「なんで龍の角が一本増えとんのや! どないなっとんねん!」
「強化っちゅーのは、強うなった分だけ見た目も変化させなあかん! それが強化の作法っちゅーもんや!」
「ええから元に戻しぃ!」
「嫌や! どうしてもっちゅーなら、牙の数を倍にさせてもらうで!」
一刀(通訳)を交えた霞と真桜の議論は、全く終わる気配を見せない。
彼女達が言い争っているのは、強化された霞の武器『真・飛龍偃月刀』の外見についてである。
柄に象られた龍の角が増えようが牙が増えようが、どうでもいいじゃないか。
今までの一刀であれば、きっとそのように思ったであろう。
しかし今の彼には、彼女達の拘りがとても良く理解出来る。
(なんでこんな姿になっちゃったんだ、俺の竿……)
まるで『ひのきのぼう』と見紛うくらいシンプルだった『太公望の竿』。
ゲットした当初はショボい見た目にがっかりした一刀だったが、使い込んでいるうちにそのすっきりとしたフォルムがすっかり気に入っていた。
その『太公望の竿』が、すっかりゴテゴテに飾り付けられて返って来たのである。
握りの部分には、霞の偃月刀のような龍。
21節に分かれた竿の部分には、陰陽っぽい符印。
その先端部には、如何にもありがちな宝玉。
(キツい……。高校生にもなって、これはキツい……)
性能とは関係なくても譲れないものってあるよなぁ、とますますヒートアップしていく彼女達を生温かい目で見守る一刀。
もっとも霞が納得していないのはあくまで見た目の問題だけであり、恐らく彼女の武器はかなり性能を上げているのであろう。
真桜の腕が確かなのは、渡された『太公望の竿』からも判断出来る。
「ただ封印されていた風の力を解放しただけ」とは真桜の弁であるが、こんなことが出来るのは彼女をおいて他にない。
いや、最早これは『太公望の竿』とは呼べまい。
なぜなら今までアイテム扱いで装備不可能だった竿が、武器として装備出来るようになっているからだ。
一刀のステータス欄に表示された『打神鞭』と名を変えた武器は、驚くべきことに一刀の攻撃力を60もアップさせていたのである。
自身のパラメータを確認して、見た目はともかくその高性能さに満足していた一刀だったが、ふと疑問が浮かんだ。
それは武器スキルについてである。
一刀が今まで検証してきたデータ上、スキル上限値自体が低かったであろう低LV時を除くと、使い慣れたダガーやボウガン以外の武器を装備した場合には攻撃力が大幅に低下していた。
ところが、この鞭の場合にはそれがないのである。
不思議に思う一刀だったが、よくよく考えてみれば心当たりは1つしかない。
そう、確かに一刀は鞭を装備して戦ったことこそないが、『太公望の竿』自体は数ヶ月使い込んでいたのだ。
恐らくその行為が、システム上で勝手に一刀のスキルをアップさせていたのであろう。
普通の釣り竿を使用しても鞭スキルが上がるとは思えないが、竿だと思って使っていた物の本来の姿が鞭だったのだから理屈上は合っている。
残念ならが、必殺技までは覚えていなかった一刀。
要因として考えられるのは2つ。
まず、釣りだけではスキルの成長率が悪かったということ。
つまり攻撃力低下しない程度ではあるが、必殺技を覚えるまでは武器スキルが育っていない可能性である。
そして、短剣に比べて鞭の必殺技を覚えるためのスキルポイントが高いということ。
短剣を使用していた一刀よりも、鈍器を使用していた季衣達の方が必殺技を覚えるのが遅かった例もあり、こちらの可能性も高い。
その季衣達は必殺技を訓練によって覚えていたことから、実戦でのスキル上げでないと覚えられないということはないであろう。
自分のステータスを見ながら、そんな考察をしていた一刀。
パラメータを追っていた彼の目は、その下に見慣れない加護スキルがあることを発見した。
【封神】:HPが1割以下になった相手の加護神を封じる。
『打神鞭』を外すと【封神】も消えることから、どうやらこれは特定武器装備時に使用可能なスキルのようである。
【封神】の説明文を見て、一刀は溜め息を吐いた。
(なんという誰得スキル。【魚釣り】とかも大概だったけど、これはない……)
どう考えても使う場面が思いつかない加護スキルに気落ちしつつ、一刀は未だに終わらない霞と真桜の話し合いの通訳をするのであった。
「予定より大分時間を使っちゃったし、今日はこのままここで休みましょう」
詠の提案は妥当なものであろう。
武器強化に2時間の予定だったのが一刀の性で4時間も掛かってしまい、更に霞と真桜の言い争いである。
祭壇からここまでの道のりで10時間近く消費していたため、パーティメンバーの疲労は限界であったし、これまでの待ち時間で既に月や音々音は熟睡していた。
カニやエビが食べたかったのか、恋はそれでも海岸に行きたそうであったのだが、美以に温かい食事を持って来て貰うことで妥協してくれた。
「それにしても、まさかここが安全地帯だとは思わなかったわ。華雄も見張りはいいから、もう休みなさいよ」
「いや、まだ完全にモンスターが来ないと決まった訳ではないからな」
「なんの変哲もない部屋に見えるし華雄がそう考えるのも無理ないけど、もう5時間近く敵が来ないんだから大丈夫よ」
「今凪達に聞いたけど、この部屋に敵が来たことはないってさ」
年単位でこの部屋にいると思われる凪達の意見ならば間違いない。
恐らくそう考えたのであろう、華雄は一刀の言葉でようやくお休みモードに入った。
それを見て、もっと早く聞けば良かったと反省する一刀に詠が声を掛けた。
「ねぇ。元ギルド長の美羽って、今アンタの宿屋にいるわよね。あの子だったら、ここにテレポーターを作るのも可能なんじゃない?」
「あー、確かに。敵が来ないなら守りも必要ないしな」
「後は出来れば各海岸とかにも。まぁあそこは厳密に考えると迷宮外だから、作れるかどうかわからないけどね」
「賛成なのー! そしたら人が一杯来るから、沙和達も寂しくなくなるのー!」
「拠点が出来れば、『天使印』もゲットしやすうなるしなぁ」
「それに隊長も、こ、ここに来て、自分達と……あぅ」
「うひひ、なんや凪、隊長にどうして欲しいんや?」
「凪ちゃん、エロなのー!」
「ば、馬鹿、そういう意味じゃない!」
詠と一刀の話を聞いて、非常に盛り上がっている3人娘
そんな3人、特に再び顔を火照らせている凪のエロス心に水を差すのは勿体ないが、ぬか喜びさせるよりはと一刀は口を挟んだ
「念のため言っておくけど、美羽のテレポーターは設置出来ない場所もあるんだ。ここに作れるかどうかは、やってみないとわからないぞ?」
「えー、そないなこと今更言うなんて、殺生やでー」
「そんなの酷いのー! 太祖神に訴えるのー! 謝罪と賠償を要求するニダー!」
「……まったきゅ、真桜も沙和も。仕方ないだりょ、隊長だって意地悪してるわけじゃにゃいんだから。で、隊長。今まではどういう場所がダメじゃったんでござるか?」
不貞腐れる真桜と怒る沙和を宥めて、一刀に問いかける凪。
本人は平然を装っているつもりだが言葉の端々から動揺が窺える辺り、一刀の言葉に一番ショックを受けているのは彼女なのかもしれない。
一刀の知る限り、美羽が今までに設置出来なかった場所は迷宮外と祭壇だけである。
仮に祭壇の部屋にテレポーターが作れたら、加護が受け放題になってシステム上破綻するため、制限が掛かっているのは当然であろう。
そしてそれを踏まえて考えると、一見ここは大丈夫なように思える。
だが問題は、ここがゲーム上で言うショップ扱いなのではないかということだ。
プログラム上、場所の空枠をショップという存在が埋めている状態で更にテレポーターという存在を埋め込めるのかどうか。
そこに一刀は確信が持てなかったのである。
ちなみに詠が心配していたテレポーターの海岸への設置については、一刀は大丈夫なんじゃないかと思っている。
なぜなら、美以には首輪を辿って海岸にテレポートした実績があるからだ。
尤も、美以のテレポート範囲が迷宮外に及ぶかどうかがわからないので、それも不確かではある。
どちらにせよ、実際に試してみるのが一番確実なことは間違いない。
「というか、美羽が協力してくれるかどうかってのが一番大きな問題なんだよなぁ」
「アンタ自身にはともかく、冒険者ギルドには恨みを持ってそうだものね、あの子」
「そうなんだよ。テレポーターが出来て誰が得するかっていうと、やっぱりギルドだもんなぁ」
漢帝国の皇帝が雪蓮達の新ギルド結成を認めたのは、迷宮からの更なる成果物に対する期待である。
仮に皇帝の望む不老不死関連のアイテムが出て来なかったとしても、これまでにない物が出れば雪蓮達への評価も上がるだろう。
それに冒険者達が深い階層に行きやすくなれば、それだけ価値のあるアイテムの売買が為されるということであり、それだけでギルドは潤うのだ。
「乗っ取られた側が乗っ取った側に協力……なんて、してくれないでしょうね」
「だよなぁ。あ、いや、もちろん精一杯頼んでみるって。だから、そんな目で見ないでくれよ。俺だって会いたいのは同じなんだからさ」
とりあえず帰ったら蜂蜜をたくさん用意して、美羽の機嫌を取ろうと考える一刀なのであった。
翌朝になってBF21への出立準備を整える一刀。
装備した服は、沙和が手ずから強化してくれた一品である。
大極道衣・改:防御力33、HP+15、STR+1、DEX+3、VIT+3、AGI+1、INT+1、MND+1、CHR+1
「やっぱり余った分だけだと、あんまり強化出来なかったのー。隊長、ごめんなのー」
「これで、あんまりなのか……」
もし沙和が満足する程のエネルギーを使えたなら、一体どれだけの強化がされたのであろう。
空恐ろしいものを感じながら、一刀は武器を身に付けて荷物を背負った。
『打神鞭』はその荷物の中だ。
つまり彼は、アサシンダガーをそのまま装備していたのである。
これは、とても常識的な判断であると言えよう。
いくら一刀がゲームを操作している感覚で武器を操れるとは言っても、いきなり強敵戦で使用出来るものではない。
いくら『ケルナ屍食鬼』をやり込んでいても、初見の『イーアル少林寺』ではチューブくらいしか倒せないのである。
しかも『打神鞭』は、21節の湾曲率や伸びを左手で龍頭を操作することにより変化させなから戦うのが真骨頂なのだ。
慣れ親しんだFCのコントローラーからPSPに持ち替えたような状態では、如何に一刀でもガチャプレイしか出来ない。
そしてこれは格ゲーなどではなく命の掛かったリアルファイトなのだから、まず練習してからと彼が考えたのは当然のことである。
そうこうしているうちに、詠が昨日購入した『増力香』『増防香』『増知香』『増速香』を使用した。
1個30串の能力ブースト系アイテムを惜しげもなく使うあたり、さすがは一流の迷宮探索者である。
RPGゲームでは、こういった消耗品アイテムはケチってしまう場合が多い一刀。
今回は他クランのための『帰還香』3個(詠からロストした分の補填あり)しか得ることが出来なかった。
だがもし彼に選択権があったなら、恐らく『増EXP香』や『増ドロップ香』を選んでいたであろう。
どちらが間違っているとわけでもないが、これだけは言える。
「必ずみんなの命を持ち帰る」という詠の意志は、香の選択を通してパーティメンバー全員に、確実に伝わっていたのであった。
NAME:キメラ
NAME:ゴーレム
NAME:バジリスク
NAME:ケルベロス
これらがBF21で新たに出て来たモンスターである。
そして今までの階層とは決定的に違うことがあった。
BF20までのモンスターが減っていないことだ。
つまり、このBF21では全8種のモンスターが徘徊しているのである。
「違うわ、正確には9種類。『天使印』を落としたモンスターが見当たらないのよ」
「それって、どんなモンスターだったんだ?」
現在の一刀達は、小部屋で休憩中だった。
メタリックな空飛ぶ合成獣キメラと、このフロアからはガーゴイルまでもが魔術を詠唱し。
無機質な物体で出来た巨人ゴーレムと、あからさまに力強くなったオーガが腕を振り降ろし。
猛毒を持つ蛇の王バジリスクと、濃硫酸のような体を持つに至ったスライムが足元からにじり寄り。
3つ首を持つ地獄の番犬ケルベロスと、ヘルハウンドは速さを武器に、その牙を剥き出しにし。
香の効力があってすら、一刀だけでなく全員がなんらかのダメージを負うような戦闘ばかりだったのだ。
この難易度ならば、BF21に降りてから数ヶ月間でBF22への階段が見つからなかったのも無理はない。
凪達のショップ補正を考慮したゲームバランスなのであろうが、それにしても厳し過ぎる。
詠の言う9種類目の『天使印』をドロップするモンスターなど、このフロアでの戦いを何度も経験している彼女が「妙に強かった敵」と称しているのである。
「茶色くて楕円形でテラテラして、目だけがギョロギョロと大きくて、ああ、嘴も大きかったわ。しかも飛ぶのよね、ソイツ。『天使印』さえなければ、正直二度と戦いたくないかも」
「……なんていうか、それは俺も嫌だなぁ」
それにしても、BF21に足を踏み入れてから結構な時間が経っている。
現状の最深層なので罠探知や索敵に時間を掛けているとはいえ、通常のモンスターであれば1匹くらい遭遇していてもおかしくない。
『天使印』というキーアイテムをドロップすることからも、恐らく9種類目の敵はレアモンスターなのであろう。
とすれば、以前詠達が戦った場所にリポップしている可能性が高い。
そう指摘した一刀が得たものは、音々音の怒りであった。
「うるさいですぞ! お前は大人しく荷物を運んでいればいいのです!」
荷物持ちなのに探索にまで口出しをする一刀は、その役割を担う音々音には非常に不愉快な存在だったのだ。
今回の探索の目的は、BF22への階段探しに『天使印』の取得が追加されている。
もし一刀の言う通りの場所に9種類目の敵がポップしていたならば、そのことを予測出来なかった自分は彼に劣ることになると音々音は考え、イライラしていたのである。
この面子の中では、音々音が一刀と最もタイプが近い。
一刀だってコツを理解し経験さえ積めば罠探知も可能であろうし、索敵は元々得意である。
つまりこのパーティに音々音と入れ替わりで一刀が入っても、それなりにやっていけるということであり、そのことは彼女が一番良く理解していた。
そして音々音が最も尊敬している恋に、自分よりも一刀の方が必要だと思われてしまうことが怖くて仕方なかったのだ。
こうして出来た音々音と一刀の溝は、リポップの確認をしに行くという詠の決定によって、ますます深まっていったのであった。
NAME:G
一刀達に嫌悪感を感じさせるその姿形は、まさに詠の言った通りであった。
楕円形の体には手や触角がないにも関わらず、その動く様はカサカサとしか形容出来ない。
たまに翅音を立てて飛んだ時など、思わず恐慌状態に陥ってしまいそうだ。
だが、いつまでもじっと見ている訳にはいかない。
丁度良い具合にGの居場所は小部屋であり、その中に他のモンスターはいなかった。
強敵を相手に1対多で戦える絶好の機会は見逃せない。
「行くで、華雄」
「応」
先行するのは霞と華雄。
すかさず詠が呪文を唱えてバックアップに走り、恋が空中から攻撃を加えてGを角へと追いやる。
小部屋の中でも戦場が限定された隙に、対角へと移動する一刀達。
音々音が入口を警戒し、月がそれを補助する役割である。
Gがリポップしていたことで、いよいよ一刀に対する敵意を隠さなくなった音々音の傍に行くのも彼女の集中力を欠いてしまうことになるし、かといって前線では間違いなく邪魔になる。
LVが足りないのもそうだが、なにしろ場所が角なので前2人+空1人で前衛枠が一杯なのだ。
仕方なく観戦することにした一刀。
集中力だけは切らさないようにという自己への注意は、しかしあっという間にどこかへ行ってしまった。
それだけ彼女達の戦闘は、凄まじかったのである。
人間離れした膂力で斧を振り回す華雄。
その攻撃は空振りこそ多かったものの、一撃の威力は目を見張るものがある。
だがそれだけであれば、一刀は我を忘れるくらい夢中にはならない。
華雄の空振りの後には必ず霞か恋が強攻撃を当てている、つまり彼女の空振りは敵を誘導しているのだということに、一刀は気付いたのである。
誰よりも武を極めることに重きを置いている彼女は、決して猪武者ではないのだ。
人間離れした速度で偃月刀を振り回す霞。
華雄が1撃打つ間に3撃は放っているだろうその攻撃は、確実にGの体を削っていく。
これまで霞の戦闘をじっくりと見る機会のなかった一刀だったが、それでも分かることはある。
それは彼女の人知を超えたスピードが、真桜の手によって武器強化されてから顕著になったということだ。
少なくとも以前の1.5倍は上がった攻撃速度により、パーティ戦力が乗算で上がっていることは言うまでもない。
その2人ですら一般人に見える程、人間離れしている恋。
彼女がいるだけで、Gは飛ぶという選択肢を取れない。
それは、飛行系モンスターがただの雑魚モンスターになったということに等しい。
彼女程の武を持つ人間に頭上を取られた以上、モンスターに残されている未来は死のみである。
GのNAMEが先程黄色になったかと思えば、早くも赤に変わった。
「妙に強い」という言葉に反するようではあるが、場所といい香といい、戦闘条件は最高に近い。
そのことを考えれば、あっさり勝てて当然だと言えよう。
そう思ったのは、一刀だけではなかった。
前回に比べて楽勝過ぎたのであろうか、それとも新たな武器の威力に奢ってしまったのか、まさかの霞まで気を抜いてしまったのだ。
最も手数の多かった霞の隙、それはGにとって最後の力を振り絞る絶好の機会であった。
Gは突然その身を震わせ、テカり輝くミニGを次々と産み出した。
華雄の斧がGに止めを刺す瞬間までに排出したその数、実に30匹。
それらが、Gの消滅と共に一斉に爆発したのである。
至近距離にいた前衛3人と傍にいた詠がそれに巻き込まれ、即死こそしなかったものの一見して重傷だと分かる傷を負ってしまった。
回復薬と傷薬が別であることからも分かるように、短剣飾りはあくまでHPを回復させる効果を持つアイテムである。
従って回復させても傷そのものを塞がなければHPは減っていくし、千切れかけた手足がくっつく効果もない。
唯一の救いは、月に水系統5番目の呪文『再生の滴』が使えることだ。
短剣飾りで4人のHPを確保しつつ80Pという月の全MPの9割以上を4連続で使用する必要はあるが、HP全快効果のある銀の短剣飾りもMP回復効果のある黄銅の短剣飾りもそれなりの量を持っている以上、達成可能な条件である。
それはこの場で行ってもいいし、大事を取るなら丁度小部屋にいるのだから『帰還香』を使用してもよい。
爆発とは対角上だったために荷物が巻き込まれなかったことも、幸いだったであろう。
だが、その幸運を喜ぶにはまだ早い。
なぜなら先程の爆発音によって引き寄せられたモンスターの足音が、一刀達のいる部屋へと近付いてきたからであった。
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NAME:一刀【加護神:呂尚】
LV:18
HP:305/288(+27)
MP:0/0
WG:100/100
EXP:4023/4750
称号:エアーズラバー
パーティメンバー:一刀、月、詠、恋、音々音、華雄、霞
パーティ名称:チートバッカーズ
パーティ効果:近接攻撃力+40
STR:24(+4)
DEX:36(+12)
VIT:22(+4)
AGI:28(+6)
INT:22(+2)
MND:17(+2)
CHR:27(+2)
武器:アサシンダガー
防具:スパルタンバックラー、避弾の額当て、大極道衣・改、鬼のミトン、マーシャルズボン、ダッシュシューズ
アクセサリー:猫の首輪、万能ベルト、蝙蝠のマント、回避の腕輪、グレイズの指輪
近接攻撃力:134(+17)
近接命中率:85(+10)
物理防御力:118
物理回避力:89(+18)
【武器スキル】
デスシザー:格下の獣人系モンスターを1撃で倒せる。
インフィニティペイン:2~4回攻撃で敵にダメージを与える。
【加護スキル】
魚釣り:魚が釣れる。
魚群探知:魚の居場所がわかる。
所持金:22貫