前書きお手玉の中身です。今回前書きと言う形で注意が一つあります。それは、アスカ君に弱体化してもらいました。流石に腕がちぎれて生えてくるなんてトカゲじゃあるまいしと作者が思ってしまったので・・・チートボディそのものは変わりませんが彼は一応人類なので怪我の直りが早くなっても吹き飛んだ体が再生することはないです。一応前話の微修正も行っておいたので気になるようでしたらご確認ください。では、これより本編をお楽しみください。----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------かぐや姫観光ツアー真っ只中のアスカです。潜入とはそもそも潜入先の見取り図や警備状況、目標の位置などを調べ、綿密な計画を立てて行う高度な技術です。それを行き当たりばったり潜入して見せた俺は流石俺と自画自賛してみます。・・・・・・・・・はい、うそです。警備に見つかりそうになってでたらめに逃げたら見事に道に迷いました。この歳になってまさか人の家(屋敷)で迷子になろうとは・・・・・・・・・軽く凹んでしまいました。段坊流箱が無ければ今頃どうなっていたことやら・・・。とは言うもののいつまでも凹んで入られません、目標達成のために今は進むとしましょう。・・・青年潜入中・・・・・・・・・一方その頃<???>「ひま」「姫様、暇なのでしたら歌留多などいかがでしょうか?」「やだ」「そ、そうですか」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」その屋敷の中では一際広い部屋の中、長い黒髪を携えた美しくも神秘的な少女が目の前の女中に向かい、さらに言葉を続けた「ひま」「姫様、でしたら歌を詠むのはいかがでしょうか?」「やだ」「そ、そうですか」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」女中が哀れである。姫様と呼ばれる美しい少女は特に怒っているなどという雰囲気ではなく、本当に暇でしょうがないというようなため息までついている。その姿は少女の美しさと併せ、絵に残しておきたいほどのではあるが、女中にとっては役立たずと言われているようで居たたまれなくなってきていた。「はぁ・・・、ひま」「姫様、でしたらお菓子を持ってきますね」「っそ」「はい、いって参ります」再び姫様からの暇宣言があったため女中は迷うことなくその場から逃げる選択をした。そのままやる気の無い瞳で女中を見送り数分した時、姫の中で何かが切れた。「ひま・・・・・・・・・・・・・・・・・、ひま・・・・・、ひま、ひま暇暇~!!あぁもうやだ、何で私がこんなところにいなくちゃいけないのよ!!毎日毎日、いかにも好色そうな男は寄ってくるは春でもないのに頭に虫の沸いてそうなのは出るわ!!もういや~~~!!」少女は頭を抱え、地団駄をふみながらさらに言い続ける。「だいたいなんで私がこんなところに落とされないといけないのよ!!確かに私も悪戯が少しすぎたかもしれないけど穢れた地上に落とされるなんてどれほどの罪だって言うのよ!!あぁ~もうやだ~!!たすけて~たすけてえ「さっきから騒がしいのはこの部屋か?」っっっ!!だれっ?!」<あすか>びっくりした~・・・道に迷い続けて約10分、もうこうなったら誰でもいいから適当に脅して道案内させようと思ったのが5分前。そして都合のいいことに女の騒ぐ声が少し先の扉から聞こえてきたのでさっそく押し入って脅そうと思ったらこっちがびびってしまった。長い黒髪は頭を振り回したかのようにぼさぼさで着物は地団駄を踏んでいたかのように崩れている。その上、こちらを睨みつけてきた顔は無駄に綺麗だったせいで、あきらかに年下みたいなのにその迫力にひるまされてしまった。あぁ・・・、美人がすごむと怖いってホントだったんだな~と俺が固まっていると目の前の少女は口を開き「だれっ?!」とたずねてきた。「あ~、俺は怪しいものじゃないですよ、ちょっと道に迷っただけの善良な市民ですよ~」「へ~そうなんですか~って誤魔化せると思ってるの」「だめですか?」「だめよ」誤魔化してみようかと適当なことを言ったら普通に切り返されてしまった。しかも心なしかさっきよりも凄みが増したような・・・どうにも誤魔化すことのできないような空気の中、目の前の少女は不機嫌さを隠そうともせずに詰問してきた。「それで、あんた何者?」「え~と、名前は田吾作「なんですって?」はい、アスカです」「よろしい、それで、ここに来た目的は?」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」俺は少女からの質問に答えずにまずは冷静に考えることにした。そもそも師匠の睨みに比べれば目の前の少女は象と蟻ほどの差があるようなものだったからだ。(な~んで俺こんな少女に詰問されてんだろ、普通に考えればさっさと捕まえればいいんだよな?しかし今更そんなことしたら空気読め無すぎる人だしな~)「ちょっとあなた、人の話を聞いてるの、返事をしなさい」「ん?あぁ」「よろしい、もう一度聞いてあげるからきちんと答えるのよ。あなたがここに来た目的は?」「あ~、それなんだが一つ提案がある」「なによ!聞いてるのはこっちよ?!」俺はとっさに思いついたアイデアを提案しようと思い返事をしたがどうにも少女は気に入らないらしく不機嫌の度合いを深めていった。「まぁまぁ聞いてくれよ、あんた「あんたじゃないは『姫』もしくは『姫様』と呼びなさい!」了解。姫様は俺に聞きたいことがあるように俺も姫様に聞きたいことがある。」「だから?なによ?」「だからなお互いに一回ずつ質問をしていくことにしないか?姫様はさっき俺に名前を聞いただろ?そしたら次は俺が質問をする番じゃないか?」「ふ~ん、でもさっきまでそんな決め事無かったからそれは無効よ。でも、それは面白そうね。いいわ、暇つぶしに付き合ってあげる」「それはありがたい、では姫様から改めてご質問をどうぞ」「ふふん、では改めて聞くは、あなたがここに来た目的は?」少女は俺からの提案を聞くやさっきまでの不機嫌さを一転させ喜色の笑みを浮かべながら改めて質問してきた。「(よっぽど暇だったのか)あ~俺の目的だったよな?俺の目的は巷で有名なかぐや姫を見物することだ」「へぇ~見物ね~、求婚や謁見じゃなくて見物目的でここまで来るなんて物好きなものね~。それじゃあ次はね「おっと、次は俺の番じゃなかったかな?」とと、そうだったわね質問をどうぞ」「よしそれじゃあな、名前を教えてもらっていいか?一回一回様付けで呼ぶのはどうもな」そうやって俺が苦笑いをしながら質問を返すと、少女はキョトンとした後にニンマリと笑顔を作り、胸を張り偉そうに告げた。「輝夜、『蓬莱山 輝夜』が私の名前よ」少女もとい輝夜は驚いて目が点になっている状態の俺を見て楽しそうにころころと笑った。「あ~面白い、次は私の質問の番ね、アスカはどうやってここまで来たの?結構警備は厳重だったはずだけど?」「あぁ、それはこいつのおかげだ」「何それ?箱?」「これは段坊流箱だ、こいつのおかげで俺はここまで無事にたどり着けた」「へぇ~こんな箱でね~」不思議そうに段坊流箱を眺める輝夜を見ながら俺は、このお転婆が輝夜姫?いいのか竹取物語?!とか失礼なことを考えていた。しかしそう思うのもしょうがないだろう、初対面ではいきなり睨まれる上に詰問されるし、少女とは思えないような凄みでこっちをひるませてくるし。「ねぇ、次はアスカが質問する番だけど」「ん?あぁそうだな質問質問っと・・・」・・・・・・・・・あれ?輝夜姫見たなら俺の目的達成してないか?「え~っと、質問・・・無い・・・」「っは?」「だからな、俺の目的は輝夜姫の見物、それが達成された今はもう帰るだけなんだが」「ちょっと、それは無いでしょう、せっかく面白くなってきたのに」「いやしかしなぁ~」<輝夜視点>冗談ではない。目の前の男は久しぶりに私を楽しませてくれる存在だった。それがもういなくなってしまうと、冗談ではなかった。ならどうするべきか私は一瞬のうちに考え上げ目の前の男もといアスカに宣言してやった。「いいわ、それならアスカは今日、今このときから私の遊び係よ!光栄に思いなさい!」「っへ?」アスカが固まっているのを尻目に私はその横を通り過ぎ扉から人を呼んだ。「だれか~!誰かいないの~!」「はいはい、姫様、お菓子の準備ならもう少しでできますよ」「それはもういいわ。それよりもこの男、今日から私の遊び係にしたから適当な部屋で休ませといて」「は?姫様?っへ?だ、誰ですかこの人?!姫様~!姫様~~?!」寝所へ進む私には馴染みの女中が混乱の声を上げているのを尻目に弾みそうになる心を抑えるのがやっとだった。あぁ、退屈な日々よさようなら。そしてようこそ、楽しく愉快な毎日。----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------後書にして次回予告はい、前書きから引き続きお手玉の中身です。やっと原作キャラに登場してもらえました。ここまで長かった・・・やはり二次SSを書いてるとこうやって原作キャラを使うのが楽しいですね。さて今回は次回予告も付けれる余裕ぶりと言うのもこの時代背景でこの子を出したら若かりし頃のあの子にも出会う必要があると既に次の話の構想が固まってるからです。そんな訳で次回「あの頃は焼き鳥屋も若かった」*予告だけでタイトルは変更するつもりです。