騎での戦闘力はエレミア達に勝らずとも、その数と連携は十分に脅威としてこの街に存在していることを俺は把握している。


「このハザディルは厄介なやつでね。なかなか本人の尻尾を掴ませないんだ。

 長い間、このストームリーチを荒らしてきた癌のようなやつだけあっていろんな所に隠れ家や秘密基地を持っている。

 前回よそ者の犯罪組織がこの街に進出を図った際に、コインロードたちはこの街に巣食うチンピラどもを根こそぎ退治する計画を立てた。

 だがその中でも奴だけが我々の手をすり抜けていった。

 そして奴は我々をあざ笑うように、空白地帯となったこの街の裏側で勢力を伸ばしている。その手法は大胆で、強引なものだ。

 ならず者のグループに部下のオーガを送り込み、力で従わせてライバルたちを襲わせるのが常套手段だが、どんどん派手になってきている」


つまり、ハザディルの居場所を掴めないために始末しきれていないということか。確かにゲームでのハザディルの能力を考えれば高位の術者であることが推定できる。ならば占術に対する対策は十分だろうし、地道な尾行や調査を行うにはこのストームリーチの地下は環境として厳しすぎる。それらが相まって簡単に決着がつく話ではないということか。

そしてさらにジェラルドの語った手口には身に覚えがある。俺が先日始末したルーグ海賊団もそうだし、カルノがラピスやフィアと一緒に関わった倉庫での一件もコボルドの"ボーンバイト族"をよそ者のオーガが従えていたという話だったはずだ。既存の集団に荒くれ者を送り込んで支配し、自分の手駒として活用する──そんな存在がいるとなれば面倒な話だ。さらに潰しても潰しても次が現れるとなると、厄介なことこの上ない。


「随分と厄介な話だな。そもそもが昨日今日どころか随分前からこじらしている問題みたいじゃないか。

 ハザディルっていうのは一体何者なんだ?」


情報から察するに、相当以前からハザディルはこの街の裏側で暗躍していたようだ。ボードリーが狙われたのはおそらくは港湾地区を支配するストーム・ロード、グレイデン家と強い繋がりがあるためだろうし、今回の動きは明確にストーム・ロードに敵対する意志を表明したと見ていいだろう。ただの密輸商人とは思えない。そんな俺の疑問に対して、ジェラルドが答えてくれた。


「ハザディルの一味は、元はこの地に集っていた海賊たちの一派だ。

 ストームリーチがガリファー王国に開拓される以前、この地で強い勢力を有していた4つの海賊団は現在のストーム・ロードとして君臨している。

 だが、勿論他にも多くの海賊たちがこの地には存在していた。

 そういった連中の中でも4つの海賊団のいずれかに属することを良しとせず、地下に潜った連中を纏めあげたのがあのバグベアというわけだ。

 特にガリファーから派遣されてきた5人目の領主、港湾地区を支配しているグレイデン家は連中にとっては自分たちの地位を掠めとった盗人に見えるのだろう。

 以前からその手口の多くがハーバー・ロードを狙い撃ちにするものだったのは、そういった恨みのためだと私は踏んでいる。

 ひょっとしたらグレイデン家に取って代わるつもりなのかもしれないし、全てのストーム・ロードを敵に回すつもりなのかもしれない。

 そうやって疑心を煽ることで自分たちに優位な状況を作り出し、実際に既に何人かのロードと密約を交わしているのかもしれない。

 いずれにせよ我々としてはこれ以上放置するわけにはいかないのだが、ロードたちは自縄自縛で動くことが出来ない、というわけだ」


ジェラルドがその大げさな身振りを混ぜながら状況を丁寧に説明してくれた。やはり単なる密輸商人では無かったというわけだ。そしておそらくロードたちがお互いの紛争の中で失ってしまった、あるいは元より知られていないこの地に関する情報をハザディルは有しており、その地の利を活かして活動しているのだろう。そしてロードは疑心から自分の手駒を動かすことは出来ず、そのために根無し草である俺たち冒険者にお鉢が回ってきたというわけだ。冒険者とはいえ、ある程度の実力を認められた者たちは大抵が組織をパトロンとするために紐付きとなってしまう。半年という短期間でその実力を一気に伸ばしたエレミア達は、能力に比してそれほど名が売れていない。最近まで意識的に俺がそうなることを避けていたためでもあるが、フリーの冒険者としては破格の実力であることは間違いない。


「ハザディルが権勢を振るうようになれば私は勿論、君も良い暮らしは期待できないだろう。

 以前のことで奴は得意先である翠玉爪騎士団との取引を中止せざるを得なくなったと聞いている。

 執念深いバグベアはそのことをきっと忘れていないだろう」


ジェラルドに念を押されるまでもなく、これは放置しては置けない問題だ。ボードリーの倉庫に絡んだ一件で俺がハザディルに与えた損害は少なからぬものだろうと予想できるし、ルーとフィアにとっては故郷を滅ぼした仇敵である。ジェラルドとしてはそういった因縁浅からぬ仲である俺のチームを、ハザディルとの戦いに引きこもうということなのだろう。


「いいぜ。そのうち手を付けなきゃいけない問題だと思っていたところだ。話を続けてくれ」


元より友好的な関係を築きようもない相手だ。ジェラルドから話が出なくとも、遅くとも半年のうちには決着を付ける気でいたところである。貰える情報はもらっておいた方がいい。


「先ほどはボードリーの荷物を積んだ船が"全て"沈められているといったが、それは間違いじゃない。

 名義が違う別の船主や、果てはリランダー氏族の精霊捕縛船までがその被害に遭ってサンダー海の藻屑と化している。そこに例外はないんだ。

 ボードリー本人はスパイを疑っているようだが、それはこの際大した問題じゃない。

 リランダー氏族の船をも沈めうる海戦能力。このサンダー海の治安を揺るがす一大事だよ」


ジェラルドはグラスを置くとテーブルに肘をつき、手を組んでその向こう側から俺に真剣な視線を飛ばしながら自分の推論を語った。確かにその考えは俺の知識とも合致するものだ。だが解せない点がある。


「確かにリランダーの船を沈められるってことは、この海のどんな船でも同じ目に遭う危険性があるってことだ。

 でもなんでそんな力を持っている連中がボードリーに拘っているんだ?

 その気になれば自分たちの意に沿わない船全てを沈めて海の王様を気取ればいいだろうに」


それにボードリー本人を拐かすなり暗殺するなり、迂遠な手段を取らずとも相手を失脚させる手段はいくらでも考えつく。それに積荷を奪わずに船ごと沈めるのであれば、いっそ倉庫に火を放っても同じ結果ではないだろうか。わざわざ海の上でその船を破壊している意図が掴めない。


「おそらくは、奴はこの街に不和の種をばら撒くためにボードリーを生贄に選んだんだろう。

 積荷を奪うのではなく船を沈め、ストーム・ロード達を挑発しながらもお互いを警戒させている。

 このままいけばボードリーを始めとして港湾地区に倉庫を持つ商人たちの顔ぶれは半数以上が入れ替わる。

 グレイデンの影響力は下がり、街にはロード達を侮る空気が蔓延するかもしれない。

 ボードリーの首を真綿で締めるようにゆっくりといたぶることで、奴は自分の力を街中に示しているというわけだ。

 勿論以前に取引を台無しにされたことに対する意趣返しでもあるのだろうがね」


ジェラルドの推察に俺は成程と頷いた。既に十分に金と暴力を有しているハザディルにとっては、ボードリーを精神的に追い詰めることは目的ではなく手段でしかないというわけだ。ストーム・ロード達は強力な戦力をそれぞれが有しているが、お互いの不和から全力を発揮することは出来ない状況だ。ジェラルドの推理が正しいのであれば、ハザディルは随分と狡知に長けた人物ということになる。そしてそういった社会戦を含めた戦いは俺としては苦手なところでもある。


「で、俺は何をすればいいんだ? 今度はボードリーの船で張り込みをすればいいのか?」


勿論、ジェラルドも俺に社会戦を期待しているわけではないだろう。彼が冒険者に求めるのは直接的な戦闘力だ。最初に俺が彼から受けた依頼もボードリーの倉庫に入り込もうとする侵入者の撃退だった。ボードリーの部下であるタンバーが罠を仕掛けている間、人間では通り抜けられないような小さな隙間から侵入してくるコボルドをひたすら迎え撃ったのはもう随分昔のことのように思える。


「このストームリーチは危険な街だ。相手の動きを待つような消極的な動きでは敵に飲み込まれてしまうだろう」


そして俺の言葉に対し、ジェラルドはニヤリと笑みを口に浮かべてあの時と同じ言葉を返した。ただ違うのは、そこから先に続けられる俺の役割だ。


「前回は君が囮でタンバーが本命だった、だが今回はその逆になる──君には、ハザディルの首を取ってもらいたい」


薄暗い店内で、ジェラルドの瞳が鋭く細められた。周囲の体感温度が何度か下がったかのように感じられるのは彼の威圧感が俺に汗をかかせたということか、それともグッドブレードのそのフィクサーとしての一面が俺に錯覚を抱かせたのか。いずれにせよ、彼が強い決意で今回の仕事に臨んでいることが窺える。それだけの大勝負だということだ。


「この街の地下水路を徹底的に洗い直した結果、不自然な区画をいくつか発見した。

 ストームリーチが成立する以前、100年以上昔の古地図にも載っていないものだ。

 だが我々人間より以前、この地に栄えていたスリクリーンの文明時代の記述ではそこに港があると記されている。

 占術による探査も及ばない、この大陸におけるトラベラー神の気紛れが生み出した地下の秘密港。おそらくは奴はそこにいる」


巨人族の文明が衰退して以降、この地にはいくつかの文明が勃興したと言われている。今は街の郊外に居住しているルシェームと呼ばれるジャイアントの一派がまずこの地を訪れ、彼らが去った数千年後にはシー・デヴィルを奉じるサフアグンが海と陸の境界を曖昧にし、どこからか現れたストーン・ジャイアントの一団が彼らを追い払うまでの間繁栄を続け、その後に現れたのがスリクリーン──二足歩行する蟷螂人だ。そのマンティスフォーク達は1万年近くこの地で栄えていたと言われているが、今は地上のどこにもその姿を見せない。唯一いくつか彼らの文明の痕跡が残されており、歴史学者はそういった発掘物などから彼らの謎を追う研究を続けている。

コーヴェアの文明人たちがこの地に訪れたのは、スリクリーン達が消えて6百年以上経過してからと言われている。様々な文明が積み重なったこの街は深く潜るにつれ異なった様相を呈するが、時折地殻変動などの影響で別の文明同士が繋がり交じり合ってしまった区画などがある。この地はまさに遺跡の表層に人間が間借りしているだけの土地であり、薄皮一枚めくればそこは未知の文明が眠っているのだ。そういった秘匿された区画を密輸商人──いや、海賊時代のハザディルが発見し、今まで誰にも知られずに活用してきたのだろう。


「そんなことが解っているならもっと早くに手を打てたんじゃないのか?」


俺の疑問はもっともなものだろう。だがそれに対するジェラルドの答えは簡潔だった。


「これが判ったのはつい数日前のことだ。ここからは随分と離れた、ヒュドラ河を遡った先にある遺跡がスリクリーンのものだと鑑定された。

 そこはどうやらこの土地の同族たちと交流があったようでね、その記述の中に知られざる地下港についての情報があったというわけだ。

 当時、荒れていて航海に適していなかった海上を捨てて彼等は海中を進む船を創りだしてこの地の同胞と交流を行なっていたようだ。

 ハザディルがどうやってその事を知ったのかは解らない。

 だがこの海域でストーム・ロード達に知られずに船舶を運用する手段は他にはないはずだ。

 たとえ逃げられたとしても、密輸商人として活動できなくなれば奴の資金源を一気に断つことになる。

 そうなれば奴はもう再起不能だ。大陸の奥地に逃げ延びようとも、二度とこの街に手出しは出来なくなるはずだ」


どうやらその場で殺害することができなくとも、この街からハザディルを排除することが出来ればそれで許容するということではあるらしい。それはある意味当然の事だ。それは高レベルキャラを生け捕りにする事は至難の業であり、ジェラルドもそれを十分に理解しているからだろう。数秒を与えれば瞬間移動の呪文ではるか遠くに離脱されてしまし、例えその場所が転移無効化空間──"フェアズレス"だとしても土地勘がある者であればその正確な範囲を把握しているはずだ。そこから一歩でも出れば転移可能なため、逃さないためには初手で決定的な一撃を打ち込む必要があるのだ。そしてそれも当然相手のレベルが上がれば上がるほど困難になる。


「成る程。殺すか、お宝を持って逃げるだけの時間を与えずに追い立てろってことか。

 だがそれだけ派手に動いている相手なんだ、部下の頭数も質も相当なもんじゃないのか?」


衆寡敵せず、とは言うもののやはりある程度以上の質があれば数は脅威足りえる。完全に無効化することの出来ないタイプの呪文、《ホリッド・ウェルティング》などを数多く同時に撃ち込まれれば削り殺されかねないということは嵐薙砦で経験済みだ。これは極端な例ではあるが、ゲーム的には同レベルの敵2体は2レベル上の脅威と等しいと考えられる。4体で4レベル上、8体で6レベル上……となるが、それは単なる能力の高低以外に手数の差が戦力差となることを示しているのだ。圧倒的な能力差というのは確かに存在する。だが、それを覆す物量というものもまた同時に存在するのだ。定命の存在である限り、その限界を超えることは難しい。


「勿論、出来るだけ手薄になるように手を打つつもりだ。

 君の了解を得られれば、ボードリーは二日後に手持ちの金で行える最後の仕入れを行い、船を出す予定になっている。

 そして今回は航路を二手に分ける──コルソスを経由するルートと、"シャーゴンズ・ティース"を抜けるルートだ。

 傍目には賭けに見えるだろう。だがああいった連中は何よりも体面を気にするものだ。

 ここまで封殺してきたボードリーが息を吹き返すのを見過ごすわけもないし、双方の船を沈めるための追手を出すはずだ。

 君の一行にはその隙をついて奴の拠点に向かい、ハザディルを倒すか、それが無理だった場合は二度と使いものにならない様に港を破壊してもらう。

 ハザディルが追手の船に乗り込んでいたとしても、帰る港を失ってしまえば翼をもがれた鳥同然だ」


そのジェラルドの言葉を受けて俺は少し考える。ゲームで戦った時の敵の総数は100体ほどだっただろうか。一般的な帆船の場合、運行させるだけに必要な乗組員の最低人数は20名ほどであり、余裕を持たせるために何人かは多く乗ることを考えても、2つのルートをハザディルが追えば50名ほどの人員が必要となる。上手く行けば敵の戦力を半減させることが出来るというわけだ。

敵の殲滅は十分可能だろう。だが問題はハザディルを処理することが出来るかどうかだ。その可否に大きく影響を与えるのが奇襲の成否と敵味方の手数の差だが、ジェラルドの策が成功すれば厄介な呪文使い達はある程度船舶の管理に駆り出されるであろうことが予想できるため難易度は下がる。もし逃げられたとしても、その拠点を粉砕してしまえば成果としてはそれで十分だというのであればこれは俺にとっても好機だろう。

何よりこのまま放置しておけばボードリーやタンバーは路頭に迷うどころか首を吊ることになりかねない。ジェラルドには家を探す際に案内人を紹介してもらい、ボードリーにはその後、家を建てる際に権利関係で奔走してもらったりもした。もし他の冒険者がこの依頼を受けて失敗しようものなら、長い間後悔することになるだろう。そんな後味の悪い可能性を受け入れたくはない。


「仕事の内容は解った。早速準備に取り掛かろう。

 ──決行までの段取りと、詳しい情報についてもう少々話を詰めようじゃないか」


首肯するジェラルドを確認し、俺は席に深く腰掛けなおした。ルーとフィアの故郷を滅ぼしたハザディル。予定よりは早いが、ついにその組織とぶつかる時が来たのだ。本来のクエストの導入と異なるこの流れは、今までの経験からいって相当な難易度の高さが想定される。だがこの機を逃した場合、この街自体が全く俺の知らない勢力図に書き換えられてしまう可能性もある。

俺一人であれば迷っただろう。だが今の俺には十分に頼りになる多くの仲間がいる。皆がどこか突出した能力で俺を上回る、他に望むべくもないメンバーだ。彼らと一緒にいるのであれば、切り開けない困難は無いはずだ。そしてその能力を最大限に発揮できるように指揮することも俺の役割なのだ。

そのためにも事前の情報収集は欠かせない。ジェラルドとの対話が終わった後も、俺は自分に尽くせる手を尽くして万全を期すための努力を続けるのだった。


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