<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.10620の一覧
[0] がんばって今日を生き残る(現実→東方Project 転生物)[お手玉の中身](2009/08/30 22:29)
[1] 実は名前が時代だったりする[お手玉の中身](2009/07/28 22:56)
[2] 主人公に命の危機は付き物だろうと思った今日この頃[お手玉の中身](2009/07/28 23:09)
[3] 気づけば主人公名前が2話以降出てなかった(今回も…)[お手玉の中身](2009/07/29 18:06)
[4] ある意味さらわれた主人公[お手玉の中身](2009/07/29 18:21)
[5] ここまでが多分プロローグ(でも作者に自覚はない)[お手玉の中身](2009/07/29 23:23)
[6] やっと本編、原作が見えてきた今日この頃[お手玉の中身](2009/08/01 19:16)
[7] やっと登場原作キャラ。そして段坊流箱の意外な人気[お手玉の中身](2009/07/30 09:32)
[8] 竹取物語の登場人物なんて輝夜と帝ぐらいしか覚えてないよ[お手玉の中身](2009/07/30 19:25)
[9] 神隠しの主犯も若さ故の過ちを犯す[お手玉の中身](2009/07/31 08:25)
[10] 八雲の姓をいつ付けるかそこに悩む作者がいた[お手玉の中身](2009/07/31 18:14)
[11] 竹取物語終了のお知らせ(そういえば翁を出さなかった)[お手玉の中身](2009/07/31 20:44)
[12] 今回は外伝(ゆゆ様をどうするか決めないと)[お手玉の中身](2009/09/15 01:02)
[13] このSSが何年の設定か作者も結構考えて作ってる[お手玉の中身](2009/08/01 13:52)
[14] 勇儀との決着、そして再会(ちょっと短いか)[お手玉の中身](2009/08/01 22:27)
[15] 今回はいい話?(短く感じたら申し訳ない)[お手玉の中身](2009/08/02 09:03)
[16] お約束の塊再来、これが彼女のコートの原点[お手玉の中身](2009/08/02 19:37)
[17] 数百年の時を越えさせようと海外旅行(短い気が・・・)[お手玉の中身](2009/08/02 20:24)
[18] かなり無理やり時間をスキップ、そしてガチバトル開始(短いな~orz)[お手玉の中身](2009/08/03 10:14)
[19] 勝負の行方に懐かしい顔、そして友は今[お手玉の中身](2009/08/03 19:17)
[20] おめでとう白狼A、そして田吾作さんのためになる話[お手玉の中身](2009/08/04 03:40)
[21] 宴の中心で自らの名を呼べと叫ぶ少女[お手玉の中身](2009/08/05 05:27)
[22] ねぇ、なんで○○は空で回るん??(あ○まん○大○より)[お手玉の中身](2009/08/05 05:47)
[23] 最強の妖怪現る、そして最弱の妖怪も[お手玉の中身](2009/08/05 18:22)
[24] 最強はやはり強かった。そして、新しいトラウマ[お手玉の中身](2009/08/06 20:30)
[25] 田吾作の仕事は素晴らしい。こいつこんなキャラだっけ?[お手玉の中身](2009/08/07 09:58)
[26] そろそろ懐かしいキャラを出すべきかと考える作者がいた[お手玉の中身](2009/08/07 10:19)
[27] やつは帰ってきた、春からの逃走[お手玉の中身](2009/08/12 12:07)
[28] 田吾作の暗躍が未来を変える[お手玉の中身](2009/08/12 12:28)
[29] 誰にも期待されていなかった再会[お手玉の中身](2009/08/13 19:15)
[30] 今回は田吾作の話を伏線にしてみた[お手玉の中身](2009/08/13 19:28)
[31] 永遠の別れ[お手玉の中身](2009/08/14 17:09)
[32] 祈るなら神ではなく竜神様に[お手玉の中身](2009/08/15 09:51)
[33] 藍様危機一髪ノ巻[お手玉の中身](2009/08/16 09:19)
[34] 復活の黒いの・・・いや、射命丸文!![お手玉の中身](2009/08/16 09:22)
[35] この時はまだ屋台を持ってないはず・・・多分・・・[お手玉の中身](2009/08/17 19:14)
[36] 夜雀の喜劇。それに同情するは烏天狗か門番か?[お手玉の中身](2009/08/17 19:23)
[37] 妖精登場・・・伝説の道具の一部が帰ってきた!![お手玉の中身](2009/08/18 09:45)
[38] 藍様の喜劇。焼き鳥屋と先生の人気にお手玉の中身が嫉妬[お手玉の中身](2009/08/19 08:54)
[39] パニックホラーがリアル化するとかなり怖い(今回は短め)[お手玉の中身](2009/08/22 08:55)
[40] 残酷物語と緩和用のロマンス[お手玉の中身](2009/08/22 08:54)
[41] 今後百年の無料奉仕が決定しました[お手玉の中身](2009/08/22 08:54)
[42] 今日のお手玉の中身は悪いお手玉の中身です[お手玉の中身](2009/08/22 08:52)
[43] 空を飛ぶのに必要なもの・・・それは度胸[お手玉の中身](2009/08/22 09:00)
[44] 夏の花見・・・・・・皆さんは何処だかお分かりですよねww[お手玉の中身](2009/08/22 09:47)
[45] 最強への挑戦[お手玉の中身](2009/08/22 19:33)
[46] 竹林突入!お手玉の中身は今真っ黒です[お手玉の中身](2009/08/23 19:19)
[47] 輝夜、再会(田吾作さんがミスった日)[お手玉の中身](2009/08/24 11:38)
[48] そろそろ大結界を張るかな~と考え出した作者がいる[お手玉の中身](2009/08/24 11:47)
[49] 超必殺技伝授(ただし一回きり)[お手玉の中身](2009/08/24 20:27)
[50] 注意:最終回じゃありません[お手玉の中身](2009/08/25 12:26)
[51] 主人公不在の日々[お手玉の中身](2009/08/26 09:34)
[52] この廃村が現実にあったら怖すぎる[お手玉の中身](2009/08/26 19:35)
[53] ゆゆ様の腹黒計画『幽霊移民計画』[お手玉の中身](2009/08/27 20:27)
[54] 今回のおまけ話は何と三話[お手玉の中身](2009/08/28 20:29)
[55] 鈴仙の名前はこうして四つになった[お手玉の中身](2009/08/30 22:29)
[56] 主人公に使わせるスペカのイメージが固まらないorz[お手玉の中身](2009/08/31 19:10)
[57] 普通の魔法使いも昔は幼かった[お手玉の中身](2009/08/31 19:11)
[58] 戦いの組み合わせに悩む作者がいた[お手玉の中身](2009/09/01 20:57)
[59] 茜VS美鈴+才&塁VSメイド部隊[お手玉の中身](2009/09/02 21:03)
[60] 田吾作の技名で2Pが思い浮かぶのは作者だけじゃないはず[お手玉の中身](2009/09/03 21:09)
[61] 田吾作のチート能力[お手玉の中身](2009/09/11 01:59)
[62] 戦闘時に運命操作なんて・・・無粋すぎるよね?[お手玉の中身](2009/09/11 02:14)
[63] 予想以上に田吾作がカッコヨクなっていく・・・(レミリアの台詞を加筆)[お手玉の中身](2009/09/15 01:03)
[64] 異変が終わったら、新キャラでも作ろうかと考える作者がいた[お手玉の中身](2009/09/15 01:18)
[65] 家庭教師、田吾作先生の誕生[お手玉の中身](2009/09/17 03:39)
[66] お手玉の中身はやや無謀な挑戦をしようとしてるようです(後書き部分に追記)[お手玉の中身](2009/09/19 02:59)
[67] トラウマが植えられたのは咲夜ではなく・・・・・・[お手玉の中身](2009/10/08 00:28)
[68] いざ、竹林へ・・・・・・そして、おまけにはあの方が![お手玉の中身](2009/10/12 20:28)
[69] Q.竹林の罠は誰が作りましたか? A.全部長老の作品です[お手玉の中身](2009/10/18 18:21)
[70] 鈴仙に二つ名『新参ホイホイ』が付きましたw[お手玉の中身](2009/11/06 00:26)
[71] 作者すら忘れていた懐かしすぎる遊び(黒陽の体力を修正)[お手玉の中身](2009/12/28 00:27)
[72] 真の勝者は戦わずして勝った[お手玉の中身](2010/01/06 08:07)
[73] お手玉の中身は大変な勘違いを犯していました[お手玉の中身](2010/01/06 08:08)
[75] ここまで待っていてくださった方に本気で感謝です[お手玉の中身](2011/08/08 22:31)
[76] 前回分のおまけです・・・そしてとっても短い[お手玉の中身](2011/08/10 22:37)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[10620] 鈴仙の名前はこうして四つになった
Name: お手玉の中身◆f5af0e97 ID:f45cd999 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/08/30 22:29
「そこか!!」
「っひゃ!!!」

っち、また逃げられた。
アレから数十分、最初に攻撃してきたのは奴だというのにアレ以降ずっと逃げ回られている。
右腕のほうは応急処置をすることで動かせる様にはなったものの全力は出せない・・・まぁそのお陰で空気弾は最初の一発以外、手加減して撃てる様になった。
ただ、その手加減のせいかは知らないが気配を辿って攻撃を続けているのに延々と逃げられてしまう。
尋問できるように生かして置きたかったのだがこのままでは埒が明かない。
仕方が無い。
俺はそうやって内心嘆息すると考えたことを実行するため声に出して呟いた。

「殺すか・・・」

誰にも聴かれる事の無い呟きは奴にも届いたようだ。
逃げる奴の気配の中に更に怯えが含まれた。
俺は先ほどまでとは違う意味で、殺すつもりで敵を追いかけ始めた。


<玉兎>

「殺すか・・・」

身の毛がよだった。
なんだあの化け物は?
今までのが手加減?
ここからは殺しにかかる??
何を言ってるのかが理解できない。
いやだ・・・・・・・・・・・・・・・いやだ・・・・・・いやだ、いやだ!!
いやだ死にたくない!!!
気付けば私は化け物の前に飛び出し、弾丸を撃ち放っていた。


<アスカ>

目の前に突然飛び出し其処から攻撃を撃ち続ける兎妖怪が一匹。
しかし、最初の不意打ちのように狙い済ました攻撃ではなく出鱈目に撃って来る上に姿を見せての攻撃が見切れる見切れないはずも無く、
攻撃の雨を掻い潜りながら兎妖怪の懐まで一気に駆け込んだ。
兎妖怪はその顔を引きつらせ怯えと涙を浮かべた目でこちらの姿を追ってくるが今更逃げられるはずも無い。
折角姿を見せてくれたんだ・・・

「とりあえず・・・」

簡単には殺さない。

「半殺しだな」
「げへっ?!」

懐に飛び込んだ勢いでそのまま兎妖怪の腹に手加減した拳を叩き込むと兎妖怪は体をくの字に曲げて喘ぎながらその場に倒れた。
倒れた兎妖怪は殴られた箇所、腹を押さえながら喘ぎもがいている。
そこでやっと気付いたのだが、こいつは今まで見てきた兎妖怪とは少し毛色が違うようだ。
俺に攻撃を仕掛けてくる時点でそれも当然なのだが、他の兎妖怪に比べて随分と小奇麗だ・・・ネクタイまでしてるし。
まぁ、この場では何の関係も無いのだが。
自分のどうでもいい考えを其処で打ち切ると目の前でいつまでも寝ている兎妖怪の長い髪を掴み無理やり引き起こす。
兎妖怪は小さな悲鳴を上げたが知ったことではない。

「おい、いきなり攻撃とは穏やかじゃないが・・・どういうつもりだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

奴はびくつくだけで何も答えない。
俺はそのまま奴の頭を床に一度、二度、三度と床に叩きつけもう一度引き起こすと同じ質問を繰り返した。

「もう一度聞くぞ。
どういうつもりで攻撃しやがった?
「あ・・・・・・う・・・あ・・・・・・」

ダメか・・・
完全に恐慌を起こしているようでまともに話が出来そうにない。
俺は奴を床に投げ捨てるとさっさと始末するために頭を踏み抜こうと足を持ち上げ。
振り下ろそうとした時

「ちょっと待った~?!?!」

見知った声が響いた。
声が響いてきた方向に眼を向けると其処には急いでいたのか肩で息をしているてゐが居た。
てゐは慌てた様子で奴に近づくと心配そうに声を掛け始めた。

「鈴仙、聞こえる?しっかりして、鈴仙」
「・・・てゐ?もしかして知り合いか?」
「知り合いって言うか一応、永遠亭の仲間だよ。
アスカこそいきなり何やってんのさ?!」
「いや、いきなり攻撃されたもんだから・・・つい」
「・・・・・・そりゃ鈴仙が悪いわ」

てゐは心配そうに兎妖怪を抱えながら頬を叩いていたが俺からの返答を聞くと呆れた顔を向けた。
しかし、永遠亭の兎だったとは・・・・・・殺す前にてゐが現れてくれてよかった。
見てみればてゐの登場に安心したのか兎妖怪は完全に気を失っている。
するとてゐは兎妖怪をその場に寝かせるとこちらに振り向き口を開いた。

「どうやら鈴仙も大した事なさそうだし・・・とりあえずはいらっしゃい。アスカ」
「半ば不法侵入ながらにお邪魔してます」
「犯罪者だね~」
「犯罪者言うな」
「うっさっさっさっ、それはともかく今まで如何してたのさ。
姫様たち心配してたよ?」
「ま~ちょっと野暮用でな」
「ふ~ん、まぁいっか。
この子、『鈴仙』って言うんだけど其処の部屋に運んどいてもらえるかな。
あたしは姫様たち呼んでくるから」
「ん、了解」
「変な事しちゃだめだよ」
「するか!」
「うっさっさっさっ・・・じゃ、また後でね~」

てゐは人の事をそうやってからかうとそのまま走り去ってしまった。
去り際になんてとんでもない事を・・・・・・
俺は懐かしさの混ざったため息を一つ吐くと兎妖怪、もとい鈴仙を担ぎ上げ部屋の奥へ運んだ。

それから十数分・・・・・・
鈴仙を部屋に寝かした俺は自分の腕の手当てをしなおして永遠亭の前で輝夜たちの到着を待っていた。
手当てのお陰でほぼ完治状態まで持っていけたのは嬉しいのだが・・・自分の薬の効き目が恐ろしくなってきた。
それにしても、妹紅達の時もそうだったが久しぶりに会うとなるとなんと言うべきか迷ってしまう。
そんなことを考えていると竹林の影から人影が見え出した。
まず慌てたように飛び出してきたのは輝夜。その後ろからはゆっくりとした足取りで永琳とてゐ、その他の兎妖怪達がやってきた。
輝夜は人の顔を見るなりこちらに飛びつき胸倉を掴みあげてきた。

「ちょ?!かぐy「今まで何処行ってたのよ!!」・・・・・・」
「じ、じんぱいじだんだから~。
うぇ~~んえんえん」

まさか泣き付かれるとは思わなかった。
そう思い、輝夜を宥めていると今度は永琳が声を掛けてきた。

「お久しぶりね、アスカさん」
「だな、元気そうでなによりだ。
なんか心配かけたみたいだが・・・・・・悪かったな」
「ふふふ・・・、いいですよ。こうやってまた姫様に会いに来てくれたんですから」
「あんがとな。ほれ、輝夜。
いい加減離れてくれ」
「・・・・・・うん」

泣き止んだ輝夜にそう声を掛けると輝夜は一歩下がるようにして離れてくれた。
そうして輝夜、永琳、てゐの三人としばしの雑談を交わすと次の目的地へ行くために別れを告げた。
ちなみにある程度離れてから輝夜の悲鳴が聞こえたような気がするがそんな事は無いはずだ。



「相変わらず綺麗なところだな・・・・・・そうは思わないか?」
「全くね。此処はいつも変わらぬ美しさを見せてくれたのに全然見に来なかった誰かさん損してるわね」
「全くだな」

迷いの竹林を抜け、次にやってきたのは太陽の畑。
夏場ということもあり咲き乱れる向日葵の美しさに目を奪われていると懐かしい気配を感じたので、そのまま声を掛けてしまった。
返事を返してきたのは長い緑の髪に日傘を差した最強の妖怪、風見幽香。
幽香はこちらへ近づきながら更に言葉を続けた。

「本当に久しぶりね。今まで全然来なかったけど、何をしてたの?」
「ちょっと野暮用でね・・・・・・軽く酷い目にあってたよ」
「あらあら・・・、ところで折角久しぶりなんだし・・・・・・」
「なら場所を移そうか」
「勿論よ♪」

俺からの返事に満足そうな笑みと言葉を返す幽香。
しかし、伝わってくる気配はそんな穏やかな物じゃなかった。
太陽の畑からそこそこに離れるとお互いに距離を保って身構えた。
そこで幽香がこちらの右腕を見ながら口を開いてきた。

「あら、あなた・・・怪我をしてるの?」
「ん?これか?
まぁさっき不意打ちを食らってな。もう治ってるから大丈夫」
「そう・・・それは良かったわ。
全力じゃないと楽しめないもの
「あぁ・・・、全くだ

動き始めたのはどちらが始めだったか。
もしかしたら同時だったかもしれない。
お互いに一気に距離を詰めると攻撃を始めた。
今なら分かる。
幽香が何処に攻撃しようとしているのかが。
やっと・・・・・・やっと此処まで追いつけた!

「っらぁ~!!」
「はぁ!!」

ただ右の拳を振りぬく。
それを幽香が傘で払おうとするのが分かる。
ならその隙を突いて蹴り穿とう。
しかし幽香はそれを予想していたのか身体を捻りながら逆に蹴り返してきた。
それを残していた左腕で防ぐとその勢いに身を任せてそのまま後方へと飛ばされる。
後ろに撥ね飛ばされた勢いを利用して身体を起こしなおすと既にこちらを追いかけ日傘を突き刺さんと構えている幽香の姿が。
突き出された日傘に頬を裂かれながらもそれをかわし幽香の懐へ。
幽香の懐深くへ潜り込み、震脚を踏みしめ、ふと目線を幽香に送ってみれば幽香の顔は驚きに染まっていた。
この一瞬・・・たった一瞬なれど幽香を越えた!!
その躍る心のままに握りこんだ拳を前へと解き放った。

「おらぁ!」

確実な当たり。
幽香は後ろへずり下がり膝をついている。
以前のような誘いではなく間違いなく俺が狙い当てた一撃だった。
しかし、当然ながらそれで倒れるほど幽香は優しくなかった。
幽香はその場で立ち直すと顔を少しだけ歪めながら口を開いた。

「っつ~・・・・・・女性に手を上げるなんて酷い人ね」
「今更それを言うか」
「それもそうだったわ。
・・・・・・随分と強くなったのね」
「どっかの誰かさんに勝ちたくなったからな」
「そう・・・・・・でも、今はまだ負けてなさい!!」
「冗談!今日こそは勝たせてもらう!!!」

言葉を皮切りに再び始まる戦い。
幽香からの攻撃をかわしながら殴り返す。
殴られた幽香はそんな事気にしないかのように日傘を振るう。
殴っては殴られ、蹴っては蹴られ、避けていては攻撃はかなわず、受け流すことで反撃に繋がる。
余裕の欠片もないのにそんなやり取りがとても楽しかった。
一撃一撃が相殺しあうたびにお互いに笑みが浮かび口からは笑い声が漏れる。
しかし、気付いてみればお互いにぼろぼろとなり体力なんてほとんど残っていない。
そうして二人同時にはじかれる様にして後ろへ飛び下がった。

「くくっ・・・」
「ふふっ・・・」

お互いの口から更に笑い声が漏れる。
楽しい時間もいよいよ幕を下ろすとき。

「それじゃあ・・・」
「えぇ、そろそろ・・・」
「「決着を付けるか(ましょうか)!!!」」

幽香は日傘の先端を此方へ向け、俺は残りの力を振り絞って右手に空気を圧縮した。
そして・・・・・・・

「食らえ~!!」
「食らいなさい!!」

同時にお互いの力を打ち放った。
そして視界は白く染まり俺の意識も其処で途絶えた。

<おまけ>

鈴仙、目覚めの時

「っは?!此処は!あの化け物は!!」
「落ち着け鈴仙。此処は永遠亭でお前と戦ってたアスカはもう帰ったよ」
「そ、そうなの?・・・っつ、いててて・・・・・・」
「まだ無理すんじゃないわようどんげ。何をどうやったのか知らないけど骨が何本か折れてるんだから」
「し、師匠・・・・・・そうだ、あの化け物は!化け物は何処に!!」
「化け物化け物って・・・私達が来た時はあなたとアスカしかいなかったわよ」
「姫様、だったらそのアスカが化け物ですよ!早く逃げないと」
「落ち着け鈴仙。アスカならもう帰ったし、アスカは人間だから化け物じゃないよ」
「そうようどんげ。それよりもあなたには傷を早く治してもらわないと」
「っへ?」
「永遠亭を此処まで壊しといて・・・ちゃんと直しなさいよイナバ」
「ちょ?!それは化け物が・・・」
「アスカは人間なんだからあんな真似できる訳ないでしょ。消去法でイナバしかいないのよ」
「それなら私はただの人間にやられたんですか?」
「まぁそういうことね。強いとは思ってたけど予想以上だったてだけで」
「師匠~それはあんまりですよ~」
「ほらほろ、泣いてる暇があったら早く寝なよ鈴仙」
「てゐ~。てゐは信じてくれるよね~」
「・・・・・・ごめん鈴仙。アスカの体格からあんなことが出来るとはちょっと・・・・・・」
「そんな~」
「っあ、そうそう。そのアスカから伝言で鈴仙の名前は今日から『ゲレゲレ』ね」
「繋げるとゲレゲレ=鈴仙=優曇華院=因幡ね」
「よろしくなゲレゲレイセン」
「な、な、な、なんですかそれ~~~~~~?!?!」


哀れな玉兎の悲劇 パートⅡ
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
後書+次回予告

どうも、お手玉の中身です。
夏の暑さにテンション下がりまくってます。
それはそうと、もうじき美鈴以外の紅魔勢が出る話の骨組みを組み始めたんですが、
本作では咲夜さんを月人設定とさせてもらいます。
あの人、出身不明すぎて設定の困るよorz
とりあえずはそんな感じで・・・

次回予告です!
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ゲレゲレです。あまりにも酷い名前に負けそうです。

目が覚めたなら小屋の中
太陽の畑は今日も平和
疲れた身体を癒すため
家路を急ぐと其処で再会が

次 回
 「あだ名の犠牲者は後どれだけ増えることやら・・・」
               ゲレゲレイセン、ちゃんとやってて感心感心 by.てゐ


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.045299053192139